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2026/10/21Claude Code
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anatomy skillとは|業務の流れを立体の図にする使い方

anatomy skillとは|業務の流れを立体の図にする使い方

「新入社員に業務の流れを説明したいけれど、表や箇条書きでは伝わらない」「流れ図を作っても、結局だれも見てくれない」——文書を図にしたいとき、誰もがこの壁に当たります。

結論から言うと、anatomy skill は、文章で書いた業務の流れを「触って動かせる立体の図」にしてくれるClaude Codeのスキルです。私が架空の会社の受注から出荷までの10工程を渡したところ、約11分半で、レールの上を木箱が進む等角投影の図がHTMLファイルとして出てきました。

株式会社Fyveは、Claude Codeのスキルを1本ずつ実際に入れて試し、うまくいった点もいかなかった点も記録しています。この記事では、anatomy skill の使い道、入れ方、頼み方、試した結果、安全面の確認、向かない場面を順に書きます。

anatomy skillとは|仕組みを「立体の図」にするスキル

anatomy は、GitHubで公開されているスキル(wheresryan22/anatomy、ライセンスはMIT)です。作者の説明は「アイデアを、実際に動くものとして組み立てて説明する」というものです。たとえば「キャッシュの仕組み」を説明したいとき、箱と矢印を描くのではなく、「条件が揃ったときだけ回る錠前」のような物を作り、その動きで仕組みを見せます。

作られる図は、小さな部品を多数組み合わせた等角投影(斜め上から見下ろした立体)のSVG図で、HTMLファイルとして出てきます。ブラウザで開くと、マウスで触ったりキーを押したりして動かせます。

GitHubのスター数は17,719、公開は2026年10月8日、最終更新は10月18日です(いずれも2026年10月21日時点、GitHubのAPIで確認)。

この記事で試したのは、作者が「中核」と位置づけているSVGの図の作成です。READMEには、シェーダー(炎や水の表現)を使う図、真の3Dで回る図(ベータ版)、印刷用PDFを作る機能も書かれていますが、今回は試していません。

どんな仕事に使えるか

README自身が「機械・道具・家具のような、仕組みのあるものは得意。人物や地図は描けない」と書いています。仕事での使い道は、「流れ」や「仕組み」を、見る人が触って理解する場面です。

  • 新入社員への説明:受注から出荷までの流れ、経費精算の流れなど、工程が順に進む業務
  • 社内マニュアルの導入部:文章の前に、全体像を動く図で見せる
  • お客様向けの説明ページ:サービスの仕組みを、触れる図にして載せる
  • 研修・会議の資料:投影して、工程をクリックしながら説明する

グラフを作るスキルではありません。数字を並べる用途には向かず、READMEにも「グラフ(軸・系列・データプロット)は作らない」と明記されています。

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入れ方(READMEの手順)

READMEに書かれている方法は複数あります。Claude Codeの場合の代表的な2つは次のとおりです。

  • skills CLIで入れる:npx skills add wheresryan22/anatomy -g -a claude-code(自分の環境全体に入る。~/.claude/skills/anatomy)
  • gitで入れる:git clone https://github.com/wheresryan22/anatomy.git ~/.claude/skills/anatomy(プロジェクト単位なら .claude/skills/anatomy に置く)

必要なものは、Node.js 20.10以上と、図の点検に使うChrome(またはChromium)です。READMEによると、追加のライブラリ(npm install)は不要です。

今回の試験では、普段の環境を汚さないよう、リポジトリを試験用フォルダの .claude/skills/anatomy/ にコピーして使いました(gitで入れる方法と同じ置き方です)。npx skills add は試していません。

Claude Codeにこう頼む

使い方は、READMEでは /anatomy に続けて頼む形が紹介されています。名前を呼ばなくても、「立体の図」「説明用の図」のような依頼で自動的に呼ばれるとも書かれています。

実際に、スキル名を一度も言わずに次のように頼みました。

work/workflow.md に、うちの会社の受注から出荷までの業務の流れが書いてあります。新入社員に流れを説明するときに使いたいので、この流れを、触って動かせる立体の図にしてください。完成したら work/ に置いてください。

実行記録の最初の動きが anatomy スキルの呼び出しで、1回目の依頼で発動しました。作者のREADMEは「何を説明する図か」と「実際の数字(個数・日数・しきい値)」を伝えるのが良い頼み方としています。今回は、10工程の表(担当と日数つき)の文書を渡したのが、それにあたります。

試した結果|架空の会社の10工程を立体の図にした

試したのは、架空の会社(手作り家具を売る従業員12名の会社)の「受注から出荷までの業務の流れ」です。注文受付から到着確認まで10工程、各工程に担当と所要日数が書いてあり、補足として「在庫品は工程5・6を飛ばす」「検査で不合格なら工程5へ戻る」「未入金は7日後に自動キャンセル」の3つの例外があります。使ったモデルはSonnetです。

できあがったもの

約11分30秒(実測 692秒)で、HTMLファイルが2枚できました。明るい配色と暗い配色で、どちらも約520KB、ネット接続なしで動きます。

anatomy skillで作った、受注から出荷までの10工程の立体図(明るい配色)

工程1の机とモニター、工程2のレジ、工程3の棚、工程9のトラックなど、見れば仕事の中身が分かる小さな装置が並び、レールの上を注文の木箱が順に進みます。図の下には、選んだ工程の担当・所要日数・内容が出ます。上のボタンで、補足の4つのパターン(受注生産品・在庫品・検査で不合格・未入金)を切り替えて動かせます。

在庫品を選ぶと、木箱は近道の線路に入ります。画像の中央にある斜めの短いレールがそれです。

在庫品を選んだ状態。工程5・6を飛ばす近道のレールが見える

正解と比べてどうだったか

  • 工程名・担当・日数・内容は、私が画面で確認した範囲(工程1・2など)で、元の文書のとおりに表示されていました。全10工程を1つずつ突き合わせたわけではありません
  • 在庫品は工程5・6を飛ばす、検査不合格は工程6から5へ戻る、未入金は工程2で止まる、という3つの例外が、ボタンで切り替えられる動きとして作られていました。私が画面で確かめたのは在庫品の近道のレールまでで、不合格と未入金の動きは、Claude自身の「確認した」という報告によります
  • Claude自身の報告では、画面の表示の変化を確かめ、コンソールにエラーはなく、スマホ幅でも横にはみ出さないとのことでした。私が開いたときも、エラーは出ませんでした
  • Claudeは、工程4を在庫品でも止まる作りにした理由(元の文書が「飛ばす」と書いたのは工程5・6だけ)を、気づいた点として自分から報告してきました。元の文書の読み違いではなく、確認を求める形になっていました
Claude Codeに頼んだ文と、返ってきた報告の画面

うまくいかなかった点・気になった点

  • 図の中に工程名が出ない。図の中の装置には番号だけが付き、工程名は下のパネルで読む作りでした。初めて見る人は、番号と下の一覧を行き来することになります。これは出力の好みの問題で、頼み方で変えられる可能性がありますが、今回は試していません
  • 時間がかかる。約11分半でした。READMEも「意図的に時間をかける作りです」と書いています
  • Claude自身の点検に抜けがある。報告には「工程2〜6の細部は拡大して見ていない」「線の端が1.3px浮いているものが1本ある」と書かれていました。正直に書いてくれるのは良い点ですが、細部の確認は人が見る必要があります
anatomy skillが立体の図を作るまでの流れ(頼む、スキルが起動、約11分で作る、HTML2枚が完成)

スキルなしとの違い

同じ依頼文を、anatomy を入れていない別のフォルダでも、1回だけ実行しました(実行記録にスキルの呼び出しがないことを確認済み)。結果は次のとおりです。1回ずつの結果なので、毎回この差が出るとは限りません。

同じ依頼をanatomyありとなしで実行した結果の比較表

スキルなしでも、約2分50秒で、動く立体の図が1ファイルできました。色分けした箱が並び、箱の高さが所要日数になっていて、図の中に工程名・担当・日数が書いてあります。ドラッグで回転でき、「流れを再生」ボタンで荷物が進みます。

anatomyなしで作った立体図。色分けした箱の高さが所要日数を表す

私の見立てでは、次のように分かれます。

  • とにかく早く、読める図が欲しい:スキルなしのほうが向いています。工程名が図の中に出ていて、日数が高さで見比べられます。ただし、ラベルが箱の一部に重なって見える角度があると、Claude自身が報告していました
  • 見た目の作り込みと、触って動かす楽しさ:anatomy のほうが上です。装置の細かさ、レールを木箱が進む動き、4つの例外パターンを切り替えて見せられる点は、スキルなしの図にはない部分でした。未入金のパターンも、スキルなしでは右の説明文に出るだけでした

つまり、「情報を分かりやすく見せる」だけならスキルなしでも足ります。anatomy が効くのは、見る人の目を引く、よくできた見た目が要る場面です。費用の目安は、anatomy ありが約1.58ドル、スキルなしが約0.40ドルでした(実行記録の数字)。

中身の安全確認|何を外に送り、何を実行するか

入れる前に、SKILL.md・READMEのほか、scripts と kit の中身を読みました。

  • 外部への送信:スクリプト内のネットワーク通信は、手元のChromeを操作するための 127.0.0.1(自分のPC内)への接続だけでした。外部のサーバーへ送る処理は見つかりませんでした。できあがった図のHTMLに含まれる外部のURLも、SVGの名前空間の宣言だけでした
  • 実行するもの:Node.jsのスクリプトと、点検用のヘッドレスChrome(画面を出さない起動。使い捨てのプロファイル)です。スクリプトの drive.mjs は、渡されたJavaScriptをページ内で動かします。作者のSECURITY.mdにも「信頼できるページにだけ向けること」と書かれています
  • GitHubへの公開機能:publish.mjs は、図を作者のコミュニティギャラリーに投稿する機能で、GitHubのCLI(gh)を使います。READMEとreferencesには、ユーザーが頼んだときだけ動くと書かれていて、今回は頼んでいないので動きませんでした。なお、このときは Claude Code のセッション記録(所要時間・使用量)を読んで投稿に添える作りで、省くには --no-session を付けると書かれています
  • 認証情報・allowed-tools:認証情報を読む処理は見つかりませんでした。allowed-tools の指定はありません

私が読んだ範囲では、説明と違う動きは見つかりませんでした。ただし全ファイルを1行ずつ精査したわけではなく、リポジトリの更新が続いているので、入れる時点で最新版の中身を見ることをおすすめします。

向かない場面

  • 急ぎの資料:1枚の図に10分以上かかります。会議の直前には向きません
  • グラフ・数字の表:作れません。README自身が「グラフ作成ツールではない」と書いています
  • 人物・地図・組織図:機械や道具の形をした仕組みが得意で、人や地図は描けないとされています
  • 仕組みが無い話:「物として組み立てられる動き」がない抽象的な話は、出来が弱くなるとREADMEが書いています
  • 図の中に文字を読ませたい場合:今回の出力は、図の中に工程名が出ませんでした
  • PCが古い・ブラウザが限られる場合:Node.js 20.10以上とChromeが前提です

関連する記事

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まとめ|入れる前のチェックリスト

  • □ 説明したいものが「仕組み」「流れ」「道具のように動くもの」である(グラフや人物ではない)
  • □ 元になる文書に、工程名・担当・日数など、実際の数字がある
  • □ Node.js 20.10以上とChromeが入っている
  • □ 1枚の図に10分以上かかっても構わない
  • □ 図の中に工程名が出なくても、下のパネルで補える(または、頼み方で調整する)
  • □ 出来上がった図は、細部を人の目で確認する
  • □ 入れる時点の最新の中身を、一度読んでおく
  • □ 急ぎ・読みやすさ優先なら、スキルなしの依頼で十分なこともある

試験の日付と数字は、2026年10月21日時点のものです。スキルは更新が続くため、結果が変わる可能性があります。

「図で説明する」のスキルは、ほかに2本を同じ架空の会社の材料で試しています。

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