huashu-excelとは|Excelの数字を検算して分析するスキル
「合計が合っているはずなのに、足し直すと数字が違う」「他の人が作ったExcelの数字を、このまま会議に出していいのか分からない」——売上表を扱う人なら、一度はこの不安を抱えます。
結論から言うと、huashu-excelは、ExcelやCSVの数字を「先に表の形を調べてから足す」順番で検算し、結果を報告書にまとめるClaude Codeのスキルです。私たちが架空の会社の売上表で試したところ、仕込んでおいた合計の誤り(100,000円)と重複行を見つけ、文字になった数字も正しく読み替えて計算しました。
株式会社Fyveは、AIを仕事に使いたい人に向けて、実際に入れて試した結果だけを書いています。この記事では、huashu-excelの中身(外に何を送るか・何を実行するか)を先に確認したうえで、架空の会社の売上表で試した内容をそのまま載せます。
huashu-excelとは|表の数字を検算して分析するスキル
huashu-excelは、花叔(Huashu)さんが公開しているClaude Code用のスキルです。スキルとは、Claude Codeに「この種類の仕事はこの手順で進める」と覚えさせておく説明書とスクリプトのセットのことです。
README(説明書)には、乱れたExcelを渡すと「表の形を点検する → 計算できる形に整える → 何を知りたいかを確認する → 分析する → 検算する → 報告にまとめる」の順に進める、と書かれています(原文は中国語で、全部で八段階あります)。特徴は、表の中にある「合計」行を、明細を足し直した数字と突き合わせる「検算の材料」として使うことです。READMEの言い方では、合計行は「無料の検算用データ」です。

2026年10月21日時点の公開情報は次のとおりです。
- リポジトリ: github.com/alchaincyf/huashu-excel(スターは442、最終更新は2026年10月13日)
- ライセンス: MIT
- 必要なもの: Python 3。.xlsxを読み書きするときだけopenpyxl(Pythonの表計算ライブラリ)
- 説明書(SKILL.md)は中国語で書かれており、約50KBあります
どんな仕事に使えるか
向いているのは、「人が作った表の数字を信用してよいか」を確かめる仕事です。たとえば次のような場面です。
- 月次の売上表を締める前に、合計欄が合っているかを確かめる
- 他部署や取引先から届いた表で、重複行・空白行・文字になった数字がないかを洗い出す
- 2つのシートの数字がなぜ合わないのかを調べる
- 検算のあと、動きの読み取り(どの商品・どの販路が伸びたか)を報告書にまとめる
READMEにある呼びかけの例は「この数字は信用できる?」「この2つの数字がなぜ合わないの?」「この表にどれだけ汚れがある?」で、日本語で話しかけても使えることは、のちほどの試した結果で確かめました。

入れ方(READMEの手順)
READMEには2通りの入れ方が書かれています。
方法1: npxで入れる
READMEの1行目に載っている方法です。
npx skills add alchaincyf/huashu-excelClaude Code、Cursor、Codexなど複数のAIツールで使える形式のスキルで、このコマンドが入れ先を自動で探します。
方法2: フォルダに置く
Claude Codeのスキル置き場にコピーする方法です。READMEの表では、Claude Codeは「~/.claude/skills/」、特定のプロジェクトだけで使うなら「プロジェクト内の.claude/skills/」が置き場として挙げられています。
git clone https://github.com/alchaincyf/huashu-excel ~/.claude/skills/huashu-excel私たちは試すとき、普段の環境を汚さないよう、プロジェクト内の.claude/skills/にファイルをコピーして使いました(npxは使っていません)。READMEには「インストールせず、SKILL.mdを分析方法の文書として読むだけでもよい」とも書かれています。
.xlsxファイルを扱うので、Pythonのopenpyxlも必要です。私たちは試した作業用のフォルダの中だけに入れました。
Claude Codeにこう頼む
スキル名を言わなくても動きました。私たちが出した依頼は次のとおりです(途中のパスは試した環境のものに置き換えています)。
work/2026-sales-messy.xlsx は社内で使っている今年の売上表です(商品別とチャネル別の2シート)。合計に間違いがないか検算して、表の乱れや重複があれば教えてください。そのうえで売上の動きを分析し、結果をわかりやすくまとめてください。元のファイルは書き換えず、まとめは work/ に出してください。ほかに使えそうな頼み方の例です(READMEの呼びかけを日本語にした言い方で、私たちが試したのは上の1つだけです)。
- 「この表の合計、ほんとうに合っていますか。明細から足し直して教えてください」
- 「この表のどこが乱れているか、計算する前に先に点検してください」
- 「このExcelを洗って、分析できる形にしてください」
試した結果|架空の会社の売上表で検算した
試したのは、架空の会社(手作り家具を売る従業員12名の会社)の2026年1〜9月の売上表です。商品別とチャネル別(通販・店舗)の2シートがあり、次のような乱れを私たちが仕込んであります。
- 商品別の3月の合計欄だけ、正しい数字より100,000円多い
- 「ローテーブル」の行が完全に同じ内容で2行ある
- 文字として入っている数字がある(全角の「1313000」、「1,190,000円」など)
- 見出しが結合セル、商品の途中に空白行がある
この正解を伏せたまま、スキル名を言わずに依頼しました。
発動と所要時間
スキル名を言わなくても、huashu-excelが自動で呼ばれました。所要時間は約1分50秒(110,767ミリ秒)、やり取りは11回、費用の目安は0.38ドルでした。使用量は、読み込みを含めた入力が約44万トークン、出力が約1.4万トークンです。SKILL.mdが約50KBと大きいぶん、読み込み量はやや多めです。

見つかったこと
返ってきた答えを、仕込んだ正解と照らして確かめました。
- 3月の合計欄の誤り: 見つけました。商品別シートの3月の合計は11,022,000円ですが、商品を足すと10,922,000円で、チャネル別シートの3月とも一致する、と正しく指摘しました。総合計の89,124,000円は正しい値だと判断し、月別の合計を足すと89,224,000円になって表の中で食い違う点まで書いていました
- ローテーブルの重複: 見つけました。9・10行目が同じ数字で、合計行は1行分しか数えていないため総額は正しいこと、そのままSUMで足すと16,184,000円(約18%)多くなることを書いていました
- 文字の数字: 4か所すべて(D6・G6・B11・I11)を見つけ、書かれた金額を読み取って計算に使ったと報告しました
- 空白行・見出し位置の違い: 見つけました
- 結合された見出し: 答えの文章では触れていませんでした
仕込んだ主な乱れ6つのうち、5つを指摘し、触れなかったのは結合された見出しの1つです。数字の誤りは1件も出ませんでした(私たちが確かめた範囲です)。

検算のやり方
答えによると、文字の数字を直して足し直す方法と、ファイルの中身(XML)を直接読んで足す別の方法の2通りで確かめ、同じ結果になったそうです。同じ答えを別の道筋で出すのは、検算では大切な作法です。
ただし、3月の100,000円がなぜ生じたかについては「入力ミスなのか取り消した取引なのかは、表からは分からない」と書いてあり、推測で断定しませんでした。
報告書
分析のまとめは、HTMLの報告書(約15KB)として出てきました。見出しが結論になっていて(「合計は1か所だけ違っていた。売上は横ばいで、増えた分はほぼ通販」)、検算の表、棒グラフ、次にやることの順に並びます。

売上の動きの読み取りは次のとおりです。月平均は約990万円で、7〜9月は1〜3月より2.56百万円増え、そのうち約98%が通販でした(通販+13.2%、店舗+0.6%)。商品別では、ダイニングテーブルが構成比22.6%で首位、伸びが大きいのは木製ベンチ(+23.4%)とスツール(+15.4%)でした。これらの数字は表の計算から出たもので、私たちが検算した範囲では合っていました。

うまくいかなかった点・気になった点
- グラフの一部が欠ける: 販路別の棒グラフで、左の見出し(「通販 1〜3月」など)が一部切れていました。スキルには出力を自動で確かめる仕組みがありますが、確認用のplaywrightを入れていなかったため動かず、答えの中でも「グラフの崩れは自動では確認できていません。ブラウザで見てください」と断っていました。入れていなかった私たちの環境の事情です
- 用意されたスクリプトはほとんど使われなかった: 8本ある確認用スクリプトのうち、実行されたのは表の体検(profile_table)だけでした。検算や集計は、Claudeがその場で書いた短いPythonで行っています。スクリプトを必ず使わせたい場合は、依頼でそう指定する必要がありそうです(今回は試していません)
- 説明書が中国語: ただし、返ってきた答えも報告書も日本語でした。中国語の説明書を読んだうえでも、日本語の表と日本語の依頼で問題なく動きました
試していないこと
- CSVや、何万行もある大きな表(スキルなしとの比較も1回ずつで、表は1つだけです)
- Word(docx)やExcel(xlsx)形式の報告書の出力
- スキル名を明示して呼び出す依頼
- READMEに書かれた「別のAIに点検させる」最後の工程(今回の答えでも「別の人による再計算はしていません」と書かれていました)
スキルなしとの違い|同じ依頼を入れていない環境で試した
スキルの効果を見分けるため、huashu-excelを入れていない別のフォルダで、同じ表・同じ依頼文を1回だけ実行しました(設定は同じです)。
- 時間・使用量: スキルなしは約39秒(39,087ミリ秒)、5ターン、費用の目安は0.13ドルで、出力は約5,000トークンでした。スキルありは約1分51秒、11ターン、0.38ドル、出力約1.4万トークンです。時間も費用も、スキルありのほうが約3倍かかりました
- 見つけた乱れ: 仕込んだ主な6つのうち、どちらも5つでした。3月の合計の誤り(+100,000円)、ローテーブルの重複、文字の数字4か所、空白行、合計が数式でなく直接入力であることを、スキルなしでも指摘しました。どちらも、結合された見出しには触れていません
- 総合計と月合計の食い違い: スキルなしも、89,124,000円は正しく、月合計を足すと89,224,000円になることまで書いていました
- 出てきたもの: ここに差が出ました。スキルなしの成果物はMarkdown(文章だけのファイル)で、スキルありはグラフ付きのHTML報告書でした。スキルありは、検算を2通りで行ったことの説明や、「別の人の再計算は受けていない」といった前提の書き出しも添えていました
つまり、今回の売上表の検算の精度では、差はほとんどありませんでした。スキルを入れる意味が出るのは、見た目の整った報告書がほしいとき、検算のやり方や前提を書き残したいときです。短時間で合計の誤りだけ知りたいなら、スキルなしでも足ります。試したのは1つの表で、1回ずつの比較です。表が大きい、乱れが複雑といった場合は、差が開く可能性がありますが、今回は確かめていません。
安全面|何を外に送るか・何を実行するか
入れる前に、SKILL.md・READMEと付属のPythonスクリプト9本を読みました。
- 外への送信: スクリプトに、通信(HTTP・ソケット)や環境変数・鍵を読む処理は見当たりませんでした。READMEにも「ネットに接続しない」と書かれていて、読んだ範囲とも一致しました
- コマンドの実行: Pythonスクリプトの中で外部コマンドを呼んでいたのは、Word書類の確認用スクリプト(verify_docx.py)だけです。フォントの一覧取得(fc-list、system_profiler)、LibreOfficeとpdftoppmによる白紙ページ検出で、どれもお使いのパソコン内で完結します
- ファイルの書き込み: 説明書には、バージョン確認のため「.last-update-check」というファイルを書く手順があります。次の項目も参照してください
- バージョン確認(SKILL.mdの記述): スキルのフォルダがgitで入れたものだと、30日に1回、公開リポジトリのバージョン番号だけを取りに行く(git ls-remote)手順が書かれています。ファイルのダウンロードや、あなたのデータの送信はしないと書かれています。止めたいときは、そのファイルの中身を「off」にします。今回は、フォルダをコピーして使ったため、この確認は動きませんでした
- 外部の基準を調べる指示: 説明書に「ネットが使えるなら業界の基準を調べる」という指示があります。これはスクリプトではなく、Claude Codeの検索の力を使う指示です。今回の試しでは検索は使われませんでした(検索の回数は0)
- 権限の指定: SKILL.mdに、使えるツールを限定する指定(allowed-tools)はありませんでした。ふつうのClaude Codeの確認画面で、書き込みや実行の許可を出すことになります
- 作者の紹介: 説明書には、利用者から作者や関連作品を尋ねられたときだけ、作者の別のスキルを紹介する手順があります。通常の作業中には出てきませんでした
以上から、私たちが読んだ範囲では、怪しい送信や検知回避、認証情報の取得は見つかりませんでした。ただし、読んだのはこの時点(2026年10月21日)のものです。更新があれば差分を見直してください。
向かない場面
- 数字を絶対に間違えられない決算や申告: 検算の補助にはなりますが、最終確認は、税理士や経理担当者が行ってください。今回の試しは1つの表だけです
- 表の数字そのものを直したい場合: 今回は元のファイルを書き換えずに、指摘とまとめだけを出す形でした。数字の修正はご自身で行う想定です
- パソコンの環境を整えられない場合: Python 3とopenpyxlが要ります。社内のパソコンで追加のソフトを入れられない場合は、使いにくいでしょう
- チームで使いたい場合: 手順書として運用するなら、Excelの中で使えるCopilotなどのほうが、画面の中で完結して扱いやすい場面もあります
- 中国語の説明書を気にする人: 動作は日本語で問題ありませんでしたが、スキルの中身を確認したいときは、説明書が中国語である点を覚えておく必要があります
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Claude Codeでスキルを入れて使う基本は、こちらの記事にまとめています。
Claude Code Skillsの使い方|業務をSkill化する実践手順
数あるスキルから、どれを選ぶかの考え方はこちらです。
Excelの数式をClaudeで直す方法も、あわせてどうぞ。
ExcelをClaudeで一括改修|帳票の数式を壊さずAI修正
まとめ|入れる前のチェックリスト
huashu-excelは、人が作った表の数字を検算したいときに、一度試す価値のあるスキルです。入れる前に、次の点を確認してください。
- □ 目的は「表の数字が合っているか確かめ、動きをまとめること」である
- □ Python 3とopenpyxl(.xlsxを扱う場合)を用意できる
- □ 説明書が中国語であることを理解している(日本語の依頼と表でも動いた)
- □ 普段の環境ではなく、まずプロジェクト内の.claude/skills/で試す
- □ 元のファイルは書き換えないよう、依頼に書いておく
- □ 出てきた数字は、合計欄など数か所を自分でも確かめる
- □ グラフ付きの報告書は、ブラウザで一度目で確かめる
- □ 重要な数字は、最終確認を人が行う
数字は、2026年10月21日時点のGitHubの公開情報と、私たちが架空の会社の売上表で1回試した結果です。表や依頼の仕方が変われば、結果も変わります。
「数字・表をまとめる」のスキルは、ほかに2本を同じ架空の会社の材料で試しています。
仕事でAIを使う人が「絶対に」知っておくべき Claude Codeスキル TOP10

31本を実際に入れて、スキルなしと比べた結果つき(全28ページ)
スキルを入れても、Claude が急に賢くなるわけではありませんでした。31本を架空の会社の仕事で試し、同じ依頼をスキルなしでも検証して比べたうえで、導入する価値があった10本を仕事別にまとめています。
- 文章・スライド・図・数字・調べもの・契約書など、仕事別の10本
- 1本ごとに、スキルなしと比べた時間・費用・出来
- 実物の画面と、Claude Code にそのまま貼れる頼み方
- 外した5本の理由と、入れる前に確かめる4つのこと
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