Copilot CoworkとClaude Coworkの違い
「Claude Coworkについて調べていたら、Copilot Coworkという名前も出てきた。同じものなのか、それとも別物なのか」——検索でこのページにたどり着いた方の多くは、こうした疑問を持っているはずです。
結論から言うと、この2つは名前が紛らわしいだけの別製品です。ただし、まったくの無関係ではありません。Microsoft自身が「Claude Coworkの技術をMicrosoft 365 Copilotに統合した」と公式に明かしており、Copilot Coworkの中にはClaude Coworkから受け継がれた部分があります。どちらを選ぶかは、機能の優劣ではなく「今、何の上に業務が乗っているか」で判断できます。
株式会社Fyveは中小企業のAI導入支援を行っており、私たちはMicrosoft 365とAnthropic製品の両方を実務で確認しています。この記事では、2026年9月15日時点の公式情報をもとに、Copilot CoworkとClaude Coworkの関係・違い・選び方を整理します。
この記事が整理すること
Copilot Coworkは、Microsoft 365 Copilotに追加された機能で、指示した仕事を代わりに実行するしくみです。2026年6月16日に全世界で一般提供(GA)が始まりました。一方のClaude Coworkは、Anthropicが提供する別製品です。名前に共通する「Cowork」という言葉が、両者を混同させる最大の原因になっています。
Copilot Cowork自体の全体像(できること・使える場所・料金の仕組み)は、別記事で詳しく解説しています。この記事では「2つの製品がどうつながっていて、どこが違うのか」「どちらを選ぶべきか」という、比較の軸に絞って解説します。
名前が紛らわしい理由——実は技術的につながっている
Copilot CoworkとClaude Coworkが混同されやすいのには理由があります。Microsoft 365 Blog(2026年3月9日)は、次のように明かしています。
“Working closely with Anthropic, we have integrated the technology behind Claude Cowork into Microsoft 365 Copilot.”(Anthropicと緊密に連携し、Claude Coworkの背後にある技術をMicrosoft 365 Copilotに統合しました)——Microsoft 365 Blog、2026年3月9日。
つまり、Copilot Coworkという名前と機能は、Claude Coworkという既存の製品の技術を土台にして作られています。「似た名前の別の会社が、たまたま似たコンセプトの製品を出した」わけではなく、Microsoftが公式にAnthropicとの連携を明言したうえで、その技術を自社製品に取り込んだという経緯があります。これが、この2つが「紛らわしい別物」ではなく「つながりのある別物」だと言える根拠です。

何が「別物」なのか——動く場所と、従うルールが違う
技術的なつながりがある一方で、製品としては明確に分かれています。ここを混同すると、「どちらの管理画面を見ればいいのか」「どちらの契約が必要なのか」が分からなくなってしまいます。
Copilot CoworkはMicrosoft 365テナントの中で動く
Copilot Coworkは、Microsoft 365 Copilot User Subscription License(USL)を前提とした機能で、利用するには組織のMicrosoft 365テナントに所属している必要があります。動作するのはそのテナントの内側で、権限管理や監査のしくみもMicrosoft 365側に従います。タスクは指示を出した本人の権限の範囲で実行され、メール送信やTeams投稿など共有を伴う操作は既定で承認待ちになり、実行結果は統合監査ログに記録されてPurviewのポリシーが適用されます。タスク実行中のファイルは、Microsoft 365サービス境界の内側にある一時的な隔離環境で処理され、タスクが終わると破棄されます。つまりCopilot Coworkは、Microsoft 365という既存の管理基盤の内側で完結するように設計された機能だということです。
なお、Microsoft Learnは「Cowork is now an agentic system (different from an agent).」(Coworkは現在、エージェント型システムです。エージェントとは異なります)と明記しています。単体の「エージェント」ではなく、複数のスキルやモデル、承認フローまで含めた「システム」として位置づけられている点も、Copilot Coworkの特徴のひとつです。
Copilot Cowork単体の基本情報
「別物」だと言われても実感が湧きにくいかもしれないので、Copilot Cowork自体の基本情報を整理しておきます。名前の由来になったClaude Coworkとは別に、独自の提供時期・提供範囲・動作環境を持つ、実体のある機能だということが分かります。
項目 | Copilot Coworkの内容 |
|---|---|
提供元 | Microsoft(技術の一部でAnthropicと連携) |
GA時期 | 2026年6月16日・全世界(職場・学校アカウントはGA、個人アカウントはプレビュー) |
前提ライセンス | Microsoft 365 Copilot User Subscription License(USL) |
動作環境 | Microsoft 365テナントの内側 |
使える場所 | ブラウザ(m365.cloud.microsoft)/Windows・Macデスクトップアプリ/iPhone・Androidアプリ |
公式の位置づけ | agentic system(エージェント型システム。単体の「エージェント」とは別と公式が明記) |
Research Preview(2026年3月9日発表)からFrontierプログラム(同年3月30日)を経て、GA(同年6月16日)に至るまで、Copilot Coworkは段階を踏んで提供範囲を広げてきました。この経緯そのものが、Claude Coworkとは別に管理されている独立した製品であることを裏づけています。より詳しいできること・組み込みスキルの一覧は、後述するCopilot Cowork全体のガイド記事にまとめています。
Claude Cowork自体の詳しい仕様は、別記事で確認できます
Claude Cowork側がどのような環境で動き、どのような機能を持っているかは、Anthropic自身の製品としての仕様に基づくため、本記事の対象からは外れます。Claude Coworkそのものについて詳しく知りたい方は、以下の記事にまとめています。
Claude Cowork自体と、Anthropicの別製品であるClaude Codeとの違いが気になる方は、こちらの記事も参考になります。
選べるモデルにAnthropic製が並ぶ——技術的なつながりが見える場所
Copilot CoworkとClaude Coworkのつながりを、いちばん実感しやすいのがモデル選択の画面です。Microsoft Learnは、Copilot Coworkで選べるモデルを次のように挙げています。
“Claude Fable, Opus and Sonnet variants from Anthropic, the Sonnet+Opus Advisor pairing, GPT 5.5, and ChatGPT Images 2.0”(AnthropicのClaude Fable・Opus・Sonnetの各バリエーション、Sonnet+Opus Advisorのペアリング、GPT 5.5、ChatGPT Images 2.0)——Microsoft Learn。
選べるモデル | 提供元 |
|---|---|
Claude Fable | Anthropic |
Opus・Sonnetの各バリエーション | Anthropic |
Sonnet+Opus Advisorのペアリング | Anthropic |
GPT 5.5 | OpenAI |
ChatGPT Images 2.0 | OpenAI |
見ての通り、Copilot Coworkの選択肢の半分以上をAnthropic製のモデルが占めています。Microsoftはこの構成を「マルチモデルの強み(multi-model advantage)」と呼び、「その作業に合ったモデルを選ぶ(chooses the right model for the job)」ものだと説明しています。1つのモデルに固定するのではなく、タスクの性質に応じてAnthropic製・OpenAI製を使い分ける設計になっているわけです。名前は「Copilot Cowork」でも、実際の処理をAnthropicのモデルが担っている場面がある——これが、この2製品が「別物だがつながっている」と言える、もっとも具体的な部分です。
管理者はAnthropicモデルをオフにできる——ただしCoworkは使える
組織によっては、社内ポリシー上の理由でAnthropic製のモデルを使わせたくない、というケースもあるはずです。Microsoft 365 Copilotの管理者は、Anthropicのモデルファミリをユーザー・グループ単位で範囲を指定してオフにできます。
ここで誤解しやすいのが、「Anthropicモデルをオフにすると、Copilot Cowork自体が使えなくなるのではないか」という点です。Microsoft Learnは、これを明確に否定しています。
“Turning off the Anthropic model family is a model control and has no effect on whether a user can access Cowork.”(Anthropicモデルファミリをオフにすることはモデルの制御であり、ユーザーがCoworkにアクセスできるかどうかには影響しません)——Microsoft Learn。
つまり、モデルの制御とアクセスの制御は、まったく別の設定として分かれています。Anthropicモデルをオフにしても、残りのモデル(GPT系)でCoworkは引き続き動作し、モデルを自動選択する「Auto」も、オフにされていないモデルの中から選ばれます。「Anthropicのモデルを使わせたくない」と「Copilot Coworkそのものを使わせたくない」は、管理画面上でも別の判断として扱う必要があるということです。

入口によって、データの扱いが変わる
もうひとつ押さえておきたいのが、同じAnthropic製のモデルを使う場合でも、「どこから入るか」によってデータの扱いが変わるという点です。Copilot Cowork経由でAnthropicのモデルを使う場合、データの所在地はMicrosoft 365 Copilot本体と同じ考え方に従い、Purviewでのセキュリティ・コンプライアンス管理の対象になります。これは、Claude単体を直接契約して使う場合のデータの扱いとは前提が異なる部分です。
Microsoft 365 Copilot経由でAnthropicのモデル(Claude Fable 5.1)を使う場合のデータの扱いについては、以下の記事で詳しく解説しています。「入口が違うと扱いがどう変わるか」を具体的に知りたい方は、あわせてご確認ください。
どちらを選ぶべきか——既存の土台で判断する
Copilot CoworkとClaude Coworkは、どちらかが優れていてどちらかが劣っている、という関係ではありません。得意分野が異なる、という捉え方が実情に近いところです。判断の軸になるのは、機能の比較そのものより「今、業務がどの基盤の上に乗っているか」です。
状況 | 判断の目安 |
|---|---|
すでにMicrosoft 365 Copilotを契約している | Copilot Coworkは追加のテナント契約を必要とせず、既存の権限管理・監査のしくみの上でそのまま使える機能拡張として検討しやすい |
Microsoft 365を使っていない、またはAnthropic製品を直接契約したい | Claude Cowork自体の機能・使い方を別記事で確認し、単体の製品として検討する |
組織の権限管理・監査をMicrosoft 365(Purview等)に統一したい | Copilot Coworkは既存のM365ガバナンスの内側で完結するため、統制の観点で選びやすい |
すでにMicrosoft 365 Copilotのライセンスを持っている組織であれば、Copilot Coworkは既存のテナントに追加される機能拡張として動きます。メール・Teams・SharePoint・OneDriveといった、すでに日常的に使っているM365の基盤の上に、そのまま「実行する」機能が乗る形です。権限管理や監査のしくみも、これまで使ってきたPurview等の延長線上にあります。
導入の手順という観点でも、この違いは実務に直結します。Copilot Coworkの場合、まず有効化するのは既定でオフになっている機能であり、管理者が支出ポリシーを作成して対象範囲を決めるところから始まります。新しいベンダーとの契約や、新しい管理画面を一から覚える必要はなく、あくまで既存のMicrosoft 365管理センターの中で完結する作業です。一方でClaude Coworkを新たに検討する場合は、Anthropicとの契約や、Microsoft 365とは別の管理・運用の流れを把握するところから始めることになります。どちらが簡単かという優劣の話ではなく、社内でどちらの契約・管理フローがすでに存在しているかによって、着手のしやすさが変わってくるということです。
一方、Microsoft 365のテナントに乗っていない、あるいはAnthropicの製品を単体で契約・利用したい場合は、Copilot Cowork経由ではなくClaude Cowork自体を検討することになります。この場合の具体的な機能や使い方は、先に紹介したClaude Coworkの記事で確認してください。
「名前が似ているから、どちらか一方を選べば済む」ものではなく、すでにどちらの基盤の上で業務が回っているかによって、自然と選択肢が絞られる、というのがこの2製品の実際の関係です。
とくに情シス・総務担当者にとって意味が大きいのは、権限管理・監査の一元化です。Copilot Coworkが実行するタスクは、Microsoft 365のテナント内でユーザー本人の権限に基づいて動き、実行結果は既存の統合監査ログとPurviewのポリシーにそのまま乗ります。すでにMicrosoft 365で権限管理・監査体制を組んでいる組織であれば、Copilot Coworkを導入しても、管理の仕組みを新しく覚え直す必要がない、という点が実務上のメリットになります。逆に、Microsoft 365を使っていない組織がこのメリットを得ることはできないため、その場合はClaude Cowork自体の管理・運用のしくみを、別記事で確認したうえで検討することになります。
よくある質問
Copilot CoworkとClaude Coworkは同じ製品ですか?
いいえ、別製品です。ただしMicrosoftは、Claude Coworkの背後にある技術をMicrosoft 365 Copilotに統合したと公式に明かしており、技術的にはつながっています。
Copilot CoworkとClaude Coworkは、どちらを選べばいいですか?
機能の優劣ではなく、今の業務がどの基盤に乗っているかで判断できます。すでにMicrosoft 365 Copilotを契約している場合はCopilot Coworkを検討しやすく、M365を使っていない場合やAnthropic製品を単体で使いたい場合はClaude Cowork自体を検討することになります。
管理者がAnthropicのモデルをオフにすると、Copilot Cowork自体が使えなくなりますか?
いいえ。Microsoft Learnは「Anthropicモデルファミリをオフにすることはモデルの制御であり、Coworkへのアクセス可否には影響しない」と明記しています。オフにしても、残りのモデルでCoworkは引き続き利用できます。
Copilot Coworkで使われているAnthropicのモデルには、どんなものがありますか?
Microsoft Learnによれば、Claude Fable・Opus・Sonnetの各バリエーション、Sonnet+Opus Advisorのペアリングが選べます。これに加えて、OpenAIのGPT 5.5・ChatGPT Images 2.0も選択肢に含まれています。
Copilot Cowork経由でAnthropicのモデルを使う場合、データの扱いはClaude単体と同じですか?
前提が異なります。Copilot Cowork経由の場合、データの扱いはMicrosoft 365 Copilot本体と同じ考え方に従います。入口によってデータの扱いがどう変わるかは、別記事で詳しく解説しています。
Claude Cowork自体の使い方や機能を知りたい場合は、どこを見ればいいですか?
Claude Cowork自体の全体像は別記事にまとめています。Claude Codeとの違いが気になる場合は、そちらの比較記事もあわせてご確認ください。
Copilot Coworkはいつから使えるようになりましたか?
2026年6月16日に全世界で一般提供(GA)が始まりました。職場・学校アカウントではGAとして提供されていますが、個人アカウントは2026年9月15日時点でまだプレビュー段階です。
Copilot Coworkを「エージェント」と呼んでもいいですか?
公式には「agentic system(エージェント型システム)」と定義されており、単体の「エージェント」とは明確に区別されています。この点はClaude Coworkとの比較にかかわらず、Copilot Cowork自体の位置づけとして押さえておく必要があります。
まとめ
- Copilot CoworkとClaude Coworkは名前が紛らわしい別製品。ただしMicrosoftは、Claude Coworkの技術をMicrosoft 365 Copilotに統合したと公式に明かしており、技術的にはつながっている
- Copilot CoworkはMicrosoft 365テナントの中で動き、M365の権限管理・監査のしくみに従う。Claude Cowork自体の詳しい仕様は別記事が担当
- Copilot Coworkで選べるモデルには、Claude Fable・Opus・Sonnetの各バリエーションなどAnthropic製が複数並ぶ。管理者はAnthropicモデルファミリをオフにできるが、オフにしてもCowork自体は使える(モデル制御とアクセス制御は別概念)
- 入口(Copilot Cowork経由か、Claude単体か)によって、データの扱いの前提が変わる
- どちらを選ぶかは機能の優劣ではなく、今の業務がどの基盤に乗っているかで判断できる。すでにMicrosoft 365 Copilotを使っているならCopilot Cowork、M365を使っていないかAnthropic製品を単体で使いたいならClaude Cowork、というのが実情に近い目安になる
Copilot Coworkの全体像——できること・課金の仕組み・利用できる場所は、こちらにまとめています。
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