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2026/07/31Claude Code
AIエージェントAI活用

Claude Codeのサブエージェント同時数と深さの上限

Claude Codeのサブエージェント同時数と深さの上限

「AIに手分けして並列で進めてほしい」と無人のジョブに任せたら、同じ瞬間に何十ものサブエージェントが一斉に走り出し、APIのレート上限に当たってジョブが詰まった——無人でClaude Codeを回す人が、一度はぶつかる場面です。誰も画面を見ていない時間ほど、この「同時に走りすぎる」問題は静かに事故になります。

結論から言うと、2026年7月のアップデートで、この暴走を止める天井が2つ増えました。同時に走るサブエージェントの数を絞る上限(既定20)と、入れ子の深さを絞る上限(既定3)です。どちらも環境変数ひとつで調整でき、これまで知られていた「累計200」とはまったく別の軸で効きます。

株式会社Fyveは、常時起動の小さなMac miniで複数の無人ジョブを毎晩並走させています。私はこの2つの上限を、暴走を止めるためではなく「並列の速さと安全のちょうどいい点」を決めるダイヤルとして使っています。この記事では、累計上限との違いと、私が実際に張っている値・その決め方までを実運用の目線でまとめます。

「同時数」「深さ」「累計」は別の天井

まず混同しやすい3つの上限を整理します。名前は似ていますが、止めている対象がそれぞれ違います。

  • 累計数:1つのセッションで合計いくつサブエージェントを生成できるか。既定200。超えると新しい生成が止まります。
  • 同時数同じ瞬間に並行して走れるのが何本か。既定20。21本目は前の1本が終わるまで待たされます。
  • 深さ:サブエージェントが自分の部下をさらに呼ぶ入れ子を、何段まで許すか。既定3。

累計は「トータルの物量」、同時数は「一度に走る密度」、深さは「委任の階層」を止めます。たとえば同時数を絞っても累計は膨らみ得ますし、逆に累計に余裕があっても同時に走りすぎればレート上限には当たります。3つは片方があれば他が要らない関係ではなく、役割の違う天井です。累計200の仕様と決め方は、別記事のClaude Codeのサブエージェント上限|暴走委任を防ぐにまとめています。本記事は、7月に新しく加わった同時数と深さの2つに絞って解説します。

累計200・同時数20・入れ子の深さ3という3つの上限が、それぞれ止める対象を対比した図解

同時に走る数を絞る:CLAUDE_CODE_MAX_CONCURRENT_SUBAGENTS(既定20)

1つ目が、同時に並行して走るサブエージェントの本数の上限です。2026年7月21日公開の Claude Code v2.1.217 で追加されました。既定は20で、環境変数 CLAUDE_CODE_MAX_CONCURRENT_SUBAGENTS で上書きできます。

これは累計200のように「もう生成できない」と打ち止めにするのではなく、走る本数を平らにならすタイプの天井です。上限を10にすれば、100本の作業を指示しても同時に走るのは常に10本まで。残りは順番待ちになり、1本終わるごとに次が入ります。仕事の総量は変えずに、瞬間の負荷だけを下げるイメージです。

同時数を絞ると効くのは、次のような場面です。

  • APIのレート上限に当たる:短時間に大量のリクエストが集中して処理が詰まる。同時数を下げると、リクエストが時間方向に分散して当たりにくくなります。
  • マシンのメモリや回線を食いつぶす:常時起動の非力な機体では、20本の並列が重すぎることがあります。私はMac miniの負荷を見ながらここを調整します。

なお、同じ7月21日の更新では、サブエージェントが既定では入れ子の部下を持たない挙動にも一度変更されました。その入れ子が、次に説明する深さの上限とともに戻ってきます。

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入れ子の深さを絞る:CLAUDE_CODE_MAX_SUBAGENT_SPAWN_DEPTH(既定3)

2つ目が、入れ子(ネスト)の深さの上限です。サブエージェントが自分の部下をさらに呼び、その部下がまた部下を呼ぶ——という階層を、何段まで許すかを決めます。2026年7月24日公開の v2.1.219 で、既定の深さ3として入れ子が再有効化されました。環境変数 CLAUDE_CODE_MAX_SUBAGENT_SPAWN_DEPTH で段数を指定し、1にすると入れ子そのものを無効化できます(メインの直下だけが動く状態です)。

入れ子は、AIに「仕事の分け方」ごと任せられる強力な機能です。その仕組みと何が変わるのかはNested Subagents|サブエージェントの入れ子とはで詳しく解説しています。本記事で押さえたいのは、この深さが掛け算で効くという一点です。1段目が3本を呼び、その各々が3本を呼び……と重なると、段数が1つ増えるだけで走るエージェントの総数は跳ね上がります。深さの天井は、この掛け算のふくらみを根元で止める設定です。

無人運用では、私は深さを浅めに保ちます。多くの定型ジョブは、メインが直接いくつかの担当に振る「1段」で足ります。分け方の設計までAIに任せたい探索的な作業に限って2〜3段に開ける、という使い分けです。「1にして入れ子を切る」判断も、迷ったら安全側として十分に有効です。

3つの天井をどう組み合わせるか

実際の設定では、この3つを役割分担させます。私の考え方はこうです。

  • 深さで、委任が何段にも化けるのを根元で止める(掛け算の暴走対策)。
  • 同時数で、走る本数の密度を機体とAPIが耐えられる範囲にならす(瞬間負荷の平滑化)。
  • 累計数で、それでも総量が想定を超えたら最後に打ち止める(総物量のブレーキ)。

これに加えて、金額の天井も別建てで用意しておくと安心です。--max-budget-usd でセッションの予算上限を張れば、上記をすり抜けても課金側で止まります。7月21日の更新で、背景で動くエージェントもこの予算上限で実際に止まるよう修正されました。数を数える天井(同時数・深さ・累計)と、お金で止める天井は、別のメカニズムとして重ねておくのが無人運用の基本です。

深さ・同時数・累計・予算という4つの天井を、暴走の種類ごとに割り当てる無人運用の設定フロー図

私が張っている値と「多重化すべき人/単発でいい人」

具体的な値は、ジョブの性格で変えています。私の基準は「正常なら絶対に届かず、暴走したときだけ確実に止まる」水準に置くことです。普段そのジョブが必要とする数を実測し、その2〜3倍を天井にします。天井は事故のときのブレーキであって、日常の制限ではないからです。

そのうえで、そもそも多重化を強めるべきかは、作業の種類で分かれます。

  • 同時数・深さを開く価値があるのは:一回きりの網羅作業(大量ファイルの一括調査など)。台数と並列でまとめて殴るほど速く終わり、作り込みも要りません。
  • 単発(浅く・少なく)で十分なのは:毎日繰り返す定型ジョブ。並列度を上げても速くならず、むしろ入れ子が深いほど結果の追跡と統合が難しくなります。反復は直列寄りに作るほうが安定します。

迷ったら、まず深さ1〜2・同時数控えめから始めて、遅くて困ったときだけ開けるのが安全です。これら個別の上限を含め、無人運用で先に潰しておくべきポイントはClaude Code無人運用|暴走を防ぐ上限設定まとめに一枚のチェックリストとしてまとめています。

まとめ

サブエージェントの並列は、無人で回すほど「同時に走りすぎる/入れ子が深くなりすぎる」事故が起きやすくなります。2026年7月に加わった同時数(CLAUDE_CODE_MAX_CONCURRENT_SUBAGENTS・既定20)と深さ(CLAUDE_CODE_MAX_SUBAGENT_SPAWN_DEPTH・既定3)は、累計200とは別の軸でこの暴走を止める天井です。深さで掛け算を止め、同時数で密度をならし、累計と予算で総量を締める——この4つを重ねておけば、AIに並列で仕事を任せても、暴走は事故ではなく「止まるだけ」に変わります。まずは浅く・控えめに始めて、必要になったら開ける。無人運用の並列は、この順番で組むのが安全です。

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