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2026/07/11Codex
料金・コスト比較AI活用非エンジニア向け

GPT-5.6 Terra/Luna|日常業務モデルの使い分け

GPT-5.6 Terra/Luna|日常業務モデルの使い分け

「GPT-5.6が出たけど、Solは高そう」「安いモデルで日常業務は回せないのか」——中小企業でAIを使い始めると、誰もがモデル選びの前で足を止めます。

結論から言うと、中小企業の日常業務はTerra(テラ)とLuna(ルナ)で十分に回せます。最上位のSol(ソル)を使うのは、本当に複雑で長い作業のときだけで構いません。

株式会社Fyveは、中小企業に月額でAI活用を伴走する会社です。私は今回のGPT-5.6を一通り触ったうえで、非エンジニアの現場目線で「どのモデルを、どの業務に、いくらで」使えばいいかを整理します。

GPT-5.6のTerra/Lunaとは|日常業務向けの2モデル

GPT-5.6は2026年7月9日に正式提供が始まったOpenAIの新しいモデル世代です。ChatGPT・Codex(コーデックス/開発向けツール)・API(外部から呼び出す仕組み)のすべてで使えます。

このGPT-5.6には、能力の段階(ティア)が3つ用意されています。太陽・地球・月をモチーフにしたSol(最上位)/Terra(バランス型)/Luna(最速・最安)の3つです。数字の「5.6」が世代、Sol/Terra/Lunaが能力の段階を表す、という読み方をすれば迷いません。

3つのモデルは、基本的な性能の器は共通しています。一度に扱える文章量の目安は約100万トークン(トークン=文章量を測る単位。日本語なら数十万字規模)、一度の返答で出せる最大量は約128,000トークン、学習に使われた情報は2026年2月16日時点まで、という点は3モデルとも同じです。違うのは「どれだけ深く考えるか」と「速度・料金」のバランスです。

Terra=バランス型(日常業務の標準機)

Terraは、速度・料金・賢さのバランスを取った「日常業務の標準機」です。メールの下書き、議事録の要約、問い合わせ返信の草案、資料のたたき台づくりといった、中小企業が毎日こなす作業のほとんどをここでまかなえます。

「とりあえず何を使えばいいか分からない」という段階では、まずTerraを既定にするのが素直な選び方です。込み入った判断が必要になったときだけ上のSolに切り替える、という運用が現実的です。

Luna=最速・最安(大量・軽作業向け)

Lunaは3つのなかで最も速く、最も安いモデルです。深く考え込むより、決まった形の作業を大量に・素早くさばくのが得意な位置づけです。

たとえば「同じフォーマットで100件の商品説明を整える」「アンケートの自由記述を分類する」「大量の文章を一定のルールで言い換える」といった、量が多くて1件あたりは軽い作業に向きます。速さと安さで数をこなしたい場面では、Lunaが第一候補になります。

価格で見るTerra/Luna|3段階の料金体系

モデル選びで一番気になるのが料金です。API経由で使う場合の標準価格(100万トークンあたりの入力/出力)は、3段階で公表されています。入力=AIに渡す文章、出力=AIが返す文章のことで、それぞれ別料金です。

  • Sol(最上位):入力 $5.00 / 出力 $30.00
  • Terra(バランス型):入力 $2.50 / 出力 $15.00
  • Luna(最速・最安):入力 $1.00 / 出力 $6.00

並べて見ると分かりやすい構造です。TerraはSolのちょうど半額、LunaはさらにTerraの半分以下という、きれいな2段階刻みになっています。同じ作業をLunaで回せば、Solの5分の1前後のコストで済む計算です。

この価格は6月下旬のプレビュー時点から据え置かれています。なお、ここで挙げたのはAPIから使う場合の従量課金の話です。ChatGPTの月額プランに含まれる形で使う場合は、プランごとに使えるモデルや上限が異なります。定額の範囲で試すのか、従量で組み込むのかで、コストの考え方が変わる点は押さえておいてください。

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Terra/LunaとSolの線引き|いつSolに上げるか

「安いLunaでいいなら、全部Lunaでいいのでは」と思うかもしれません。ここは線引きが必要です。安さだけで選ぶと、複雑な作業で品質が足りず、やり直しでかえって時間を失うことがあります。

私の考える中小企業向けの目安は、次のとおりです。

  • Luna(最速・最安):定型的・大量・1件あたり軽い作業。分類、言い換え、フォーマット整形、簡単な下書きの量産
  • Terra(バランス型):日常業務の主力。要約、メール・提案文の草案、資料のたたき台、一般的な調べ物のまとめ
  • Sol(最上位):込み入った判断・長い工程・失敗が許されない作業。複雑な設計、長文の構造化、腰を据えたコーディングや調査

迷ったときは「まずTerraで試し、物足りなければSolに一段上げる/軽い量産作業だと分かったらLunaに落とす」という調整で十分です。最初から最上位を選ぶ必要はありません。過剰投資をしないことが、そのままコスト最適化になります。

なお、GPT-5.6には「より深く考えさせる設定」や「複数の作業を並行して任せる設定」も新たに用意されていますが、それらは重い作業を任せるときの上級者向けの話です。日常業務ではまずTerra/Lunaの使い分けだけ押さえれば問題ありません。

中小企業の日常業務でのTerra/Luna活用法

ここからは、実際の業務に落とし込みます。中小企業の現場でよくある作業を、どのモデルで回すかの具体例です。モデル名を意識しすぎず「この作業はこの段階」とざっくり割り当てるのがコツです。

Lunaで回すと安く速い作業

  • 問い合わせメールの一次仕分け(内容ごとにカテゴリ分け)
  • 商品説明・求人票など、同じ型の文章を大量に整える
  • アンケート自由記述やレビューを一定のルールで分類・集計
  • 長い文章を、決まったトーンに言い換える一括処理

Terraが主力になる作業

  • 会議・商談メモから議事録と要点をまとめる
  • 提案メールや見積もりの説明文の草案づくり
  • 社内マニュアル・手順書のたたき台の作成
  • 一般的な調べ物を、要点を絞って1枚に整理する

この2段階だけで、多くの中小企業の「毎日の細かい作業」はかなりの部分をカバーできます。Solが必要になるのは、月に何度かの「腰を据えた重い仕事」だけ、という会社が大半だと私は見ています。

LunaとTerraを組み合わせて安く仕上げる

もう一歩進んだ使い方として、1つの作業のなかでLunaとTerraを役割分担させる方法があります。前半の「下ごしらえ」を安いLunaに任せ、仕上げの部分だけTerraに回すやり方です。

たとえば大量の問い合わせ対応なら、まずLunaで内容ごとに仕分けし、返信の下書きが必要なものだけTerraで丁寧に草案を作る、という流れです。全部をTerraやSolで処理するより、同じ品質を保ちながら合計コストを下げられます。作業を工程に分けて考える習慣がつくと、モデルの使い分けは自然と身につきます。

安いモデルでも失敗しない使い方

安いモデルを使うときほど、頼み方が結果を左右します。ポイントは3つです。

  • お手本を1つ渡す:整えたい形の見本を1件見せると、Lunaでも出力が安定します
  • 一度に欲張らない:作業を「分類→整形→確認」のように小さく分けると、安いモデルでも精度が保てます
  • 最終確認は人が行う:数をこなす作業ほど、まとめて人がチェックする工程を必ず残します

コスト階層で予算を設計する|実務者の視点

私がクライアントに提案するとき重視しているのが、この「コスト階層で予算を組む」考え方です。Sol/Terra/Lunaの3段階があること自体が、中小企業にとっては予算設計の道具になります。

やり方はシンプルです。まず自社の作業を「軽い量産」「日常の主力」「重い判断」の3つに仕分け、それぞれにLuna/Terra/Solを当てます。こうすると、どの作業にいくらかかっているかが見えるようになり、「重い仕事だけ上位モデル、あとは安く」というメリハリのある予算配分ができます。

もう一つ現場感覚として補足すると、AIを一つの万能モデルで抱え込む必要はありません。私自身は、設計や文章の骨組みづくりが得意なClaude系(アンソロピック社のAI)を「考える司令塔」に、精密な実行や反復作業が得意なGPT-5.6を「作業の実行役」に、と役割を分ける形に落ち着きつつあります。モデルは適材適所で組み合わせるもの、という前提に立つと、Terra/Lunaは「日常の実行役として安く回す層」として素直に位置づけられます。

大切なのは、いきなり全社導入や高いプランから始めないことです。まず1つの業務をTerraかLunaで小さく試し、効果が見えてから投資を広げる。この順番を守るだけで、AIの導入コストは驚くほど抑えられます。

まとめ|日常業務はTerra/Luna、重い仕事だけSol

GPT-5.6のモデル選びは、中小企業にとってはむしろ分かりやすくなりました。要点を整理します。

  • Terra=バランス型で日常業務の大半を回す(入力 $2.50/出力 $15.00)
  • Luna=最速・最安で軽い量産作業をさばく(入力 $1.00/出力 $6.00)
  • Sol=最上位は重い判断・長い工程のときだけ(入力 $5.00/出力 $30.00)
  • 作業を3段階に仕分けてモデルを当て、コスト階層で予算を設計する
  • まず1業務を安く試し、効果が出てから広げる

「高い最上位モデルを使わないと成果が出ない」というのは思い込みです。私たちが伴走してきた範囲でも、日常業務の多くはTerra/Luna相当のモデルで十分に成果につながっています。まずは身近な1つの作業から、無理のない段階で始めてみてください。

料金体系の全体像を先に押さえたい方は、こちらの記事で3階層を詳しく整理しています。

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コストをさらに抑える運用の工夫は、こちらでまとめています。

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GPT-5.6・Codex全体の使い方を最初から知りたい方は、こちらをどうぞ。

OpenAI Codex 完全ガイド|全体像とできること
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各モデルの位置づけや価格の一次情報は、OpenAIの公式ページで確認できます(GPT-5.6公式紹介Sol・Terra・Lunaの解説(OpenAIヘルプ))。

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