Copilot for Biz
2026/09/09Copilot
AI活用導入・運用

Copilotで議事録を作る|対面会議で期待外れになる理由

Copilotで議事録を作る|対面会議で期待外れになる理由

Microsoft 365 Copilotを導入して、会議の議事録を任せたい。そう考えて調べ始めると、思っていたのと違うという場面に何度かぶつかります。

いちばん多いのが、対面の会議です。会議室に集まって話しただけの会議は、Copilotの議事録の対象になりません。 Teamsの会議で音が入っていることが前提になっているためです。ここを知らないまま契約すると、期待外れという結論になります。

株式会社Fyveは中小企業のAI活用を支援しています。この記事では、Copilotで議事録を作るために何が要るのか、対面の会議をどう扱うのか、そしてうまくいかないときにどこを直すのかを順に説明します。

文字起こしと要約の違いと、それぞれに必要なライセンス

契約の前に、社内で決めておくこと

ライセンスを買う前に決めておかないと、後で止まることがあります。私が相談を受けたときに必ず確認するのはこの3つです。

会議の音声を、社外のサービスに預けてよいか

会議の記録をクラウドに置くということは、音声や文字起こしが社外のサービスに保存されるということです。取引先の情報や個人情報を扱う会議では、社内の規程との照合が要ります。

「決まっていない」という会社がいちばん多いというのが実感です。そして決まっていないまま進めると、稟議の直前でひっくり返ります。ライセンスの検討より先に、ここを確認してください。

どのくらいの期間、残すか

録画も文字起こしも、放っておくと溜まります。いつ消すかを決めていない状態は、何かあったときにいちばん困ります。 会議の種類ごとに保存期間を決めて、手順書に書いてください。

誰が見られるか

役員会議と部内の定例で、同じ範囲にする必要はありません。会議の種類で分けられるかを含めて、先に決めておきます。 あとから絞ると、すでに配られた記録の回収が難しくなります。

Copilotで議事録を作るには、何が要るのか

まず前提の整理です。ここが分かれていないと、費用の判断ができません。

文字起こしと要約は、別の機能

会議の記録には2段階あります。

  • 文字起こし:話された内容を全文そのまま残すもの。Teamsの標準機能で、追加のライセンスは要りません
  • AIによる要約やメモ:要点をまとめてくれるもの。こちらに Copilot か Teams Premium が必要です

「議事録をAIに任せる」と言ったとき、多くの方が想像しているのは後者です。ただ前者だけでも、手元のAIに渡して議事録の形にすることはできます。 費用を抑えたいなら、まず文字起こしだけで始めるという選択があります。

必要なライセンス

会議の要約を使うには、Microsoft 365 Copilot か Teams Premium のどちらかが要ります。音声から要点を拾う機能まで求めるなら、Copilotが必要です。

金額は次のとおりです(1ユーザーあたり・消費税別・2026年9月9日時点で公式ページに表示されていた金額)。

  • Microsoft 365 Copilot:月払いで3,778円、年払いなら月あたり2,698円相当
  • Teams Premium:月1,499円相当(年払い)

料金と提供範囲は変更されます。契約前には必ず公式の価格ページで最新の条件をご確認ください。詳しい料金の内訳はこちらにまとめています。

Microsoft 365 Copilot料金|法人3プラン比較
CopilotMicrosoft 365 Copilot料金|法人3プラン比較

Web会議の議事録を作る手順

まずTeamsの会議で使う場合の流れです。

会議中にやること

  1. 会議中の画面で「その他のアクション」を開きます
  2. 「レコーディングと文字起こし」から「文字起こしの開始」を押します
  3. 話している言語が日本語になっているかを確認します

3つめを飛ばすと、日本語で話しているのに違う言語として処理され、意味の通らない記録ができあがります。Teamsは言語を手動で選ぶ設計なので、ここは毎回の確認項目です。

会議後にやること

会議が終わると、AIによるメモが作られます。チャットの「まとめ」のタブから確認できます。

そのまま配れる形になっていることは、まずありません。決まったことと宿題を自社の様式に流し込む工程が要ります。 ここは後述します。

対面の会議は、そのままでは対象にならない

ここが本題です。

Copilotの会議要約は、Teamsの会議で文字起こしが取れていることが前提です。 会議室に集まって話しただけでは、材料そのものが存在しません。

「会議の議事録を作ってくれると聞いて契約したのに、何も出てこない」という相談は、この行き違いで起きていることがあります。機能が壊れているわけでも、設定が間違っているわけでもありません。

対面を記録したい場合の組み方

やり方がないわけではありません。会議室にパソコンを1台置いて、そこでTeamsの会議を開きます。 参加者が自分だけの会議を開き、部屋の音を拾わせる形です。

ただしこの形にすると、2つの問題が出ます。

  • パソコンの内蔵マイクでは、全員の声を拾えません。 内蔵マイクは目の前の1人を拾う前提で作られています
  • 会議室にいる全員が「1人」として記録されます。 誰が何を言ったかが残りません

1つめは机の中央に置く会議用のマイクをつなぐことで解決します。2つめは仕組み上そうなっているので、運用で補うことになります。

それでもCopilotで対面をやるべきか

正直に言うと、対面が主体の会議であれば、Copilot以外の選択肢のほうが素直なことがあります。

対面の会話をその場で記録してAIがメモを作る機能を、正式に用意しているサービスもあります。会議室に置く専用の録音機や、対面を前提にした文字起こしのサービスです。

すでにMicrosoft 365を全社で使っていて、Web会議も多いという会社ならCopilotに寄せる意味があります。一方、会議のほとんどが対面という会社が、対面のためだけにCopilotを契約するのは遠回りです。

対面だけの会議がCopilotの議事録の対象外になる理由

期待外れになる4つの理由

導入したのに使えない、という場合。原因はたいてい次の4つのどれかです。Copilotの性能ではなく、入り口の問題であることがほとんどです。

1. 会議室から複数人で参加している

本社は会議室に集まり、支店は各自のパソコンから参加する。この形で必ず起きます。

文字起こしは参加しているアカウント単位で発言者を判定します。 会議室の5人が1台のパソコンから参加すれば、5人の発言はすべて同じ名前で記録されます。要約は出てきますが、誰が何を引き受けたのかが残りません。

会議室向けの専用ライセンスと対応機器、そして話し手の声の事前登録を揃えれば分けられますが、条件と費用がかかります。会議室が1つ2つの会社なら、発言の前に名乗る運用のほうが現実的です。

2. 固有名詞が化けている

要約が的外れに見える原因として、いちばん見落とされているのがこれです。

取引先の社名、商品名、社内でしか使わない略語は、高い確率で別の言葉に置き換わります。 一般名詞として存在しない言葉なので、音の近い言葉に寄せられてしまうためです。

私自身、打ち合わせの記録で相手の社名が繰り返し誤変換された経験があります。元の言葉が崩れた状態で要約すれば、当然そこから作られる要約もずれます。

Copilotにも単語を登録する辞書の仕組みはあります。ただし管理者しか設定できず、Copilotのライセンスを持つ人が開いた会議にしか適用されません。 思い立ってすぐ登録する、という使い方はできない点に注意してください。

3. マイクが遠い

対面の要素がある会議では、これがもっとも効きます。

私はクライアントへのヒアリングで録音機を使っていますが、首から下げて録ったときと、机の上の話し手寄りの中央に置いたときとで、結果がまったく違いました。 首下げでは遠い席の話者の精度が3〜5割まで落ちています。

ライセンスを増やす前に、まずマイクの置き場所を直してください。費用がかからず、効果がいちばん大きいところです。

4. 参照できる材料が社内にない

これは議事録に限らない話です。Copilotの価値は社内のデータを横断して参照できることにありますが、参照される側が散らかっていれば、答えようがありません。

過去の議事録が個人のパソコンの中にあり、クラウドに上がっていない状態では、「前回どう決まったか」を踏まえた要約は出てきません。

期待外れになる4つの原因と、費用をかけずに直す順番

プロンプトで議事録の形にする

要約が出てきても、そのままでは配れません。自社の様式に流し込む工程が要ります。

4つの欄だけ用意する

  • 決まったこと
  • 宿題
  • 担当
  • 期限

いま使っている様式にこの4つがあるなら、新しく作る必要はありません。そのまま使ってください。

指示は固定して、文書で持つ

指示の文言を毎回変えると、出てくる形も変わります。1つ決めて保存しておいてください。

「この会議の記録から、決まったこと・宿題・担当・期限を抜き出して表にしてください。書かれていないことは推測せず、空欄にしてください」といった形です。

最後の一文が効きます。 推測させないと指定しておかないと、それらしい担当者名が入ることがあります。空欄で出してもらって、確認する人が埋めるほうが安全です。

確認する人を1人決める

全員で見ると誰も見ません。1人決めて、4つの欄だけを見て違うところを直す。それで5分で終わる形にしておかないと、結局もとの手間に戻ります。

最初の1か月の進め方

全社に配って様子を見る、というやり方は勧めません。使っている人と使っていない人が混ざり、何が起きたのか分からなくなるためです。 順番を決めて進めてください。

1週目:1つの会議を決めて、文字起こしだけ取る

いちばん頻度が高い定例会議を1つ選びます。この週は議事録を作ろうとしないでください。 どの程度の状態で記録が出てくるかを見るだけにします。

見るのは3点です。言語の設定は合っていたか。会議室にいる人の発言が一塊になっていないか。固有名詞がどれくらい化けているか。

2週目:置き場所と運用を直す

会議室にマイクを置き、発言の前に名乗る運用を足します。同じ会議をもう一度録って、1週目と比べてください。 ここで明確に良くなるなら、原因は入り口でした。

3週目:4つの欄に流し込む

決まったこと・宿題・担当・期限が埋まる形を作り、確認する人を1人決めます。ここまでで、読める議事録になっているはずです。

4週目:配布と、次回冒頭の消し込み

誰に配るか、どこに残すかを決め、次の会議の冒頭で前回の宿題を確認します。

ここまでやって、はじめて議事録が回っている状態になります。 1週目で止まっている会社は多いのですが、そこで止まると「記録は取れたが、結局は手で書いている」という形で終わります。

効果は、その業務の時間で測る

全社アンケートで「役に立ったか」を聞いても、部署によって体験がまるで違うので平均が意味を持ちません。選んだ1つの会議について、議事録にかかっていた時間がどう変わったかだけを見てください。 判断材料が数字で残ります。

Copilotが向く会社・向かない会社

議事録という用途に限って言えば、判断は次のように分かれます。

向いている

  • 会議のほとんどがTeamsで行われている
  • すでにMicrosoft 365を全社で使っている
  • 過去の議事録や資料がSharePointやOneDriveに蓄積されている
  • WordやExcelでもAIを使いたい

向いていない

  • 会議のほとんどが対面で、Web会議はほとんど使わない
  • 社内の文書が個人のパソコンや紙に散在している
  • 会議の要約以外にAIを使う予定がない(この場合は Teams Premium のほうが安く済みます)

3つめは費用の話です。会議の要約だけが目的なら、月1,499円相当の Teams Premium と月3,778円の Copilot では年間で大きな差になります。WordやExcelでも使うかどうかが分かれ目です。

要る・要らないの判断をもう少し詳しく整理した記事もあります。

Microsoft 365 Copilotはいらない?判断基準
CopilotMicrosoft 365 Copilotはいらない?判断基準

対面が主体なら、何を選ぶか

「向いていない」に当てはまった場合、では何を使えばよいのか。会議の形から逆算すると、選択肢は絞れます。

本社の会議室に集まる定例が中心なら

机の中央に置く会議用のマイクと、パソコンと、文字起こしの仕組み。この3点で1組です。 会議用のマイクには録音機能がない機種が主流なので、マイクだけ買っても記録は始まりません。

6人を超えて長机になるなら、常設できるマイクが安全圏です。工場や倉庫が近くて機械の音が入る部屋なら、拾う向きを絞ったマイクを選びます。

外回りや客先での商談が中心なら

持ち運べるポケット型の録音機が向いています。ただし集音できる距離には限りがあるので、少人数の場面向けです。 長机の端までは届きません。

音声を社外に出せないなら

社内のパソコンの中だけで文字起こしを行う構成があります。クラウドのサービスに比べると手間はかかりますし、話し手の区別も弱くなりますが、音声が社外に出ないという条件は満たせます。

精度と手間の差を先に見たうえで選べば、あとで揉めません。

どの場合も、後半は同じ

入り口が何であっても、固有名詞の辞書・議事録の型・確認する人・配布先・宿題の一覧は必要です。ここはツールに依存しないので、乗り換えてもそのまま持ち越せます。

逆に言えば、この後半を作らずにツールだけ替えても結果は変わりません。Copilotで期待外れだったから別のサービスに、という乗り換えがうまくいかないのはこのためです。

よくある質問

対面の会議でも、スマートフォンで録れば使えますか

録音そのものはできますが、Copilotの会議要約は Teams の会議を対象にしているので、別途録音した音声ファイルをそのまま渡す使い方は想定されていません。

対面を記録したいなら、会議室にパソコンを置いてTeamsの会議を開くか、対面を前提にした別のサービスを使うほうが素直です。

要約が途中で止まってしまいます

長い会議で起きやすい現象です。会議を分割するか、全文の文字起こしを取り出して、区切って要約させるほうが確実です。

全文さえ手元にあれば、要約のやり直しはいくらでもききます。この意味でも、要約だけに頼らず文字起こしを残しておく価値があります。

導入したのに誰も使っていません

議事録に限らず、最も多い失敗です。原因は「いつ、どの作業のときに使うのか」を決めていないことにあります。

「月曜の定例会議は文字起こしを取り、担当者が15分で確認して配布する」というところまで決めて、はじめて道具は使われます。使い方の案内だけでは動きません。

Teams Premium と Copilot、両方は要りませんか

会議の要約という用途では、どちらか一方で足ります。両方契約する必要はありません。

分かれ目は会議以外で使うかどうかです。WordやExcel、メールでもAIを使いたいならCopilot、会議だけなら Teams Premium が安く済みます。

全社に配ってから判断してはいけませんか

配ること自体が問題なのではなく、そのあと評価できなくなるのが問題です。使っている人と使っていない人が混ざると、平均からは何も読み取れません。

効きそうな会議の関係者数名から始めれば、1か月後にその会議の時間の変化という形で答えが出ます。

社外の方が入る会議でも記録していいですか

記録していることは参加者に通知されますが、通知が出るからといって断りが不要になるわけではありません。 会議の冒頭で一言伝えてから始めてください。

なお、AIによる要約についてMicrosoftは、顧客のデータをAIモデルの学習やテストに使わないと明記しています。社内で説明を求められたときの材料になります。

会議の形・録音の環境・どこまで自動にするかを、全体として整理した記事もあります。

会議の議事録を自動化する完全ガイド|形・録音環境・出口で決める

まとめ

  • 文字起こしと要約は別の機能。 文字起こしだけなら追加ライセンスは不要で、要約に Copilot か Teams Premium が要る
  • 対面だけの会議は、そのままでは対象にならない。 Teamsの会議で音が入っていることが前提
  • 対面を記録するなら、会議室にパソコンを置いてTeams会議を開く。ただし内蔵マイクでは全員の声は拾えない
  • 期待外れの原因は4つ。会議室からの複数人参加・固有名詞・マイクの距離・参照材料の不在
  • ライセンスを増やす前に、マイクの置き場所を直す。 費用がかからず効果が大きい
  • 辞書は管理者しか設定できず、Copilotのライセンスが前提
  • 要約は材料。4つの欄・固定した指示・確認する人を決めて、はじめて議事録が回る
  • 会議の要約だけが目的なら、Teams Premium のほうが安く済む

会議の形ごとにどう組めばよいかは、こちらで整理しています。

議事録をAIで自動作成する方法|会議の形から決める5つの構成

なお、仕様・料金・提供範囲は変更されます。契約前には必ず最新の公式情報で確認してください。

← 記事一覧に戻る

御社の業務に合わせたCopilot導入・定着支援

「ライセンスを配ったのに使われない」を終わらせる。
業務の棚卸しから、効く業務の切り分け、社内への定着まで一貫して支援します。

初回無料相談を申し込むAI活用顧問のサービス内容を見る →
© 2025 Fyve Inc. All rights reserved.