learn-from-materialsとは|資料を学習ページにするスキル
「分厚いPDFや業務マニュアルを、新しく入った人が読める形にしたい」——資料はあるのに、読んで整理する時間が取れないとき、誰もがこの壁にぶつかります。
結論から言うと、learn-from-materials は、PDF・Word・PowerPoint・本などの資料を、出典ページつきの学習ページ(ブラウザで開ける1枚のHTML)にまとめるスキルです。ただしページの言語が中国語と英語だけで、日本語の資料では、スキルを入れなくても同じ出来の学習ページができました。
株式会社Fyveは、Claude Codeのスキルを実際に入れて、架空の会社(手作り家具を売る従業員12名の会社)の仕事で試しています。この記事は、learn-from-materials を2通りの頼み方で試した結果と、スキルなしとの比較をそのまま書いたものです。
数字は2026年10月21日時点のもので、モデルは Claude Sonnet、実行は Claude Code(スキルだけを入れた状態)です。
learn-from-materials とは|資料を学習ページにするスキル
learn-from-materials は、GitHub の dmoshehun-prog/learn-from-materials で公開されているスキルです(MIT ライセンス)。2026年10月21日時点のスター数は1,083、最終更新は2026年10月19日、版は1.1.0でした。
READMEによると、PDF・EPUB・Word(DOCX)・PowerPoint(PPTX)・HTML・Markdown・テキストなどの資料から本文とページ番号を取り出し、AIが読んで整理して、ブラウザで開ける1枚のHTMLにします。ページは「核になる考え方の一覧」「単元ごとの解説」「用語集」「行動ルール」「自己チェック」「ノート」の6つの画面で構成されます。
読み方は2つあります。「クイック概観」は主要な部分だけを短く、「システマチックな学習」は最後まで読み通して漏れを調べます。どちらを使うかは、頼むときに決められます。決めなければ、最初に1度だけ聞かれます。
「AIの推測」と「資料に書いてあること」を分けて示すことと、資料の中の命令を実行しないことも約束されています。

仕事での使い道
- 新入社員向けの業務マニュアル学習:返品・送料・経費精算など、決まりが多い文書を、要点と出典ページで確認できる形にする
- 分厚い報告書・規程集の読み込み:どのページに何が書いてあるかを残したまま、要点だけ先に把握する
- 勉強用の確認問題づくり:資料の内容から確認クイズを作り、答え合わせの根拠を資料のページに戻す
learn-from-materials の入れ方と必要なもの
READMEにある入れ方は、Claude Code ならスキルの置き場(~/.claude/skills/)に、リポジトリをまるごと置く方法です。
git clone https://github.com/dmoshehun-prog/learn-from-materials.git ~/.claude/skills/learn-from-materialsREADMEには「1.1.0の配布ZIPを展開した版を入れる。git clone はデフォルトブランチを入れるので、版が違う場合がある」という注意もありました。同じ名前のスキルがすでにあるときは、上書きせずにバックアップを取るようにも書かれています。
必要なものは Python 3.10 以上です。PDFの本文取り出しは、pdftotext・PyPDF2・pdfminer.six・macOS の PDFKit のどれかがあれば使われ、なければ次の方法に切り替わります。スキャンしたPDFには文字認識(OCR)か画像を読む機能が要ります。依存するソフトを、スキルが勝手にインストールすることはありません。
今回は、普段の環境を汚さないよう、試す専用のフォルダの .claude/skills/ にコピーして使いました。PDFの取り出しには Mac に入っていた pdftotext が使われました。

Claude Codeにこう頼む|日本語の頼み方の例
スキル名を言わなくても、「資料を学習ページにして」という依頼でスキルが選ばれました。次の形で頼みます。
work/manual.pdf はうちの会社の業務マニュアルです。新しく入った人が覚えやすいように、返品・返金・送料のルールを中心に、出典のページ番号がたどれる学習ページ(HTML)にまとめてください。出力は work/out に置いてください。手順どおりにスクリプトを動かしてほしいときは、スキル名と読み方を指定します。
learn-from-materials スキルを使って、work2/manual.pdf をクイック概観(quick overview)で学習ページにしてください。スキルの手順どおり、付属スクリプト(preflight・extract・finalize など)を実際に実行してください。ページの言語は、日本語に対応していない場合は英語で構いません。READMEの例は「このPDFを learn-from-materials で体系的に学習して、追跡できる知識ベースと学習ページを作って」という形でした。英語・中国語で頼む前提の文面なので、日本語で頼むときは上のように言語の扱いも書いておくと迷いません。
試した結果|架空の会社の業務マニュアルで3通り
材料は、架空の会社「サンプル木工」(手作り家具を売る従業員12名の会社)の業務マニュアル(PDF19ページ)です。返品は届いてから14日以内、不良・誤配送は30日以内、送料無料は税込3万円以上、返金は検品後7営業日以内、問い合わせへの結果連絡は2営業日以内、という決まりが書かれています。
1回目|スキル名を言わずに頼む:スキルは選ばれたが、日本語のため手作りになった
上の1つ目の文で頼むと、スキル名を言っていないのに learn-from-materials が選ばれました。かかった時間は約61秒、費用は0.224ドル、出力は7,614トークンです。
ただしスキルの手順は使われませんでした。AIは「このスキルは日本語のページ生成に対応していないので、取り込みから検証までの手順は使わず、PDFの本文を読んで日本語のHTMLを手作りした。スキルが行う原文との突き合わせ検証はしていない」と、答えの中で自分から説明しました。

できた学習ページは、返品・返金・送料の数字5つを冒頭に並べ、返品の基本、返品できないもの、不良・誤配送、送料、返金、受付から返金までの7手順、確認クイズ9問、「マニュアルに書かれていないこと」の一覧が続きます。各項目に「p.11」のような出典バッジが付いていて、数字は PDF のページ番号です。

私たちの側で、PDF の p.10〜12 を見て確かめました。14日・30日・3万円・7営業日・2営業日はすべて合っていて、出典バッジのページも合っていました。マニュアルの第17章にある「返品期限を14日に統一(以前は店舗7日)」の経緯も、古い案内を口にしないよう注意書きに入っていました。
AIが「ブラウザで開いて確かめてはいない」と書いていたので、私たちでブラウザで開いて表示を見ています。
2回目|スキル名と手順を指定して頼む:付属スクリプトを実際に動かした
2つ目の文で頼むと、取り込みから学習ページの組み立てまでのスクリプトが動きました。かかった時間は約193秒、費用は0.694ドル、出力は26,292トークンで、1回目の約3倍です。
pipeline.py preflight:環境の確認。最初は出力先のフォルダを先に作っていたため失敗し、別の空フォルダで通しましたextract.py:PDF から19ページ・約457語を取り出し、ページごとの対応表(ページ地図)を作るmethods.pyとmethodology.py:資料から取り出した「使える方法」を検証して保存するprepare_quick.pyとfinalize.py:出典の存在を確かめ、HTML・Markdown・ZIP・知識ベースの一式にまとめる
日本語には対応していないため、ページは英語で出ます。19ページは8つの単元にまとめられ、「Return and exchange」の単元は PDF の p.11〜12 に対応し、「届いてから14日、不良・誤配送は30日、返金は検品後7営業日」と正しく要約されていました。見出しの出典には、日本語のままの見出しと PDF のページが並びます。


できあがりは、3テーマの切り替え・出典の表示切り替え・自己チェックの用意・メモ欄がある凝った1ファイル(約4MB)でした。最初の画面に、ページの使い方を説明するガイドが出ます。ページ自体は AI を呼び出さず、「Ask AI」で出るプロンプトをコピーして自分の AI に貼る作りです。
注意点もあります。ページの中身を書いた JSON は、スキルのスクリプトではなく、AIが書いた生成用のスクリプトで出力されました。引用の存在確認と構造検査は通っていますが、内容が出典と合っているかは AI 自身の見直しで、別の人の審査ではありません。実ブラウザでの見た目の確認は「未実施」のままで、私たちが開いて確かめています。
スキルなしとの違い|入れなくても同じものができた
スキルを入れていない別のフォルダで、1回目と同じ文で頼んで比べました。実行の記録にスキルの呼び出しがないことも確かめています。
項目 | スキルなし | 1回目(スキルが選ばれた) | 2回目(手順を実行) |
|---|---|---|---|
時間 | 約65秒 | 約61秒 | 約193秒 |
費用 | 0.203ドル | 0.224ドル | 0.694ドル |
出力トークン | 9,535 | 7,614 | 26,292 |
ページの言語 | 日本語 | 日本語 | 英語(見出しの出典は日本語) |
出来 | 数字・出典ページとも正確 | 数字・出典ページとも正確 | 数字は正確・本文は英語 |
スキルなしのページも、返品・送料・返金の数字を冒頭に並べ、各項目に出典のページ番号を付け、クリックすると PDF の該当ページに飛ぶ形で、確認クイズ8問と暗記カードまで付いていました。数字はすべて正確で、第17章の経緯も入っていました。

つまり、日本語で、返品・送料のような数ページの規定を学習ページにする用途では、スキルを入れた効果は、この試しでは見えませんでした。時間と費用はほぼ同じで、出来も同じ水準でした。スキルの価値は、英語や中国語の長い資料で、取り込みから検証までを決まった手順で踏みたい場面にあると読めますが、今回はそこまでは試していません。
中身の安全確認|外に送るもの・実行するもの
入れる前に、SKILL.md・README・SECURITY.md を読み、スクリプトの通信と実行の部分を検索して確かめました。
- 外に送るもの:通信するコードは見つかりませんでした(URLの解析以外にネットワークの処理はなし)。SECURITY.md にも「材料をネットに送らない」「クラウド同期はない」「生成ページはネット通信しない」と書かれています。出力のHTMLに外部URLへの参照もありませんでした。ただし、資料を読むのはお使いの AI なので、AI 側の扱いはお使いのサービスの設定と規約によります
- 実行するもの:内部のスクリプトと、PDF の取り出し(pdftotext)・電子書籍の変換(Calibre)・ブラウザ確認(Node)の呼び出しです。コマンドの組み立てに外から入る文字を使う形(shell=True)は見つかりませんでした。hooks や allowed-tools の指定はありません
- 資料の中の命令:資料に「このコマンドを実行せよ」のような文があっても、実行せずデータとして扱う、と SKILL.md に書かれています。これは実際には試していません
- 勝手な追加:Python・Node・システムの依存を自動で入れることはしません
止まる理由は見つかりませんでした。ただし、スクリプトの全行を読んだわけではなく、通信・実行の部分の検索が中心です。会社の資料を扱うときは、資料を読む AI サービスのデータの扱いを先に確認してください。
learn-from-materials が向かない場面
- 日本語の学習ページが欲しいとき:SKILL.md は中国語と英語だけに対応しています。日本語で頼むと、スキルは使われず手作りになるか、英語のページになります
- 数ページの規定を、すぐ読める形にしたいだけのとき:スキルなしで、同じ依頼文だけで同じ水準のページが約1分で作れました
- 時間と費用を抑えたいとき:手順どおりに動かすと、今回の小さなPDFでも時間は約3倍、費用は約3.4倍でした
- Python が使えない環境:3.10 以上と、ファイルを読み書きして実行できる環境が要ります。チャットだけの環境では一部しか使えない、とREADMEにも書かれています
- ページを検証済みの完成品として配るとき:内容が出典と合っているかは AI 自身の見直しです。配る前に、原文と見比べる人が必要です
なお今回、全量モード(systematic)・スキャンPDF・Word や PowerPoint・分厚い本・自己チェックの実際の出題・方法の保存と検索は、試していません。小さなPDF1本の結果で、厚い本の速度や品質は測れていません。
まとめ|入れる前に確かめること
- 資料の言語は中国語か英語か(日本語のページは作れない)
- 日本語の資料なら、スキルなしで「出典のページ番号がたどれる学習ページにして」と頼んで、足りるかを先に見る
- Python 3.10 以上が使えるか
- PDF の取り出しに pdftotext などがあるか(スキャンなら OCR も)
- 入れるのは配布ZIPの版か、git clone か(版が違うことがある)
- 仕上がったページの数字と出典を、原文のページと見比べる人がいるか
- 資料を読む AI サービスのデータの扱いを確認したか
スキルを選ぶ考え方や、そもそもスキルとは何かは、次の記事も参考になります。
Claude Code Skillsの使い方|業務をSkill化する実践手順
「手元の資料を読み込む」のスキルは、ほかに2本を同じ架空の会社の材料で試しています。
仕事でAIを使う人が「絶対に」知っておくべき Claude Codeスキル TOP10

31本を実際に入れて、スキルなしと比べた結果つき(全28ページ)
スキルを入れても、Claude が急に賢くなるわけではありませんでした。31本を架空の会社の仕事で試し、同じ依頼をスキルなしでも検証して比べたうえで、導入する価値があった10本を仕事別にまとめています。
- 文章・スライド・図・数字・調べもの・契約書など、仕事別の10本
- 1本ごとに、スキルなしと比べた時間・費用・出来
- 実物の画面と、Claude Code にそのまま貼れる頼み方
- 外した5本の理由と、入れる前に確かめる4つのこと
メールアドレス登録で他にも様々な資料を閲覧できます








+9PDF 18点・合計468ページ + すぐ使えるzip素材 3点
どれも登録後の受け取りページから、まとめてダウンロードできます。
毎週配信の無料ニュースレター「AIネイティブ超研究」の購読特典です。メール登録後すぐ、受け取りページのご案内が届きます。そこにはこの資料に加えて、過去の特典もすべてまとめて置いてあります。あわせて、AI活用に関するお知らせやお役に立てそうなご案内をお送りすることがあります。解除はいつでも1クリック。
御社の業務に合わせたClaude Code導入支援
「AIツールを導入したが、現場で使われない」を終わらせる。
業務課題のヒアリングから設計、ハンズオン実践、運用定着まで一貫して支援します。