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2026/10/22Claude Code
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Orcaとherdrの違い|並列エージェントの選び方

Orcaとherdrの違い|並列エージェントの選び方

「OrcaとherdrはどちらもClaude CodeやCodexを並列で動かす道具らしいけれど、何が違うのか」「入れるならどちらか1つにしたい」——並列エージェントの道具を探し始めると、たいていこの2つの名前で手が止まります。

結論から言うと、Orcaとherdrの違いは画面をどこに置くかです。Orcaはエディタ・差分・ブラウザまで1つの窓にまとめたデスクトップアプリで、herdrはいつものターミナルの中で動き、裏のサーバーが端末を持ち続ける道具です。差分のレビューまで1か所で済ませたいならOrca、ターミナルとSSHで暮らしているならherdrが合います。

株式会社Fyveは、AIエージェントを自社の業務と開発で毎日動かしています。この記事は、両者の公式ドキュメントとGitHubを2026年10月22日に読み比べた結果に、私たちが並列運用で決めているルールを重ねて、どちらを選ぶべきかを整理します。なお、私たちはOrcaもherdrも常用の環境にはしていません。使い込んだ感想ではなく、選ぶための材料として読んでください。

Orcaとherdrの違いを先に一覧で

まず、2026年10月22日時点の公式情報で並べます。どちらもオープンソースで、本体は無料です。費用がかかるのは、中で動かすClaude CodeやCodexの側(各社のサブスクリプションやAPI)です。

項目

Orca

herdr

形

デスクトップアプリ(スマホの連携アプリあり)

ターミナルの中で動くアプリ(Rust製の単体プログラム)

公式の説明

The AI Orchestrator for 100x builders

the runtime your coding agents live on

ライセンス

MIT

Apache-2.0

対応OS

macOS/Windows/Linux+iOS/Android

Linux/macOS/Windows(Windowsは制限事項あり)

作業の分け方

作業ごとにgit worktreeを作る

ワークスペース・タブ・ペイン。worktreeもサイドバーから作れる

見張り方

通知と未読管理、スマホへの通知

各ペインを working/blocked/done/idle で表示

レビュー

差分の行に注釈を付けてエージェントへ返す

専用機能なし(ターミナルでgitを使う)

リモート

SSH先にworktreeを作り、管理サーバーで動かす

SSH先でherdrを起動、または herdr --remote で手元から接続

GitHubスター数

101,629

45,240

最新版

v1.4.237(2026年10月21日)

v0.9.5(2026年10月14日)

スター数と版はGitHub APIで2026年10月22日に取得した値です。どちらも毎日のように更新されているので、数字は目安として見てください。

Orcaとherdrの違いは画面をどこに置くか。Orcaはデスクトップアプリ、herdrはターミナルの中で動く

海外の比較記事では、Hacker Newsのコメントとして「OrcaがVS Codeなら、herdrはSublime Text」というたとえが紹介されています(AgentConn、2026年8月24日)。機能を1つの窓に集めるか、軽い道具を今の環境に足すか、という違いをよく表したたとえです。

Orcaとは:エディタまで抱えたデスクトップアプリ

Orcaは、複数のコーディングエージェントを並べて動かすためのデスクトップアプリです。READMEでは「Codex、Claude Code、OpenCode、Piを横に並べて動かす。それぞれを専用のworktreeで、1か所で追跡する」と説明されています。ターミナルで動くCLIのエージェントなら何でも動く、という立場です。

作業ごとにworktreeを作る

Orcaの土台はgit worktreeです。worktreeは、同じリポジトリの作業用コピーをブランチごとに別のフォルダへ作るgitの機能で、エージェント同士が同じファイルを書き換えてぶつかるのを防げます。公式ドキュメントには「すべての作業が、git worktree によるリポジトリのコピーをディスク上に持つ」とあります。

新しい作業を作るときにエージェントを選ぶと、そのエージェントが最初のタブで起動します。ターミナル・エディタのタブ・ブラウザのタブは、それぞれのworktreeの中に閉じています。worktreeを使った並列作業の考え方は、Claude Code側の機能として次の記事でも解説しています。

Claude Codeのworktree隔離|並列作業を壊さない
Claude CodeClaude Codeのworktree隔離|並列作業を壊さない

レビューまで窓の中で終わる

Orcaらしさが出るのは、エージェントが書いた後の工程です。差分の行にコメントを付けてエージェントへ返す「Annotate AI Diffs」、GitHubのPRや課題、Linearのボードをアプリ内で開く機能、実際のChromiumの画面で要素をクリックするとそのHTML・CSS・切り抜き画像をエージェントへ渡す「Design Mode」がそろっています。コミット、プッシュ、PR作成までアプリの中で進められます。

ほかにも、ClaudeとCodexの使用量と制限の解除時刻を表示し、アカウントを切り替える機能があります。複数のアカウントを使い分けている人には地味に効く機能です。

SSH先で動かし、アプリを閉じても続く

手元のパソコンではなく、性能の高いリモートのマシンでエージェントを動かすこともできます。SSHの接続先を設定すると、Orcaはその先にworktreeを作り、自前の管理サーバーを入れてエージェントを動かします。公式ドキュメントには「デスクトップアプリを閉じても、リモートのセッションは止まらない」とあり、開き直すとスクロールの履歴ごと戻ってきます。

ひとつ注意書きがあります。接続が切れたことは、作業が止まったことを意味しません。公式も「同じworktreeで2つ目のエージェントを起動する前に、ホスト側を確認すること」と書いています。

Orca単体の機能や導入時の注意点は、2026年9月に書いた入門記事で詳しく扱っています。

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herdrとは:ターミナルの中の「エージェント用tmux」

herdrは、ターミナルの中で動く画面分割の道具です。tmuxと同じように、ワークスペース・タブ・ペインで画面を分け、裏で動くサーバーが端末を持ち続けます。違うのは、各ペインで動いているエージェントの状態を読み取って、横の一覧に出すことです。

止まっているエージェントを探さなくてよい

herdrは、各ペインを次の状態で表示します。

  • working:動いている
  • blocked:入力・承認・判断を待っている
  • done:終わったが、まだ見ていない
  • idle:終わった、または待機中で、すでに見た
  • unknown:判定できない

判定は、前面で動いているプロセスと、ペインの画面の一番下を読むことで行います。公式は、blockedの判定を厳しめにしていると書いています。承認・質問・権限の確認として知っている画面の形に一致したときだけblockedにするので、見たことのない新しい確認画面は、最初はidleと表示されることがあります。また「idleは、操作を承認してよいという意味ではない」とも明記されています。表示を信じて画面を見ずに承認を送る、という使い方はしないでください。

対応しているエージェント

公式の一覧には、Claude Code、Codex、GitHub Copilot CLI、Cursor Agent CLI、OpenCode、Devin CLI、Hermes Agent、Grok CLI、Qwen Codeなどが並びます。Amp、Gemini CLI、Clineは状態の表示のみ(後者2つは検証が少ないとの注記つき)です。一覧に無いエージェントも、状態表示なしの普通のターミナルとしては動きます。

herdr integration install claude のように連携を入れておくと、herdrのサーバーを再起動した後も、対応するエージェントの会話を再開できます。ここは誤解しやすいところで、サーバーが再起動すると元のプロセスは消えます。戻ってくるのは画面の配置と、連携があるエージェントの会話だけです。

手元でもSSH先でも同じ使い方

使い方は単純です。作業するフォルダで herdr と打つと起動し、ctrl+b q で切り離し、もう一度 herdr で戻ります。切り離しても、SSHの接続が切れても、中のエージェントは動き続けます。

リモートでは、SSHで入ってから herdr を起動する方法と、手元から herdr --remote 接続先 でつなぐ方法があります。後者は画面を手元で描くので、画像をクリップボードから貼る操作もリモートへ渡せます。herdr machine add で複数のマシンを登録すれば、手元と複数のSSH先のエージェントを1つの窓で並べて見られます。

スマホ用の専用アプリはありません。公式は「スマホのSSHアプリで入れば、同じセッションが開き、狭い画面に合わせて表示が変わる」と案内しています。

エージェントがherdrを操作する

herdrにはCLIとソケットAPIがあり、エージェント自身がペインを作り、別のエージェントに指示を送り、相手が本当に入力待ちになるまで待つ、といった操作ができます。公式はエージェント向けのスキルも用意しています。「親のエージェントが子のエージェントを並べて見張る」構成を、人が画面を分けずに組めるのはherdrの強みです。

インストールは curl -fsSL https://herdr.dev/install.sh | sh か brew install herdr です。Rust製の単体プログラムで、READMEには「Electronを使わず、今使っているターミナルの中で動く」とあります。

Orcaとherdrの違いが効く4つの場面

機能の一覧を見比べても、選ぶ決め手にはなりにくいものです。ここでは、実際に違いが出る場面に絞ります。

1. エージェントの出力をレビューするとき

差が一番大きいのはここです。Orcaは差分を見て、行にコメントを付けてエージェントへ返すまでが1つの窓で完結します。herdrはターミナルの道具なので、差分はgitのコマンドか、別に開いたエディタで見ることになります。

並列で動かすほど、時間を食うのはエージェントの実行ではなく、人のレビューです。レビューをまとめて返せる仕組みがあるかどうかは、台数が増えるほど効いてきます。

2. 常時動かすマシンにエージェントを置くとき

どちらも、別のマシンで動かして手元から見る使い方に対応しています。違いは入り口です。Orcaはアプリの設定からSSH先を登録し、管理サーバーを自動で入れます。herdrは、SSHで入ってtmuxのように使うか、--remote でつなぎます。

私たちは、中古のMac miniを常時動かし、定型の自動ジョブを回しています。様子を見るときは、Tailscale経由でSSHして入ります。この使い方では、普段から「SSHして中を見る」動作が身についているので、herdrの方式のほうが手順が増えません。一方で、SSHに慣れていない人が外から様子を見たいなら、Orcaのアプリとスマホの連携アプリのほうが入りやすいはずです。

Tailscale使い方|Mac miniへ外出先から安全に接続
Claude CodeTailscale使い方|Mac miniへ外出先から安全に接続

3. 外出先で「止まった」に気づきたいとき

Orcaには、エージェントが終わったときにスマホへ通知し、そのまま追加の指示を送れる連携アプリがあります(iOSはApp Store、AndroidはAPKで配布)。herdrにはスマホアプリが無く、SSHアプリで入って一覧を見る形です。

通知を待つ使い方ならOrca、自分から見に行く使い方ならherdrでも足ります。

4. 今の開発環境を変えたくないとき

Orcaを入れると、エディタ・ターミナル・ブラウザがOrcaの窓に移ります。VS Codeのエディタを内蔵しているとはいえ、作業の場所が変わるのは確かです。herdrは今のターミナルの中で動くので、エディタも、使い慣れたターミナルも、そのまま残ります。

私たちの開発環境は、Cursor、Antigravity、Ghostty、Supersetと移り、2026年8月に確認した時点のメインはcmuxというターミナル系の道具でした。AIを組み込んだエディタから、ターミナル側へ軸を移してきた流れです。この流れにいる人にとって、herdrは「今の環境に足す」道具、Orcaは「環境ごと乗り換える」道具になります。

Orcaとherdrを試す最初の手順

どちらも無料なので、迷うなら両方を1時間ずつ触ってみるのが確実です。公式の手順を、最初に試す範囲に絞って並べます。

Orcaを試す

  1. macOSなら brew install --cask stablyai/orca/orca、または公式サイトから自分のOS用の版をダウンロードする
  2. 起動して、試したいリポジトリを開く
  3. 「Create Worktree」で作業名と元にするブランチを入れ、動かすエージェント(Claude CodeやCodex)を選ぶ
  4. 同じ手順でもう1つ作業を作り、2つが別のフォルダで動いていることを確かめる
  5. 終わった方の差分を開き、行にコメントを付けてエージェントへ返してみる

最後の5番目が、Orcaを選ぶ理由になるかどうかの分かれ目です。ここが便利だと感じなければ、Orcaの良さの半分は使わないことになります。

herdrを試す

  1. brew install herdr(またはREADMEのインストール用スクリプト)で入れる
  2. 試したいリポジトリのフォルダで herdr と打つ
  3. ペインを分けて、片方でClaude Code、もう片方でCodexを起動する
  4. サイドバーで、それぞれが working から blocked や done に変わる様子を見る
  5. ctrl+b q で切り離し、もう一度 herdr で戻って、作業が続いていることを確かめる
  6. 会話を再開させたいエージェントには herdr integration install claude のように連携を入れる

herdrの見どころは4番目と5番目です。切り離して戻る動作に慣れている人なら、tmuxからの置き換えとしてすぐに使えます。

試すときの注意点

  • herdrの状態表示は推定です。画面の形から判定するので、AntigravityやGrokのように裏で処理が続いていても入力欄ではidleと出るエージェントがあると、公式に書かれています。仮想マシンやコンテナの中で動かしたエージェントは見えない場合もあります
  • Orcaの接続切れは停止ではありません。SSH先との接続が切れても、エージェントは動き続けている可能性があります。同じworktreeで別のエージェントを起動する前に、ホスト側を確認してください
  • どちらも更新がとても速い道具です。OrcaはGitHubのリリース一覧で2026年10月20日(協定世界時)だけで3つの版が出ており、herdrもまだ0.9系です。この記事の機能の記述は2026年10月22日時点のもので、設定画面の名前などは変わる可能性があります

Orcaとherdrの選び方

Orcaとherdrのどちらにするかを決める4つの質問

上の4つの質問で「はい」が多い側を選ぶのが、いちばん外れにくい決め方です。まとめると次のようになります。

Orcaが向いている人

  • エージェントの差分をレビューして返す作業が、仕事の大半を占めている
  • GitHubの課題やLinearのボードから作業を始めることが多い
  • 画面で一覧したい。キーボード操作に慣れていなくてもよい道具がほしい
  • スマホに通知を受けて、外から追加の指示を送りたい

herdrが向いている人

  • すでにtmuxやターミナルの画面分割で仕事をしている
  • エージェントを常時動かすマシンやクラウドのサーバーに置き、SSHで入って見ている
  • エディタは今のものを使い続けたい
  • エージェントに別のエージェントを起動・見張りさせる仕組みを組みたい

両方を入れて、手元の開発はOrca、常時動かすマシンはherdr、と分ける使い方もありえます。ただし、道具を2つ持つと、どちらの窓を見ればよいかという迷いが1つ増えます。最初は1つに絞ることをすすめます。

どちらを選んでも、並列の上限は人が決める

最後に、道具選びより先に決めておくべきことを書きます。OrcaのREADMEは「1つのプロンプトを5つのエージェントに配り、結果を比べて良いものをマージする」使い方を看板にしています。herdrも、エージェントが別のエージェントを起動できます。道具の側では、何台でも並べられます。

実際に詰まるのは、人の側です。田嶋は2026年9月3日に、自身のXで「ターミナルマルチプレクサで並行に色々進めると、業務ごとの認知負荷がキャッシュのように溜まり、脳内を圧迫することで判断力が大幅に落ちる」と書きました。それ以来、私たちは同時に見る作業を2つまでに絞り、作業の区切りを先に決めてから始めています。

費用の面でも上限があります。私たちがClaude Codeで、ページの改修とSEO記事14本の手直しを1つのセッションで並列に進めたときは、大量の読み込みと書き換えが重なって、5時間あたりの利用上限にすぐ達しました。それ以降、並列にするのは「方針が決まっていて、数だけが多い作業」に限り、台数も5〜6台までにしています。並列にすると、台数に比例して消費が増えます。

herdrの状態一覧も、Orcaの通知も、「どれが止まっているかを探す時間」を減らす道具です。判断する人の数は増えません。何台まで並べるかは、道具を入れる前に決めておくのが安全です。並列にすると割に合う作業の条件は、次の記事で整理しています。

AIエージェントの並列実行|大量処理が割に合う条件
Claude CodeAIエージェントの並列実行|大量処理が割に合う条件

よくある質問

Orcaとherdrは無料ですか

どちらも本体は無料のオープンソースです(OrcaはMIT、herdrはApache-2.0。2026年10月22日にGitHubで確認)。中で動かすClaude CodeやCodexの利用料は別にかかります。

Claude CodeとCodexを同時に動かせますか

どちらも可能です。Orcaはターミナルで動くCLIのエージェントなら動かせると書いており、herdrの公式の対応一覧にもClaude CodeとCodexが入っています。

Windowsで使えますか

OrcaはWindows用のインストーラーを配布しています。herdrもWindows用のバイナリを配布しており、公式は「一般提供だが、Windows固有の制限があり修正中」と書いています。

herdrにworktreeの機能はありますか

あります。gitのワークスペースの行から「New worktree」を選ぶと作業用のコピーが作られ、元のワークスペースの下にまとまって表示されます。Orcaのように「作業を作る=worktreeを作る」が前提ではなく、必要なときに作る位置づけです。

herdrを閉じるとエージェントは止まりますか

ctrl+b q で切り離すだけなら止まりません。herdr server stop でサーバーを止めると、中のペインもすべて終わります。

まとめ:画面の置き場所で選ぶ

Orcaとherdrの違いは、エージェントを見張る画面をどこに置くかです。

  • Orca:エディタ・差分・ブラウザ・ターミナルを1つの窓に集めたデスクトップアプリ。レビューを返す工程とスマホの通知が強い
  • herdr:今のターミナルの中で動き、裏のサーバーが端末を持ち続ける。状態の一覧、SSHでの使いやすさ、エージェントからの操作が強い
  • どちらも無料のオープンソースで、費用はエージェントの側にかかる
  • 何台並べるかは、道具ではなく人の把握できる数で決める

株式会社Fyveでは、Claude CodeやCodexを業務に組み込むときの道具選びと運用ルールづくりを、実際の運用で確かめた範囲でお手伝いしています。

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