Copilot無料版と有料版の違い|3層で整理
「Copilotの無料版と有料版は、結局どこが違うのか」——調べ始めると、比較表は出てくるのに自分がどれを選ぶべきかは分からない、という状態になりがちです。
結論から言うと、Copilotは無料版・個人向け有料版・法人向け有料版の3層に分かれており、層をまたぐごとに変わるものが決まっています。2層の比較で読むと混乱します。
株式会社Fyveは中小企業のAI活用を支援しています。この記事では2026年8月5日時点の公式情報をもとに、3層で何がどう変わるのかを整理します。
Copilotは「2択」ではなく「3層」
多くの比較記事は「無料版 vs 有料版」の2択で書かれています。しかし実際には、有料版が個人向けと法人向けに分かれており、この2つは価格も機能も別物です。
- 無料版:費用なし。Webやアプリから利用
- 個人向け有料版:Microsoft 365 Personal / Family / Premium。Copilot機能が同梱
- 法人向け有料版:Microsoft 365 Copilot Business。既存の法人プランに追加
検索で見かける金額がバラバラなのは、この3層を混ぜて書かれているためです。まず自分がどの層を検討しているのかを決めてから、比較表を読んでください。

層をまたぐと何が変わるか
無料版 → 個人向け有料版:使用量の上限が上がる
この段で主に変わるのは使える量です。無料版にも利用上限があり、個人向け有料版ではその上限が引き上げられます。Officeアプリの中で使える範囲も広がります。
ただし、この段では「AIが読みに行ける情報の範囲」は変わりません。どちらもインターネット上の公開情報と、その場で渡したテキストが対象です。
個人向け → 法人向け:AIが読める範囲そのものが変わる
ここが最大の断層です。法人向けのCopilot Businessは、自社のSharePoint・OneDrive・Teamsを横断して検索し、その内容を踏まえた回答を作れます。
「去年の同じ案件の見積もりを参考に、今回の条件で作って」という指示が通るのは法人向けだけです。量が増えるのではなく、できることの種類が変わると理解してください。
項目ごとに並べると、どこで何が切り替わるか
層のあいだで変わるものと変わらないものを、項目別に整理します。
- 費用:無料版 ¥0 / 個人向け 月¥2,130〜¥3,200 / 法人向け 月¥2,698〜(税別・アドオン単体の年払い)
- 契約する主体:無料版・個人向けは個人 / 法人向けは会社
- AIが読みに行ける範囲:無料版・個人向けは公開情報とその場で渡したテキスト / 法人向けはそれに加えて自社のSharePoint・OneDrive・Teams
- Officeアプリの中から呼び出せるか:無料版は中心がブラウザやアプリ単体 / 個人向け・法人向けは使える範囲が広がる
- 利用量の上限:無料版にあり / 個人向けで引き上げ(Premiumがもっとも高い構成)
- 会社が利用状況を把握できるか:無料版・個人向けは個人契約なので会社側からは見えない / 法人向けは会社の契約
この並びで見ると、「AIが読みに行ける範囲」だけが個人向けと法人向けの境目にあることが分かります。他の項目は無料版と個人向けのあいだで動いています。
最後の「会社が把握できるか」も見落とせません。社員が個人契約のまま業務で使っている状態は、費用が発生していなくても管理上は放置になっています。層の選定と同時に、ここも決めておく必要があります。
価格の比較
2026年8月5日時点で公式サイトに掲載されている金額です。
- 無料版:¥0
- Microsoft 365 Personal:月額 ¥2,130 / 年額 ¥21,300
- Microsoft 365 Family:月額 ¥2,740 / 年額 ¥27,400
- Microsoft 365 Premium:月額 ¥3,200 / 年額 ¥32,000
- Microsoft 365 Copilot Business(法人・アドオン単体):年払い 月額換算 ¥2,698(プロモーション価格・通常 ¥3,148)/ 月払い ¥3,778(税別)
年額に直すと、法人向けと個人向けPremiumはほぼ同額になる
月額と年額が混ざっていると比較しづらいので、1人あたりの年間コストに揃えます。
- Microsoft 365 Personal:年 ¥21,300
- Microsoft 365 Family:年 ¥27,400
- Microsoft 365 Premium:年 ¥32,000
- Copilot Business(年払い・プロモーション価格):¥2,698×12=年 ¥32,376(税別)
- Copilot Business(年払い・通常価格):¥3,148×12=年 ¥37,776(税別)
個人向けPremiumの年¥32,000と、法人向けアドオンをプロモーション価格で1年使った場合の¥32,376は、ほぼ同じ水準です。それでもできることは別物で、社内データを読めるのは法人向けだけです。金額が近いからどちらでもよい、という話にはなりません。
なお法人向けの金額は税別表記です。個人向けの表示条件は公式の価格ページで確認してください。表示の前提が違うものを1つの表に並べると、比較そのものがずれます。
どの層でも、年払いにすると約2か月分が軽くなる
支払い方の差も揃えて見ておきます。1年使った場合の総額です。
- Personal:月払い1年 ¥25,560 / 年払い ¥21,300(差 ¥4,260)
- Family:月払い1年 ¥32,880 / 年払い ¥27,400(差 ¥5,480)
- Premium:月払い1年 ¥38,400 / 年払い ¥32,000(差 ¥6,400)
- Copilot Business(法人・アドオン単体):月払い1年 ¥45,336 / 年払い通常価格 ¥37,776(差 ¥7,560・税別)
個人向け3プランはいずれも年額が月額のちょうど10か月分です。法人向けも、通常価格で比べれば差はおよそ月払い2か月分にあたります。層が違っても、年払いの得の大きさはほぼ同じ比率だと考えて構いません。
したがって判断材料は1つです。1年使うと決められるかどうか。決められるなら年払い、決められないなら月払いで、いつ判断するかの期日を先に置いてください。
個人向けPremiumのほうが、法人向けより高い
並べると逆転が見えます。個人向けPremiumが月¥3,200なのに対し、法人向けCopilot Businessのアドオンは年払いなら月¥2,698です。
ただし安いほうが得とは限りません。法人向けは法人契約(Microsoft 365のビジネスプラン)が前提であり、個人がそのまま契約できるものではないためです。金額だけを横並びにして選ばないでください。

用途で引く:この場合はどの層か
層の説明より、やりたいことから引くほうが早く決まります。よくある用途を並べます。
無料版で足りるもの
- メールや案内文の下書きを作る——材料はその場で書けば済みます
- 長い資料や議事録を要約する——本文をその場に貼れる場合に限ります
- 制度や用語を調べて要点をまとめる——公開情報だけで完結します
- 文章のトーンを整える・言い換える——社内固有の情報が要りません
- Excelの関数や操作方法を聞く——一般的なやり方の確認です
共通しているのは、必要な材料をその場で渡せば完結するという点です。ここに当てはまる用途しか無いなら、上の層に上げる理由はまだありません。
個人向け有料版が向いているもの
- 無料版を毎日使っていて、利用上限に当たるようになった
- WordやExcelの作業画面の中から使いたい——別のタブに移る往復が負担になっている場合
- 家族など複数人で分け合って使いたい——Familyが該当します
- Copilotの利用量を最優先で確保したい——上限がもっとも高いのはPremiumです
いずれも個人の使い勝手の話です。会社としての導入判断とは軸が別だと理解してください。
法人向けでなければ成立しないもの
- 去年の同じような案件の見積を参考にしたい——どれが該当するかをAI側が探す必要があります
- 社内規程やマニュアルに沿っているかを確認したい——規程を保存場所から読む必要があります
- Teamsのやりとりを追って要点を知りたい——チャット履歴が対象に入ります
- 複数の資料をまたいで整合を取りたい——人が資料を集める工程を省く目的です
この列に該当する用途があるなら、個人向けをいくら上げても目的は果たせません。金額の比較ではなく、機能の有無の話だからです。
層の選定より先に決めるべきもの
- 会社の業務で使うが、社内資料は参照しなくてよい——無料版でも成立しますが、入力してよい情報の範囲を先に決めてください
- すでに社員が個人契約で業務に使っている——層の検討より先に、誰が何を入力しているかの把握が要ります
この2つは、どの層を選ぶかとは別の問題です。費用をかけない選択をしたことと、管理しなくてよいことは別だと考えてください。
どの層を選ぶかの判断基準
層ごとに、向いている状況は次の通りです。
無料版で足りる人
文章の下書き、要約、調べ物の整理が主な用途なら、無料版で成立します。これらの作業は公開情報とその場で貼ったテキストだけで完結するためです。
「まずAIを触ってみたい」という段階でも無料版から入るのが合理的です。使い方の勘所を掴んでから有料版に移るほうが、契約後の定着は早くなります。
個人向け有料版が向いている人
無料版を日常的に使っていて上限に当たるようになった、Officeアプリを頻繁に使う、という個人利用者が対象です。PersonalとFamilyの差は主に使える人数で、Premiumは利用上限がもっとも高い構成です。
個人向け3プランの選び分けは、こちらの記事で詳しく整理しています。
法人向けが必要な会社
判断は1問で決まります。「自社に溜まっている文書を読んだ上で答えてほしいか」——ここが「はい」なら法人向け以外に選択肢はありません。
逆にこれが「いいえ」なら、法人であっても無料版で足りる場合があります。全社員に配る前に、この問いに何人が「はい」と答えるかを数えてください。

層を上げるタイミングをどう決めるか
「いずれは上げる」で放置すると、判断はいつまでも来ません。層ごとにサインを決めておいてください。
無料版から個人向けへ上げるサイン
分かりやすいのは利用上限に当たるようになったときです。使う頻度が上限を超えている時点で、その人の業務には組み込まれています。
もう一つは作業画面とAIの画面を行き来する回数です。1日に何度も往復しているなら、Officeアプリの中から呼び出せることの価値が金額を上回り始めています。
個人向けから法人向けへ上げるサイン
ここは頻度ではなく用途で決まります。次のどちらかが起きていれば、層を上げる段階です。
- AIに渡すために、毎回同じような社内資料を探して貼り付けている
- 「過去の案件ではどうしたか」を人に聞いて回る場面が多い
目安を数字で持つなら、1週間だけ「社内資料を探した回数」と「1回あたりにかかった時間」を数えてみてください。法人向けの通常価格は1人あたり月¥3,148(年払い・税別)なので、時給¥2,000の人なら月およそ94分が損益の分かれ目になります。
上げないと決めるのも判断のうち
サインが出ていないのに層を上げると、払った価値を誰も使わない状態になります。用途が下書き・要約・調べ物に留まっているなら、無料版のまま運用するのが正しい判断です。
ただしその場合も、入力してよい情報の範囲と、出力を誰が確認するかは決めておいてください。層を上げない選択と、何も決めない状態は別物です。
層を上げても解決しないこと
ここからは、AI導入支援の現場で繰り返し見てきた話です。上の層に移れば期待通りになる、と考えて契約すると、次の3つでつまずきます。
読ませたい資料が、読める場所に置かれていない
法人向けが横断して読みに行くのはSharePoint・OneDrive・Teamsです。裏を返せば、そこに入っていない資料は対象になりません。
過去の見積が担当者のPCのデスクトップにある、契約書が紙で保管されている、共有サーバーや他社のクラウドに置かれている——このいずれかに当てはまるなら、層を上げても回答は変わりません。契約より先に、資料の置き場所を確認してください。
置いてあっても、どれが最新か分からない
同じ資料の版が複数残っている、ファイル名が「最終版_修正2」で終わっている、という状態はよくあります。人が見て判断できないものは、AIが読んでも判断できません。
とはいえ全社のファイル整理を先にやる必要はありません。最初に使いたい業務で参照する資料だけ、どれが正なのかを決めておけば十分です。範囲を絞るほど、効果は早く出ます。
出力を確認する工程は、どの層でも残る
層を上げても、回答をそのまま使ってよいことにはなりません。数字・日付・固有名詞は人が確認する前提で運用してください。
「AIに書かせたから間違っていた」ではなく、「確認する人を決めていなかったから止められなかった」というのが実際に起きることです。層の選定と同じくらい、この運用の設計に時間を使う価値があります。
社員に個人向けを人数分持たせるのは合理的か
中小企業でときどき出てくる案です。法人契約は手続きが重いので、個人向けを人数分買って経費で落とせばよいのではないか、という発想です。年額で並べてみます。
- 5人:個人向けPremium ¥160,000 / 法人向けアドオン(年払い通常価格)¥188,880(税別)
- 10人:¥320,000 / ¥377,760
- 30人:¥960,000 / ¥1,133,280
差は10人で¥57,760、30人で¥173,280です。数字だけ見れば個人向けのほうが安く見えますが、この案は3つの理由で成立しません。
1. 目的が果たせない
個人向けには社内データを横断して読む機能がありません。安く済んだところで、導入の目的そのものが達成されないのであれば比較する意味がありません。
2. 会社が管理できない
個人契約は会社側から利用状況を把握できません。誰が何を入力しているかも、退職時にアカウントがどうなるかも、会社の管理外に置かれます。業務データを個人契約のサービスで扱うこと自体が、情報管理の方針に触れる場合があります。
3. 差額が小さすぎる
10人で年¥57,760、1人あたりにすれば年¥5,776の差です。この程度の差のために管理できない状態を選ぶのは、割に合いません。費用を抑えたいなら、人数を絞って法人契約にするほうが理にかなっています。10人全員に配る代わりに5人にすれば、法人契約でも年¥188,880に収まります。
安く見える選択肢が出てきたときは、金額の差よりその選択肢で目的が果たせるかを先に確認してください。
比較記事を読むときの注意点
ここからは、AI導入支援の現場で見てきた注意点です。Copilotは製品名と提供形態の変更が続いており、古い情報が残りやすい領域です。
- 法人向けの現行名称は「Microsoft 365 Copilot Business」。旧称「Microsoft 365 Copilot」で書かれた記事の金額は、現行の価格表と一致しない可能性がある
- 「Copilot Pro」は公式の価格ページに掲載されていない。この名称を前提にした比較は古い可能性がある
- 掲載されている法人向けアドオンの¥2,698はプロモーション価格で、通常価格¥3,148が併記されている
比較表を見つけたら、その記事がいつ書かれたものかを先に確認する習慣をつけてください。価格改定や名称変更のたびに、正しかった記事が静かに間違いに変わります。
法人での費用の組み立て方は、こちらの記事で詳しく整理しています。

よくある質問
GitHub Copilotとは違うものですか
別の製品です。GitHub Copilotは開発者がコードを書くときに使う補助ツールで、この記事で扱っているMicrosoft 365 Copilotとは用途も料金体系も別に設計されています。社内で話を始めるときは、どちらのCopilotの話なのかを最初に揃えてください。
会社の業務に個人向けプランを使ってもよいですか
禁止かどうか以前に、目的を果たせません。個人向けには社内のファイルやチャット履歴を横断して読む機能がないためです。
加えて、業務のデータを個人契約のサービスで扱うこと自体が、会社の情報管理の方針に触れる場合があります。仕事で使うなら会社として契約するのが原則です。
「Copilot Pro」という名前を見かけたのですが
2026年8月時点の公式価格ページには、この名称は掲載されていません。Copilot Proを前提に書かれた比較記事は、その時点で古い可能性があります。現在契約が残っている場合の扱いは、Microsoftのアカウント画面か公式サポートで確認してください。
大企業でも同じ金額ですか
この記事で参照しているのは中小企業向けの価格帯です。従業員規模が大きい組織向けには別の価格ページが用意されています。ネット上で見かける出典不明の金額を、そのまま社内資料に載せないでください。
まず無料版から試すのは遠回りですか
遠回りにはなりません。無料版でも、依頼の書き方を掴む・どの業務に向くかを見極める、という部分は先に進められます。
むしろ使い方の勘所がないまま全社契約するほうが、結果的に遠回りになります。判断すべきは「試すかどうか」ではなく「いつ層を上げるか」です。
個人向けのPremiumなら、法人向けと同じことができますか
できません。個人向けには自社のSharePoint・OneDrive・Teamsを横断して読む機能がないためです。利用量の上限がもっとも高い構成であることと、社内データを読めることは別の話です。
年額で見ると個人向けPremiumの¥32,000と法人向けアドオンの年払い(プロモーション価格で¥32,376・税別)はほぼ同じ水準ですが、金額が近いのは偶然で、できることは別物です。
法人向けにすれば、社員が使うようになりますか
なりません。無料版が使われていない状態のまま層を上げても、使われない理由は変わらないためです。
使われない原因は、たいていどの業務で呼び出すか決まっていない・別画面に移る動線が面倒・出力を誰が確認するか決まっていないのいずれかです。層を上げて解決するのは「読める資料の範囲」だけだと考えてください。
層を上げた後、下げることはできますか
増やす方向は後から追加できますが、減らす方向は契約条件によって変わります。年払いの期間中に席数を減らせるかどうかは、契約前に販売窓口で確認してください。
この確認をしていないと、使われていないライセンスを期末まで抱えることになります。少人数から始める理由はここにもあります。
まとめ
- Copilotは無料版・個人向け有料版・法人向け有料版の3層。2択で読むと混乱する
- 無料版→個人向けで変わるのは使用量の上限。読める情報の範囲は変わらない
- 個人向け→法人向けで変わるのはAIが読める範囲そのもの。ここが最大の断層
- 個人向けPremium(月¥3,200)は法人向けアドオン(年払い月¥2,698)より高い
- 判断は「社内文書を読ませたいか」の1問
- 比較記事は書かれた時期を必ず確認する。名称も価格も動いている
- 層を上げても、読ませたい資料が対象の置き場に無ければ結果は変わらない
- 出力を確認する工程は、どの層を選んでも残る
- 個人向けを社員の人数分そろえる案は、安さの差が小さいうえに目的を果たせない
- 層を上げないと決めた場合も、入力してよい情報の範囲と確認する人は決めておく
仕様や価格は変更されます。契約前には必ず最新の公式情報で確認してください。
御社の業務に合わせたCopilot導入・定着支援
「ライセンスを配ったのに使われない」を終わらせる。
業務の棚卸しから、効く業務の切り分け、社内への定着まで一貫して支援します。