/verifyとは|Claude Codeでテストに頼らず動作確認する
「Claude Codeの/verifyは、テストと何が違うのか」——修正や実装をAIに任せたあと、実際に動くところまで確認できているかが分からないまま次の作業に進んでしまったことはないでしょうか。
結論から言うと、Claude Codeには/verifyというバンドル済みのスキルがあり、テストや型チェックに頼るのではなく、実際にアプリをビルドして起動し、動かして観察することで変更が意図どおりかどうかを確認してくれます。インストールは不要で、/verifyと打つだけで使えます。
株式会社Fyveは中小企業のAI活用を月額で伴走支援しており、Claude Codeを日常的に業務で使っています。この記事では、Anthropic公式ドキュメント(2026年9月4日時点)で確認できた/verifyの仕様だけをもとに、何を確認してくれるスキルなのか、どんな場面で効くのかを整理します。
/verifyとは——テストに頼らず動かして確認するスキル
公式ドキュメントは/verifyを次のように説明しています。「テストや型チェックに頼るのではなく、プロジェクトのアプリをビルドし、実行し、結果を観察することで、コードの変更が意図どおりに動くかを確認する」。つまり/verifyは、コードを読んで正しさを判定する仕組みではなく、実際に動かしてみて、その挙動を見る仕組みです。
/verifyはClaude Codeにバンドル済みのスキルの1つで、/doctorや/code-reviewなどと同じ枠に属します。バンドル済みスキルは、詳細な指示をClaudeに渡し、Claudeがツールを使って自分で作業を組み立てる「プロンプトベース」の仕組みで動きます。追加のインストール作業は不要で、セッション開始時から呼び出せます。なお公式ドキュメントは、Claudeが自動的にいくつかのバンドル済みスキルを判断で呼び出す一方、/verifyはユーザーが呼び出したときだけ動くスキルの例として明記しています。長く時間のかかる確認作業に、いつどれだけの時間とトークンを使うかを、ユーザー側でコントロールできるようにするためです。
Claude Codeに標準搭載されているスキル・コマンドの全体像は、こちらの記事で一覧にしています。
事実——/run・/run-skill-generatorとの3点セット
公式ドキュメントは、/verifyを単独の機能としてではなく、3つのバンドル済みスキルの組み合わせとして説明しています。
スキル | 役割 |
|---|---|
| アプリを起動して動かし、変更が実際に効いているかを見る |
| テストや型チェックに頼らず、アプリをビルド・起動して変更が意図どおりかを確認する |
|
|
/runと/verifyはセットアップなしでも動きます。プロジェクトの種類(CLI・サーバー・TUI・ブラウザ駆動)や、READMEやpackage.json、Makefileの内容から起動方法を推測してくれるからです。ただしこの推測は、標準的な起動を超えるプロジェクト——データベース接続が要る、環境変数ファイルが要る、GUIセッションが要る、複数ステップのビルドが要る、といったケース——では当てにならなくなります。

読者特典・無料ダウンロードClaude Codeを「素のまま」使うな無料でダウンロード →検証——「記録」の仕組みが意味すること
/verifyは、記録済みのレシピが無い状態でアプリをビルド・起動しなければならなかったとき、自分自身のレシピを.claude/skills/verify/SKILL.mdに書き出します(モノレポでは、触ったパッケージのディレクトリに書かれます)。リポジトリのルートで記録された場合、それ以降はこのレシピがバンドル済みの/verifyそのものを置き換えます(Claude Code v2.1.200以降)。
ここで押さえておきたいのは、Claudeがこの記録ファイルを編集するのは実行がうまくいかなかったとき(コマンドが失敗した、手順が漏れていた、など)だけだという点です。うまくいっている限りファイルは書き換わらないため、セッションのたびに差分が出ることなくリポジトリにコミットできます。公式ドキュメントによれば、Claude Code v2.1.205より前のバージョンでは、実行のたびに学んだことをすべて織り込む設計だったため、頻繁にマージ競合が起きていたとのことです。「毎回とりあえず書き換える」設計から「失敗したときだけ直す」設計への変化は、記録ファイルをチームでコミットして共有する運用を現実的にするための調整だったと読み取れます。
この記録の仕組みそのもの——/run-skill-generatorとの役割分担や、記録先・記録タイミングの詳細——は、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。
判断——向いている場面・不向きな場面
向いている場面 | 最初はうまくいかないことがある場面 |
|---|---|
標準的な構成のWebアプリ・CLIツール・APIサーバーの動作確認 | データベース接続が必要なプロジェクト |
READMEや | 環境変数ファイル(.envなど)の用意が必要なプロジェクト |
修正後に「本当に直っているか」を目で確認したいバグ修正 | GUIセッションが必要なプロジェクト |
AIが作ったアプリを本番公開する前の最終チェック | 複数ステップのビルドが必要なプロジェクト |
右側に挙げた「最初はうまくいかないことがある場面」は、使えないという意味ではありません。公式ドキュメントによれば、/verifyはこうした構成でも記録済みレシピが無ければ自分で手順を試し、うまくいけばその手順を書き出します。一度/run-skill-generatorで手順を教えておけば、次回以降は推測をやり直す必要がなくなります。

実務のイメージ——具体例で考える
たとえば、店舗の予約フォームで「特定の時間帯を選ぶとエラーになる」という不具合をClaude Codeに直してもらった場面を考えてみます。修正が終わった時点で、既存のテストがすべて通っていたとしても、それは「テストが想定していた範囲では壊れていない」ことしか保証しません。実際にその時間帯を選んで予約を完了できるかどうかは、テストのコードそのものが古い前提で書かれていれば見逃されてしまいます。
ここで/verifyを呼び出すと、Claudeはこのプロジェクトのアプリを実際にビルドし、開発サーバーを起動し、修正した予約フォームの画面まで動かして、指摘されていた時間帯を選んでも予約が完了するかどうかを確認します。テストの結果を信じるのではなく、テストが見ていなかった経路まで含めて、実際に動く画面で確認する、という進め方です。プロジェクトの起動に特別な手順(データベースの起動や環境変数の設定など)が必要な場合、最初の実行ではその推測が外れることもありますが、うまくいけば手順がレシピとして記録されるため、次に同じような確認をするときはスムーズになります。
似ている機能との違い——読むか、動かすか
Claude Codeには、コードの品質を確認する仕組みがほかにもあります。混同しやすいので、公式ドキュメントの説明をもとに整理します。
/code-reviewは、現在の差分やPR・ブランチ・パスを対象に、正しさに関わるバグや改善点を読んで指摘するコマンドです。/simplifyは同じく差分を読んで、読みやすさ・保守性の観点で改善を提案するコマンドで、公式ドキュメントは「正しさのバグは探さない」と明記しています。どちらもコードを読んで判断する仕組みです。
一方/verifyは、コードを読んで判定する仕組みではありません。実際にアプリをビルドし、起動し、動かした結果を観察して確認します。「読んで正しそうかを判断する」のか「動かして本当に動くかを確認する」のかが、この3つを分ける軸になります。/code-reviewの詳しい使い方は、こちらの記事で解説しています。
実務——使う前に確認しておきたいこと
- 呼び出しはユーザー主導:
/verifyは呼び出したときだけ動きます。なお公式ドキュメントによれば、Claude Code v2.1.215より前のバージョンでは、Claudeが自分の判断で/verifyを実行することもありました - 特殊な起動が必要なプロジェクトは、最初の1回で手間取ることがある:データベース接続や環境変数ファイル、複数ステップのビルドが絡む場合、推測に頼る最初の実行はうまくいかないことがあります。うまくいけばその手順が記録されるため、2回目以降は同じ手間がかかりにくくなります
- テストの代わりではない:公式の説明どおり、
/verifyは「テストや型チェックに頼らず」確認する仕組みです。既存のテストを実行してくれる機能そのものではなく、実際にアプリを動かして目視に近い形で確認する機能だと理解しておくと、期待とのズレが起きません - 記録ファイルはコミットして共有できる:
.claude/skills/verify/SKILL.mdに書き出されたレシピは、失敗したときだけ更新される設計のため、リポジトリにコミットしてチームや他のエージェントと共有できます
よくある誤解を防ぐ
誤解1:テストを実行してくれる機能だと思ってしまう
公式ドキュメントの表現は「テストや型チェックに頼らず(without falling back to tests or type checks)」です。/verifyはテストを実行する機能ではなく、テストという手段に頼らず、実際にアプリを動かして確認する機能です。既存のテストスイートを回してほしいときは、その旨を別途伝える必要があります。
誤解2:いつでもClaudeが勝手に実行すると思ってしまう
現在のバージョンでは、/verifyはユーザーが呼び出したときにしか動きません。公式ドキュメントは、Claude Code v2.1.215より前ではClaudeが自動的に実行することもあったと明記しており、現在の「呼び出したときだけ動く」設計は、いつ時間とトークンを使うかをユーザー側でコントロールできるようにするための変更だと読み取れます。
誤解3:どんなプロジェクトでも最初から完璧に動くと思ってしまう
推測はREADMEやpackage.json、Makefileを手がかりにしています。データベース・環境変数ファイル・GUI・複数ステップビルドが絡む構成では、最初の推測が外れることがあります。この場合は/run-skill-generatorで一度手順を教えておくと、以降は記録済みレシピに従うようになります。
/verifyのよくある質問
/verifyを使うのにインストールは必要ですか
不要です。/verifyはClaude Codeに最初から入っているバンドル済みスキルで、追加設定なしに/verifyと入力するだけで呼び出せます。
/verifyはテストの代わりになりますか
代わりというより別のアプローチです。テストや型チェックに頼らず、実際にアプリをビルド・起動して動かした結果を確認する仕組みなので、既存のテストを実行する機能ではありません。
Claudeが勝手に/verifyを実行することはありますか
現在のバージョンでは呼び出したときだけ動きます。Claude Code v2.1.215より前では自動的に実行されることもありましたが、それ以降はユーザーが呼び出したときだけ動く設計になっています。
データベースが必要なプロジェクトでも使えますか
使えます。ただし最初の実行では、データベース接続の手順まで正しく推測できるとは限りません。一度/run-skill-generatorで起動手順を教えておくと、以降は記録済みレシピに従うようになります。
コードを読んで指摘してくれる機能と同時に使う必要がありますか
必須ではありませんが、役割が異なるため補い合う関係にあります。/code-reviewのようにコードを読んで正しさや読みやすさを判定する機能と、実際に動かして挙動を確認する/verifyは、見ている場所が違います。公開前の最終チェックとして、両方を組み合わせて使う人もいます。
まとめ|/verifyを使う前のチェックリスト
最後に、/verifyを使う前に確認しておきたい点をチェックリストにまとめます。
- テストや型チェックに頼らず、実際にアプリをビルド・起動して確認するスキル。テストを実行する機能そのものではない
- 呼び出したときだけ動く(v2.1.215以降)。時間とトークンを使うタイミングは自分でコントロールできる
- 起動方法はREADME・package.json・Makefileから推測。DB接続・環境変数ファイル・GUI・複数ステップビルドが絡む構成では最初の推測が外れることがある
- 推測が外れる構成では/run-skill-generatorで手順を一度教えるとよい。記録されたレシピは失敗したときだけ更新されるため、コミットして共有できる
- /code-review・/simplifyは「読む」、/verifyは「動かす」。役割が異なるので併用する価値がある
- インストール不要。
disableBundledSkills設定で無効化されていなければ、そのまま/verifyで呼び出せる
AIに任せた変更を、テストが通っているという理由だけで信じてよいかは、プロジェクトによって事情が変わります。「実際に動かして確認する」という一手間を、コマンド1つに任せられる点が/verifyの実務的な価値です。特に、AIが作ったアプリを人に見せる前・本番に出す前の最終チェックとして組み込んでおくと、テストではすり抜けてしまう見た目や挙動のズレに気づきやすくなります。
非エンジニアの立場でこのスキルを使う場合も、確認すべきことは変わりません。/verifyが実際に何を起動し、何を確認したのかを聞けば、Claudeは動かした手順と観察した結果を説明してくれます。コードを自分で読めなくても、「どの画面で」「何を試して」「どうなったか」の3点を確認できれば、修正が本当に効いているかどうかを判断する材料にできます。
Claude Codeを「素のまま」使うな

設定で差がつく——CLAUDE.md・権限・スキルの実物を公開(全24ページ)
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