Opus 5 vs GPT-5.6 Sol|どっちが得意か比較
「Claude Opus 5とGPT-5.6 Sol、旗艦モデルはどっちを選べばいいのか」——AIをコーディングや業務自動化に本気で使い始めると、誰もが一度はこの比較で立ち止まります。
結論から言うと、この2つは「どちらが上か」で決めるものではありません。得意分野がきれいに割れているからです。ターミナル操作を伴う自律実行はSolが強く、実際のコード修正の集計値ではClaude陣営が上——という具合に、勝ち負けを一言で断じられない構図になっています。
株式会社Fyveは中小企業向けにAI業務効率化を手がけており、私自身も両陣営のモデルを日々の実務で併用しています。この記事では、Anthropicが公式に公開した直接比較の数値を軸に、Opus 5とSolの違いを整理します。スコアの優劣だけでなく、ベンチマークでは測れない部分——実際に同じ仕事を投げたときの時間と費用——にも触れて、非エンジニアの方が自分の業務に当てはめて選べるように解説します。
結論:スコアはOpus 5優勢。ただし選択は用途で決まる
先に全体像をお伝えします。Opus 5とGPT-5.6 Solは、どちらも各社の最上位フラッグシップです。価格帯もほぼ同じで、単純な「総合力ランキング」で並べても意味がありません。
重要なのは、両者の強みが出る場面が違うという点です。整理すると、次のようになります。
- 料金:入力はどちらも$5/M(100万トークンあたり5ドル)で同じ。出力はOpus 5が$25/M、Solが$30/Mで、Solの方が2割高い。
- 公式の直接比較:Anthropicが発表と同時にSolを含む横並び表を公開。大半の項目でOpus 5が上(後述)。
- ただし逆転する項目もある:エージェント的コーディング(DeepSWE v1.1)はSolが上。
- 出力の効かせ方:Solは「Ultra Mode」、Opus 5は「effort調整(〜xhigh)」と、上限まで引き出す仕組みそのものが違う。
つまり「安いから」「有名だから」で選ぶより、自分がどの作業に一番使うかで選ぶ方が失敗しません。まずはOpus 5全体の位置づけを押さえたい方は、こちらの完全ガイドを先に読むと理解が早くなります。
料金を比べる:入力は同じ、出力で差がつく
まず一番わかりやすい料金から見ていきます。AIモデルの料金は「入力(読ませる文章)」と「出力(生成する文章)」で別々に課金され、単位は100万トークンあたりのドルです。
- Claude Opus 5:入力 $5/M / 出力 $25/M
- GPT-5.6 Sol:入力 $5/M / 出力 $30/M
入力は完全に同額です。差がつくのは出力で、Solの$30はOpus 5の$25より20%高い計算になります。長い文章やコードを大量に生成させる用途ほど、この差はじわじわ効いてきます。
ここで補足しておくと、Opus 5の$5/$25という価格は、前世代のOpus 4.8と同額です。Anthropicは公式に「(フロンティア級の)Fable 5に半額で迫る」と表現しており、Fable 5の$10/$50に対して半分の価格でそこに近づけた、というのがOpus 5の売りです。旗艦どうしを比べるなら、出力単価で見るとOpus 5の方が2割安い、と覚えておけば十分です。

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この記事で一番大事なパートです。Anthropicは Opus 5 の発表と同時に、GPT-5.6 Sol を含めた横並びの比較表を公開しました。前世代との比較だけでなく、他社の旗艦と並べた数値が最初から出ています。
主要項目でOpus 5がリードしている
公式に発表されている主な数値は次のとおりです(いずれもAnthropic公表・2026年7月25日時点)。
- Frontier-Bench v0.1(エージェント的なターミナル操作):Opus 5 43.3% / Sol 34.4%
- OSWorld 2.0(パソコン操作の自動化):Opus 5 70.6% / Sol 62.6%
- AutomationBench(業務ワークフロー):Opus 5 26.0% / Sol 18.1%
- ARC-AGI-3(未知の問題を解く力):Opus 5 30.2% / Sol 7.8%
- BrowseComp(エージェント的な検索):Opus 5 90.8% / Sol 90.4%
- GDPval-AA v2(知識労働):Opus 5 1861 / Sol 1736
数字だけ見れば、Opus 5 が広い範囲でリードしています。とくに業務の自動化に近い項目(OSWorld・AutomationBench)で差が大きいのが特徴です。
ただしコーディングの一部ではSolが上回る
一方で、すべての項目でOpus 5が勝っているわけではありません。
- DeepSWE v1.1(エージェント的コーディング):Sol 72.7% / Opus 5 68.8%
- FrontierCode v1.1:Opus 5 53.4% / Sol 47.5%(こちらはOpus 5が上)
同じ「コーディング」でも、テストの設計によって結果が入れ替わります。つまりひとつの数字だけを見て決めると判断を誤るという点は変わりません。自分がどんなコードを書かせたいのかで、参照すべき指標が変わります。
Solそのものの位置づけを深掘りしたい方は、こちらもあわせてどうぞ。
スコアが答えをくれない領域がある
ここからが実務の話です。公式表でOpus 5が優勢だとして、では常にOpus 5を使えばいいのか——そう単純にはいきません。理由は2つあります。
ひとつは、ベンチマークが測っているのは「正解が決まっている課題」だけだという点です。資料のデザイン、提案書の説得力、3D表現をどこまで作り込むか。こうした正解が一つに定まらない仕事は、スコアの対象になりません。
もうひとつは、ベンチマークの表に時間と費用が載っていないことです。同じ課題を解けたとして、それが4分なのか17分なのか、1回あたり$0.8なのか$3.5なのかは、正答率からは読み取れません。実際に支払うのはこちらなのに、判断材料に入っていない。
私が両方に同じ仕事を投げて実測したところ、課題によっては費用が4倍以上ひらきました。しかも高くついた側が「劣っていた」わけではなく、仕上がりの水準を自分で引き上げた結果でした。スコアの優劣と、実務での使い分けは別の問題です。
出力の「効かせ方」が違う:Ultra Mode vs effort調整
もうひとつ、実務で効いてくる違いが「モデルの力を上限まで引き出す仕組み」です。同じ旗艦でも、その方式がまったく異なります。
Solは「Ultra Mode」で並列協調
GPT-5.6 Solは、Max EffortやUltra Modeといった上位設定で本領を発揮します。Ultra Modeは、ざっくり言えば複数のAIを並列で走らせて協調させる最上位設定です。ターミナル操作を測るTerminal-Bench 2.1では、通常設定88.8%に対しUltra Modeで91.9%まで上がると報告されており、これが並列協調の効果です。
裏を返せば、Ultra Modeは処理量が増えるぶんコストも時間もかさみます。重い課題に切り札として使う設定であり、日常のちょっとした作業に常用するものではありません。max/ultraの仕組みは、こちらの入門記事で詳しく解説しています。
Opus 5は「effort調整」で思考の深さを変える
Opus 5は、effort(努力量)を最大xhighまで段階的に調整できます。1つのモデルがどれだけ深く考えるかをダイヤルのように上げ下げする発想で、簡単な作業は低めに、難しい作業はxhighに、とトークンの無駄を抑えながら性能を引き出します。
さらにOpus 5には「fast mode」(コードネームHoneycomb)があり、2倍の価格で約2.5倍速く応答させられます。急ぎのときは速度を金で買い、普段はeffortで深さを調整する、という使い分けができます。
まとめると、Solは「複数を並列で束ねて力を出す」、Opus 5は「1つのモデルの思考の深さと速度を細かく調整する」という設計思想の違いがあります。どちらが良い悪いではなく、力の引き出し方の作法が違うと理解しておくと、使ったときの手応えの違いに納得しやすくなります。
実務での選び分け:コーディング・エージェント・文書
ここまでの事実を、実際の業務にどう当てはめるかに翻訳します。私が普段、用途で使い分けている考え方を3つの軸で整理します。
コーディング(実際のバグ修正・機能追加)
ここは公式値でも判断が割れる領域です。エージェント的コーディングを測るDeepSWE v1.1ではSolが72.7%対68.8%で上回り、一方FrontierCode v1.1ではOpus 5が53.4%対47.5%で上回っています。テストの設計次第で結果が入れ替わるので、どちらか一方の数字で決めず、自分のコードベースで小さく試して確かめるのが確実です。GPT系とClaude系のコーディング比較は、前世代の実体験としてこちらにまとめています。
エージェント(ターミナル操作を伴う自律実行)
コマンド操作を自分で組み立てて動き続ける使い方では、公式のFrontier-Bench v0.1でOpus 5が43.3%対34.4%と上回っています。パソコン操作を測るOSWorld 2.0でも70.6%対62.6%、業務ワークフローのAutomationBenchでも26.0%対18.1%で、この領域はOpus 5が優勢です。ただし長時間動かすほど費用がかさむ点は別途見る必要があります(私の実測では、重い課題ほどOpus 5の費用が伸びました)。
文書・分析・専門業務
長文のレポート作成、資料の要約、専門分野の分析といった「考えて書く」業務では、コスト面でOpus 5に分があります。出力単価が$25と$30で2割違うため、生成する文章量が多いほどOpus 5の方が安く済みます。加えてOpus 5は科学分野で前世代から大きく伸びており(対4.8で有機化学+10.2pt)、専門性の高い読み書きで思考の深さが効きやすいモデルです。
整理すると、公式スコアの上ではOpus 5が広くリードしており、コーディングの一部でSolが巻き返す——というのが公開情報から言えることです。ただしスコアには時間と費用が含まれていません。実際に同じ仕事を投げると、重い課題ほど費用差が開きます。最終的には自分の主要業務で一度測るのが確実です。

まとめ:数字の出どころで分けて選ぶ
Claude Opus 5とGPT-5.6 Solは、どちらが上という単純な話ではなく、得意分野が割れている2つの旗艦です。最後に要点を整理します。
- 料金:入力は同じ$5/M。出力はOpus 5が$25、Solが$30で、Solが2割高い。文書生成が多い用途はOpus 5がコスト有利。
- 公式の直接比較:大半の項目でOpus 5が上(ターミナル操作 43.3%対34.4%、パソコン操作 70.6%対62.6%、業務ワークフロー 26.0%対18.1%、ARC-AGI-3 30.2%対7.8%)。ただしエージェント的コーディング(DeepSWE v1.1)はSolが72.7%対68.8%で上回る。
- 力の引き出し方:Solは複数を束ねるUltra Mode、Opus 5は思考の深さを変えるeffort調整(〜xhigh)+速度を買うfast mode。
- 選び分け:スコアは目安。正解が決まった処理はスコアどおりでよいが、正解のない制作物や「どこまで作り込むか」が絡む仕事は、時間と費用を自分で測って判断する。
比較記事で一番危ういのは、スコアだけで勝敗を決めてしまうことです。公式の数値を押さえたうえで、ベンチマークに出てこない時間と費用、そして正解のない仕事での振る舞いを自分の主要業務で小さく試す。この順序を守れば、旗艦モデルの選択で大きく外すことはありません。
Opus 5 × GPT-5.6 Sol 徹底比較

同じ仕事を5つやらせて実測した、どの仕事をどちらに任せるかの全記録(全33ページ)
公表ベンチマークにはまだ Opus 5 の数字がありません。だから載るのを待たず、両モデルに同じ依頼を5つ投げて、時間・トークン・費用を全部記録しました。成果物のスクリーンショットも数字も、すべてそのまま載せています。
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