Kami skill|Claude Codeで一枚資料をPDFにする使い方
「会議用の資料をA4一枚にまとめたいけれど、Wordで整えるのに毎回時間がかかる」「AIに作らせるとどれも同じ灰色の平らな見た目になる」——資料づくりを任せたい人ほど、この不満を抱えます。
結論から言うと、Kamiは「A4一枚の資料」「履歴書」「スライド」などを、決まった見た目の型に中身を入れてPDFにするClaude Codeのスキルです。私が架空の会社の新サービス案で試したところ、スキル名を言わなくても自動で選ばれ、1ページのPDFを作りました。ただし、PDFを作る部品(pango)とフォントを約65MB入れる必要があり、所要は約4分半、スキルなしの約46秒より長くかかりました。
株式会社Fyveは、AI導入を支援する会社として、Claude Codeのスキルを実際に入れて試した結果を記事にしています。この記事では、Kamiとは何か、入れ方、頼み方、スキルなしとの比較、安全面と向かない場面まで、試した範囲だけを書きます。試した会社は「架空の会社(手作り家具を売る従業員12名の会社)」で、実在の会社の資料は使っていません。
Kami skillとは|資料を「紙の型」に入れてPDFにするClaude Codeのスキル
Kami(紙、かみ)は、tw93氏がGitHubで公開しているスキルです。同じ作者のMole(Mac用の掃除アプリ)・Kaku・Wazaとは別の、資料づくり担当という位置づけで、READMEには「Good content deserves good paper」(良い中身には良い紙を)とあります。ライセンスはMITで、スター数は2026年10月21日時点で12,035、版はv1.18.0、最後の更新は2026年10月20日です。skills.shでの導入数は13.1Kでした。
特徴は、見た目が最初から決まっていることです。READMEによると、地は生成り色(#f5f4ed)、差し色は紺(#1B365D)、本文は明朝系の書体で、文字の大きさと余白で見出しと本文を分けます。型は次の8種類と、製品紹介のランディングページ1種です。
- 一枚資料(One-Pager):経営会議や投資家向けの1枚
- 長文(Long Doc):白書や報告書
- 手紙(Letter):正式な依頼文・辞職願・推薦状
- 作品集(Portfolio):事例を見せる資料
- 履歴書(Resume)
- スライド(Slides):PDFが標準で、頼めば編集できるPowerPointも出せる
- 株式レポート(Equity Report)・更新履歴(Changelog)
仕組みは、頼まれた内容を読み手・目的・載せる数字などに整理してcontent.jsonに書き、型(HTML)に流し込み、検査してからPDFにする、という順番です。検査は、はみ出し・内容の抜け・ページ数・実際に使われたフォントを機械が確かめ、最後にページの画像を見て直す手順までSKILL.mdに書かれています。

仕事での使い道|どんな場面でKamiを使うか
READMEとSKILL.mdから読み取れる使い道は、会社の仕事に置き換えると次のとおりです。このうち私が実際に試したのは、1つ目だけです。
- 経営会議・社内会議で配る一枚資料:新サービス案、企画の要点、採算の概要(試した)
- 提案の要約資料:お客様に渡す一枚の概要(試していない)
- 履歴書・職務経歴書:2ページの型がある(試していない)
- 登壇・社内勉強会のスライド:PDFが標準(試していない)
- 事例を並べる作品集・実績集(試していない)
「毎回同じ見た目で出したい」という場面に向いています。会社のロゴや色を決めておくと使い回せる「ブランド設定」(~/.config/kami/brand.md)の仕組みもありますが、今回は試していません。

Kamiの入れ方|READMEにある3つの方法と必要なもの
READMEにある入れ方は3つです。
1. 複数のAIツールで共用する入れ方(npx)
npx skills add tw93/kami -a claude-code codex cursor -g -y共用のスキル置き場(~/.agents/skills)に1つ入れ、Claude Codeにはそこからつなぎます。更新はnpx skills update -g -yです。
2. Claude Codeのプラグインとして入れる方法(Claude Code v2.1.142以降)
/plugin marketplace add tw93/kami
/plugin install kami@kamiこの場合、呼び出し名は/kami:kamiになります。更新はclaude plugin update kamiです。
3. Claude Desktopに入れる方法:リリースページのkami.zip(GitHubの「Source code」のZIPではない方)をダウンロードし、「Customize」→「Skills」→「+」→「Create skill」から上げます。
私は普段の環境を汚さないために、上の3つのどれも使わず、リポジトリのskills/kami/フォルダを試験用の作業フォルダの.claude/skills/kami/へコピーして試しました。READMEの入れ方そのものは実行していません。
必要なもの
- Python 3と、PDFにするWeasyPrint(pypdf・pymupdfも使う)。説明書の案内は
pip install weasyprint pypdf pymupdf --break-system-packagesです - pango(WeasyPrintの下で動く文字描画の部品)。Macでは
brew install pangoで入れます。今回の私のMacには入っておらず、これがないとPDFが作れませんでした - 日本語のセリフ体のフォント。足りなければ
ensure-fonts.shが自動で取りに行きます(後述) - 任意:編集できるPowerPointを出すなら
python-pptx、数式を使うならNode.jsとMathJax - WindowsはWSL(Ubuntu)で使うとREADMEにあります(試していません)
Claude Codeにこう頼む|実際に出した日本語の依頼
README(日本語版)には「スタートアップ向けの一枚資料を作って」「履歴書を作って」「登壇用スライドを作って」といった例があり、スラッシュコマンドは不要で、自然な頼み方で自動で選ばれる作りです。私が実際に出した依頼は次の1文です。スキル名は入れていません。
work/new-service.md にある家具の定期メンテナンス便の新サービス案を、社内の経営会議で配る A4 一枚の資料にして、PDFで出してください。頼み方のコツは、「誰に配るか」「何枚か」「どの形式か」を最初に書くことです。SKILL.mdには、読み手・目的・形式・ページ数を先に決めて一言で確認してから進める手順があり、質問は最大1回、2つまでと決まっています。今回は聞き返されず、そのまま進みました。
試した結果|架空の会社の新サービス案を、A4一枚のPDFに
試した題材は、架空の会社(手作り家具を売る従業員12名の会社)の新サービス案「家具の定期メンテナンス便(月額)」のメモです。料金3プラン・原価と粗利の見積もり・心配な点が書かれたA4で1枚に満たない長さのメモで、これを経営会議で配る1枚にしてもらいました。Claude Codeはsonnetで、権限は自動許可の設定、スキルを入れた作業フォルダと、スキルなしの別フォルダの2か所で同じ依頼を1回ずつ出しています。

発動:スキル名を言わなくても自動で選ばれた
依頼文にKamiという名前は入れていませんが、最初の操作でSkill kamiが呼ばれました。「A4一枚の資料」「PDF」という言葉が、スキルの説明(資料・PDF・一枚紙の組版)と合ったためと見られます(理由は推測です)。
できあがったもの
1ページのA4のPDF(約209KB)ができました。生成り色の紙に、上から「大きな数字4つ(粗利率55%・63%、月16件、アンケート期限11月5日)」「導語」「概要」「料金と採算の表」「職人の時間の制約/未決の点の2段組み」「次の一手」の順です。

数字は原資料と一致していました。年間売上35,760円・59,760円、年間原価約13,200円・26,400円、粗利約22,500円(約63%)・約33,000円(約55%)、月16件、11月5日のいずれも合っています。原資料に原価の見積もりがない「配送のみ」プランは、表で「―」にして注記が付きました。元資料にない試算は入れず、答えにも「入れていません」と書かれていました。
直しの手順:検査で2回止まった
最初の検査(--deliver)はエラーでした。1つは「内容の文言が本文に無い」というもの、もう1つは「日本語の本文がセリフ体で描かれていない」というフォントのエラーです。フォントを入れ直し、画像を見て、見出しの折り返しや数字の切れを2回直して、最終は「エラー0・警告1(行末に1文字だけ残る箇所)」で終わりました。この「自分で検査して直す」ところが、普通にHTMLを書かせるのとの大きな違いです。
スキルなしとの違い|同じ依頼を、スキルなしでも出した
読者がいちばん知りたいのは「入れると何が変わるか」なので、スキルを入れていない別のフォルダで同じ依頼を出しました(Skillの呼び出しが0回であることは記録で確認しています)。
Kamiあり | スキルなし | |
|---|---|---|
時間 | 約4分32秒(22ターン) | 約46秒(9ターン) |
費用(sonnet) | 約$0.39 | 約$0.14 |
出力トークン | 11,309 | 4,349 |
ページ数 | 1ページ | 1ページ |
見た目 | 生成り色の地・セリフ体・紺 | 白地・ゴシック体・茶の見出し帯 |
追加で入れたもの | pango・フォント約65MB | なし(Macにあるブラウザで出力) |

スキルなしは、Macに入っていたブラウザの印刷機能でPDFを作り、46秒で1ページに収めました。読みやすい普通の社内文書で、内容の網羅はむしろ厚く、「主なリスクと対応案」の表と「お願いしたい判断」まで付いています。月16訪問から「スタンダードなら約48契約、ライトなら約96契約が1人分の上限」と自分で計算して載せ、答えでその点を開示していました(計算は合っています)。
違いは、数字を主役にした紙面の階層と、資料としての「見栄え」です。Kamiは大きな数字・導語・表の順に目が流れ、そのまま配れる印象でした。一方、情報量や判断の依頼の書きぶりはスキルなしのほうが厚く、見た目の差は好みの範囲とも言えます。時間と費用はKamiのほうが約6倍・約2.8倍かかりました。1回の試しの結果で、依頼や中身によって変わる可能性があります。
うまくいかなかった点・つまずき
- pangoがなくPDFが作れず、Claudeが
brew install pangoを自分で実行した。今回は自動許可の設定で動かしていたため、確認なしでMac全体にpangoと依存部品が入りました。通常の権限設定なら確認が出るはずですが、今回は試していません - フォントを約65MB、自動で取得してPCに入れる。
ensure-fonts.shが配布サイト(jsDelivr系)から4ファイルをダウンロードし、~/.local/share/fonts/kami/に置きました - 日本語の字形が中国語の書体になる。同梱のセリフ体は中国語の書体(TsangerJinKai02)で、日本語の長音記号「ー」が細く、少し緩く見えました。実行したClaude自身も最終の答えでこの点を断っています。READMEの日本語の既定は游明朝(OS付属)ですが、私のMacにはなく、今回はこの書体が使われました
- 最終版の見直しは未了と答えに書かれていた。最後の2回の修正後に画像を見ていない、という開示です。私がPDFを開いて、切れや重なりがないことは確かめました
Kamiの安全面|何を外に送るか、何を実行するか
入れる前に、SKILL.md(約20KB)、scriptsの全ファイル、プラグインの定義を読みました。確認できた範囲は次のとおりです。
- 通信は3か所:①
check-update.shが1日に1回、GitHubの最新リリースを確認します(文書の内容は送りません。~/.cache/kami/update-checkedに日付を書きます)。②ensure-fonts.shはフォントを取得するだけです。③brand_extract.pyは、ブランドのサイトのURLを渡したときだけ、そのページを取得します - 実行するもの:WeasyPrint・pdffontsなど検査用のコマンド。数式を使うときだけ
npm ci --ignore-scripts(スクリプトを実行しない指定)でMathJaxを入れます。allowed-tools(使えるツールの制限)の指定はありません - 認証情報:読み取る処理は見つかりませんでした。検知を避ける動きも見つかりませんでした
- MCPサーバー(
mcp_server.py):任意で、ローカルのHTMLを読んでPDFにします。READMEは「信頼できるローカルのHTMLだけを渡す」よう注意しています(試していません) - 書体のライセンス:READMEに「TsangerJinKai02は個人利用のみ無料、商用はtsanger.cnのライセンスが必要」とあります。会社の資料で配るなら、この書体を使い続けてよいか確認が要ります
安全面で入れずに止まる理由は見つかりませんでした。ただし、読んだのは中身で、すべてのコードの挙動を実行して確かめたわけではありません。
向かない場面
- とにかく早く・安く1枚を出したい:スキルなしでも46秒で1ページのPDFは出ます。Kamiは約4分半・約2.8倍の費用でした
- PCに部品やフォントを入れたくない環境:会社支給のPCなど。pangoとフォント約65MBが要ります
- 会社のロゴ・色・書式がすでに決まっている資料:Kamiの紙色と紺が前提です。ブランド設定で寄せられますが、今回は試していません
- 書体の商用ライセンスを確認できない場合:上のとおりです
- 日本語の字形にこだわる資料:READMEで日本語は「フォールバックと配置の確認つき」の対応で、英語・中国語ほど完成していないと書かれています。長音記号の細さは今回見えました
- 編集したいWord・Excelの書類:KamiはPDF(と画像・PowerPoint)の組版で、Word・Excelの編集は役割が違います
試していないこと
- 履歴書・スライド・長文・手紙・作品集・株式レポートなどの他の型
- 英語・中国語・韓国語の資料、日本語専用のテンプレート
- PowerPoint(PPTX)とMarpの出力
- ブランド設定(
brand.md)、MCPサーバー、ランディングページ、数式 - READMEの入れ方3つ(npx・プラグイン・Claude Desktop)そのもの
- スキル名を言っての呼び出し、Windows(WSL)での動作
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Noto Sans JPがPDFで細る原因と直し方|源ノ角ゴシックへ逃がす
まとめ|Kamiを使う前のチェックリスト
- □ 欲しいものは「配れる見た目のPDF」か(編集するWord・Excelではない)
- □ 約4分半・スキルなしの約2.8倍の費用がかかってもよいか(1回の試しの数字)
- □ pango(Macは
brew install pango)とフォント約65MBをPCに入れてよいか - □ 書体TsangerJinKai02の商用ライセンスを確認したか(会社の資料の場合)
- □ 日本語の字形(特に長音記号「ー」)を、できあがりのPDFで目で確かめたか
- □ 最後に数字と固有名詞を、元の資料と見比べたか
- □ 通信は、更新確認・フォント取得・ブランドURLの取得だけと理解したか
株式会社Fyveは、他のスキルも同じ手順(中身を読む、隔離して入れる、架空の会社の仕事で試す、スキルなしと比べる)で確かめて記事にしていきます。
「スライド・資料を作る」のスキルは、ほかに2本を同じ架空の会社の材料で試しています。
仕事でAIを使う人が「絶対に」知っておくべき Claude Codeスキル TOP10

31本を実際に入れて、スキルなしと比べた結果つき(全28ページ)
スキルを入れても、Claude が急に賢くなるわけではありませんでした。31本を架空の会社の仕事で試し、同じ依頼をスキルなしでも検証して比べたうえで、導入する価値があった10本を仕事別にまとめています。
- 文章・スライド・図・数字・調べもの・契約書など、仕事別の10本
- 1本ごとに、スキルなしと比べた時間・費用・出来
- 実物の画面と、Claude Code にそのまま貼れる頼み方
- 外した5本の理由と、入れる前に確かめる4つのこと
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