meeting-insights-analyzerとは|会議での話し方を分析するスキル
「会議のたびに自分ばかり話している気がする」「結論を出さずに次回に回してしまう癖があるのでは」——そう感じても、会議中の自分の話し方を客観的に見る方法はなかなかありません。
結論から言うと、meeting-insights-analyzer は、会議の文字起こしを読ませて「自分の話し方」を分析させるスキルです。議事録を作るスキルではありません。話した割合、言いよどみ、決めずに戻した場面を、実際の発言を引用して指摘してくれます。
株式会社Fyveは、このスキルを実際に入れて、架空の会社(手作り家具を売る従業員12名の会社)の定例会議の文字起こしで試しました。同じ依頼をスキルなしでも出して比べています。この記事では、試して分かったことだけを書きます。
meeting-insights-analyzerとは|議事録のスキルとの違い
meeting-insights-analyzer は、GitHub の ComposioHQ/awesome-claude-skills というスキル集に入っている、説明書(SKILL.md)1ファイルだけのスキルです。付属のプログラムはありません。説明書には、会議の文字起こしから話し方の癖を見つけ、改善点を示すと書かれています。
議事録のスキルは「会議で何が決まったか」を残すものです。このスキルが見るのは「会議でどう話したか」です。見る対象が違うので、議事録を作った後に、同じ文字起こしを別の目的で使う形になります。
議事録を作る方法は、次の記事にまとめています。
議事録をAIで自動作成する方法|会議の形から決める5つの構成
meeting-insights-analyzerでできること
説明書に書かれている分析は次の4つです。
- 話す割合:発言回数、文字数、1回あたりの長さ、質問と意見の比率
- 言いよどみ:「えーと」などの数と、それが出る場面
- 避けた話題:ぼかした言い方、話題をそらした場面、決めずに戻した場面
- 聞く姿勢・進行:相手の話を受けた質問、静かな人を入れたか、宿題が明確か
結果は「何が起きたか」「なぜ問題か」「どう言い換えるか」の形で返す、と説明書にあります。複数回の会議を並べて、変化を見ることもできるそうです(この点は今回試していません)。


入れ方
リポジトリの README にある手順は、スキルのフォルダを ~/.config/claude-code/skills/ に置いて Claude Code を起動する、というものです。
- リポジトリの
meeting-insights-analyzerフォルダ(中身は SKILL.md の1ファイル)を取得する - README の手順どおり
~/.config/claude-code/skills/に置く - Claude Code を起動する。説明書に合う依頼をすると、自動で使われる
私たちが試したときは、試験用のフォルダの .claude/skills/meeting-insights-analyzer/ に SKILL.md を置きました。この置き方で、スキル名を言わなくても発動することを確かめています。README の ~/.config/claude-code/skills/ と、Claude Code で一般的な ~/.claude/skills/ は、今回は試していません。置き場所の優先順位は、次の記事が詳しいです。
文字起こしは、会議ツールから書き出して1つのフォルダに入れておきます。説明書は .txt .md .vtt .srt .docx を読めると書いています。Zoom や Teams からの書き出し方は、次の記事を見てください。
Claude Codeにこう頼む
文字起こしを置いたフォルダで Claude Code を開き、日本語でそのまま頼みます。自分が誰なのか(文字起こしの中の名前)を伝えるのがコツです。
- 「このフォルダの会議の文字起こしを読んで、私(営業部長)が話した割合と、結論を避けた場面を教えてください」
- 「私の言いよどみを、実際の発言を引用して数えてください」
- 「私が相手の指摘に答えずに話をそらした場面を探してください」
説明書は、1回の依頼で1つの癖に絞ると深く見られる、とも書いています。
試した結果|架空の会社の定例会議で
材料は、架空の会社の月次定例会議の文字起こしです。約50分、参加者は代表・営業担当・制作担当・経理担当の4名で、発言は58回あります。広告費の超過、送料、値上げ、新商品の発売日、年末年始の休業などを話した会議です。タイムスタンプはありません。会議の中身は私たちが作ったもので、決まったこと・決まらなかったことの正解を事前に用意してあります。
頼んだ文は次のとおりです。スキルの名前は言っていません。
work フォルダにある今月の定例会議の文字起こしを読んで、私(会議の「代表」です)の話し方を分析してください。私が話した割合、言いよどみ、結論を出すのを避けた場面を、実際の発言を引用して教えてください。

最初の操作がスキルの呼び出しで、名前を言わなくても発動しました。かかった時間は32.7秒、8ターン、費用の目安は約0.12ドルです(Sonnet・1回の実行)。
話した割合
代表の発言は27回・905文字で、全体の約44%でした。私たちが別に数えた値(905文字、44.0%)と一致しています。1回あたりの平均は約34文字で、長く語るのではなく、質問や確認を短く挟む進行役の話し方だと指摘されました。
結論を避けた場面
代表が「今日は決めない」と回した件を、発言と行番号つきで並べて返しました。広告費の予算(L19)、送料(L27)、値上げ(L34・L36)、ダイニングチェアの発売日(L43)、メンテナンス便の継続(L58)です。会議の正解として用意した「決まらなかった5件」と一致します。行番号も実際の行と合っていました。

5件の中で最も気になる場面として挙げたのが、値上げです。営業担当が「年末商戦の前に告知しないと」と時間の根拠を出したのに、代表が「焦って決めたくない」と返して次回に回した場面です。次回までに誰が何を調べるかも決めていなかった、という指摘でした。
一方で、年末年始の休業は「これは決定にします」と言い切っていて、良い例として対比されていました。先送りの多くには「誰が・何を・いつまでに」が付いていた、という評価もあります。ただの批判ではなく、良かった点も拾う作りです。

言い換えの案も出ました。「制作さんは今週中にダイニングテーブルの原価への影響額を出してください。11月の頭に、その数字で値上げ幅だけ決めます」のように、期限と担当を付けて先送りする言い方です。
言いよどみ
「えーと」「ええと」「うーん」「まあ」を、発言を引用して挙げました。代表の「えーと」「ええと」は1回ずつ、「うーん」は2回で、実際の数と合っています。「うーん」が、値上げや送料のように決めにくい話題の直前に出ている、という指摘も付きました。
うまくいかなかった点
- 最初に
work/workというフォルダを探して1回空振りしました。数秒の無駄で、結果には影響していません - 文字数で数えた割合は、実際に話した時間とは違います。結果にも「発話時間とは違う」「言いよどみは文字起こしの段階で削られている可能性がある」と注意書きが付いていました
- 会議は1回分だけです。複数回を並べた推移の分析は、材料がなく試していません
スキルなしとの違い
同じ依頼を、スキルを入れていない別のフォルダでも出しました。実行記録にスキルの呼び出しが無いことを確かめています。

結果は、ほとんど同じでした。割合は同じ数字(44.0%)、気になる場面も同じ値上げの先送りで、行番号も正しいものでした。スキルなしのほうが少し速く(28.0秒)、費用も少なく(約0.09ドル)済んでいます。

違いが出たのは構成です。スキルありは「良い点」と「気になる点」を分けて整理し、雑談への対応や、制作担当の「いつも遅れてすみません」に反応していない点まで拾っていました。スキルなしは、判断の条件を付けた改善案(「原価率が○%を超えたら上げる」のような言い方)を出しています。どちらも、実際の会議の改善に使える内容でした。
つまり、1回の会議を分析するだけなら、スキルなしでも十分です。このスキルが効くのは、観点の抜けを防ぎたいときと、複数回の会議を同じ基準で比べたいときだと考えられます。後者は説明書の記載で、私たちは試していません。1回ずつの実行なので、時間や費用の差は目安として見てください。
中身の安全確認
入れる前に、リポジトリの中身を読みました。
- SKILL.md は約10KBの1ファイルで、スクリプト・hooks・設定ファイルはありません
- 許可するツールの指定(allowed-tools)もありません
- 説明書の指示は「フォルダの文字起こしを読む → 分析する → 決まった書式で報告する」だけです。外部に送信する指示や、コマンドを実行させる指示は見つかりませんでした
ただし、文字起こしには社内の発言が含まれます。分析を頼むと、その内容は Claude に送られます。社外秘の会議や、個人の評価に関わる発言を含むものは、自社の情報の取り扱いルールに照らしてから使ってください。
向かない場面と注意点
- 議事録が欲しいとき:決定事項や宿題を残すスキルではありません。議事録は別の方法で作ります
- 他人を評価したいとき:説明書は部下のコーチングにも使えると書いていますが、本人の了承なしに話し方を採点する使い方は避けたほうがよいと私たちは考えます
- 文字起こしが無い会議:説明書の description には録画も対象とありますが、手順は文字起こしを前提にしています。音声や動画そのものを読ませる使い方は試していません
- ライセンスと更新:このスキルが入っているリポジトリには、2026年10月21日時点でライセンスの表示がありません。スキル単体の更新も、2025年10月17日から止まっています(リポジトリ全体は2026年9月18日にも更新があります)。会社で使う場合は、この点を確認してください
- 1回の会議だけの分析:スキルなしでも同じ水準の結果が出ました。1回なら入れなくても試せます
リポジトリのスター数は、2026年10月21日時点で77,549でした。これはスキル集全体の数字で、このスキル単体の評価ではありません。
会議で決まらなかった内容の見落としを防ぎたい場合は、議事録の側に「聞けなかったこと」の欄を作る方法もあります。
まとめ|使う前のチェックリスト
- □ 目的は「議事録」ではなく「自分の話し方の分析」になっている
- □ 会議の文字起こしが、1つのフォルダに入っている
- □ 文字起こしの中の自分の名前(表示名)を、依頼文で伝える
- □ 1回の依頼で、見たい癖を1つか2つに絞る
- □ 割合は「文字数」で数えた目安だと理解している
- □ 社内の発言を Claude に送ってよい会議か、確認した
- □ ライセンス表示が無く、更新が止まっていることを承知している
- □ 1回分だけなら、スキルなしの依頼でも近い結果が出ると知っている
「会議・議事録」のスキルは、ほかに2本を同じ架空の会社の材料で試しています。
Claude Codeを「素のまま」使うな

設定で差がつく——CLAUDE.md・権限・スキルの実物を公開(全24ページ)
素のClaude Codeは"優秀な新入社員"。仕事を教えるほど、自分専用になります。覚えさせる4点セット——会社の説明書(CLAUDE.md)・権限の柵・手順書(スキル)・フォルダの地図——を、1人会社の実運用からコピペで使える型つきで公開します。
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