Claude Fable 5.1はCopilotで使えるのか|入口でデータの扱いが逆になる
「Claude Fable 5.1がCopilotで使えるらしい」と聞いて設定画面を探したのに、モデルの一覧に出てこない。あるいは出てきたけれど、社内で使っていいのか判断がつかない——新しいモデルがCopilotに載る日は、たいていここで止まります。
結論から言うと、2026年9月1日からGitHub CopilotとMicrosoft 365 Copilotの両方で使えます。ただしどちらも管理者が有効化するまで出てきません。そして見落とされやすいのですが、同じFable 5.1でも、入口によってプロンプトと出力の扱いが逆になります。
株式会社Fyveは中小企業のAI活用に月額で伴走する立場から、新しいモデルが各社の入口に載るたびにこの切り分けを実務で行っています。この記事では公式発表の記載を出所ごとに分けて整理し、社内で確認すべき順に並べました。
結論|入口別に、こう違います
2026年9月7日時点で公表されている内容を、入口ごとに並べます。
入口 | 使えるか | 管理者の操作 | プロンプトと出力の保持 |
|---|---|---|---|
GitHub Copilot | 一般提供 | 必要(既定はオフ) | 🔴 Anthropicが保持する |
Microsoft 365 Copilot | 提供開始 | 必要(既定はオフ) | 保持しない |
Microsoft Foundry | モデルカタログに追加 | デプロイが必要 | 公表資料では未確認 |

いちばん重要なのは右端の列です。同じモデルなのに、通る入口によってデータの扱いが変わります。ここを取り違えると、社内規程に合わない使い方をしていることに気づけません。
GitHub Copilot|使えるが、既定では出てこない
GitHubの公式チェンジログによると、Claude Fable 5.1は2026年9月1日に一般提供(GA)となりました。
対象はCopilot Pro+、Max、Business、Enterpriseです。ここで1つ注意があります。無印のCopilot Proは対象に含まれていません。個人で契約している方が「使えるはずなのに出てこない」場合、まずプランを確認してください。
使える場所は幅広く用意されています。VS Code、Visual Studio、Copilot CLI、GitHub Copilot coding agent、GitHub Copilot app、github.com、GitHub Mobile(iOS・Android)、JetBrains IDE、Xcode、Eclipse。日常的に使っている環境のモデル選択から呼び出せます。
ただしBusinessとEnterpriseでは、管理者がポリシーを有効化するまで表示されません。公式の記載は次のとおりです。
Copilot Enterprise and Copilot Business plan administrators must enable the Claude Fable 5.1 policy in Copilot settings. The policy is off by default.
「既定はオフ」と明記されています。組織で使う場合、利用者側でいくら設定画面を探しても見つかりません。管理者にCopilotの設定を確認してもらうのが最短です。
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ここがこの記事でいちばんお伝えしたい部分です。GitHubのチェンジログには、データの扱いについて次のように書かれています(逐語)。
Claude Fable 5.1 requires data retention by default. When Claude Fable 5.1 is used, Anthropic retains data, including prompts and outputs, to operate safety classifiers that detect harmful use. Retained data is not used to train Anthropic's models. Other Claude models, except for Fable 5 and Fable 5.1, continue to operate under zero Data Retention (ZDR).
読み解くと、3つのことが書いてあります。
1つ目。Fable 5.1はデータ保持が必須で、プロンプトと出力をAnthropicが保持します。
2つ目。その目的は有害な使い方を検出する安全分類器の運用であり、Anthropicのモデルの学習には使われないと明記されています。ここは正確に読む必要があります。「学習に使われる」わけではありません。
3つ目。そしてFable 5とFable 5.1だけが例外で、他のClaudeモデルはゼロデータ保持(ZDR)のままです。つまり同じGitHub Copilotの中でも、選ぶモデルによって扱いが変わります。
顧客情報や未公開の設計を含むコードを扱う場面では、この差が効いてきます。「Claudeだから今までと同じ」と考えていると、前提が変わっていることに気づけません。
Microsoft 365 Copilot|こちらは保持しません
一方、Microsoft 365 Copilot側は逆です。メッセージセンターの告知(MC1465748)によると、Copilot CoworkとCopilot StudioでClaude Fable 5.1が利用可能になりました。ロールアウトは2026年9月1日に開始し、9月2日までに完了する見込みとされています。
データの扱いについては、次のように記載されています。
Prompts and outputs are not retained by Anthropic(プロンプトと出力はAnthropicに保持されない)customer data is not used to train Anthropic foundation models(顧客データはAnthropicの基盤モデルの学習に使われない)
加えてMicrosoftのProduct TermsとData Protection Addendum(DPA)が適用されるとされています。Microsoftのエンタープライズデータ保護の枠内で動く、という位置づけです。
管理者の操作については、組織がAnthropicモデルを有効化している場合にのみ利用可能と書かれています。すでに有効化済みであれば追加の操作は不要です。管理者は有効化・無効化・アクセス制限のいずれも設定できます。
そもそもM365 CopilotでClaudeが使えるようになった経緯
Microsoft 365 CopilotでAnthropicのモデルが選べるようになったのは、今回が最初ではありません。段階的に広がってきた経緯があります。
2026年1月から、Anthropicモデルが既定で利用可能になりました。それ以前は明示的に選択して有効にする方式でした。2026年8月時点では、Researcher、Copilot Studio、Excel、PowerPoint、Word、Copilot Chat、Power Platform、Copilot Coworkといった体験に広がっています。
ただしどこまで使えるかは、テナント・地域・ライセンス・管理者設定・リリースチャネルによって変わります。「使えるようになった」という記事を読んでも自分の画面に出てこないのは、この5つのどれかが違うためです。
今回のFable 5.1も同じで、告知は出ていても組織側でAnthropicモデルを有効化していなければ現れません。
同じモデルなのに、入口で扱いが逆になる
整理します。Claude Fable 5.1というまったく同じモデルを使っていても、GitHub Copilot経由ならプロンプトと出力はAnthropicに保持され、Microsoft 365 Copilot経由なら保持されません。

どちらも「学習には使わない」という点は共通しています。違うのは保持するかどうかです。
この差は、モデルの性能とはまったく関係のないところで生まれています。提供元がどの契約の枠組みで載せているかの違いです。だからモデルを比較する記事を読んでも出てきません。
社内でAIの利用ルールを決めている場合、判断の単位は「どのモデルを使うか」ではなく「どの入口から使うか」になります。
具体的に、どう判断が変わるか
たとえば同じ「見積書の雛形を作らせる」という作業でも、通る入口で扱いが変わります。
GitHub CopilotのCLIやIDEから、顧客名の入ったサンプルデータごとFable 5.1に投げた場合、そのプロンプトと出力はAnthropic側に保持されます。目的は安全分類器の運用であって学習ではありませんが、「外部に残らない」という前提では動いていません。
同じ作業をCopilot Coworkから行った場合は、Microsoftのデータ保護の枠内で処理され、Anthropicには保持されません。
つまり「どのAIを使うか」を決めるだけでは足りず、「どの窓口から入るか」まで決めて初めてルールになります。社内規程に「Claudeの利用可否」とだけ書いてあると、この差を拾えません。
他のClaudeモデルとの違いも押さえておく
公式の記載で見落としやすいのが最後の一文です。Fable 5とFable 5.1以外のClaudeモデルは、引き続きゼロデータ保持(ZDR)で動きます。
これは裏を返すと、GitHub Copilotのモデル選択で別のClaudeモデルに切り替えれば、扱いも変わるということです。同じ製品の同じ画面の中で、選ぶモデルによって条件が変わります。
「Claudeは全部同じ扱い」と考えていると、ここで前提を踏み外します。
Microsoft Foundry|モデルカタログには追加された
Microsoft Foundryにも、2026年9月1日にClaude Fable 5.1が追加されました。提供形態はAnthropicのインフラ上でホストされるプレビューモデルとされています。
ただし単価・利用できる地域・データの扱いについては、公表資料で確認できませんでした。ここは推測で書きません。Foundryから使う予定がある場合は、Foundryの価格表とモデルカードを直接ご確認ください。
「出てこない」ときの切り分け
モデルの一覧にFable 5.1が現れない場合、原因はだいたい4つに絞れます。手間の少ない順に潰してください。
①プランが対象外
GitHub Copilotの対象はPro+ / Max / Business / Enterpriseです。無印のProで探しても出てきません。まず自分の契約を確認してください。
②管理者がポリシーを有効化していない
BusinessとEnterpriseは既定でオフです。利用者側の設定画面をいくら探しても現れません。Microsoft 365 Copilot側も同じで、組織がAnthropicモデルを有効化していなければ選べません。
この2つで大半は説明がつきます。
③ロールアウトがまだ届いていない
Microsoft 365 Copilot側のロールアウトは2026年9月1日開始、2日完了見込みとされていました。発表直後は、同じライセンスでも先に使える人と使えない人が混在します。
また可用性はテナント・地域・ライセンス・管理者設定・リリースチャネルに左右されます。他社で使えているからといって、自社で同じとは限りません。
④そもそも見ている入口が違う
「Copilotで使える」という記事を読んで自分のCopilotを探しても、その記事がGitHub Copilotの話で、自分が見ているのがMicrosoft 365 Copilotだった、というすれ違いはよく起きます。
Copilotという名前は複数の製品にまたがっています。まず自分がどれを開いているかを確かめてください。
課金はどう出るか
GitHub Copilotについては、公式にThis model is billed at provider list pricing under usage-based billing.と記載されています。プロバイダーの標準価格による従量課金です。
つまり月額料金の中に含まれるのではなく、使った分だけ別に積み上がる形になります。従量課金の入口を開けるときは、先に上限とログの確認方法を決めてから開けるのが安全です。
GPT-6 Astra側の入口別の課金については、別記事に切り分けてまとめています。
使えるとして、どちらを選ぶか|私たちの実測から
ここからは公式発表ではなく、私たちが手元で測った内容です。Copilot経由ではなくClaude Code経由での計測なので、そのまま同じ数字になるとは限りません。その前提で読んでください。
2026年9月に、Claude Fable 5.1とGPT-6 Astraへ同じ5つの仕事(LP作成・CSV集計・スライド10枚・3D商品ページ・請求書一括生成)を投げて、時間と費用を測りました。
項目 | Claude Fable 5.1 | GPT-6 Astra |
|---|---|---|
5課題の合計時間 | 22.6分 | 29.7分 |
5課題の合計費用 | $8.34 | $5.82 |
出力トークン | 83,962 | 52,291 |
正解率・要件充足 | 全課題で同点 | |
正解率と要件の充足はどの課題でも差が付きませんでした。分かれたのは時間と費用で、Fable 5.1のほうが速く、Astraのほうが安いという結果です。
実務での使い分けという観点では、待ち時間がそのまま損になる仕事ならFable 5.1、毎月くり返す定型作業なら費用差が積み上がる、という見方になります。
両モデルの詳しい比較は、こちらにまとめています。
GPT-6 AstraとClaude Fable 5.1|どちらを使うべきか
中小企業がいま確認すべき3つ
順番があります。上から潰してください。
①どの入口から使っているかを1枚に書き出す
GitHub Copilotなのか、Microsoft 365 Copilotなのか、Foundryなのか。ここが決まらないとデータの扱いが決まりません。部署ごとに違う入口を使っているケースもあるので、把握しているつもりでも一度書き出すことをおすすめします。
②GitHub Copilotを使っているなら、データ保持の件を先に共有する
Fable 5.1とFable 5だけがゼロデータ保持の対象外です。この事実を知らないまま、顧客情報を含むコードで使い始めるのがいちばん避けたい形です。使うかどうかを決める前に、まず情報として共有してください。
③管理者の設定を確認する
どちらの入口も既定はオフです。「使えない」と感じたときの原因は、多くの場合ここにあります。利用者側の環境を作り直しても解決しません。
よくある質問
Copilot Proで Claude Fable 5.1 は使えますか
公式に記載されている対象はCopilot Pro+、Max、Business、Enterpriseです。無印のCopilot Proは含まれていません。
管理者ですが、モデルの一覧に出てきません
GitHub Copilotの場合、Copilotの設定でClaude Fable 5.1のポリシーを有効化してください。既定はオフです。Microsoft 365 Copilot側の場合は、組織でAnthropicモデルが有効化されているかを確認してください。
プロンプトが学習に使われるということですか
いいえ。GitHub Copilot経由の場合、Anthropicがプロンプトと出力を保持しますが、その目的は有害な使い方を検出する安全分類器の運用であり、モデルの学習には使われないと明記されています。「保持される」と「学習に使われる」は別の話です。
Microsoft 365 Copilot側なら保持されないのですか
メッセージセンターの告知にはPrompts and outputs are not retained by Anthropicと記載されています。あわせてMicrosoftのProduct TermsとDPAが適用されるとされています。
Fable 5.1とFable 5で、データの扱いは同じですか
GitHub Copilotについては、公式にFable 5とFable 5.1の両方がゼロデータ保持の対象外と記載されています。この2つは同じ扱いで、それ以外のClaudeモデルとは異なります。
社内で使ってよいか、何を基準に決めればいいですか
まずどの入口から使うかを決めてください。そのうえで、その入口でのデータの扱いが自社の規程に合うかを確認する、という順番になります。モデル名だけで可否を決めると、入口によって条件が変わることを拾えません。
追加料金はかかりますか
GitHub Copilotについては、プロバイダーの標準価格による従量課金と公式に記載されています。月額に含まれる形ではありません。
まとめ|確認チェックリスト
- 2026年9月1日から、GitHub CopilotとMicrosoft 365 Copilot(Cowork / Studio)の両方で使える
- どちらも管理者が有効化するまで表示されない(既定はオフ)
- GitHub Copilotの対象は Pro+ / Max / Business / Enterprise。無印Proは対象外
- 🔴 GitHub Copilot経由ではAnthropicがプロンプトと出力を保持する。目的は安全分類器の運用で、学習には使われない
- 🔴 Fable 5とFable 5.1だけが例外で、他のClaudeモデルはゼロデータ保持のまま
- Microsoft 365 Copilot(Cowork / Studio)経由では保持されない
- Foundryはモデルカタログに追加済み。単価と地域は公表資料で未確認なので価格表を直接見る
- GitHub Copilotの課金はプロバイダー標準価格の従量
私たちは、こうした新しいモデルの検証と、社内でどう扱うかの判断を月額で伴走しています。入口ごとの違いを一度整理しておけば、次のモデルが出たときに同じところで止まらずに済みます。
参考にした情報
- Claude Fable 5.1 is generally available in GitHub Copilot(GitHub Changelog・2026年9月1日)
- Microsoft 365 メッセージセンター MC1465748「Claude Fable 5.1 is now available in Copilot Cowork and Copilot Studio with Microsoft's enterprise data protection」
- Claude Fable 5.1 is now available in Microsoft Foundry(Microsoft Community Hub)
Astra と Fable 5.1、ベンチマークでは分からない「使い分け」。

同じ5課題を両方に投げた10本の実測(全53ページ)
GPT-6 Astra と Claude Fable 5.1 は入出力の単価が完全に同額です。だから費用の差は、そのまま使ったトークン量の差になります。同じ5つの仕事を両方に投げたら、5課題すべてでAstraが安く合計30%差。一方で時間は31%遅い。正解率も要件充足も同点だったので、選ぶ基準は品質ではありませんでした。
- LP・CSV集計・スライド10枚・3D商品ページ・請求書の5課題を、時間と費用まで全件掲載
- 成果物そのものを左右で並置(ページ全体・区画ごと・スマホ幅・回した3D)
- 3D課題だけ順位が逆転した理由——Astraは袋の曲面を数式で起こしていた
- 待てるか/くり返すか/そのまま出すか——3つの質問で決める早見表つき
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