mtg-onepagerとは|議事録を1枚の画像にする使い方
「会議の議事録はあるのに、誰も読み返さない」「欠席した人に、決まったことだけ1枚で見せたい」——議事録を共有するたびに、そんな悩みが出ます。
結論から言うと、mtg-onepager は議事録を「決定/未決・返事待ち/部署ごとの進捗/直近の予定」に分けて、色分けした16:9の1枚の画像(3840×2160のJPEG)にする Claude Code のスキルです。架空の会社の定例会議の文字起こしで試したところ、決まらなかった5件は全部「未決」に入り、決定の数字も合っていました。一方で、宿題が「決定」の欄に混ざる点と、使えるかどうかの根拠がまだ少ない点があります。
株式会社Fyveは、AIスキルを実際に入れて、架空の会社の仕事で試した結果だけを書いています。この記事の数字は、2026年10月21日に私が実機で動かした1回分です。
mtg-onepagerとは|議事録を1枚の画像にするスキル
mtg-onepager は、GitHub の vhsvhafmwf/mtg-onepager で公開されている Claude Code 用のスキルです。スキルとは、Claude Code に「この種の依頼はこの手順でやる」と覚えさせる手順書のフォルダのことです。
README によると、入力は次のいずれかです。
- 貼り付けたテキスト
- 議事録のファイル
- 文字起こし
- Notion などの議事録ページの URL
出力は、3840×2160 の JPEG と、確認用の 1920×1080 の縮小版です。Claude が議事録を読んで内容を分類し、同梱のスクリプトが画像に描きます。
分類の決まりは、スキルの参照文書(references/extraction.md)と SKILL.md に書かれています。要点は次の3つです。
- 「決定」にするのは、結論か担当が書かれている議題だけ
- 意見が割れた議論は「未決」、返事待ちの依頼も「未決」
- 出席者名簿は載せない。個人の体調・評価・合否のような情報も載せない
デザインは固定です。決定は白いカードに塗りつぶしのチェック、未決は担当ごとの色のカードに中抜きのチェック、という見た目になります。
リポジトリの状態も先に書いておきます。2026年10月21日時点で、★は0、フォークは0、issue も0、コミットは1本で、作成は2026年10月10日です。ライセンスは MIT。つまり、まだ誰かが使い込んだ実績は見当たらないスキルです。この記事が「使える」と言い切れない理由の一つは、ここにあります。

どんな仕事で使えるか
向いているのは、「会議の結論を、会議に出ていない人にも1枚で見せたい」場面です。
- 月次の定例会議の後に、メンバー全員へ共有する1枚を作る
- 幹部会議の「決まったこと・まだ決まっていないこと」を、現場に回す
- 議事録の本文を読まない人向けに、チャットへ貼る要約画像を作る
議事録の文章を整えるだけなら、このスキルは要りません。出口が「画像」であること、そして決定と未決を分けて見せることが、このスキルの狙いです。
議事録そのものの作り方(録音・文字起こし・話者の分け方)は別の話です。そちらは次の記事にまとめています。
会議の議事録を自動化する完全ガイド|形・録音環境・出口で決める

mtg-onepagerの入れ方
必要なもの
README に書かれている必要なものは次のとおりです。
- Claude Code
- Node.js 18 以上
- 初回だけ Chromium のダウンロード(約150MB、Playwright 経由)
A. プラグインとして入れる(READMEの推奨)
Claude Code の中で、次の2行を実行します。
/plugin marketplace add vhsvhafmwf/mtg-onepager
/plugin install mtg-onepager@mtg-onepagerB. スキルのフォルダを直接置く
git clone https://github.com/vhsvhafmwf/mtg-onepager.git
cp -R mtg-onepager/plugins/mtg-onepager/skills/mtg-onepager ~/.claude/skills/私の試験では、普段の環境を汚さないために、試験用フォルダの .claude/skills/ に B のフォルダコピーで置きました。A のプラグイン方式は試していません。
描画の環境(初回だけ)
最初に使うとき、Claude が次の2つを実行してよいか聞く、と README にあります。手で先に入れておくこともできます(<skill-dir> はスキルを置いた場所です)。
npm install --prefix "<skill-dir>/scripts"
npx --prefix "<skill-dir>/scripts" playwright install chromium1行目で入るのは Playwright(ブラウザを自動で動かす道具)で、バージョンは package.json で 1.62.1 に固定されています。Chromium はそのあと、ユーザー共通のキャッシュ置き場に入ります。
私の試験では、依頼文に「準備が必要なものがあれば、この作業フォルダの中に入れてかまいません」と添えたところ、Claude が自分で npm install まで進めました。Claude が実行したのは npm install と Chromium の取得で、brew など Mac 全体への導入は求められませんでした。
Claude Codeにこう頼む
スキル名を言う必要はありませんでした。議事録のファイルを置いて、日本語でこう頼みます。
work/2026-10-teireikai.txt は先日の月次定例会議の文字起こしです。
決まったこと・決まらなかったこと・宿題・今後の予定が一目で分かる、
共有用の1枚の画像にしてください。画像は work/ に出力してください。SKILL.md の description には、「議事録をペライチにして」「この会議を1枚にまとめて画像で」「幹部会議(定例・全体MTG)のキャッチアップ作って」といった言い方が発動の目印として並んでいます。文字起こしから文章の議事録を作るだけの依頼には使わない、とも書かれています。
議事録が Notion のページにある場合は、URL を渡します。ただし、読めるかどうかは Claude Code に入っているツール(Notion の連携やブラウザ操作)次第です。読めないときは、ページを Markdown で書き出して渡す、と README にあります。この URL 渡しは今回試していません。
試した結果|架空の会社の定例会議で
試した条件
題材は、架空の会社(手作り家具を売る従業員12名の会社)の月次定例会議の文字起こしです。発言が58あり、雑談や言い直しも入れてあります。
- 決まったこと: 広告の入札額を今週中に戻す/年末年始の休業は12月29日〜1月4日・出荷の最終受付は12月26日/領収書は翌月5日まで
- 決まらなかったこと: 広告費予算の削減、送料の扱い、値上げ、新商品の発売日、定期メンテナンス便を続けるか
- 言い直し: 去年の休業日(12月30日〜1月3日)が話に出るが、今年は12月29日からになる/強度試験で「壊れた」ではなく「緩んだ」
- 雑談: 昨日の雨と店舗の入り口の水
モデルは Sonnet、私の普段のスキルや設定は読み込まない状態で、依頼は1回だけ出しました。

数字で見た結果
- 発動: スキル名を言わなくても、1回目で mtg-onepager が呼ばれた
- かかった時間: 約71秒(npm install と Chromium の準備を含む)
- 使用量: 出力トークン約5,200、費用の目安は0.17ドル
- できたもの: 3840×2160 の JPEG、1920×1080 の縮小版、元データの data.json
- 件数: 決定6件、未決5件、進捗は3担当で6項目、直近の予定4件
流れも見えました。Claude は文字起こしと参照文書を読み、data.json を書き、描画スクリプトを実行しました。最初の版は文字が枠に収まらず、文言を短く直して描き直しています。最終的に文字は最小の0.82倍まで縮みました。できた縮小版は、Claude が自分で開いて崩れを確認していました。

正解と比べて
文字起こしと突き合わせて確認しました。
- 決まらなかった5件: 5件とも「未決」に入りました。割れた議論を決定扱いにしていません
- 決まった3件: すべて載り、日付と数字(12/29〜1/4、最終受付12/26、翌月5日)も合っていました
- 言い直し: 去年の休業日に引きずられず、今年の12/29〜1/4を採用しました。「継ぎ手が緩んだ」も正しく書かれました
- 予定の曜日(10/25 日、10/28 水、10/30 金、11/5 木)も合っていました
- 作話: 進捗の数字と日付を見た範囲では見つかりませんでした
- 画像の下には「担当者の割り当ては発言内容からの推定」と書かれていました

うまくいかなかった点
- 宿題が「決定」の欄に入る: 「運送会社の見積もりを比べる(経理)」「アンケートを取る(営業)」のように担当と期日がある宿題が、決定事項6件のうち3件を占めました。スキルの分類が「結論か担当が書かれているものは決定」なので、そのとおりの動きです。宿題を別の欄に分けたい場合は、template.html を直す必要があります
- 期限のない宿題は載らない: 代表が「店舗の排水口を見ておく」と言った件は、画像から外れました。Claude は、会議の議題ではないので載せなかったと報告しています
- 文字が小さい: 縮小が下限の0.82倍まで進みました。4K なので拡大すれば読めますが、チャットに貼って1920px 幅で見ると小さく感じます
- 最初は収まらなかった: 長い議事録では、Claude が文言を削る描き直しが入ります。省かれた内容は報告で確認できますが、削った文言は自分の目で見ておく必要があります
スキルなしとの違い
同じ依頼文・同じ条件で、mtg-onepager を入れていない状態でも1回試しました(実行記録で、スキルの呼び出しがないことを確認しています)。こちらも1回きりの比較なので、ぶれの幅は分かりません。
スキルなし | mtg-onepager を入れた | |
|---|---|---|
かかった時間 | 約57秒 | 約71秒 |
費用の目安 | 約0.22ドル | 約0.17ドル |
出力トークン | 約6,800 | 約5,200 |
ターン数 | 13 | 10 |
画像の大きさ | 1800×1350(4:3) | 3840×2160(16:9) |
準備 | 画像を描くスクリプトを自分で書いた(Pillow)。フォント探しと描き直しを繰り返した | 描画環境の導入が必要(npm・Chromium) |
スキルなしでも、思った以上にきちんとできました。

正解と比べると、次のとおりです。
- 決まらなかった5件: スキルなしも5件とも「決まらなかったこと」に入れました。ここは差がありません
- 決まったこと: 休業・入札額・領収書の3件は合っていました。加えて「チェアの案内文は先に準備する」も決定に入れています
- 宿題: スキルなしのほうが良い点です。宿題の欄が独立していて、担当と期限が並びます。排水口の確認(期限なし)も「随時・代表」として載りました。mtg-onepager では、宿題が決定欄に混ざり、排水口は落ちていました
- 日付の気づき: 答えの末尾で、「休業のお知らせ下書きの期限10/25は日曜日」と注意していました。排水口の期限が発言にないことも断っていました
- 推測の混入: 次回の定例会議を「11月頭」と予定欄に書いていました(会議では「11月の頭にもう一度相談」とあるだけで、日付は決まっていません)。注記と報告で断っていますが、予定欄としては推測です。mtg-onepager は、予定を会議で出た日付に絞っていました
見た目の違いもあります。mtg-onepager の画像は、決定は白、未決は担当の色、という決まった見た目で、16:9の高解像度です。スキルなしの画像は、色は枠ごとの色分けで、4:3の1800ピクセル幅です。毎回同じ見た目で出したいなら、スキルのほうが向いています。
整理すると、今回の1回では、画像の質より「決まった型で出る」ことが、スキルの違いでした。宿題を独立させたいなら、スキルなしのほうが合っていました。スキルの描画環境を入れる手間と、版が動きやすい新しいスキルを使うリスクを考えると、1回きりの会議で、見た目の統一にこだわらないなら、スキルなしで足りる可能性が高いと私は見ています。これは1回の比較に基づく判断です。
入れる前に確認した中身の安全面
入れる前に、README・SKILL.md・描画スクリプト・テンプレートを読みました。
- 外に送るもの: 描画スクリプトに、議事録を外へ送るコードは見当たりませんでした。ブラウザで開くのは、議事録の中身を埋め込んだ一時的な HTML(自分の PC 内のファイル)です
- ネットに出ること: 画像の文字を描くために、Chromium が Google Fonts(Noto Sans JP・Inter)を取りに行きます。議事録の本文は送られませんが、フォントを取る通信は発生します。ネットに出られない環境では OS の日本語フォントで描き、結果の webFonts が false になります(この見た目は未確認です)
- 実行するコマンド: npm install、playwright install chromium、node render.mjs の3つです。初回に実行してよいか聞く、と SKILL.md に書かれています
- 書き込み: 指定した場所に JPEG と縮小版、OS の一時フォルダに HTML を書きます。議事録の編集はしません
- 権限・認証情報: 許可するツールの指定、フック、環境変数や認証情報の扱いは見当たりませんでした
- 共有の注意: 個人の体調・評価・合否を載せない指示がありますが、README も「共有する前に中身を確認してください」と書いています。Slack などへの投稿は、頼まれても投稿前に確認する、と書かれています(投稿は試していません)
気になった点は、1コミットだけの新しいスキルで、版が動きやすいことです。入れる前に描画スクリプト(scripts/render.mjs)を一度読むことをすすめます。
mtg-onepagerが向かない場面
- 議事録がない: 入力は文字になった議事録か文字起こしです。録音から作る工程はこのスキルの範囲外です
- 宿題を独立した欄で管理したい: 宿題は決定欄に入ります。担当と期日の管理表は別に作るほうが向いています
- 会議の機密度が高い: 議事録の中身は Claude に読ませることになります。社内の取り決めで外部のAIに出せない会議には使えません
- 画像を編集したい: 出力は JPEG です。直すときは data.json を直して描き直します。パワーポイントのように直接は動かせません
- 実績で選びたい: ★0、コミット1本です。他の人が使った記録を見て決めたい場合は、まだ判断材料が足りません
スキルを選ぶ基準そのものは、こちらの記事にまとめています。
議事録の「聞けなかったこと」を抜けなく残す工夫は、こちらです。
試せなかったこと
- Notion などの URL からの読み込み、コメントの読み込み
- 貼り付けたテキストでの依頼
- Slack への投稿
- プラグイン方式(/plugin install)での導入
- ネットに出られない環境での見た目
- 複数回の再現(今回は1回のみ)、Windows・Linux での動作
まとめ|mtg-onepagerを使う前のチェックリスト
- Node.js 18 以上が入っている
- 初回に npm install と Chromium の取得(約150MB)が走ることを知っている
- 議事録を Claude に読ませてよい会議である
- 描画スクリプトを一度読んで、外へ送るものがないことを確認した
- 決定欄に宿題が混ざる前提で、できあがった画像を読む
- 共有する前に、載ってはいけない個人情報がないか画像を目で見る
- 0★の新しいスキルなので、最初は1回きりの会議で試す
私の試験では、決まらなかった議題を正しく「未決」に回す点は期待どおりでした。共有用の1枚が欲しい場面では試す価値があります。ただし、実績が少ないこと、宿題が決定欄に入ること、スキルなしでも近い出来になることを前提に、使う場面を選んでください。
「会議・議事録」のスキルは、ほかに2本を同じ架空の会社の材料で試しています。
Claude Codeを「素のまま」使うな

設定で差がつく——CLAUDE.md・権限・スキルの実物を公開(全24ページ)
素のClaude Codeは"優秀な新入社員"。仕事を教えるほど、自分専用になります。覚えさせる4点セット——会社の説明書(CLAUDE.md)・権限の柵・手順書(スキル)・フォルダの地図——を、1人会社の実運用からコピペで使える型つきで公開します。
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