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2026/08/06Copilot
料金・コスト比較導入・運用

中小企業がM365にAIを載せる最小構成と月額

中小企業がM365にAIを載せる最小構成と月額

「AIを入れると、結局月いくらになるのか」——中小企業からの質問はほぼこの一言に集約されます。そして料金表を見ても答えが出ないのは、人数と対象範囲を決めないと総額が出ないからです。

結論から言うと、全員に載せるか一部に載せるかで総額が数倍変わり、さらに買い方によって同じ人数でも金額が変わります。そして最も見落とされるのは、ライセンス費と同じ規模で発生する「定着させる人の時間」です。

株式会社Fyveは中小企業のAI業務効率化を受託しており、予算の組み立てから相談を受けることがあります。この記事では、2026年8月6日時点でMicrosoftの公式ページに表示されている価格をもとに、人数別の総額と、予算に入れ忘れやすい費用を整理します。

「最小」の定義を先に決める

金額の話をする前に、何を最小と呼ぶかを決めます。ここが曖昧なまま見積もりを取ると、比較できない数字が並びます。

この記事では次の3段階を区別します。

  • 段階0:追加費用ゼロ——Microsoft 365 に含まれるAIチャットだけを使う。ライセンスの追加購入なし
  • 段階1:一部の人に有料Copilot——効果が出る業務の担当者だけに載せる
  • 段階2:対象を広げる——段階1で成果が出た後に人数を増やす

「最小構成の月額」を聞かれたときに答えるべきは、多くの場合段階0か段階1です。段階2の金額を最初に出すと、総額が大きく見えて検討が止まります。

段階0の月額は、AI分としてはゼロ

Microsoftの公式ドキュメントは、Copilot Chat について「Microsoft 365 サブスクリプションに含まれ、Outlook や Teams などの Microsoft 365 アプリに統合された AI チャット ツールです」と記載しています。

つまりすでに Microsoft 365 を契約している会社は、AIチャットの追加費用が発生しません。この事実を確認せずに見積もりを取ると、無料で試せる範囲にいきなり課金することになります。

ただし「Microsoft 365 を契約していれば無条件で使える」ではありません。公式には2つの前提が示されています。

  • 対象となるライセンスであること——公式は「Copilot Chatは、対象となる Microsoft 365 ライセンスでのみ使用できます」と明記し、対象一覧に Microsoft 365 Business Basic/Business Standard/Business Premium を挙げています。中小企業が契約しているプランはこの3つのいずれかであることが多いため、多くの場合は該当します
  • 職場アカウントでサインインすること——公式の最小要件には、Microsoft Entra ID(Azure AD)アカウントが必須として挙げられています。会社が発行したアカウントで使う前提であり、個人アカウントでのサインインは対象外です

自社の契約プランが対象一覧に入っているかは、契約書や管理画面とMicrosoft 365 Copilot Chatの最小要件(Microsoft Learn)を突き合わせて確認してください。含まれる範囲と有料版の差は別記事で整理しています。

Copilot無料版と有料版の違い|3層で整理
CopilotCopilot無料版と有料版の違い|3層で整理

2026年8月6日時点の公式表示価格

以下はMicrosoftの公式プランページに表示されている価格です。すべて税別・1ユーザーあたりの月額で、公式ページには「価格には消費税は含まれていません」と明記されています。

  • Microsoft 365 Business Basic:年払い ¥1,049/月払い ¥1,259
  • Microsoft 365 Business Standard:年払い ¥2,098/月払い ¥2,518
  • Microsoft 365 Business Premium:年払い ¥3,298/月払い ¥3,958
  • Business Standard と Microsoft 365 Copilot Business:年払い ¥3,523/月払い ¥4,228
  • Business Premium と Microsoft 365 Copilot Business:年払い ¥4,797/月払い ¥5,756
  • Microsoft 365 Copilot Business アドオン単体:年払い ¥2,698(プロモーション価格・通常 ¥3,148)/月払い ¥3,778

出典は次の2ページです。組み合わせプランとアドオン単体は前者、Basic・Standard・Premium 単体は後者に表示されています。

この表を見るときの注意を先に書きます。価格は改定されます。この記事の数字は執筆時点の表示価格であり、契約条件の確定情報ではありません。実際の金額は必ず見積もり時に確認してください。

年払いと月払いは一定の比率で開いている

表示価格を並べると、月払いは年払いの月額換算より高く設定されています。Basic、Standard、Premium、組み合わせプランのいずれも、この関係になっています。

この差は人数が増えるほど積み上がるため、後の試算で具体的な金額を出します。

アドオン単体は、年払いと月払いで割引の扱いが違う

1つだけ、並べ方に注意が必要な箇所があります。アドオン単体の「年払い ¥2,698/月払い ¥3,778」は、同じ条件の2つの選択肢ではありません。

公式の注記には「この割引キャンペーンは、2026 年 7 月 1 日から 2026 年 9 月 30 日まで利用できます」「年間契約が必要で、プロモーション価格は初年度にのみ適用されます」と書かれています。つまり ¥2,698 は年間契約を条件とした初年度限定の割引価格です。一方の月払い ¥3,778 には割引の表示がなく、通常価格 ¥3,148 に対応する金額として並んでいます。

したがって年払いと月払いを ¥2,698 と ¥3,778 で比べると、支払い方法の差に割引の有無が混ざります。支払い方法だけを比べたいなら、通常価格 ¥3,148 と ¥3,778 で見てください。

Microsoft 365 と Copilot Business の公式表示価格一覧

組み合わせプランとアドオン単体で金額が違う

ここが構成を決めるうえで最も効く点です。同じ「Business Standard の人にCopilotを付ける」でも、買い方が2つあります。

  • 買い方A:Business Standard(¥2,098)に Copilot Business アドオン(通常 ¥3,148)を足す → 合計 ¥5,246
  • 買い方B:「Business Standard と Microsoft 365 Copilot Business」の組み合わせプランを買う → ¥3,523

差は1人あたり月 ¥1,723(年 ¥20,676)です。

ここは条件を分けて書く必要があります。アドオン単体の ¥2,698 は初年度限定の割引価格なので、初年度と2年目以降で差額が変わります。

  • 2年目以降(通常価格 ¥3,148 で計算):買い方A ¥5,246 − 買い方B ¥3,523 = 月 ¥1,723(年 ¥20,676)
  • 初年度(割引価格 ¥2,698 が適用される場合):買い方A ¥4,796 − 買い方B ¥3,523 = 月 ¥1,273(年 ¥15,276)

予算を組むときは ¥1,723 のほうを基準にしてください。割引は初年度だけなので、¥1,273 で3年分の計画を立てると2年目から狂います。

別の見方をすると、組み合わせプランにおけるCopilotの増分は次のようになります。

  • Standard:¥3,523 − ¥2,098 = ¥1,425
  • Premium:¥4,797 − ¥3,298 = ¥1,499

アドオン単体の通常価格 ¥3,148 と比べると、増分が半分以下です。割引価格 ¥2,698 と比べても、まだ組み合わせプランのほうが小さくなります。

ただしここは断定を避けます。組み合わせプランの価格に適用条件があるかは、公式ページの表示だけでは読み取れませんでした。加えて公式の注記には「Copilot およびアドオンが含まれる Microsoft 365 プランでは、オファーや割引の内容が異なる場合があります」と書かれています。組み合わせプラン側にも別の条件が付いている可能性があると読むべき一文です。

またどのSKUを実際に購入できるかは、購入経路(Microsoftからの直接購入か販売パートナー経由か)や契約時期によっても変わります。この差額は「見積もり時に必ず確認すべき論点がある」ことを示すものとして扱ってください。既存の契約に後からアドオンを足す場合と、新規に組み合わせプランを契約する場合で、選べる選択肢が違う可能性があります。

人数別の試算——全員には載せない前提で

ここからは具体的な金額です。前提を明示します。

  • 全社員が Business Standard を使っている
  • そのうち一部にだけCopilotを載せる
  • 年払い、組み合わせプランで計算(税別)

5名の会社で、1名にCopilot

  • AIを載せない場合:¥2,098 × 5 = 月 ¥10,490(年 ¥125,880)
  • 1名に載せた場合:¥2,098 × 4 + ¥3,523 × 1 = 月 ¥11,915(年 ¥142,980)
  • AI分の増分:月 ¥1,425(年 ¥17,100)

10名の会社で、2名にCopilot

  • AIを載せない場合:¥2,098 × 10 = 月 ¥20,980(年 ¥251,760)
  • 2名に載せた場合:¥2,098 × 8 + ¥3,523 × 2 = 月 ¥23,830(年 ¥285,960)
  • AI分の増分:月 ¥2,850(年 ¥34,200)

20名の会社で、5名にCopilot

  • AIを載せない場合:¥2,098 × 20 = 月 ¥41,960(年 ¥503,520)
  • 5名に載せた場合:¥2,098 × 15 + ¥3,523 × 5 = 月 ¥49,085(年 ¥589,020)
  • AI分の増分:月 ¥7,125(年 ¥85,500)

この3例で見えるのは、AI分の増分が、Microsoft 365 全体の費用に対して小さいことです。10名で2名に載せる場合、月の総額は ¥20,980 から ¥23,830 に増えるだけです。

逆に言えば、AIの費用が予算判断を左右するほど大きくなるのは、全員に載せた場合です。10名全員に載せると ¥3,523 × 10 = 月 ¥35,230 になり、AI分の増分は月 ¥14,250(年 ¥171,000)になります。2名の場合の月 ¥2,850 と比べて5倍です。この差が「全員に載せない」設計の根拠です。

買い方を間違えた場合の差

同じ人数で、アドオン単体を使った場合の金額も出しておきます。アドオン単体の通常価格 ¥3,148 で計算します(割引が切れた2年目以降の姿)。

  • 5名中1名:¥2,098 × 5 + ¥3,148 = 月 ¥13,638(組み合わせプランとの差 月 ¥1,723/年 ¥20,676)
  • 10名中2名:¥2,098 × 10 + ¥3,148 × 2 = 月 ¥27,276(差 月 ¥3,446/年 ¥41,352)
  • 20名中5名:¥2,098 × 20 + ¥3,148 × 5 = 月 ¥57,700(差 月 ¥8,615/年 ¥103,380)

20名規模で年間 ¥103,380 の差です。見積もりを取るときに「どちらの買い方か」を明示させる価値がある金額です。

初年度に割引価格 ¥2,698 が適用される場合は、差がこれより小さくなります(5名中1名で月 ¥1,273、10名中2名で月 ¥2,546、20名中5名で月 ¥6,365)。初年度の数字で判断すると、差を小さく見積もることになります。

5名・10名・20名の人数別月額試算

年払いと月払いの差を数字で見る

撤退の余地を残すために月払いを選ぶ判断はあり得ますが、金額差は把握しておくべきです。組み合わせプランで計算します。

前提として、組み合わせプランの月払い価格(Standard+Copilot ¥4,228/Premium+Copilot ¥5,756)は、公式のプランページに「ユーザー/月(月間契約)」として表示されている金額です。年払いの月額換算とは別の表示なので、混同しないでください。

  • 5名中1名:年払い 月 ¥11,915 → 月払い ¥2,518×4 + ¥4,228 = 月 ¥14,300(差 月 ¥2,385/年 ¥28,620)
  • 10名中2名:年払い 月 ¥23,830 → 月払い ¥2,518×8 + ¥4,228×2 = 月 ¥28,600(差 月 ¥4,770/年 ¥57,240)
  • 20名中5名:年払い 月 ¥49,085 → 月払い ¥2,518×15 + ¥4,228×5 = 月 ¥58,910(差 月 ¥9,825/年 ¥117,900)

10名規模で年間 ¥57,240 の差になります。この金額を「検証期間の柔軟性に払う額」として妥当と考えるかどうかが判断基準です。

実務的には、Microsoft 365 本体は年払い、Copilot部分だけ月払いで様子を見る、という組み方も考えられます。ただし組み合わせプランを選ぶ場合は本体とCopilotが一体のSKUになるため、この分離ができるかは購入形態によります。ここも見積もり時の確認事項です。

プロモーション価格の期限を予算に反映する

アドオン単体の ¥2,698 について、公式の注記には次のように書かれています。通常価格は ¥3,148 です。

  • 「この割引キャンペーンは、2026 年 7 月 1 日から 2026 年 9 月 30 日まで利用できます。」
  • 「Microsoft 365 Copilot Business アドオンは、対象のビジネスプランを利用している既存の Microsoft 365 顧客のみ利用できます。」
  • 「年間契約が必要で、プロモーション価格は初年度にのみ適用されます。」

3点とも予算に効きます。期間があり、既存契約者に限られ、年間契約が前提で、しかも初年度だけ。この4つの条件を全部満たさないと ¥2,698 になりません。原文はMicrosoft 365 Copilot のプランと価格(Microsoft 公式)の脚注で確認できます。

この差は1人あたり月 ¥450 です。人数分で計算すると次のようになります。

  • 1名分:月 +¥450(年 +¥5,400)
  • 2名分:月 +¥900(年 +¥10,800)
  • 5名分:月 +¥2,250(年 +¥27,000)

金額としては大きくありませんが、「初年度のみ」という条件を予算計画に反映していないと、2年目に想定外の増額として現れます。3年分の予算を作るなら、2年目以降は通常価格で計算しておくのが安全です。

プラン全体の料金体系については、料金の一覧記事も参照してください。

Copilotの料金一覧|個人・法人の全プラン【2026年版】
CopilotCopilotの料金一覧|個人・法人の全プラン【2026年版】

予算に入れ忘れるもの——定着させる人の時間

ここが本題です。ライセンス費だけを見て予算を組んだ会社は、ほぼ例外なく「入れたけど使われていない」状態になります。使われるようにするための時間が、予算に入っていないからです。

発生する作業は具体的に次のものです。

  • 誰がどの業務で使うかを決める
  • 読ませたい資料を置き場所に整理する
  • 使い方を試して、効く指示の出し方を見つける
  • 他の人に伝える
  • 使われていない状況に気づいて手を打つ

これを社内の誰かがやります。金額に換算してみます。以下は仮定を置いた計算です。自社の人件費単価に置き換えてください。

仮に時間単価を ¥3,000 とすると、

  • 月4時間 → 月 ¥12,000(年 ¥144,000)
  • 月8時間 → 月 ¥24,000(年 ¥288,000)
  • 月16時間 → 月 ¥48,000(年 ¥576,000)

先の試算と並べると、関係が見えてきます。10名中2名にCopilotを載せた場合、AI分のライセンス増分は月 ¥2,850 です。一方で月8時間の稼働は月 ¥24,000 相当。およそ8倍です。

さらに言えば、月8時間を1年続けた場合の ¥288,000 は、10名分の Microsoft 365 とCopilot 2名分を含めた年間総額 ¥285,960 とほぼ同額になります。

つまり本当の費用構造は「ライセンス費とほぼ同額の人件費が発生する」というものです。ここを見ずに「月2,850円の増額なら安い」と判断すると、実行段階で誰も時間を出せずに止まります。

だからこそ最小構成が合理的になる

この構造が分かると、なぜ全員に載せてはいけないかがはっきりします。人数を増やすと、増えるのはライセンス費よりも定着支援の時間です。10名に配れば10名分の質問に答えることになります。

2名から始めれば、支援の対象も2名です。そこで型ができてから広げると、3人目以降の支援コストは大きく下がります。

外部に出す場合の考え方

社内に時間を出せる人がいない場合、この部分を外部に委託する選択肢があります。その場合の費用は別建てで発生します。判断すべきは、社内の誰かの時間を確保できるか、できないならその分を外に出す予算があるかです。どちらも用意しないという選択は、実質的に「導入しない」と同じ結果になります。

ライセンス費と定着支援にかかる人件費の比較

段階的に増やす前提の予算の組み方

年度予算に組み込むときの型を示します。10名の会社で、2名から始めて年内に5名まで広げる想定です。

  • 第1四半期:ライセンスはMicrosoft 365 のみ(AI分ゼロ)。含まれるAIチャットで用途を確定させる。稼働時間だけを確保する
  • 第2四半期:2名にCopilotを載せる。AI分の増分 月 ¥2,850
  • 第3四半期:成果を確認して判定。増やすなら5名へ。AI分の増分 月 ¥7,125
  • 第4四半期:5名で運用。次年度の対象範囲を決める

この組み方の利点は、第1四半期に金額の追加が発生しないことです。決裁を通す前に「まず用途を確定させる」工程を置けます。そして第3四半期の判定で「増やさない」という結論も選べます。

構成の設計そのものは別記事で扱っています。

Business StandardにCopilotを足す構成設計
CopilotBusiness StandardにCopilotを足す構成設計

ライセンス以外に発生しうる費用

月額のライセンス費以外に、初年度だけ発生する費用があります。予算計画では別建てにしておくと、月額の判断が歪みません。

  • データの移行・整理——ローカルPCやファイルサーバーにある資料をクラウドに移す作業。社内で行うなら人の時間、外部に出すなら委託費
  • 権限の設計と設定——誰が何を見られるかを決めて設定する作業。AIが参照する範囲がここで決まる
  • 使い方の説明——対象者への初期案内。1回で終わらず、2〜3回に分けた方が定着する
  • 既存ファイルの参照関係の修正——ローカルパスを参照しているExcelなどが、移行後に動かなくなる場合の修正

このうち1番目と2番目は、AIを入れるかどうかに関わらず価値のある投資です。AI導入の費用として計上すると総額が膨らんで見えますが、実際には情報管理の整備そのものです。予算の立て方としては分けておいた方が、判断がしやすくなります。

逆に、AIのために特別に必要になるものは意外に少ないです。新しい端末は原則不要で、既存のPCとブラウザで動きます。サーバーの追加も不要です。設備投資がほぼ発生しないのが、この種の導入の特徴です。

比較検討にかかる時間も費用

複数のAIサービスを比較する期間そのものにも、担当者の時間がかかります。比較に3か月使うより、含まれる範囲で1か月試して判断する方が、総コストは小さくなることがあります。比較を丁寧にやること自体が費用になるという視点は、意外に持たれていません。

見積もり時に必ず確認する6項目

金額を確定させるために、販売元へ確認すべき項目を挙げます。

  • 組み合わせプランとアドオン単体の、どちらの構成での見積もりか——同じ人数でも金額が変わる
  • プロモーション価格が含まれているか。含まれる場合の適用期間と2年目以降の価格
  • 年払いか月払いか。途中で切り替えられるか
  • ユーザー数を減らせる条件——増やす方向は柔軟でも、減らす方向に制約があることがある
  • 契約期間と自動更新の条件
  • 税別か税込か——公式表示は税別。見積書がどちらかを確認する

4番目が特に重要です。「まず全員分」を避ける理由の1つがここにあります。減らせない契約で全員分を買うと、使われないライセンスを契約期間中払い続けることになります。ライセンスの割り当てと管理の考え方は基礎編にまとめています。

Microsoft 365 Copilotのライセンス管理
CopilotMicrosoft 365 Copilotのライセンス管理

よくある質問

結局、最小でいくらから始められますか

すでに Microsoft 365 を契約している会社なら、AI分の追加費用ゼロから始められます。含まれるAIチャットで用途を確定させる段階には、ライセンスの追加購入が要りません。有料Copilotを1名に載せる場合、組み合わせプランの表示価格からの増分は月 ¥1,425(税別)です。

Microsoft 365 をまだ契約していない場合はどうなりますか

本体から必要になります。Business Standard は年払いで1ユーザー月 ¥2,098(税別)です。5名なら月 ¥10,490。ここにCopilotを1名分足すと月 ¥11,915 になります。AIの費用より本体の費用の方が大きいことを押さえておいてください。

Business Basic では Copilot を使えませんか

公式のプランページで組み合わせプランとして表示されているのは、Business Standard と Business Premium の2つでした。Basic との組み合わせについては公式ページ上で確認できなかったため、この記事では断定しません。Basic での利用可否は購入前に販売元に確認してください。なお Basic はデスクトップ版のOfficeアプリを含まないプランであり、アプリ内でCopilotを使う用途とは前提が異なります。

Premium に上げる必要はありますか

AIを載せるためにPremiumが必要ということはありません。公式のプランページには Standard と Premium の両方にCopilotの組み合わせプランが用意されています。Premium が必要になるのは、デバイス管理や高度なセキュリティの要件が自社にある場合です。Standard から Premium への差額は年払いで月 ¥1,200(¥3,298 − ¥2,098・税別)です。

人数を後から増やすと単価は変わりますか

契約形態と時期によって変わり得ます。特にプロモーション価格の適用期間内に追加した分と、期間後に追加した分で条件が異なる可能性があります。増員の予定がある場合は、その時点の単価がどうなるかを事前に確認してください。

補助金は使えますか

ソフトウェアやクラウドサービスの導入を支援する制度は存在しますが、対象範囲・補助率・公募期間は年度ごとに変わり、対象となるツールの登録状況にも左右されます。制度名や金額をここで断定はしません。最新の公募要領を所管機関の公式情報で確認してください。

効果が出なかった場合、いくら損しますか

10名中2名で1年運用した場合、AI分のライセンス費は年 ¥34,200(税別)です。ここに定着支援の時間が加わります。実質的な損失の大部分は、ライセンス費ではなく人の時間です。だからこそ、追加費用ゼロの段階で用途を確定させる工程に価値があります。

まとめ

中小企業がMicrosoft 365 にAIを載せるときの費用構造を整理します。

  • 段階0は追加費用ゼロ——Microsoft 365 にAIチャットが含まれる。ここで用途を確定させる
  • 買い方で金額が変わる——組み合わせプランとアドオン単体で、1人あたり月 ¥1,723 の差がある(アドオンの通常価格 ¥3,148 で計算)。初年度に割引価格 ¥2,698 が適用される場合は月 ¥1,273。予算は ¥1,723 側で組む
  • 段階0にも条件がある——Copilot Chat は対象となる Microsoft 365 ライセンスと職場アカウントでのサインインが前提。自社プランが対象かを先に確認する
  • AI分の増分は総額に対して小さい——10名中2名なら月 ¥2,850。ただし全員に載せると一気に増える
  • 年払いと月払いの差——10名中2名で年 ¥57,240。撤退の柔軟性に払う額として妥当か判断する
  • プロモーション価格は初年度のみ——2年目以降は通常価格で予算を組む
  • ライセンス費とほぼ同額の人件費が発生する——月8時間を仮定すると、AI分の増分の約8倍。ここを予算に入れないと止まる

金額の話は、安く済ませる方法を探す話ではありません。どこにいくら使うと成果が返るかを、会社が自分で判断できる状態にする作業です。そして判断に必要な最大の情報は、ライセンス単価ではなく「誰の時間を使うか」です。私たちが予算の相談を受けたときも、最初に確認するのは人数ではなく、社内で時間を出せる人がいるかどうかです。

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