AIへの指示が伝わらない原因と直し方|見本を1枚渡す
「同じ頼み方をしているのに、AIから出てくるものが毎回ちがう」——条件を1行ずつ足しているのに仕上がりが揃わないとき、多くの人はまず自分の指示の書き方を疑います。
結論から言うと、そこで指示文を足すのはたいてい効きません。効くのは言葉を増やすことではなく、完成形を1つ見せることです。そのうえで、見本を渡しても伝わらない箇所は必ず残るので、そこは説明で直そうとせず後工程で毎回機械的に直します。
株式会社Fyveは、中小企業や個人事業主のAI活用を支援しています。私自身、記事に載せるカバー画像や説明図解をAIで日常的に量産しており、本記事ではそこで実際に効いた手順と、効かなかった手順を実測値つきで共有します。
なぜ指示文を足しても、AIの出力は揃わないのか
まず症状の整理から始めます。AIに何かを作らせていて出力がブレるとき、ほとんどの人は同じ道をたどります。
条件を足すほど指示文は長くなり、それでも揃わない
1回目の出力を見て「思っていたのと違う」と感じる。そこで「もっとシンプルに」と1行足す。2回目は少しマシになるが、今度は別の場所が崩れる。そこで「文字は上に寄せて」と足す。3回目で文字は上に寄ったが、色の印象が変わっている。
これを繰り返すと、指示文はどんどん長くなります。私も同じことをやっていました。気づけば1つの画像を作らせるための指示が十数行になり、それでも出てくるものは毎回ちがう。しかも指示が長くなるほど、どの1行が効いていてどの1行が無視されているのかが分からなくなります。
ここで重要なのは、「指示が下手だから伝わらない」という前提そのものを疑うことです。伝わらない原因は書き方ではなく、伝えようとしている情報の種類にあります。
言葉にできる要求と、言葉にできない要求がある
AIへの要求は、大きく2種類に分かれます。言葉にした瞬間に一意に決まるものと、言葉にすると必ず解釈の幅が生まれるものです。
言葉で正確に伝わるもの | 言葉にすると必ずブレるもの |
|---|---|
入れる文言そのもの(「見積無料」の6文字) | 文字の置き方・大きさの釣り合い |
入れる/入れないの指定(ロゴを消す) | 「余白は広めに」「ゆったりと」 |
個数(項目は3つ) | 要素同士の間隔の取り方 |
色の名前や指定値 | 「上品に」「今っぽく」「シンプルに」 |
縦横の比率 | 全体の構図・視線の流れ |
右の列は、言葉を足しても解像度が上がりません。「余白は広めに」を「余白はかなり広めに」に書き換えても、受け取る側の基準が変わるだけで、こちらの頭の中にある正解には近づかないからです。
そして厄介なことに、仕上がりの印象を決めているのは、たいてい右の列です。私たちが「なんか違う」と感じるとき、違っているのは文言ではなく釣り合いや間隔のほうです。だから言葉を足す作業は、いちばん効かない場所に労力を集中させていることになります。
言葉を足すと、解釈の幅も一緒に増える
もう1つ、指示文を長くすることには副作用があります。条件が増えるほど、条件同士がぶつかる確率が上がることです。
「余白は広めに」と「情報はしっかり詰めて」を同時に書けば、この2つは正面から衝突します。人間の外注先なら「どちらを優先しますか」と聞いてきますが、AIは聞き返さずにどちらかを黙って優先します。しかもどちらを捨てたのかは出力を見ても分かりません。「なんとなく違う」という感覚だけが残り、原因の特定に戻れなくなります。
指示文が長くなるほど出力が安定しなくなる、という体感には、こういう構造的な理由があります。
直し方|説明を足すのをやめて、見本を1枚渡す
私がやったのは、指示文を練り直すことではありませんでした。指示文を足すのを一旦やめて、理想に近い実物を1つ用意して渡しただけです。
実際にやったこと
記事のカバー画像を作らせていたときの話です。それまでは毎回、構図や文字の配置を言葉で説明していました。当然のように仕上がりは毎回ちがい、そのたびに手直しをしていました。
そこで、狙っている完成形にいちばん近い画像を1枚用意し、「これを参照して作る」という渡し方に切り替えました。結果として揃ったのは、次のような要素です。
- 構図——どこに何を置くかの全体配置
- 外周の枠——画像を囲む線の入り方
- 文字の組み方——大きさの序列と改行位置
- パネルの配置——情報のかたまりの並べ方
- 日本語の文字6箇所——それぞれ狙った場所に狙った文言で入った
言葉で説明していたときには一度も安定しなかった項目が、見本を1枚渡しただけで揃いました。逆に言えば、それまで私が言葉で伝えようとしていた情報の大半は、そもそも言葉にできない種類のものだったということです。
見本は自作でなくてよい
ここでよくある誤解が「見本を用意できるくらいなら、最初から自分で作れる」というものです。実際には、見本は自分で作ったものである必要はありません。
- 過去に自分が満足した成果物(前回作った資料・去年のチラシ)
- 他社の公開物のうち、構造だけを参考にしたいもの
- まったく別業種の、レイアウトだけが理想に近いもの
- AIに何度も作らせた中で「これは近い」と思った1枚
最後のパターンが実務では一番現実的です。10枚作らせて9枚が外れでも、1枚が近ければその1枚が次からの見本になります。試行錯誤の目的を「正解を出すこと」から「見本を1枚見つけること」に変えると、同じ回数の生成でも成果が残るようになります。
見本と言葉の役割分担を決める
見本を渡すのは、言葉を捨てることではありません。役割を分けるということです。私は次のように使い分けています。
渡し方 | 担当させる情報 | 具体例 |
|---|---|---|
見本(実物) | 形・釣り合い・雰囲気 | 構図、余白の取り方、文字の序列 |
言葉(短く) | 見本との差分 | 「文言はこれに差し替え」「この色だけ変更」 |
言葉(禁止形) | 入れてはいけないもの | 「ロゴは入れない」「人物は出さない」 |
コツは、言葉のほうを「見本と何が違うか」だけに絞ることです。見本で伝わっている部分をわざわざ言葉でも説明すると、そこが衝突の火種になります。実際、私は見本方式に切り替えたとき、それまでの指示文の大半を消しました。残したのは差し替える文言と、入れてほしくないものの指定だけです。
なお、この「禁止形で書く」という考え方は、図解や資料の見た目を整えるときにも同じように効きます。ほしい雰囲気と避けたい表現をセットで固定する方法は、以下の記事で詳しく扱っています。

見本を渡せる場面は、思っているより多い
「見本を渡す」は画像だけの話ではありません。出力の形式が決まっているもの全般に使えます。
- 文章——過去に自分が書いて満足している文章を1本渡し、「この温度感で」と指定する
- 資料——去年の提案書を1部渡し、中身だけ差し替えさせる
- 表・帳票——記入済みのサンプルを1枚渡す(空のフォーマットより効きます)
- メール返信——過去の自分の返信を数本渡す
いずれも共通しているのは、「正解の説明」ではなく「正解そのもの」を1つ渡している点です。説明は解釈を挟みますが、実物は挟みません。
文章・資料で見本方式を使うときの具体手順
画像より難しいのが文章です。文章は「見本を渡す」だけでは足りず、渡し方に少しコツが要ります。ここは私が日常的に一番使っている領域なので、手順を分けて書いておきます。
1本ではなく、同じ人が書いた3本を渡す
画像は1枚が原則ですが、文章は同じ書き手の3本を渡したほうが安定します。1本だとその文章固有の話題や言い回しまで真似てしまい、内容まで引きずられるからです。3本あると、共通しているもの——文の長さ、改行の頻度、断定するかどうか、専門用語をどこまで開くか——だけが残ります。
矛盾する見本を複数渡すと混ざる、という原則は画像と同じです。ここで3本渡してよいのは、同一人物が書いた文章は互いに矛盾しないからです。別々の人が書いた文章を3本渡すと、画像を複数渡したときと同じ崩れ方をします。
「この文章のどこが良いか」は説明しない
つい「テンポが良くて、押しつけがましくない感じで」と補足したくなりますが、これは省いたほうが精度が上がります。自分が言語化した特徴は、たいてい実際に効いている要素とずれているためです。
見本のほうが情報量が多いので、言葉の解説を足すと、むしろ解釈を狭めてしまいます。言葉で足すのは、画像のときと同じく差分と禁止事項だけにします。
資料は「記入済み」を渡す
提案書や報告書のような資料では、空のテンプレートを渡しても効きません。空欄は形式しか伝えないからです。
渡すべきなのは過去に実際に記入して、通った1部です。各項目にどれくらいの分量を書くのか、どの粒度まで踏み込むのか、どこは簡潔に済ませるのか——判断の基準は、埋まっている状態にしか現れません。
社外に出せない情報が含まれる場合は、固有名詞と数字だけを架空のものに差し替えた1部を作り、それを見本用として保管しておくと繰り返し使えます。
見本を渡しても伝わらない箇所は必ず残る|112pxが86pxになった話
ここからが、この記事でいちばん伝えたい部分です。見本方式に切り替えても、全部は伝わりませんでした。
実測|1箇所だけ、何度やっても合わない
見本と生成物を並べて数値で突き合わせたところ、構図も文字組みも枠も再現されている一方で、外周の余白だけが合いませんでした。見本では112ピクセルあった余白が、生成されたものでは86ピクセルになる。26ピクセル足りない状態が、何度作り直しても再現されました。
見た目にはほとんど分からない差です。しかしこの画像は、共有されるときに上下が一定量切り落とされる場所でも使うため、余白が足りないと文字や枠が欠けます。つまり「気にしなければいい差」ではなく、実害のある差でした。
ここで説明を練り直すのは筋が悪い
普通ならここで「余白は112ピクセルにしてください」と書き足したくなります。私も一度やりました。結果は変わりませんでした。理由は3つあります。
- 元々そこは言葉で伝わらない列にある——余白は「言葉にするとブレるもの」の代表格です。見本ですら伝わらなかったものが、言葉で伝わる道理がありません
- 1回直っても再現しない——たまたま合う回はあります。しかし毎回合わなければ運用には乗りません。「たまに成功する手順」は、成功したかどうかを毎回確認する手間を生みます
- 確認コストが本体を上回る——26ピクセルのズレを目視で判定するのは人間には難しく、結局は数値を測ることになります。測るなら、測って直すほうが早い
「もっとうまく説明する方法があるはずだ」と探し始めると、ここで何時間も溶けます。私はその探索を打ち切りました。
説得は1回、修正は毎回——後工程に逃がす
やったことは単純です。生成が終わったあとに、余白を足す処理を1つ挟みました。AIに何度もお願いする代わりに、出てきたものを機械的に整える工程を後ろに置いたわけです。
# 例: 生成後に一律で余白を足して規定サイズに揃える
magick generated.png -bordercolor white -border 26x26 fixed.pngこの1行が入った瞬間、余白の問題は「毎回確認して、ズレていたら直す作業」から「気にしなくていいもの」に変わりました。AIへの説得は1回で終わり、修正は自動で毎回かかる状態になったからです。
この考え方は、画像に限りません。AIの出力に対して「毎回同じズレ方をする箇所」があるなら、それは説明で直す対象ではなく、後工程で直す対象です。毎回同じようにズレるということは、機械的に直せるということでもあります。
「AIに任せる範囲」と「毎回こちらで直す範囲」に線を引く
ここまでの話を運用の言葉に直すと、こうなります。AIに任せる範囲と、こちらで毎回直す範囲を、あらかじめ線で分けておく。
線を引く基準は、精度ではなくコスト
どこに線を引くかを、私は「AIがどれくらい正確にできるか」では決めていません。伝えるコストと、直すコストを比べて決めます。
判断材料 | AIに任せる(説明する) | 後工程で直す(説明しない) |
|---|---|---|
ズレ方 | 毎回ちがう場所がズレる | 毎回同じ場所が同じようにズレる |
判定のしやすさ | 見ればすぐ分かる | 測らないと分からない |
直す手順 | 手作業になる/判断が要る | 手順が一定で自動化できる |
試行回数 | 2〜3回の調整で安定した | 3回以上試して安定しない |
右側に2つ以上当てはまったら、説得をやめる合図だと考えています。特に「毎回同じ場所が同じようにズレる」は強い信号です。それはAIの気まぐれではなく、こちらの要求とAIの既定値のあいだにある固定的な差なので、固定的な処理で埋めるのが正しい対処になります。

直す工程は、必ず自動側に置く
1つだけ注意点があります。「毎回こちらで直す」と決めたときに、その作業を人間の手作業として残してはいけません。それは線引きではなく、単に負担の付け替えです。
後工程に置くべきものは、次のどれかです。
- スクリプトやツールで自動的にかかる処理
- テンプレートに最初から埋め込まれていて、意識しなくても適用されるもの
- チェックリストの1行として、必ず通る手順に組み込まれているもの
いちばん危ないのは「覚えておいて毎回直す」です。忙しい日に飛びますし、他人に引き継いだ瞬間に消えます。人の記憶に置いた工程は、無いのと同じだと考えたほうが安全です。
逆に、線を引いてはいけない箇所
すべてを後工程に逃がせばいいわけでもありません。次のようなものは、後工程で直すのではなく、そもそもAIに任せる範囲から外すべきです。
- 判断が要るもの——「この表現は言い過ぎか」のような、毎回答えが変わるもの
- 間違うと実害が出るもの——金額・日付・宛名・法的な表記
- 正解が1つに決まらないもの——機械的に直すと、直したことが新しい間違いになる
後工程の自動処理は、「毎回同じ答えになるもの」にしか使えません。この条件を外すと、静かに間違いを量産する仕組みができあがります。
これはAIの話ではない|外注・引き継ぎ・アルバイトでも同じ
ここまで読んで、心当たりのある方がいるかもしれません。この構造は、AIが登場する前から現場にありました。
厚い指示書より、前回の納品物を1つ
外注先に発注するとき、多くの人が指示書を厚くします。1回目で認識がずれ、2回目に条件を足し、3回目でさらに但し書きが増える。それでも上がってくるものは想定と違い、結局こちらで直している——AIに指示文を足していたときと、まったく同じ形です。
このとき効くのも同じ処方です。厚い指示書を送るより、前回の納品物で満足したものを1つ渡すほうが速い。「これと同じ雰囲気で、中身はこの内容に差し替えてください」の一言のほうが、A4で3枚の仕様書より正確に伝わります。
同じ構造が出る3つの場面
- デザインの外注——「おしゃれに」「今っぽく」は言葉で伝わらない列の代表。参考にしたい既存デザインを2〜3点渡すほうが早い
- 業務の引き継ぎ——マニュアルを配って「読んでおいて」で終わる引き継ぎが機能しないのは、手順は書けても判断の基準が書けないから。前任者が実際に処理した過去の案件を数件見せるほうが伝わる
- アルバイトへの指示——「丁寧に」ではなく、合格品と不合格品を1つずつ並べて見せる。基準は言葉ではなく比較で伝わる
いずれも「説明を増やす」から「実物を見せる」への転換です。そして人間相手でも、見本を見せてなお毎回ズレる箇所は残ります。そこを説教で埋めようとするか、工程で埋めるかが分かれ目になります。
見本が無い仕事は、最初の1つを見本に育てる
「渡せる見本がそもそも無い」という場合もあります。新しく始める業務では当然そうなります。
その場合は、最初の1つを作るときだけ時間をかけ、できあがったものを「今後の見本」として置き場所を決めて保存します。ここでやりがちな失敗は、良いものができたのに、それがフォルダの奥に埋もれて二度と参照されないことです。
私は、見本にすると決めたものは他の生成物と混ぜず、専用の置き場に分けています。混ぜると、次に探すときに「どれが見本だったか」が分からなくなり、また言葉で説明する生活に戻ってしまうからです。
今日からやる4工程
ここまでの内容を、明日から回せる形に落とします。
① 出力がブレたら、指示文を足すのを一旦やめる
まず手を止めます。「次はこう書けば通るかもしれない」と思っている状態がいちばん時間を溶かします。3回試して安定しなかったら、その方向は打ち切ると決めておくと迷いません。
② 理想に近い実物を1つ探して渡す
自作でなくて構いません。過去の成果物、他社の公開物、AIに作らせた中でいちばんマシだった1枚——どれでも見本になります。渡すときは1つだけにします(複数渡すと混ざります。理由は後述します)。
③ それでも合わない箇所を1つだけ特定する
見本を渡した状態で数回生成し、毎回同じようにズレる箇所を探します。ここは感覚ではなく、可能なら数値で確認してください。私の場合は余白を実測して、112ピクセルに対して86ピクセルという差を特定しました。数値にできると、次の工程が自動化できます。
④ その1箇所は毎回こちらで直すと決める
特定できたら、そこを説明で直すのは諦めます。代わりに、生成後に必ず通る工程として修正を組み込みます。スクリプト、テンプレート、チェックリストのいずれかです。ここまでやって、ようやく「安定して同じものが出る」状態になります。
作業前に確認するなら、次の4点で足ります。
- いま指示文を足そうとしていないか(①)
- 渡せる実物が手元にないか(②)
- ズレる箇所は毎回同じか、毎回ちがうか(③)
- 直す工程は人の記憶ではなく仕組みに置いたか(④)
よくあるつまずき
見本に引きずられて、丸写しになる
見本を渡すと、今度は見本に寄りすぎることがあります。これは言葉の担当範囲が抜けているときに起きます。見本を渡したうえで、「差し替える部分」を明示的に言葉で指定してください。見本=形、言葉=差分、という役割分担に戻します。
見本を複数渡すと、かえってブレる
「参考をたくさん渡したほうが精度が上がるはず」と考えて3枚4枚渡すと、出力は不安定になります。複数の見本は互いに矛盾する情報を含んでいるため、指示文を長くしたときと同じ衝突が起きるからです。
複数の要素を取り込みたい場合は、まず1枚で形を固め、そのあとで差分を言葉で足す順序にします。同時に渡さないことが要点です。
直す箇所が3つ以上ある
後工程で直す箇所が3つ以上に増えたら、見本の選び方を疑ってください。ズレが多いということは、その見本が理想から遠いということです。見本を差し替えるほうが、修正工程を3本抱えるより安くつきます。
後工程は「1〜2箇所の固定的なズレを埋めるもの」と考えておくと、判断を誤りません。
直したつもりで、直っていない
最後に1つ、私自身の失敗を書いておきます。修正工程を入れたあと、私は余白の数値だけを見て「差し替えは成功した」と判断していました。数値は合っているのに、中身は古いままだったことがあります。それ以降、確認方法をファイルそのものの照合に変えました。
自動化した工程ほど、「動いたこと」と「正しい結果になったこと」は別物です。確認の対象は、条件ではなく成果物そのものに置いてください。
関連記事
同じ「渡し方を変える」系統の話として、サイズ指定が効かないときの具体的な直し方をこちらで扱っています。
逆に、言葉の側を型として整えるアプローチは以下にまとめています。本記事の「言葉は差分だけに絞る」と組み合わせると効果的です。
まとめ
AIの出力が毎回ブレるとき、指示文を足すのはたいてい効きません。仕上がりの印象を決めているのは構図・釣り合い・間隔といった言葉にすると必ずブレる情報で、そこは言葉を増やしても解像度が上がらないからです。
効くのは、完成形を1つ見せることです。私の場合、見本を1枚渡しただけで構図・枠・文字組み・配置・文言の位置まで揃いました。それまで言葉で伝えようとしていた情報の大半は、最初から言葉にできない種類のものでした。
そして、見本を渡しても伝わらない箇所は必ず残ります。私の場合は外周の余白が112ピクセルに対して86ピクセルになる差でした。そこは説明を練り直すのではなく、後工程で毎回機械的に直す——伝えるコストと直すコストを比べて、直すほうが安い箇所は伝えようとしない。これが運用に乗せるための線引きです。
この判断は、AIに限らず外注・引き継ぎ・現場の指示にそのまま当てはまります。厚い指示書を書き続けている実感がある方は、まず手元の「前回うまくいったもの」を1つ探すところから始めてみてください。
株式会社Fyveでは、こうしたAI活用の設計や運用の線引きを、事業の実態に合わせて一緒に組み立てる支援を行っています。詳しくは専属AI活用顧問サービスをご覧ください。
指示は正しいのに実行されないという失敗は、AIへの指示に限らず設定全般で起きます。エラーが出ないまま無視される仕組みは、こちらで詳しく扱っています。
AIを使う会社と、使わない会社。
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