GPT-6をGoogle Cloudで使う条件|今の制約と確認点
「Google Cloud で GPT-6 が使えるようになったと聞いた。うちは Google Cloud の契約があるから、すぐ使えるのか」「今の利用枠や無料クレジットで払えるのか」——普段 Google Cloud を使っている会社がこの発表を見たら、まず出てくるのはこの2つの疑問でしょう。
結論から言うと、GPT-6 の3モデル(GPT-6 Astra・GPT-6.1 Sol・GPT-6 Luna)は Google Cloud の Model Garden に入りましたが、2026年10月24日時点では一部の企業向けの限定プレビュー(private preview)です。申し込みフォームで手を挙げ、選ばれた企業だけが使えます。支払いは Google Cloud Marketplace 経由で、既存の利用枠(コミット)からは引かれますが、無料トライアルの $300 クレジットでは払えません。プレビューのモデルには Vertex AI のセキュリティ制御が効かないことも公式に書かれています。
株式会社Fyveは、中小企業の AI 導入を月額で伴走する立場から、「どの入口で AI を使うか」を契約・課金・データの扱いの3点で決めるお手伝いをしています。本記事では、Google Cloud と OpenAI の公式発表、Google Cloud の公式ドキュメントで確認できたことだけを使い、Google Cloud の契約がある会社が GPT-6 をいつ・どう使えるのか、今は何に気をつけるべきかを整理します。
結論|Google Cloud で GPT-6 を使うための4つの条件
先に要点を表にまとめます。2026年10月24日時点で、公式に確認できた内容です。
確認すること | 今の状態 | 出どころ |
|---|---|---|
提供の段階 | 限定プレビュー(private preview)。一部の企業から順に展開 | Google Cloud ブログ |
使い始める方法 | Google Cloud の申し込みフォームで関心を登録し、選ばれるのを待つ | Google Cloud ブログ |
支払い | Google Cloud Marketplace 経由。請求は Google Cloud の請求書に1本化。既存のコミットから引かれる | Google Cloud ブログ |
無料トライアル | 無料トライアルのアカウントは Marketplace を使えない。$300 クレジットはパートナーモデルに使えない | Google Cloud 無料プログラムのドキュメント |
データの扱い | 学習に使わないと明記。ただし Zero Data Retention(ZDR)と Confidential Compute は「近日対応」。プレビューのモデルにはセキュリティ制御が効かない | Google Cloud ブログ/Vertex AI ドキュメント |
単価・リージョン・一般提供日 | Google 側は公表していない | 発表に記載なし |
つまり「Google Cloud の契約がある」だけでは足りません。①選ばれていること ②有料の請求先アカウントであること ③Marketplace で購入できる状態であること ④プレビューの条件で扱ってよいデータに限ること、この4つがそろって初めて、自社の業務で使える状態になります。

何が発表されたのか|2026年10月21日の公式情報
OpenAI と Google Cloud は 2026年10月21日(米国時間)、OpenAI のモデルを Google Cloud の Model Garden で提供すると発表しました。Google Cloud ブログの記事(筆者は Google Cloud で Gemini のプロダクト管理を担当する副社長)は掲載日が10月22日と表示されていますが、OpenAI 側の発表と主要メディアの報道は10月21日です。
Model Garden は、Google Cloud の AI 基盤(旧 Vertex AI。現在は Gemini Enterprise Agent Platform の一部)の中にあるモデルの一覧です。Gemini、Claude、オープンモデルなど200を超えるモデルが並んでおり、今回そこに OpenAI の GPT が加わりました。Google Cloud はこれで「Gemini・Claude・GPT の3系統の主要なクローズドモデルをすべて扱う唯一のハイパースケールクラウド」になったと説明しています。
入った3モデルと、Google Cloud の説明
モデル | Google Cloud の説明(要約) |
|---|---|
GPT-6 Astra | コーディング、パソコン操作、専門的な仕事、科学研究などの負荷の高い仕事向け |
GPT-6.1 Sol | Astra に近い知能をより低いコストで。エージェント型のコーディング、パソコン操作、専門的な仕事向け |
GPT-6 Luna | 日常の仕事を大量にさばくための、速くて安いモデル |
3モデルの違いそのものは、OpenAI の直接提供でも同じです。どれを選ぶかの判断は、こちらで詳しく整理しています。
発表に含まれていたこと
- 提供の段階: 3モデルは「一部の企業顧客向けに限定プレビューで展開中」。ほかのモデルも近日追加予定
- 申し込み: 関心のある企業は Google Cloud の申し込みフォームから登録する
- 使い方: API から使えるほか、手元の Codex CLI と Codex のデスクトップアプリの推論先を Google Cloud の基盤に向けられる(発表当日から)
- 支払い: Google Cloud Marketplace で直接取引し、利用額は Google Cloud の請求書1本に載る。既存のクラウドのコミットから引かれ、Flexible Savings Plans(FSP)の対象額にも数えられる
- データ: プロンプト・文脈・出力は顧客が指定したデータの境界の中にとどまり、基盤モデルの学習には使われない
- 近日対応: Zero Data Retention(ZDR)、Confidential Compute、Gemini for business と Google Antigravity での OpenAI モデルの提供
OpenAI 側は一般提供(GA)を「今後数週間のうちに」予定していると報じられています(The Next Web が OpenAI の発表として報道)。Google Cloud ブログ自体には一般提供の日付はありません。
発表に含まれていなかったこと
反対に、Google Cloud の発表には次の情報がありません。導入を検討する側にとっては、むしろこちらが大事です。
- トークンあたりの単価
- 使えるリージョン(日本のリージョンで使えるかどうか)
- モデル ID、上限(クォータ)の表
- 一般提供の日付
ここが空いたまま「Google Cloud で GPT-6 が使える」と社内に広まると、あとで「使えなかった」「思っていた値段と違った」という話になります。社内に伝えるときは「限定プレビューで、単価とリージョンは未公表」まで一緒に伝えてください。

「発表された」と「自社で使える」は別|限定プレビューの意味
限定プレビュー(private preview)は、誰でも申し込めば使える公開プレビュー(public preview)とは違います。Google Cloud ブログの言い方は「一部の企業顧客向けに展開中」で、入口は関心の登録フォームです。登録すれば必ず使える、とは書かれていません。
私たちがこれまで見てきたモデルの新しい提供でも、「発表された日」と「自社の画面で選べる日」は毎回ずれます。GA でさえ「門が開いた」という意味で、全員の画面に同じ日に出るわけではありません。限定プレビューなら、なおさらです。
無料トライアルと $300 クレジットでは使えない
見落としやすいのが支払いの条件です。OpenAI のモデルは Google Cloud Marketplace 経由で売られます。そして Google Cloud の無料プログラムのドキュメント(2026年10月20日更新)は、請求先のない無料トライアルのアカウントについて、制限の1つに「Google Cloud Marketplace を使う」ことを挙げています。
同じページには、$300 の無料クレジットについて「マネージド API として提供される生成 AI のパートナーモデルには使えない」とも書かれています。
つまり、試しに無料トライアルのアカウントを作って GPT-6 を触ってみる、という進め方はできません。有料の請求先アカウントに切り替えると Marketplace とサードパーティの生成 AI モデルが使えるようになる、とドキュメントにあるので、試すのは有料のアカウントからです。
選ばれるまでの間にできること
限定プレビューの間は、こちらから使える日を早めることはできません。待っている間にできるのは、使えるようになった日に迷わないための準備です。
- どのプロジェクト・どの請求先アカウントで使うかを決めておく
- Marketplace で購入できる権限を持つ人を決めておく(請求先アカウントの管理者と、実際に使う開発者が別の人であることが多いため)
- 最初に試す業務を1本決めておく(後の「私たちならこう判断する」で詳しく書きます)
料金はどう決まるのか|Google 側の単価は未公表
2026年10月24日時点で、Google Cloud は Model Garden の GPT-6 の単価を公表していません。発表にあるのは「Marketplace で取引し、Google Cloud の請求書に載る」という支払いの仕組みだけです。
参考として、OpenAI が自社の API で出している通常の単価を載せておきます。これは OpenAI の API に直接つないだときの価格で、Google Cloud 経由の価格ではありません。Google Cloud 経由で同じ値段になるとは、どの公式にも書かれていません。
モデル | 入力 | キャッシュされた入力 | 出力 |
|---|---|---|---|
GPT-6 Astra | $10.00 | $1.00 | $50.00 |
GPT-6.1 Sol | $2.00 | $0.10 | $10.00 |
GPT-6 Luna | $0.10 | $0.01 | $0.50 |
※100万トークンあたり・米ドル・税別。入力が27万2,000トークン以下の短い文脈の場合。2026年10月24日時点の OpenAI API 料金ページ(https://developers.openai.com/api/docs/pricing)より。契約前に必ず最新の公式ページを確認してください。OpenAI の料金ページには、2026年3月5日以降に出たモデルを地域内で処理するデータレジデンシーのエンドポイントで使うと、10%上乗せになるとも書かれています。
コミットから引かれるが、FSP の割引は付かない
Google Cloud ブログは、OpenAI モデルの利用が「既存のクラウドのコミットから引かれ、FSP の対象額に数えられる」と書いています。年間で Google Cloud にまとまった利用を約束している会社にとっては、新しく別の契約を結ばずに済むのが利点です。
ただし、割引まで付くわけではありません。Flexible Savings Plans のドキュメント(2026年10月22日更新)は、割引率を「1年プランで10%、3年プランで20%」としたうえで、対象は Gemini Enterprise の対象 SKU だと書いています。そして「サードパーティの製品は FSP の割引を受けない」と明記しています。
また、同じドキュメントには「使い切れなかったコミットは翌月に繰り越されない」とあります。コミットを消化できていない会社が「余っている枠で GPT-6 を使えば実質タダ」と考えるのは半分だけ正しく、余った枠に充てられることと、割引されることは別の話です。
月額の席課金と、使った分だけ払う従量課金の違い、予算の立て方は、こちらの記事で整理しています。
データの扱い|プレビューの間は効かないものがある
Google Cloud が今回の発表で強く打ち出しているのは、データの扱いです。ブログには次のように書かれています。
- プロンプト・文脈・出力は、顧客が指定したデータの境界の中にとどまり、基盤モデルの学習には使われない
- OpenAI のモデルは Google Cloud の専用の基盤で動き、問い合わせは隔離されたゲートウェイを通る。サードパーティの提供元が顧客のクラウド環境に許可なく入ることはない
- エージェントとモデルのやりとりはすべて認証された ID のもとで動き、VPC Service Controls の保護と、まとまった監査ログの対象になる
一方で、同じブログが「近日対応」としているものがあります。Zero Data Retention(データを保持しない設定)と Confidential Compute(処理中のデータも暗号化された環境で動かす仕組み)です。この2つが要件に入っている会社は、今の段階では条件を満たせません。
「プレビューのモデルにはセキュリティ制御が効かない」
もう1つ、発表のブログには出てこないが大事な記述があります。Vertex AI のセキュリティ制御のドキュメント(2026年10月22日更新)には、「セキュリティ制御はプレビューのモデルではサポートされない」と書かれています。
このページは、データの所在地、顧客管理の暗号鍵、VPC Service Controls、アクセスの透明性といった統制が、どのモデルで使えるかをまとめたものです。その対象からプレビューのモデルが外れている、という意味です。発表のブログには「VPC Service Controls の保護」とありますが、ドキュメントの但し書きとあわせて読むと、今の限定プレビューの段階で、普段の Gemini と同じ統制が全部効くと考えないほうが安全です。
同じページには、パートナーモデルとオープンモデル(マネージド API として提供されるもの)のプロンプトのログは既定でオフ、という記述もあります。
私たちがプレビューで扱うデータの線引き
この状態で、私たちなら次のように線を引きます。
- 入れてよい: 公開済みの情報、社外に出ても困らない文章、架空のデータで作った試験用の入力
- 入れない: 顧客の個人情報、取引先との契約の中身、社内の未公開の数字、認証情報
- 一般提供と ZDR を待つ: 本番の業務データを流す使い方
プレビューは「性能と使い勝手を確かめる期間」と割り切り、本番のデータを流すのは一般提供で条件が出そろってから、という順番です。
Codex を Google Cloud につなぐ話|手順はまだ公式に出ていない
今回の発表で、開発者にとっていちばん実務に近いのは Codex の部分です。Google Cloud ブログは、Codex CLI と Codex のデスクトップアプリで手元の作業の推論先を Google Cloud の基盤に向けられる、と書いています。請求を Google Cloud に寄せたい会社にとっては、OpenAI と別に契約を結ばずに Codex を使える道になります。
ただし、2026年10月24日時点で、私たちは具体的な設定の手順を公式に確認できていません。OpenAI の Codex のドキュメントにも、Google Cloud のドキュメントにも、Google Cloud 向けの設定の書き方は見当たりませんでした。限定プレビューで選ばれた企業には個別に案内が届くのかもしれませんが、公開されている情報からは分かりません。
比べると、AWS の場合ははっきりしていました。AWS は 2026年9月8日に GPT-6 Astra の Amazon Bedrock での一般提供を告知し、同じ告知の中で「ChatGPT Work と Codex を、Amazon Bedrock 上のモデルを使うように設定できる」と書いています。Bedrock で Codex を使う設定と、そのときの安全性の考え方は、こちらで整理しています。
ネット上には、Codex の設定ファイルに独自のつなぎ先を書いて Google Cloud に向ける方法を紹介する記事も出ています。ただしそれらは今回の発表より前の、別のモデル向けの書き方です。今回の GPT-6 で同じ書き方が通るかは確認できないので、本記事では紹介しません。
4つの入口を比べる|Google Cloud は一番最後で、まだプレビュー
GPT-6 Astra は、Google Cloud より前に、Microsoft と AWS のクラウドで一般提供になっています。2026年10月24日時点で、公式に確認できた状態を並べます。
入口 | GPT-6 Astra の状態 | 告知の日付 | 支払い先 |
|---|---|---|---|
OpenAI の API(直接) | 提供中。単価を公開 | — | OpenAI |
Microsoft Foundry(Azure) | 全顧客に一般提供 | 2026年9月3日(Microsoft Azure Blog) | Azure の請求 |
Amazon Bedrock(AWS) | 一般提供。Codex を Bedrock に向ける設定も案内 | 2026年9月8日(AWS の What's New) | AWS の請求 |
Model Garden(Google Cloud) | 限定プレビュー。単価・リージョン・一般提供日は未公表 | 2026年10月21日(Google Cloud ブログ・OpenAI) | Google Cloud の請求(Marketplace) |

Microsoft 側では、同じ GPT-6 Astra でも Microsoft 365 Copilot・GitHub Copilot・Foundry で有効化と課金の仕組みがそれぞれ違います。その整理はこちらです。
GPT-6 AstraはCopilotで使えるのか|入口別の課金
入口は「モデル」ではなく「契約」で選ぶ
この表を見て「Google Cloud はまだプレビューなので、Azure か AWS か OpenAI 直接で使えばいい」と考えるのは、技術的には正しいです。モデルそのものは同じ GPT-6 Astra だからです。
ただ、実際の会社の判断はそう単純ではありません。私たちが AI 導入の相談で最初に聞くのは「どのモデルを使いたいか」ではなく「いま、どのクラウド・どの業務ソフトと契約しているか」です。請求書が1本になるか、情報システムの担当がすでに審査を通した経路か、社内の ID で権限を管理できるか。この3つで、同じモデルでも導入にかかる手間がまったく変わります。
Google Cloud にコミットがあり、Google Workspace で社員の ID を管理している会社なら、Google Cloud 経由の GPT-6 は「新しい取引先を増やさずに GPT を使える道」です。待つ価値があります。逆に、Google Cloud とは付き合いがなく AWS が主力の会社が、今回の発表を理由に Google Cloud を始める理由はほとんどありません。
私たちならこう判断する|無人で AI を動かしている側の実務
私たちは自社の業務で、AI のモデルを毎日、人の手を介さずに動かしています。記事の調査、下書き、検査といった定型の仕事を、決まった時刻に実行する仕組みです。その運用で決めているルールが、今回のような「新しい入口が増えた」ときの判断にもそのまま効きます。
発表の日に、使っている入口を切り替えない
新しい入口やモデルが出ても、私たちは発表の日に既定の設定を入れ替えません。プレビューの段階では、条件(単価・リージョン・データの扱い)が後から変わるのが普通だからです。今回の Google Cloud も、ZDR と Confidential Compute が「近日対応」、単価は未公表です。条件が変わる前提のものに、本番の仕事を載せません。
モデル名と入口は、必ず書いて固定する
無人で動かす仕事では、どのモデルを使うかを毎回はっきり指定しています。「その機械の既定のモデル」に任せると、提供元の都合で既定が変わったときに、気づかないうちに別のモデルで動いてしまうからです。入口を増やすときも同じで、「この仕事は、この入口の、このモデル」と書いて固定します。入口が2つあると、同じ名前のモデルでも単価やデータの扱いが違うので、どちらを通ったかが分からない状態がいちばん困ります。
従量課金の入口は、上限とログを一緒に用意する
Marketplace 経由の利用は使った分だけの従量課金です。私たちは従量課金の入口を開けるときは、利用額の上限と、どの仕事が何をどれだけ使ったかの記録を、使い始める前に用意します。上限を後から付けようとすると、たいてい最初の請求書を見てからになります。Google Cloud なら、予算アラートを請求先アカウントに先に設定しておくのが現実的です。
ベンチマークではなく、自分の仕事1本で測る
選ばれて使えるようになったら、最初にやることは性能比較の表を読むことではありません。自社でいつも AI にやらせている仕事を1本選び、今使っている入口と Google Cloud 経由で同じ入力を流して、結果・かかった時間・請求額を並べます。同じモデルでも入口が違えば、応答の速さや上限の当たり方が違うことがあります。それは公開のベンチマークには出てきません。
Google Cloud の契約がある会社が、いまやること
ここまでの内容を、Google Cloud を使っている会社の情報システム担当・経営者向けの手順にまとめます。
- 使う理由を1行で書く: 「GPT-6 を使いたい」ではなく「Google Cloud の請求に寄せたい」「OpenAI と別契約を結びたくない」など、Google Cloud 経由である理由を書く。理由が書けないなら、OpenAI の API 直接か、すでに使っているクラウドで十分
- 関心の登録フォームを出す: Google Cloud の申し込みフォーム(https://cloud.google.com/resources/interest/openai-models)から登録する。限定プレビューなので、選ばれる保証はない
- 請求先アカウントを確認する: 無料トライアルのままでは Marketplace を使えない。有料の請求先アカウントで、Marketplace で購入できる権限を持つ人を決めておく
- コミットと割引を分けて計算する: 既存のコミットからは引かれるが、FSP の割引は付かない。使い切れなかったコミットは繰り越されない
- プレビューで入れるデータを決める: セキュリティ制御はプレビューのモデルに効かず、ZDR は近日対応。本番のデータは一般提供と条件の公表を待つ
- 予算アラートを先に設定する: 従量課金なので、使い始める前に上限の目安を決める
- 一般提供の告知を見張る: 単価・リージョン(日本で使えるか)・ZDR の3点が出たら、本番に載せるかを判断し直す
公式で確認できなかったこと
プレビューの段階では、二次情報が先に広まり、公式にない話が混ざりやすくなります。2026年10月24日時点で、私たちが公式で確認できなかったことを並べておきます。社内で「〜らしい」と聞いたら、ここに入っていないかを見てください。
- Google Cloud 経由の単価: Google 側の公表なし。OpenAI の直接価格と同じかどうかも不明
- 使えるリージョン: 日本のリージョン(東京・大阪)で使えるかは不明
- 一般提供の日付: OpenAI の「今後数週間」という予定が報じられているのみで、Google Cloud は日付を出していない
- Codex を Google Cloud に向ける設定の手順: 公開されたドキュメントは見当たらない
- 上限(クォータ)とモデル ID: 公表なし
- ZDR と Confidential Compute の対応時期: 「近日」のみ
この6つが埋まるまでは、記事や社内資料で「Google Cloud なら GPT-6 が◯円で使える」と断定しないほうが安全です。
よくある質問
Q. Google Cloud のアカウントがあれば、今すぐ GPT-6 を使えますか
使えません。2026年10月24日時点では、一部の企業向けの限定プレビューです。申し込みフォームで関心を登録し、選ばれた企業から順に使えるようになります。
Q. 無料トライアルの $300 クレジットで試せますか
試せません。Google Cloud のドキュメントには、無料トライアルのアカウントは Marketplace を使えないこと、$300 クレジットはマネージド API として提供されるパートナーモデルに使えないことが書かれています。OpenAI のモデルは Marketplace 経由なので、有料の請求先アカウントが必要です。
Q. 料金は OpenAI に直接払うのと同じですか
分かりません。Google Cloud は Model Garden の GPT-6 の単価を公表していません。OpenAI の API の直接価格(例: GPT-6 Astra は100万トークンあたり入力 $10・出力 $50)は参考にはなりますが、Google Cloud 経由で同じになるとは、どの公式にも書かれていません。
Q. Google Cloud のコミットで払えば割引になりますか
コミットからは引かれますが、割引は付きません。FSP の割引(1年10%・3年20%)は Gemini Enterprise の対象 SKU だけで、ドキュメントには「サードパーティの製品は FSP の割引を受けない」と書かれています。
Q. 入力したデータは OpenAI の学習に使われますか
Google Cloud の発表では、プロンプト・文脈・出力は顧客のデータの境界の中にとどまり、基盤モデルの学習には使われないとされています。ただし ZDR は近日対応で、プレビューのモデルにはセキュリティ制御が効かないとドキュメントにあるため、機密性の高いデータは一般提供まで入れないことをおすすめします。
Q. Codex を Google Cloud 経由で使えますか
Google Cloud の発表では、Codex CLI とデスクトップアプリの推論先を Google Cloud の基盤に向けられるとされています。ただし具体的な設定手順は、2026年10月24日時点で公開されたドキュメントに見当たりません。今すぐクラウド経由で Codex を使いたい場合は、設定方法が公式に案内されている Amazon Bedrock が先行しています。
Q. Azure や AWS で使えるなら、Google Cloud を待つ意味はありますか
Google Cloud にコミットがあり、社員の ID を Google で管理している会社なら、待つ意味はあります。新しい取引先を増やさずに GPT を使えるからです。そうでなければ、すでに一般提供になっている入口を使うほうが早いです。
まとめ
- GPT-6 Astra・GPT-6.1 Sol・GPT-6 Luna は 2026年10月21日に Google Cloud の Model Garden に入ったが、10月24日時点では一部の企業向けの限定プレビュー
- 使い始めるには関心の登録フォームを出し、選ばれる必要がある。無料トライアルと $300 クレジットでは使えない
- 支払いは Marketplace 経由で、既存のコミットから引かれる。ただし FSP の割引は付かず、単価も未公表
- 学習に使わないとされる一方、ZDR と Confidential Compute は近日対応、プレビューのモデルにはセキュリティ制御が効かない
- Codex を Google Cloud に向ける手順は、まだ公式に出ていない
- 入口はモデルではなく契約で選ぶ。Google Cloud が主力の会社なら、準備をしながら一般提供を待つのが現実的
株式会社Fyveでは、どのクラウド・どの業務ソフトの上で AI を使うのが自社に合うかを、契約・課金・データの扱いから一緒に整理しています。新しい入口が出るたびに判断し直すのは手間がかかるので、「今の契約のままで何が使えるか」の確認から始めるのがおすすめです。
参考にした情報
- Google Cloud Blog「Google Cloud brings OpenAI models to customers」
- The Next Web「OpenAI brings GPT-6 Astra and Codex to Google Cloud, a rival's platform」(2026年10月21日)
- TechTarget「OpenAI-Google partnership targets enterprise model choice」(2026年10月22日)
- Google Cloud ドキュメント「Free cloud features」(2026年10月20日更新)
- Google Cloud ドキュメント「Flexible Savings Plans」(2026年10月22日更新)
- Vertex AI ドキュメント「Security controls」(2026年10月22日更新)
- OpenAI API Pricing
- AWS What's New「OpenAI GPT-6 Astra is now generally available on Amazon Bedrock」(2026年9月8日)
- Microsoft Azure Blog「GPT-6 Astra … now generally available in Microsoft Foundry」(2026年9月3日)
Codexを使い始める前に、「絶対に」見直してほしい5つのこと

学習の設定・確認なしの操作・戻せる状態など。Codexにそのまま貼れる頼み方つき(全9ページ)
Codexは便利な一方で、設定ひとつで「聞かずに動く」ようになります。この資料を作るために自分の設定を開いたら、本番のデータベースを書き換える操作が、覚えのないうちに確認なしで動く状態になっていました。使い始める前に見直してほしい5つを、Codexにそのまま貼れる頼み方と一緒にまとめました。
- 仕事の画面や資料を、AIの学習に使わせない設定
- 取り返しのつかない操作が確認なしになっていないか、Codexに調べさせる頼み方
- AGENTS.mdのいちばん上に書く「絶対にしないこと」の例
- 失敗しても戻せる状態で始める方法と、使えなくなったAIの指定の直し方
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