diagram-designとは|ブランド色の図を作るスキル
「会議資料やマニュアルに図を入れたいけれど、AIに頼むと毎回どこかで見た四角と矢印になる」「自社の色に合わせて作り直すのが面倒」——図をAIに作らせようとすると、誰もがこの壁に当たります。
結論から言うと、diagram-design は、文章で書いた流れや関係を、会社の色に合わせた「図1枚のHTMLファイル」にしてくれる Claude Code のスキルです。私が架空の会社の受注から出荷までの10工程を渡したところ、約2分45秒で、担当ごとの行に工程が並ぶ図が出てきました。ただし、見やすさのために10工程が9工程に整理されていた点は、知っておく必要があります。
株式会社Fyveは、Claude Code のスキルを1本ずつ実際に入れて試し、うまくいった点もいかなかった点も記録しています。この記事では、diagram-design の使い道、入れ方、頼み方、スキルなしとの違い、安全面の確認、向かない場面を順に書きます。
diagram-designとは|ブランド色の図を1枚のHTMLにするスキル
diagram-design は、GitHubで公開されているスキル(cathrynlavery/diagram-design、ライセンスはMIT)です。READMEの説明は「ブランドの色で、図を1つのHTML+SVGファイルとして描くエージェントスキル。図の型は45種類」というものです。作者は、AIに図を頼むと「どれも同じ丸角の箱の図になる」ことに不満があり、その「好み」を文章にして書き込んだ、と書いています。
決まりごとはいくつかあります。強調の色は図の中で1〜2か所にしか使わない。影はつけない。線は細く。位置は4ピクセルの格子に合わせる。「いちばん良い手は、たいてい削ること」。作られるのは、ダブルクリックで開けるHTMLファイル1枚で、ブラウザだけで見られます。
GitHubのスター数は59,095、公開は2026年4月16日、最終更新は10月20日です(いずれも2026年10月21日時点、GitHubのAPIなどで確認)。
図の型は、構成図・流れ図・スイムレーン(担当ごとに行を分けた流れ図)・組織図・ガントチャート・棒グラフ・ベン図など45種類です。READMEの比較表では、Mermaid(文字で図を書く方式)や draw.io のように「あとから手で編集できる形式」ではなく、「公開する図を一発で整える」用途だと位置づけられています。READMEには、出力の質は使うモデルで変わり、同じ依頼でも描き方が毎回少し違うことがある、という弱点も書かれています。
どんな仕事に使えるか
読者の仕事で使い道が分かりやすいのは、「社内外に見せる図を、会社の色で作りたい」場面です。
- 新入社員への説明資料:受注から出荷まで、経費精算など、担当が替わる業務の流れ(今回試したもの)
- 提案書・会議資料の図:サービスの全体像や、作業の進め方(ガントチャート、段階図)
- 自社サイトやブログの図:説明記事に貼る、色の揃った図
- 組織図・役割分担表:誰がどの仕事を持つか
- 売上や費用の棒グラフ・推移グラフ:数字を見せる図
実際に頼むときは、スキルが図の型を選び、「この型で、この大きさで描く」と最初に短く宣言してから描き始めます。希望があればこの時点で直せます。READMEには、サイトのURLを渡して色とフォントを取り込む「ブランド取り込み」も紹介されていますが、今回は試していません。

入れ方(READMEの手順)
READMEには、使う環境ごとの入れ方が書かれています。Claude Code の場合は次の2通りです。
- skills CLIで入れる:
npx skills add cathrynlavery/diagram-design(Claude Code以外のCursorやCodexなどにも対応) - プラグインとして入れる:Claude Code で
/plugin marketplace add cathrynlavery/diagram-designを実行し、続けて/plugin install diagram-design@diagram-designを実行する(更新を受け取れ、書き出し用のコマンドも使える)
READMEによると、プラグイン版では /diagram-design:export-diagram(PNG・SVGへの書き出し)などのコマンドも使えます。skills CLIで入れる方法は、スキル本体だけです。
PNGへの書き出しには、同梱のスクリプトを見ると Python の playwright(ブラウザを動かすライブラリ)が必要です。HTMLで使うだけなら不要です。
今回の試験では、普段の環境を汚さないよう、リポジトリの skills/diagram-design を試験用フォルダの .claude/skills/ にコピーして使いました。npx skills add とプラグインの入れ方は試していません。フォルダ全体は約5.6MBで、見本のHTMLなどが約200ファイル入っています。
Claude Codeにこう頼む
使い方の基本は、READMEにあるとおり、ふだんの言葉で頼むだけです。たとえば「アプリの構成図を作って」「影響と手間の2軸で、今期の案件を整理して」のような頼み方が例に挙がっています。
実際に、スキル名を一度も言わずに次のように頼みました。会社の色は、別ファイル(brand.md)に書いておき、その場所を伝えています。
work/workflow.md に、うちの会社の受注から出荷までの業務の流れが書いてあります。新入社員に流れを説明するときに使いたいので、この流れを図にしてください。会社のブランドの色は work/brand.md にあります。その色に合わせて、完成したら work/ に置いてください。
実行記録の最初の動きが diagram-design スキルの呼び出しで、1回目の依頼で発動しました。「図」「ブランドの色」という言葉だけで動いたことになります。

試した結果|架空の会社の10工程を図にした
試したのは、架空の会社(手作り家具を売る従業員12名の会社)の「受注から出荷までの業務の流れ」です。注文受付から到着確認・アフター対応まで10工程、各工程に担当と所要日数が書いてあり、補足として「在庫品は工程5・6を飛ばす」「検査で不合格なら工程5へ戻る」「未入金は7日後に自動キャンセル」の3つの例外があります。ブランドの色は、生成り(#F6F1E7)、オークブラウン(#5A3E2B)、くすんだグリーン(#6B7F5E)の3色と、文字用の濃い茶です。使ったモデルはSonnetです。
できあがったもの
約2分45秒(実測164秒)、12ターンで、HTMLファイル1枚(約12KB)ができました。

営業・経理・制作・出荷の4つの行に、工程が左から右へ並びます。担当が替わるところが縦の線で分かり、新入社員が「いま誰の仕事か」を追えます。例外の3つは、いずれも図に入りました。在庫品が製作を飛ばして梱包へ進む点線、検査の不合格で製作へ戻る点線、未入金の注記(3日後にメール、7日後に自動キャンセル)です。図の下には、在庫品は3〜5日、受注生産品は約20〜25日という出荷までの日数のカードが付きます。
色の使い方も、READMEにある決まりのとおりでした。背景は生成り、枠と矢印はオークブラウン、文字は濃い茶で、くすんだグリーンは「いちばん日数のかかる工程」1か所だけに使われました。影や派手な飾りはありません。頼んだ側は色を3つ渡しただけですが、どこに強調を置くかはスキルの決まりが決めています。
うまくいかなかった点|10工程が9工程に減っていた
図の工程は9つでした。元の「製作指示」と「製作(木取り〜組み立て)」を1つにまとめ、「製作指示・製作(計11〜15日)」としています。「塗装・乾燥」は品質検査と合わせて「塗装・検査」になり、到着確認のアフター対応(返品・交換の受付)の内容は図に入っていません。差し戻しの矢印も、元の文書の「工程5へ戻る」ではなく、まとめたあとの「製作指示・製作」へ戻る形です。
これらは、Claude 自身が返答の中で「見やすさのため、10工程から9つに減らした」と報告してきました。黙って落としたわけではありません。ただ、「工程を1つも欠かさない図」が必要な場面(マニュアルの手順書など)では、頼むときに「10工程すべて載せて」と書き添える必要があります。この書き添えの効き方は、今回は試していません。
スキルなしとの違い|同じ依頼をスキルなしで出した
入れると何が変わるかを見るため、スキルのない別フォルダで、同じ依頼文を同じ形式で1回出しました(実行記録にスキルの呼び出しがないことを確認済み)。

スキルなしでも、色を守った図(SVGファイル)が1分半で出てきました。10工程を縦に並べ、担当・日数・内容も入れ、受注/製作/出荷の帯、例外の3つの線も引いています。

違いは次のとおりです。
- 完全さはスキルなしが上:10工程すべてと各工程の説明文が載りました。diagram-design は9工程で、説明文は省かれました
- 読み取りやすさは diagram-design が上:担当ごとの行に分かれているので、担当の受け渡しが一目で追えます。スキルなしは縦に長く、担当は文字で書いてあるだけです
- 時間と費用は、スキルありが約1.8〜2.2倍:164秒・0.49ドルに対して、スキルなしは90秒・0.23ドル(出力の量は約2万トークンと約1.1万トークン)
- どちらも色は守れた:「ブランド色を伝えれば、色を合わせた図は作れる」点は、スキルなしでも同じでした
つまり、1回の依頼だけを見ると、diagram-design の価値は「色を守れること」ではなく、「図の型を選び、見やすい配置の決まりで描く」ことにあります。今回のような単純な流れ図では、差は大きくありません。45種類のうち swimlane(担当別の流れ図)しか試していないので、ほかの型(組織図、ガントチャート、グラフなど)で差が開くかどうかは分かりません。
同じ材料でanatomyを試した記録との違い
同じ受注から出荷までの文書で、「触って動かせる立体の図」を作る anatomy というスキルも試しています。2つは作るものが違います。
- diagram-design:止まった平面の図。資料や記事に貼る。約2分45秒・0.49ドル。工程名は図の中に入る(ただし9工程に整理)
- anatomy:レールの上を木箱が進む、動く立体の図。約11分半・1.58ドル。図の中は工程の番号だけで、工程名は下の欄に出る。10工程すべて載る
プレゼンや社内説明で「見て動かして理解してほしい」なら anatomy、「書類や記事に載せる静止した図を、会社の色で整えたい」なら diagram-design、というのが私の使い分けです。時間と費用は diagram-design のほうが小さく済みました。
安全面の確認|何を外に送るか、何を実行するか
入れる前に、SKILL.md、付属のスクリプト、プラグインの設定を読みました。
- 外への送信:スクリプトに、外部へデータを送る処理はありません。作者のプライバシーポリシー(PRIVACY.md)も「サーバー・アカウント・計測は持たない」と書いています。唯一の通信は、できあがったHTMLをブラウザで開いたときに、Google Fonts からフォントを読み込むことです。図の中身は送られませんが、見た人のIPアドレスなどが Google に渡ります。気になる場合は、「システムフォントで、Google Fonts を使わずに」と頼めば避けられる、とスキルの文書にあります(今回は試していません)
- 実行するコマンド:同梱のPythonスクリプトは、図のHTMLを点検するもの、SVG・PNGに書き出すもの、draw.io・Mermaid・Excalidraw のファイルを読み取るものの3種類です。外部のコマンドを呼ぶ処理や、認証情報を読む処理は見当たりませんでした。
allowed-tools(スキルが使える道具の制限)の指定と、hooks(自動実行の設定)はありません - 保存される場所:頼んだときだけ、ブランドの設定を
~/.diagram-design/profiles/に保存できます。何も頼まなければ作られません - ウェブサイトの取得:「このURLの色とフォントを取り込んで」と頼んだときだけ、そのサイトのページを取得します
今回の試験で、普段の環境に入れずに済ませたのは、この確認と同じ理由です。気になる場合は、自分のプロジェクトの .claude/skills/ にだけ置く方法があります。
向かない場面
- 工程を1つも欠かしたくない手順書:今回は、工程が自動で整理されました。頼み方で防げるかは未確認です
- あとから手で直したい図:出てくるのはHTMLとSVGで、PowerPointのように箱を動かして直す形式ではありません。READMEも、毎週のように変わる文書は Mermaid のほうが向くと書いています。直すときは「ここをこう変えて」と Claude に頼み直します
- 表1枚で足りる内容:スキル自身も「3列の表で伝わるなら表にする」と書いています
- とにかく早く安く済ませたい場面:色を指定するだけなら、スキルなしでも同じ色の図は作れました(時間は約半分)
- 動く図・触れる図:静止した図専用です(動きは別途、アニメーションの指定が必要で、今回は試していません)
試せなかったこと
- 45種類の図の型のうち、swimlane 以外
- PNG・SVGへの書き出し、ダークモード版、draw.io・Mermaid・Excalidraw の取り込み
- サイトのURLからのブランド取り込み、ブランド設定の保存
- 「10工程すべて載せて」と頼み直したときの結果
npx skills addとプラグインでの導入
まとめ|使う前のチェックリスト
- □ 欲しいのは「会社の色に揃った、見せるための静止した図」か(動く図・手で直す図なら別の手段)
- □ 会社の色を、色コードで書いたメモに用意したか(今回はこれを渡して、そのとおりに使われた)
- □ 工程やデータを1つも欠かしたくない場合は、「すべて載せて」と書き添える準備をしたか
- □ 図を開いたとき、Google Fonts への通信が起きることを了承できるか(避けたい場合はシステムフォントを頼む)
- □ 時間と費用がスキルなしの約2倍かかることを知っているか(今回の1回の結果)
- □ 最初に出る「図の型・大きさ」の宣言を見て、違えば直してもらうか
私の試した範囲では、diagram-design は「色を守る図」より「図の型と配置の決まりを持った図」を作る道具でした。簡単な流れ図なら、スキルなしでも近い図は作れます。型が多い図(組織図・ガントチャート・グラフなど)を会社の色で何度も作る人ほど、入れる価値が出てくるはずですが、そこは今回の試験では確かめていません。
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31本を実際に入れて、スキルなしと比べた結果つき(全28ページ)
スキルを入れても、Claude が急に賢くなるわけではありませんでした。31本を架空の会社の仕事で試し、同じ依頼をスキルなしでも検証して比べたうえで、導入する価値があった10本を仕事別にまとめています。
- 文章・スライド・図・数字・調べもの・契約書など、仕事別の10本
- 1本ごとに、スキルなしと比べた時間・費用・出来
- 実物の画面と、Claude Code にそのまま貼れる頼み方
- 外した5本の理由と、入れる前に確かめる4つのこと
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御社の業務に合わせたClaude Code導入支援
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