AI音楽の商用利用|Lyria 3.5の料金と権利
「PR動画のBGMを差し替えるたびに、フリー素材サイトを回って、利用規約を読んで、クレジット表記の条件を確認して……という作業に毎回30分溶けている」——動画や店内放送を自分たちで作るようになった会社ほど、音の調達で止まります。映像は生成AIで作れるようになったのに、そこに乗せる音だけが外部依存のまま残っている状態です。
結論から言うと、AIで作った音楽を仕事に使えるかどうかの線引きは、音質でも尺でもありません。「その曲を自社が独占できる必要があるか」で引きます。GoogleのGemini APIの規約は「生成物の所有権を主張しない」と明記する一方で、「同じか似た内容を他者に対しても生成しうる」とも明記しています。つまり権利を奪われはしないが、独占もできない。ここが用途を分ける唯一の分岐点です。
株式会社Fyveは中小企業のAI活用を伴走する会社で、私自身も発信用の動画の仕上げ工程をかなりの部分AIに任せています。この記事では、2026年9月4日にGoogleがGeminiアプリとGemini APIへ提供を開始した音楽生成モデル「Lyria 3.5」を題材に、非エンジニアの経営者・担当者に向けて「どの用途なら使えて、どの用途は避けるべきか」を、公式ドキュメントと規約の原文にあたりながら整理します。
結論:線引きは「独占できるか」で引く
先に答えを出します。AI生成音楽の可否は、その音が使い捨てか、ブランドの一部かで分かれます。
用途 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
PR動画・商品紹介動画のBGM | 向く | 動画ごとに作り直す前提。似た曲が他社に出ても実害が小さい |
展示会ブースのループ音源 | 向く | その場限りの利用。尺合わせの融通が利くほうが価値が高い |
SNS投稿・ショート動画の背景音 | 向く | 本数が多く、1本あたりの調達コストを下げたい領域 |
社内研修動画・マニュアル動画 | 向く | 外部公開しないか、限定公開。権利関係の露出が小さい |
電話の保留音・店内の常時BGM | 条件付き | 長期間くり返し流れる。差し替え頻度が低いぶん、あとで問題が出たときの入れ替えコストが高い |
ブランドのサウンドロゴ・ジングル | 向かない | 独占が前提の資産。規約上、同じか似た音が他者にも生成されうる |
商品として音源そのものを売る | 向かない | 音源の独占性が商品価値そのもの。土台が成立しない |
この表の「向かない」2行が、この記事でいちばん伝えたいところです。逆に言えば、それ以外の用途——中小企業が実際にBGMを必要とする場面のほとんど——は、すでに実用圏に入っています。

Lyria 3.5 で何が変わったのか
Lyria(リリア)はGoogleの音楽生成モデルです。2026年7月29日に動画制作ツール「Google Flow Music」で先行提供が始まり、2026年9月4日にGeminiアプリとGemini APIへ展開されました。ここが今回の変化点です。専用ツールを開きに行かないと使えなかったものが、普段使いのGeminiと、自社のプログラムから叩けるAPIの両方に降りてきた、ということです。
公式ドキュメントと報道で確認できる仕様を整理すると、次のようになります。
できること
- テキストからの生成:ジャンル・楽器・BPM(テンポ)・キー・ムード・言語をプロンプトで指定できる
- 歌詞の指定:自分で書いた歌詞を渡せる。セクションタグ(Aメロ・サビ等の区切り)とタイムスタンプで、どこで何が来るかを指定できる
- ボーカルあり/なしの切り替え:歌入りとインストゥルメンタルを選べる
- 画像からの生成:APIでは最大10枚の画像をテキストと一緒に渡し、その雰囲気から曲を作らせられる
- 音質:44.1kHzステレオ。出力はMP3が既定で、Lyria 3.5はWAVも選べる
- テンプレート:Geminiアプリ側には、BGM・ジングル・着信音といった用途別の出発点が用意されている
尺は「アプリ」と「API」で表現が違う
ここは一次情報を突き合わせたときに数字がずれた箇所なので、正直に書きます。
Geminiアプリ側の紹介では最長3分のフル尺楽曲を作れると案内されています。一方でGemini APIの公式ドキュメントは、モデル lyria-3.5 の尺を「a couple of minutes(2分ほど)」と表現しており、報道側も「ヴァース・コーラス・ブリッジの構成を持つ約2分」と書いています。
どちらかが誤りというより、アプリの上限とAPIの標準的な出力長を別々に説明していると読むのが自然です。実務上は「3分ぴったりの尺が必要」という前提で設計せず、2分前後が出てくるものとして企画を組み、足りない分は編集側でループさせるのが安全です。尺を先に決めて生成に依存する作り方は、動画制作でいちばん事故が起きやすいパターンです。
APIには2つのモデルがある
モデルID | 尺 | 出力形式 | 想定用途 |
|---|---|---|---|
| 30秒固定 | MP3 | 短いクリップ・ループ素材 |
| フル尺(2分ほど) | MP3 / WAV | 曲構成を持った本編BGM |
SNSのショート動画やUIの効果音的な用途なら30秒のクリップ版で足り、動画本編に敷くなら3.5、という使い分けになります。
同じモデルでも、入り口で条件が変わる
ここが実務でいちばん誤解されるところです。Lyria 3.5は現在、複数の入り口から使えます。同じモデルなのに、料金の発生の仕方・データの扱い・適用される規約が入り口ごとに違います。
入り口 | 性質 | 誰が使うか |
|---|---|---|
Geminiアプリ(Web/モバイル) | 対話で1曲ずつ作る。テンプレートあり。全世界のユーザーに提供 | 担当者が手作業で数曲作る |
Google AI Studio | 開発者向けの試用環境。パラメータを触って挙動を確かめる | 導入前の検証 |
Gemini API | 自社のプログラムから呼ぶ。1曲ごとの従量課金 | 本数がまとまる・自動化したい |
Google Flow Music | 動画制作ツールに組み込まれた形 | 映像と一緒に作る |
Google Vids | 資料・社内動画作成ツール側の組み込み | 社内向け動画 |
会社として使うなら、まず「どの入り口を業務の標準にするか」を1つ決めてください。ここを決めずに走り出すと、あとから「どの曲がどこで作られたか分からない」という棚卸し不能の状態になります。
入力したデータの扱いも、入り口で変わる
入り口を1つに決めるべき理由は、記録の問題だけではありません。Gemini APIの追加利用規約(2026年3月23日発効時点)は、有料サービスと無料サービスでデータの扱いを分けています。
- 有料サービス:Googleはプロンプトや応答を製品の改善には使わない。ログはポリシー違反の検知や法令対応のためにのみ保持される
- 無料サービス(無料枠でのAI Studio利用など):送信した内容がGoogleの製品・サービスの提供および改善に使われる。人によるレビュー・注釈が入りうる
音楽生成そのものには無料枠が無いため、API経由なら自動的に有料側の扱いになります。問題になるのは、担当者が手元で「ちょっと試した」ときです。未公開の商品名や、社外に出していない企画のイメージをプロンプトに書いて無料の環境で試す——これは音楽に限らず、生成AI全般で最も起きやすい情報の漏れ方です。
だから「入り口を1つに決める」は、コストの話ではなく情報の取り扱いを一本化する話だと考えてください。決めてしまえば、担当者はどこで試していいか迷わなくなります。
料金:APIなら1曲あたり0.08ドル
Gemini APIの公式価格ページ(2026年9月7日時点)では、音楽生成は1曲あたりの定額で課金されます。トークン建てではありません。
モデル | 無料枠 | 有料枠 |
|---|---|---|
| 提供なし | 1曲あたり 0.08ドル |
| 提供なし | 1曲あたり 0.04ドル |
金額は米ドル建てで、日本円換算のレート・税の扱いは契約形態によります。導入前に必ずGemini APIの公式価格ページで最新の条件をご確認ください。
この数字の意味を、経営判断に使える形に直します。
- フル尺なら12曲でおよそ1ドル。月に30本の動画を作ってすべてBGMを作り分けても、音源の原価は2.4ドル程度
- 失敗が原価に含められる。1曲0.08ドルなら、気に入らなければ5回作り直しても0.4ドル。「1回で当てなければ」という圧力が消える
- 無料枠は無い。ここは重要です。テキスト生成のように「まず無料で試す」ができないので、検証も課金が前提になります(もっとも、検証20曲でも1.6ドルです)
比較対象になるのは、有料BGM素材サイトの年額サブスクリプションや、都度のライセンス購入です。ただし本数が少ない会社ほど素材サイトのほうが安く、本数が増えるほど生成が有利になる——という単純な話ではない点に注意が必要です。素材サイトの価値は「曲そのもの」ではなく「権利処理が済んでいること」にあるからです。そこが次の論点になります。
権利:規約に書いてあること、書いていないこと
ここが本題です。Gemini APIの追加利用規約(2026年3月23日発効時点)には、生成物についてこう書かれています。
Google won't claim ownership over that content.
(Googleはそのコンテンツの所有権を主張しません)
そしてすぐ続けて、こうも書かれています。
You acknowledge that Google may generate the same or similar content for others and that we reserve all rights to do so.
(Googleが同一または類似のコンテンツを他者に対しても生成しうること、およびGoogleがそうする権利をすべて留保することを、あなたは了解するものとします)
この2文を並べると、AI生成音楽の性格がはっきりします。
言えること
- Googleは生成された曲の所有権を主張しない。使うこと自体を提供元にブロックされる構造にはなっていない
- 安全フィルタが入力段階で働く。特定アーティストの声を指定するプロンプトや、著作権のある歌詞の生成を求めるプロンプトはブロックされる(=既知の他人の権利をなぞる方向の生成は、入り口で止められる設計)
言えないこと
- 「その曲は自社だけのものだ」とは言えない。規約が明示的に、同じか似た曲が他者にも生成されうると宣言している
- 「著作権で守られる」とも言えない。所有権を主張されないことと、著作物として保護されることは別の問題です。AI生成物の著作権の扱いは国ごとに議論が続いており、規約は答えを出していません
「規約上OK」と「権利で守られる」が別問題である、という構図そのものは音楽に限りません。生成コードについて同じ整理をしたCodexの商用利用と著作権でも、規約の許諾と著作権による保護は切り分けて考える必要がある、と書きました。音楽でも構図は同じで、むしろ音のほうが「独占できないこと」の実害が見えやすい——サウンドロゴは、他社と似ていたら役目を果たさないからです。
なお、学習データについてGoogleはLyriaを「ライセンス済みのコンテンツのみで学習させた」と説明しているとされますが、具体的に何を使ったかは公開されていません。ここは各社が判断材料にできる粒度の情報が出ていない領域なので、リスク許容度の高い用途から始めるのが妥当です。契約・法務判断が絡む場面では、必ず最新の利用規約の原文にあたり、必要なら専門家に確認してください。
SynthID:透かしは消せない前提で運用する
Lyriaが生成した音声には、例外なくSynthIDという音声透かしが埋め込まれます。公式ドキュメントは「人間の耳には知覚できない(imperceptible to the human ear)」と説明しています。聴いて分かるものではありませんが、技術的にはAI生成物であることを識別できる信号が入っています。
これを「バレるからまずい」と受け取る必要はありません。実務上の意味は次の2点です。
- あとから「AIで作っていない」と説明できなくなる。だから最初から隠さない設計にするのが安全です
- プラットフォーム側の扱いが将来変わりうる。AI生成コンテンツの表示ラベルや配信の扱いは各プラットフォームで整備が進んでいる最中で、いま問題ない運用が来年も同じとは限りません
この「透かしが入る前提でどう社内ルールを作るか」という論点は、文章側でも同じ形で出てきます。テキストの透かしと開示の考え方はAI文章の透かしとは|Claudeの仕様と限界・企業の対応で整理しているので、社内ガイドラインを作る段階では音と文章をまとめて扱うのが効率的です。
生成した曲は、そのままでは使えない
ここからは、実際に動画の仕上げ工程を自動化してきた立場からの話です。生成AIで音楽を作れるようになっても、動画に貼る作業が消えるわけではありません。むしろ、素材サイトから落としてきた曲より手がかかる場面があります。
理由1:音量の基準が揃っていない
有料の素材サイトの曲は、ある程度そろった音量感で書き出されています。生成された曲はプロンプトごとに音量感が変わるため、ナレーションの上に乗せると喋りが埋もれる/逆に曲が小さすぎて聞こえないという事故が起きます。動画1本ごとに耳で合わせていると、本数が増えたときに破綻します。
理由2:やり直しが対話でできない
公式ドキュメントが明記しているとおり、音楽生成は単発(single-turn)の処理で、生成した曲を対話で修正・調整することはできません。「いまの曲のサビだけもう少し静かに」は通りません。作り直すしかない。しかも結果に決定性はなく、同じプロンプトでも毎回違う曲が出ます。
これは1曲0.08ドルという料金設計と表裏です。安いから作り直せる、という設計思想であって、詰めていく道具ではない。この性格を理解していないと、「思った曲が出るまで粘る」という一番コストの高い使い方をしてしまいます。
理由3:尺が合わない
2分の曲を90秒の動画に敷くなら、どこかで切って自然にフェードさせる必要があります。逆に3分の動画に2分の曲なら、ループの継ぎ目を作る必要があります。
だから、生成と仕上げは別工程として組む
私のやり方は単純で、生成は「素材の調達」、仕上げは別の自動処理と割り切っています。音量の正規化・ナレーションとのバランス調整・フェード・尺合わせは、動画処理ツールを日本語の指示から呼び出す形で自動化してあり、生成した曲をそこに流し込むだけにしています。この仕上げ工程の作り方はClaude Codeで動画の仕上げ|色調補正とBGMに書いたとおりで、音源の調達先が素材サイトから生成AIに変わっても、この工程はそのまま使えます。

言い換えると、音楽生成が入ってくることで新しく必要になる仕組みは無いということです。仕上げ工程を自動化していない会社は、生成AIを入れる前にそちらを先に作ったほうが効果が出ます。順番を間違えると、「作れるようになったのに、動画に乗せる作業で前より時間がかかっている」という状態になります。
実務:ナレーションの下に敷く曲の頼み方
プロンプトの書き方で、仕上げ工程の手間がはっきり変わります。作り直しが安いとはいえ、当たりを引く確率は上げられます。
「かっこいい曲」と頼むと使えない曲が出る
動画のBGMに求められるのは、良い曲であることではなく主張しないことです。ところが「明るくて印象的な企業VP向けのBGM」のような頼み方をすると、モデルは印象的なほうへ寄せてきます。結果、メロディが立ちすぎてナレーションと喧嘩する曲が出てきます。
私が使っている頼み方は、やってほしいことより「やらないでほしいこと」を書く形です。
- ボーカルを外す:インストゥルメンタル指定。歌詞が入ると、日本語ナレーションと母音がぶつかって聞き取りづらくなります
- 主旋律を強く立てない:「メロディは控えめに、コード進行とリズムを中心に」と明示する
- 展開を作らない:曲の途中で盛り上がると、そこだけナレーションが負けます。「終始一定のダイナミクスで」と書く
- 音域を空ける:人の声は中音域にあります。「中音域は控えめに、低音と高音で構成」と指定すると、あとの音量調整が楽になります
- テンポを数字で指定する:BPMを指定できるので「95 BPM」のように書く。落ち着いた説明動画なら90〜110あたりが扱いやすい
この5つを入れるだけで、そのまま敷ける曲が出る確率が体感でかなり変わります。逆に、SNSのショート動画のように音が主役になってよい場面では、これらの制約は全部外してかまいません。用途によって頼み方が正反対になる、というのがポイントです。
画像から作る使い方が意外と効く
APIでは最大10枚の画像を渡して曲を作らせられます。これは実務でかなり使える機能です。言葉で雰囲気を説明するより、その動画で実際に使う映像のキャプチャを渡したほうが早いからです。
施工現場を映した動画なら現場写真を、店舗紹介なら店内の写真を数枚渡す。「落ち着いた」「あたたかい」といった形容詞に頼らずに済むので、担当者ごとの言語感覚の差が結果に出にくくなります。複数人で動画を作っている会社ほど、この差は効きます。
1回で当てにいかない
前述のとおり、生成は単発処理で対話による修正ができません。ここで多くの人がやってしまうのが、プロンプトを1文字ずつ変えて粘るやり方です。結果に決定性がない以上、同じプロンプトでも別の曲が出るので、この粘りには意味がありません。
実際に効率がいいのは、方向性の違うプロンプトを3〜4本まとめて投げて、出てきた中から選ぶやり方です。フル尺4本でも0.32ドル。選ぶほうが速いし安い、という設計になっています。
社内ルールは3行で足りる
音楽生成を業務に入れるとき、分厚いガイドラインは要りません。運用が壊れるのはいつも記録が無いときなので、決めるのは次の3つだけで足ります。
- 会社として使う入り口を1つに決める(例:APIのみ。担当者の個人アカウントで作った曲は業務に使わない)
- 生成した曲は、どの動画に使ったかを台帳に残す(曲のファイル名・生成日・使った動画。表計算ソフト1枚で十分)
- 納品物・公開物では、AI生成であることを隠さない(SynthIDが入っている以上、隠す前提の運用は成立しません)
2番目が地味に効きます。あとで規約や各プラットフォームの扱いが変わったとき、「どの動画を差し替えればいいか」が即座に分かるかどうかで、対応コストが桁で変わるからです。台帳が無いと、公開済みの動画を全部聴き直す作業になります。1曲0.08ドルで大量に作れるようになったぶん、記録が無い状態の危うさは以前より大きくなっています。
中小企業での使いどころと、やめておく場面
いま入れて効く場面
- 動画本数が月10本を超えている:素材の選定時間そのものが消える。曲選びに悩む時間は原価に見えないが確実に発生している
- 採用・商品紹介など、動画ごとに雰囲気を変えたい:素材サイトだと「それっぽい曲」を探す作業になるが、生成なら雰囲気を言葉で指定できる
- 社内向けの研修・マニュアル動画:外部公開しないぶん、権利面の露出が小さく、試す場として適している
- 展示会・店頭のループ音源:尺合わせの自由度が高いほうが価値が出る
やめておくべき場面
- サウンドロゴ・ブランドジングル:独占が前提の資産。規約が独占を保証していない以上、ここに乗せるのは設計ミスです
- 音源そのものを商品として販売する:商品価値の土台が成立しません
- 差し替えコストが高い常設用途:保留音のように「一度決めたら数年変えない」ものは、あとで方針が変わったときの入れ替えが重くなります。使うなら差し替え可能な形で運用してください
- クライアント納品物に無断で混ぜる:AI生成物であることは、納品前に必ず伝えてください。SynthIDが入っている以上、伝えないという選択肢は実質的にありません
導入前に確認する4つの問い
社内で判断するときは、この順で問うと迷いません。
- その音は、他社と似ていたら困るか? 困るなら生成は使わない。困らないなら次へ
- 何本作るか? 月に数本なら既存の素材サイトで十分。10本を超えるなら生成の効きが出る
- 入り口はどれにするか? 担当者が手で数曲ならGeminiアプリ、自動化するならAPI。会社として1つに決める
- 仕上げ工程は自動化されているか? されていないなら、そちらが先。生成だけ入れても手作業が増えるだけです
動画制作そのものをどこまで内製に寄せるかという、もう一段上の判断についてはAI動画生成が40秒に|外注との線引きで「置き換わる工程と残る工程」を整理しています。音は、その中でも最も置き換わりやすい部類に入りました。
まとめ
2026年9月4日にLyria 3.5がGeminiアプリとGemini APIへ展開されたことで、中小企業がBGMを内製する条件は整いました。API経由ならフル尺1曲0.08ドル、30秒クリップなら0.04ドル。無料枠は無いものの、検証コストは無視できる水準です。
ただし判断の軸は料金ではありません。規約は「所有権を主張しない」と同時に「同じか似た曲を他者にも生成しうる」と明記しています。だからPR動画・SNS・研修動画のように使い捨てられる音には向き、サウンドロゴのように独占が前提の音には向かない。この一線さえ引ければ、あとは本数と仕上げ工程の話に落ちます。
そして忘れやすいのが最後の一点です。生成は「素材の調達」でしかなく、音量調整・尺合わせ・ナレーションとのバランスという仕上げ工程は残ります。ここを自動化していない状態で生成AIだけ入れると、作業時間はむしろ増えます。順番は、仕上げの自動化が先、生成の導入が後です。
株式会社Fyveでは、こうした「どの工程を機械に渡し、どこは人が持つか」の線引きから、実際の自動化の構築までを伴走しています。自社の業務のどこから手をつけるべきか整理したい方は、お気軽にご相談ください。
AIを使う会社と、使わない会社。
その差は、開き始めています。
ここ数年でAIは急速に進化し、正しく導入できている企業とそうでない企業とでは、業務効率や人件費に大きな差が生まれ始めています。「AI導入に興味はあるが、実際に何ができて、どこから手をつければいいか分からない」——そんな方は、まずこの無料プレゼントに目を通してみてください。
