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2026/07/11Codex
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GPT-5.6のmax reasoning/ultra入門

GPT-5.6のmax reasoning/ultra入門

「AIに重い調査や資料作成をまるごと任せたいけれど、設定が難しそうで手が出ない」——GPT-5.6の新しい設定を前に、そう感じている方は少なくありません。

結論から言うと、覚えるべきは2つだけです。max reasoningは「1つのAIをとことん深く考えさせる」設定、ultra modeは「複数のAIが手分けして並列で進める」設定。深く考えさせるか、手分けさせるか、の違いです。

株式会社Fyveは、中小企業のAI活用を月額で伴走するなかで、この2つの新設定を「重い仕事の任せ方」として実際に試してきました。本記事では、専門用語をできるだけかみ砕いて、非エンジニアの方が使いどころを判断できるように解説します。

そもそもreasoning effortとは|AIが「考える深さ」を選ぶダイヤル

max reasoningを理解する前に、土台となるreasoning effort(推論の強さ)という言葉を押さえておきます。これは、AIが答えを出す前に「どれだけ念入りに考えるか」を選ぶダイヤルのようなものだと考えてください。

GPT-5.6では、この設定が次の6段階(ラダー)で用意されました。上にいくほど、AIは時間をかけて丁寧に考えます。

  • none(考えずに即答する)
  • low(軽く考える)
  • medium(標準)
  • high(しっかり考える)
  • xhigh(かなり深く考える)
  • max(今回新設された、最も深く考える段階)

今回の目玉が、いちばん上に加わったmaxです。簡単な質問にmaxを使うのは過剰ですが、難しい問題ほど上の段階が効いてきます。まずは「考える深さのダイヤルに、最上段が1つ増えた」と捉えると分かりやすいです。

GPT-5.6のmax reasoningとは|1つのAIを最も深く考えさせる

max reasoningは、このラダーの最上段にあたります。ひとつ下のxhighよりもさらに長い時間をかけて、1つのAIにじっくり考えさせる、利用できるなかで最も深い推論レベルです。

OpenAIの説明によれば、maxのときAIは次のような動きをします。

  • ひとつの答えで満足せず、複数の代替案を探索する
  • 出した答えを、途中で自らチェックし直す
  • やり方が間違っていれば、方針そのものを修正する

ここでのポイントは、あくまで「1つのAI」が深く考えるという点です。人手を増やすのではなく、一人の担当者にじっくり腰を据えて取り組んでもらうイメージに近いと考えてください。込み入った一つの課題——たとえば例外の多い料金ロジックの整理や、筋の通った長文の設計のように、「手分け」よりも「深く一貫した思考」がほしい場面に向いています。max reasoningの正式な定義は、OpenAI公式のGPT-5.6発表ページで確認できます。

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ultra modeとは|複数のAIが手分けして並列で進める最上位設定

ultra modeは、maxよりさらに踏み込んだ、GPT-5.6の最上位の設定です。maxが「1つのAIを深く考えさせる」のに対し、ultraは既定で4つのAI(エージェント)を並列に協調させて作業を進めます。

流れをかみ砕くと、こうなります。

  • 大きな仕事を小さく分け、複数のAIに割り振る(委譲する)
  • それぞれのAIが同時並行で作業を進める
  • 最後に、各AIの結果を1つにまとめて統合する

この「手分けして並列で進める複数のAI」は、サブエージェントと呼ばれる考え方に近いものです。1人の担当者が順番にこなすのではなく、チームで同時に分担して一気に片づける——そんなイメージです。難しいタスクほど、より強い結果を、より短い時間で得やすくなります。

身近な例で言えば、5社の競合サイトを比較したいとき、一人が1社ずつ順に見ていくのと、5人が1社ずつ同時に手分けするのとでは、後者のほうが早く仕上がります。ultraはこの「同時に手分けする」やり方を、AIの側で自動的に段取りしてくれる設定だと理解すると、イメージがつかみやすいはずです。仕事を分けて渡し、並行で走らせ、最後に一枚にまとめる——その一連の段取りを、こちらが細かく指示しなくても既定でこなしてくれる点が新しいところです。

なお、ultra modeが「開発者向けのAPI設定」なのか「アプリ側の機能」なのか、実装の細かい部分は現時点で表現が割れています。本記事では公式の説明にならい、「既定で複数のAIを並列に協調させる最上位設定」という理解にとどめておきます。細部が気になる方は、OpenAIヘルプの解説記事など最新の公式情報を確認してください。

maxとultraの違い|「深く考える」か「手分けする」か

2つの違いを、OpenAIは一文でこう言い表しています。

「Max deepens one agent's reasoning; Ultra delegates work across agents.」(maxは1つのAIの思考を深める。ultraは複数のAIに作業を委譲する)

言い換えると、こうなります。

  • max=一人にとことん深く考えさせる(縦に深く掘る)
  • ultra=複数で手分けして同時に進める(横に広く展開する)

私はこの関係を、日ごろのAI活用と重ねて理解しています。設計や方針を決める「司令塔」役のAIが、複数の実行役を並列で回す——ultraはまさにその発想を、1つの設定に落とし込んだものと言えます。深い一貫性がほしいならmax、量と速さで攻めたいならultra、と覚えておくと選びやすくなります。

中小企業・非エンジニアにとって何が変わるか|重い仕事を任せる新しい選択肢

ここからは、実際の業務に引き寄せて考えます。max reasoningとultra modeは、どちらも「重くて時間のかかる仕事をAIに任せる」ための設定です。中小企業の現場では、仕事の性質によって使い分けるのが実務的です。

ultra(並列)が向く場面|手分けで一気に片づけたい仕事

  • 競合調査・市場リサーチ:価格・機能・評判などの複数の切り口を同時に調べ、最後に比較表へまとめる
  • 大量の資料からの要点抽出:複数の文書を手分けして読み込み、要約を1つに統合する
  • 複数案の同時検討:企画のA案・B案・C案を並行で作り、最後に見比べる

「一人でやると何時間もかかる調べもの」を、手分けして短時間で仕上げたいときにultraが活きます。作業の中身がいくつかの塊に分けられるほど、並列の効果は大きくなります。

max(深く)が向く場面|筋を通してじっくり考えたい仕事

  • 込み入った条件整理:例外の多い料金体系や、複雑な業務ルールの筋道を通す
  • 長い文章・提案の設計:全体の一貫性が命になる長文の骨組みづくり
  • 難しい原因究明:あちこち検証しながら、粘り強く原因を絞り込む

「手分け」よりも「1つの頭で最後まで筋を通す」ことが大事な仕事は、maxの深い思考が向いています。分割すると一貫性が崩れてしまう仕事、と言い換えてもよいでしょう。

トークン増のトレードオフ|どこで使うかを絞る

便利な一方で、注意点があります。maxもultraも、通常よりトークン(AIが処理する文字量の単位)を多く消費するという点です。特にultraは複数のAIが同時に動くぶん、その傾向が強くなります。

トークンが増えるということは、従量課金なら費用が上がり、処理にも相応の時間がかかるということです。だからこそ、使いどころを絞るのが実務のコツになります。

  • 日常の軽い作業は、標準設定(mediumやhigh)で十分
  • max・ultraは「時間をかけてでも精度がほしい重要な一発」に限定する
  • いきなり本番の大量処理に使わず、まず1つの業務で小さく試す

GPT-5.6は3モデル共通で100万トークンという大きな入力枠を持ちますが、枠が大きいからといって毎回フルに使う必要はありません。「重い設定は、重い仕事にだけ」——この線引きが、想定外のコストを避ける近道です。

また、どのモデルでどの推論設定が使えるかは、契約しているプランによって変わります。API経由で従量課金を使う場合は、いきなり大量のデータを流し込むのではなく、まずは1件だけ試して、かかった時間とおよその費用感を体感してから広げるのが安全です。最上位設定は「使えば必ず良くなる魔法」ではなく、「重い課題に対して精度と引き換えにコストを払う選択肢」だと捉えておくと、判断を誤りません。

実務での落としどころ|役割分担のなかで使う

私の実務では、AIを「役割分担」で使うのが基本方針です。設計や文章づくりが得意なAI(Claude系)を司令塔にし、精密な実行や反復作業が得意なGPT-5.6を実行役として組み合わせています。

この構図のなかで、max reasoningとultra modeは「ここぞという重い一発」に使う道具として位置づけると分かりやすくなります。普段の細かな作業まで最上位設定で回すのではなく、難所だけ深く(max)、あるいは手分けして一気に(ultra)片づける。そう割り切ると、コストと成果のバランスが取りやすくなります。

「AIに成果目標を渡して自律的に進めてもらう」使い方は、こちらの記事で解説しています。

Codex Goal Mode の活用|目標を渡して数時間任せる
CodexCodex Goal Mode の活用|目標を渡して数時間任せる

複数のAIを並列で協調させる考え方は、こちらもあわせてご覧ください。

Codexマルチエージェントv2|複数AIを並列で動かす
CodexCodexマルチエージェントv2|複数AIを並列で動かす

GPT-5.6やCodex全体の位置づけを一気に把握したい方は、まとめ記事が便利です。

OpenAI Codex 完全ガイド|全体像とできること
CodexOpenAI Codex 完全ガイド|全体像とできること

まとめ|「深く考えるmax」と「手分けするultra」を使い分ける

最後に、要点を整理します。

  • max reasoning:reasoning effortの最上段。1つのAIを最も深く考えさせる(縦に深く)
  • ultra mode:既定で複数のAIを並列に協調させる最上位設定。手分けして一気に進める(横に広く)
  • 公式表現は「maxは1つのAIの思考を深める/ultraは複数のAIに作業を委譲する」
  • どちらもトークン増と引き換え。重い仕事にだけ、絞って使うのが実務の鉄則

「難しい一つの課題はmaxで深く、量のある調べものはultraで手分け」。この2択を押さえておけば、GPT-5.6の新しい設定は、中小企業の現場でも十分に使いこなせます。まずは1つの業務で小さく試すところから始めてみてください。

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