archify スキルとは|計画を触れる図にする使い方
「新サービスの案を文書にしたけれど、会議で全員に同じ理解で読んでもらえない」「仕組みとお金と心配事を、1枚で見せたい」——企画を人に伝える場面で、誰もがこの壁に当たります。
結論から言うと、archify スキルは、文章で書いた企画や仕組みを「クリックして中身を見られる、ブラウザで開くだけの1枚の図(HTML)」にしてくれるClaude Codeのスキルです。私が架空の会社の新サービス案を渡したところ、約1分53秒で、15個の箱を線でつないだ図ができました。
株式会社Fyveは、Claude Codeのスキルを1本ずつ実際に入れて試し、うまくいった点もいかなかった点も記録しています。この記事では、archify スキルの使い道、入れ方、頼み方、試した結果、スキルなしとの違い、安全面の確認、向かない場面を順に書きます。
archify スキルとは|計画や仕組みを「触れる図」にするスキル
archify は、GitHubで公開されているスキル(tt-a1i/archify、ライセンスはMIT)です。READMEの説明は「理解したいこと、計画したいこと、共有したいことを、触れるビジュアルに変える」というものです。
出てくるのは、1つのHTMLファイルです。ブラウザで開けば、箱をクリックして詳細を見たり、2つの箱を選んで「ここからここまで」の経路を光らせたり、明るい配色と暗い配色を切り替えたりできます。閲覧する側にarchifyのインストールは要りません。HTMLを送れば、触れる状態のまま届きます。
作れる図は、構成図・流れ図・やりとり図(シーケンス)・データの流れ・状態の移り変わり・データベースの表(ERD)・クラス図・ツリー・時系列・処理時間の内訳の10種類です。コードの図だけでなく、旅行の行程や学習のマップのような身近なものにも使える、とREADMEは説明しています。
GitHubのスター数は86,562、公開は2026年4月15日、最終更新は2026年10月20日、安定版はv3.2.0(2026年10月18日)です(いずれも2026年10月21日時点、GitHubのAPIとREADMEで確認)。
この記事で試したのは、構成図の作成です。READMEにある「1ページで答えを返す解説ページ(explainer)」の機能や、リポジトリを読ませて図にする使い方、PNGやWebMなどの書き出しは試していません。
どんな仕事に使えるか
使い道は、「複数の要素のつながり」を、見る人が自分で確かめながら理解する場面です。
- 新サービス案の社内確認:仕組み、お金の流れ、手間、心配な点を1枚にして、会議で全員が同じ図を見る
- 業務や体制の説明:誰が何をして、どこで次の人に渡るのかを、クリックして確かめられる形で見せる
- システムの全体像:外注先や社内のエンジニアと、構成を確認する(コードを読ませて図にする使い方もREADMEにありますが、今回は試していません)
- お客様向けの説明:サービスの仕組みを、触れる図にして共有する
グラフや数字の集計表を作るスキルではありません。SKILL.mdにも「ダッシュボード用ではない」と書かれています。

入れ方(READMEの手順)
READMEの手順は、次の1行です。
- skills CLIで入れる:
npx skills add tt-a1i/archify -g(自分の環境全体に入る) - フォルダを置く:Claude Codeの場合、
~/.claude/skills/または、プロジェクト内の.claude/skills/にスキルのフォルダ(リポジトリのarchifyフォルダ)を置く、とインストール方法の表に書かれています
必要なものは、Node.js(18以上)です。SKILL.mdには「スキルのフォルダの中でインストール作業は要らない」とあります。私の環境では、図の最後の点検でChromeが使われました(Chromeが無い環境での動作は確認していません)。
今回の試験では、普段の環境を汚さないよう、スキルのフォルダを試験用フォルダの .claude/skills/archify/ にコピーして使いました。追加のインストール作業はしていません。npx skills add は試していません。
なお、このスキルは、動かすと「新しい版が出ていないか」を確認しにいきます。詳しくは「中身の安全確認」の節に書きます。
Claude Codeにこう頼む
READMEでは、「Archifyで〜を図にして」と頼む形が紹介されています。調整は「Redisを足して」「認証を左に動かして」のように、続けて頼めるそうです(続けての調整は今回試していません)。
今回は、スキル名を一度も言わずに、次のように頼みました。
work/new-service.md に、新しいサービス案(家具の定期メンテナンス便)が書いてあります。来週の社内の打ち合わせで、この案が「どういう仕組みで動いて、お金と手間がどう流れ、どこが心配か」を全員で確認したいので、触って確かめられる1枚の図にしてください。完成したら work/ に置いてください。
実行記録を見ると、最初にarchifyスキルが呼ばれていて、1回目の依頼で発動しました。頼み方のコツは、「何のための図か(今回は社内会議で確認)」と「図に載せたい観点(仕組み・お金・手間・心配)」を言葉にすることだと感じました。
試した結果|架空の会社の新サービス案を図にした
試したのは、架空の会社(手作り家具を売る従業員12名の会社)の、「家具の定期メンテナンス便」という新サービス案です。月額2,980円・4,980円・1,500円の3プラン、1回の訪問の原価、職人の人数の限界、心配な点(職人不足・移動・解約・責任範囲・需要が未確認)が、短い文書に書いてあります。使ったモデルはSonnetです。

できあがったもの
約1分53秒(実測 112.9秒、8ターン、費用の目安は約0.31ドル)で、HTMLファイルが1枚できました(約820KB)。

上段(緑)は、プランの申込から、訪問の予約、職人の割り当て、お客様宅での作業までの流れです。下段(紫)は、月額の売上から、訪問の原価を引いて粗利が出るまでのお金の流れです。赤い箱は「心配な点」5つで、影響する箱に点線の矢印でつながっています。図の下には、プラン別の粗利、職人1人あたりの件数、「会議で決めたいこと」のカードが付きました。
箱をクリックすると、その箱の詳細カードが開き、そこから先に何がつながっているか(今回は「職人が足りない」から下流に5つ)が見えます。

「ROUTE」ボタンで2つの箱を選ぶと、その間の最短の経路が光ります。下の画面は「需要が未確認」から「粗利」までで、「既存のお客様」「月額の売上」を通る3ステップと表示されました。


正解と比べてどうだったか
- 元の文書にある数字(月額3プラン、1回の原価6,600円=人件費4,500円+交通費・車両費1,500円+材料600円、粗利率63%と55%、職人は月16件まで、アンケートの期限11月5日)は、私が画面で見た範囲で、文書のとおりでした。全項目を1つずつ突き合わせたわけではありません
- 元の文書の「心配な点」5つ(需要が未確認・遠いと採算割れ・職人不足・破損時の責任・解約)は、すべて赤い箱として入っていました
- 元の文書にない数字(職人1人でさばける契約数の目安、スタンダード約48件・ライト約96件)が、カードに入っていました。計算は「月16件×12か月÷年の訪問回数」で合っていましたが、Claude自身が「元の資料にない数字なので、会議前に確認してください」と報告していました。勝手に足した数字を、足したと教えてくれる点は助かります
- 文書に原価の見積りがない「配送のみ」プランは、「未見積り」と書かれていました。数字を作り話で埋めてはいませんでした
うまくいかなかった点・気になった点
- ボタンなどの画面の文字が英語。図の中身は日本語ですが、「ROUTE」「LENS」「Export」「Semantic passport」などの操作部分は英語でした。Claudeの報告によると、日本語の表示データが用意されていないためです。社内の会議で全員に見せるなら、最初に説明が要ります
- 点検は自動のもので、見た目は人が見ていない。報告には「自動チェックは通ったが、人の目での見た目の確認はしていない」とありました。私が開いて見た範囲では、文字の重なりや切れはありませんでしたが、本番の前に自分の目で確認する前提です
- 入力した数字を動かして試算する機能はない。触れるのは、詳細の表示・経路の追跡・見え方の切り替えまでです。「契約数を変えたら粗利はいくらか」のような計算は、この図ではできません(次の節のとおり、スキルなしでは作れました)
- 作業用のファイルが残る。図のHTMLと同じフォルダに、点検結果のファイルが3つできました(Claude自身が「共有前に消してよい」と報告)
スキルなしとの違い
同じ依頼文を、archify を入れていない別のフォルダでも、1回だけ実行しました(実行記録にスキルの呼び出しがないことを確認済み)。1回ずつの結果なので、毎回この差が出るとは限りません。

スキルなしでも、約2分14秒で、触れる図が1ファイル(約22KB)できました。「仕組み」「お金」「手間」「心配な点」の4つの層をボタンで切り替えられ、箱をクリックすると右に詳細が出ます。心配な点は赤丸の番号で箱に付き、右のリストをクリックすると図の該当箇所が点滅します。さらに、下に「契約数を動かして確かめる」スライダーがあり、ライト・スタンダード・配送のみの契約数と職人の人数を動かすと、月の売上・訪問件数・粗利・職人の枠の使用率が変わります。画面の文字はすべて日本語でした。

私の見立てでは、次のように分かれます。
- 会議で「この案で採算が合うか」を触って確かめたい:今回はスキルなしのほうが向いていました。スライダーで数字を動かせて、画面も日本語です。ただし、スキルなしの図は、元の文書の粗利を計算上の33,360円ではなく「約33,000円」に合わせて表示した、とClaude自身が報告していました。数字の扱いは、確認が要ります
- つながりを見せたい・構成を確かめたい:archify のほうが向いています。2つの箱の間の経路を光らせたり、影響の範囲(上流・下流)を数えたり、PNG・SVGなどで書き出したりといった、「図そのものを探る」機能は、スキルなしの図にはありませんでした。見た目も、同じ規則で描かれるので、図の種類が違っても統一感があります
つまり、今回の題材のように「数字を動かして試す」場面は、スキルなしでも足りました。archify が効くのは、箱と線で表せる「つながり」が主役で、見た目を整えた図を、人に渡したり書き出したりする場面です。時間と費用は、今回はほぼ同じでした(約1分53秒・約0.31ドルに対し、約2分14秒・約0.33ドル)。
中身の安全確認|何を外に送り、何を実行するか
入れる前に、SKILL.md・README・SECURITY.mdのほか、スキルのフォルダにあるスクリプト(bin・scripts・renderers)を読みました。
- 外部への通信:「更新の確認」で、固定のアドレス(作者のGitHub Pages)の更新情報を読みに行く処理があります。READMEによると、サーバーが受け取るのは通常の通信の情報(IPと時刻)だけで、バージョンや依頼の内容は送らず、更新も自動では入れません。実際に今回も、点検の結果に「ネットワーク経由で確認し、最新版(3.2.0)と同じ」と記録されていました。止めたいときは、環境変数
ARCHIFY_UPDATE_CHECK_DISABLED=1を設定します。このほか、ロゴ画像を取得する処理(ブランドのロゴを頼んだときだけ)があり、社内のアドレスは取得しない作りになっています。文書の内容を外へ送る処理は、読んだ範囲で見つかりませんでした - 実行するもの:Node.js自身、Chrome(図の表示確認)、git(コードから図を作るとき)、図を開くためのコマンドです。図を確認する用の、自分のPC内だけで動く小さなサーバー機能もあります。
evalやnew Functionは、読んだ範囲のスクリプトには見つかりませんでした - 手元に残るもの:今回の試験では、試験用フォルダの外の
~/Library/Caches/archify-skillに、更新確認の記録用のフォルダが作られました。普段の環境のスキルや設定は触っていません - 認証情報・allowed-tools:認証情報を読む処理は見つかりませんでした。
allowed-toolsの指定、hooks、plugin.json はありません
私が読んだ範囲では、説明と違う動きは見つかりませんでした。ただし全ファイルを1行ずつ精査したわけではなく、リポジトリは更新が続いているので、入れる時点で最新版の中身を見ることをおすすめします。
向かない場面
- 数字を動かして試算したい場合:スライダーで試算する機能はありません。今回の題材では、スキルなしのほうが向いていました
- グラフ・数字の集計表:作るものではありません
- 会議で、全員に日本語の画面で見せたい場合:操作ボタンが英語です。最初に使い方を説明する前提になります
- 見た目を人が確認する時間が取れない場合:点検は自動のもので、見た目の確認は人の仕事です
- 通信の制限が厳しい会社のPC:更新確認のための通信があります(止められますが、設定が必要です)
- Node.jsやChromeが使えないPC:Node.js(18以上)が前提で、図の点検にChromeが使われました
関連する記事
難しい資料を図にする別の使い方については、こちらの記事も参考になります。
スキルそのものの使い方を一から知りたい方は、こちらをご覧ください。
Claude Code Skillsの使い方|業務をSkill化する実践手順
図解の見た目を整える方法が気になる方は、こちらもあわせてどうぞ。
まとめ|入れる前のチェックリスト
- □ 見せたいものが「箱と線でつながる仕組み・流れ・構成」である(グラフや計算ではない)
- □ 元になる文書に、載せたい数字や条件が書いてある(足りない数字は、作り話で埋めずに「未見積り」と出るか確かめる)
- □ Node.js(18以上)とChromeが入っている
- □ ボタンなどの画面が英語でも構わない(または最初に説明する)
- □ 図は、自動の点検が通っていても、見た目を人の目で確認する
- □ 更新確認の通信が問題なら、
ARCHIFY_UPDATE_CHECK_DISABLED=1を設定する - □ 入れる時点の最新の中身を、一度読んでおく
- □ 数字を動かして試す図が欲しいなら、スキルなしの依頼も比べる
試験の日付と数字は、2026年10月21日時点のものです。スキルは更新が続くため、結果が変わる可能性があります。
「図で説明する」のスキルは、ほかに2本を同じ架空の会社の材料で試しています。
仕事でAIを使う人が「絶対に」知っておくべき Claude Codeスキル TOP10

31本を実際に入れて、スキルなしと比べた結果つき(全28ページ)
スキルを入れても、Claude が急に賢くなるわけではありませんでした。31本を架空の会社の仕事で試し、同じ依頼をスキルなしでも検証して比べたうえで、導入する価値があった10本を仕事別にまとめています。
- 文章・スライド・図・数字・調べもの・契約書など、仕事別の10本
- 1本ごとに、スキルなしと比べた時間・費用・出来
- 実物の画面と、Claude Code にそのまま貼れる頼み方
- 外した5本の理由と、入れる前に確かめる4つのこと
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