Cloudflare Dropとは|アカウント不要でサイトを即公開

「AIで作ったLPを、いますぐ人に見せたい」——そう思ったとき、デプロイ先の設定やアカウント登録で足止めされた経験はないでしょうか。
結論から言うと、2026年7月8日にCloudflareが公開した「Cloudflare Drop」を使えば、アカウント登録もコマンド操作も不要で、フォルダをブラウザにドラッグするだけで静的サイトを数秒で公開できます。ただし60分で消える一時公開という前提を理解して使い分けることが肝心です。
株式会社Fyveは自社サイトやAI生成LPを日々デプロイしています。この記事では、普段はVercelで恒久運用している私の視点から、Cloudflare Dropが実務のどこにはまるのかを、使い方と制限まで含めて整理します。
Cloudflare Dropとは|2026年7月8日公開の新機能
Cloudflare Dropは、静的ファイルの入ったフォルダやZIPをブラウザにドラッグ&ドロップするだけで、Cloudflareのグローバルネットワーク上に公開URLを発行できる新しいホスティング機能です。2026年7月8日にCloudflareの公式チェンジログで告知されました。
最大の特徴は、Cloudflareアカウントが不要という点です。CLI(Wrangler)も、gitリポジトリも、ビルド設定もいりません。ブラウザだけで完結します。
公開されたサイトはいったん一時的なアカウントの上に置かれ、claim(紐づけ)するまではその状態が続きます。claimしなければ時間切れで自動的に消えるため、「試しに出してみて、良ければ残す」という使い方が安全に成立します。これは従来のホスティングにはなかった発想です。
何ができるのか
- フォルダまたはZIPをドラッグ&ドロップすると、数秒で
*.workers.devの公開URLが発行される - 公開できるのは静的ファイル(HTML・CSS・JavaScript・画像・フォント)のみ
- 発行されたサイトは60分間有効。その間に「claim(紐づけ)」しなければ自動的に削除される
- claimするとCloudflareアカウントにサインイン(または新規登録)し、通常の永続的なデプロイに昇格する
つまり、「まず公開してから、残すかどうかをあとで決める」という順番で動けるのが新しいところです。従来のホスティングは「アカウントを作る→プロジェクトを設定する→デプロイする」という順番でしたが、Dropはその手前で公開が終わっています。
従来の公開方法と何が違うか
私が普段使っているVercelや、Cloudflare自身のPagesと比べると、立ち位置がはっきりします。
項目 | Cloudflare Drop | Vercel / Cloudflare Pages |
|---|---|---|
アカウント | 不要(公開だけなら) | 必須 |
公開までの手数 | フォルダをドラッグの1操作 | git連携・ビルド設定が必要 |
公開の永続性 | 60分(claimで永続化) | 最初から永続 |
対応 | 静的ファイルのみ | 静的+サーバー処理(SSR/API) |
向く用途 | 一時共有・即プレビュー | 本番運用・継続更新 |
Cloudflare Dropの使い方|3ステップで公開
手順はきわめて単純です。非エンジニアでも迷う場所がほとんどありません。
- 公開したいファイルを1つのフォルダにまとめる。このとき、フォルダのルート(一番上の階層)に必ず
index.htmlを置きます。これが入口になります。 - Cloudflare Dropのページを開き、そのフォルダ(またはZIP)をブラウザにドラッグ&ドロップする。数秒で公開URLが返ってきます。
- URLを開いて確認し、残したければ60分以内にclaimする。claimしなければ自動で消えるので、後片付けも不要です。
ルートに置く index.html は、たとえば次のような最小構成でも動きます。
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head><meta charset="UTF-8"><title>サンプル</title></head>
<body><h1>公開テスト</h1></body>
</html>逆に、ルートに index.html が無いと404になります。AIにHTMLを書かせたときにファイル名が page.html などになっていると入口が見つからないので、そこだけ直せば公開できます。

実務でどう位置づけるか|Vercel運用者の視点
私はコーポレートサイトや自社SaaSをVercelのgit連携で運用し、AIでLPを自動生成する仕組みも回しています。その日常の中でCloudflare Dropを触ると、「恒久運用の置き換え」ではなく「Vercelに載せる手前の高速レーン」だと感じます。
具体的には、次のような場面で手数を大きく減らせます。
- クライアントに完成イメージを即座に見せたいとき。ローカルで作ったHTMLをそのまま公開URL化して共有できるので、「スクショを送る」より伝わります
- AIが生成したLPの複数案を並べて比較したいとき。案ごとにフォルダをドロップすれば、それぞれ別URLで見比べられます
- 使い捨ての一時ページ。60分で消える前提なので、消し忘れによる公開事故が起きにくいのも安心材料です
AIでLPそのものを作る流れは、以前まとめた記事があります。作ったあとの「公開」をDropが担うイメージです。
画像生成を使ったLPの作り方や、制作コストの考え方はこちらで解説しています。
使う前に知っておくべき制限
手軽な反面、Dropには明確な制約があります。ここを外すと「思ったように公開できない」につまずきます。
- 静的ファイルのみ対応。Next.jsのSSRやAPIルートのような、サーバー側で処理が必要なサイトはそのままでは動きません。静的書き出し(static export)が前提です
- 60分でclaimしないと消える。恒久公開したい場合は必ず時間内にclaimし、Cloudflareアカウントに紐づけます
- Web UIの上限はファイル数1,000・1ファイル25MiBまで。動画などの重いアセットを大量に含むサイトには向きません
- 独自ドメインの割り当てはclaim後の作業。ドロップ直後のURLは
workers.devのサブドメインです
特に見落としやすいのが1つ目です。AIコーディングでNext.jsのアプリを作ると、そのままではDropに載りません。載せたい場合は静的サイトとして書き出す一手間が必要になります。
どんなときにCloudflare Dropを選ぶか
整理すると、選び分けの基準はシンプルです。
- 継続して運用・更新する本番サイト → VercelやCloudflare Pages(git連携で自動デプロイ)
- いま一度だけ見せたい・比較したい・一時共有したい → Cloudflare Drop

AIで作るサイトのデザインが「どれも同じような見た目」になってしまう問題は、公開手段とは別に押さえておきたいポイントです。あわせて読むと、作って公開するまでの解像度が上がります。
AIで作ったLPをDropで公開する具体的な流れ
私が実際にやっている手順に落とすと、次のような流れになります。AIコーディングと組み合わせると、公開までの体感速度がかなり変わります。
- Claude CodeやCodexにLPのHTML/CSSを生成させる。このとき「サーバー処理を使わず、静的なHTML・CSS・画像だけで完結させる」よう指示しておくと、そのままDropに載せられます
- 出力されたファイルを1つのフォルダにまとめ、ルートに
index.htmlがあるか確認する。AIがindex.html以外の名前で書き出していたらリネームします - そのフォルダをDropにドロップして公開URLを取得し、クライアントや関係者に共有する
- 採用が決まったLPだけをVercelなどの恒久ホスティングに移す。ボツ案はclaimせず放置すれば自動で消えます
「複数案を作って、見比べて、良いものだけ残す」という制作プロセスと、Dropの「まず公開してから決める」という設計は相性が良いのです。画像だけでLPを組み立てる手法も併用すると、さらに手数が減ります。
Cloudflare Dropに関するよくある疑問
無料で使えますか
公開してURLを発行するところまでは、アカウントなしで利用できます。恒久的に残す場合はCloudflareアカウントへのclaimが必要になり、そこから先はCloudflareの通常のプラン体系に沿います。まずは無料の範囲で試し、必要になったら紐づける、という順番で問題ありません。
WordPressのようなサイトも公開できますか
できません。Cloudflare DropはHTML・CSS・JavaScript・画像・フォントといった静的ファイル専用です。WordPressのようにサーバー側でページを生成する仕組みや、データベースを使う動的サイトは対象外です。あくまで「出来上がった静的な成果物を置く場所」と捉えてください。
公開したURLは検索エンジンに載りますか
一時公開が前提のため、恒久的なSEO運用には向きません。検索流入を狙う本番サイトは、独自ドメインを割り当てられるVercelやCloudflare Pagesで運用し、Dropは共有・確認用のレーンとして割り切るのが実務的です。
ファイルサイズの上限はありますか
Web UIからのアップロードは、ファイル数1,000・1ファイルあたり25MiBまでという制限があります。通常の静的LPやポートフォリオサイトであれば十分ですが、大きな動画を多数含む構成には向きません。
まとめ
Cloudflare Dropは、アカウント不要・CLI不要で、フォルダをドラッグするだけで静的サイトを数秒で公開できる新機能です。60分で消える一時公開が前提なので、本番運用の置き換えではなく「Vercelに載せる手前の高速レーン」として使うのが実務的です。
AIでサイトやLPを作れるようになった今、ボトルネックはむしろ「作ったあと、どう見せるか」に移っています。私自身、クライアントへの即時共有やAI生成案の比較にこの高速レーンを取り入れています。作る力と見せる速さを両輪で持てると、AI活用の手応えは一段変わってきます。
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