Tailscaleの料金|無料でどこまで使えるか
「Tailscaleの料金は結局いくらなのか」「無料のままで、端末を何台までつなげるのか」——自宅のMacやサーバーに外からつなぎたくてTailscaleを調べると、ネット上の料金の数字がばらばらで、どれを信じればよいか迷います。
結論から言うと、Tailscaleの料金は個人で使うなら無料のPersonalプラン(6ユーザーまで・自分の端末は台数無制限)で足り、会社の業務で使うならStandard(1ユーザーあたり月8ドル)からです。2026年4月8日に料金体系が改定されたため、それ以前に書かれた「Starter 月6ドル」「Personal Plus 月5ドル」という数字は、今の料金ではありません。
株式会社Fyveは、事務所のMac miniを常時動くAIの作業機にしていて、外出先のMacとiPhoneからTailscale経由でつないでいます。この記事では、2026年10月20日時点の公式の料金ページとFAQを読み直した内容を、1人・3台で運用している私たちの構成に当てはめて、どのプランを選べばいくらになるのかまで整理します。
Tailscaleの料金の早見表(2026年10月20日時点)
まず、公式の料金ページ(tailscale.com/pricing)に載っている4つのプランを表にまとめます。金額はすべて米ドルで、公式ページに表示されている月額です。
プラン | 料金 | ユーザー数 | 自分の端末 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
Personal | 無料(公式の表記は「Free forever」) | 6人まで | 台数無制限 | 個人・家族の非商用利用 |
Standard | 1ユーザーあたり月8ドル | 無制限 | 台数無制限 | 会社の業務で使う小さなチーム |
Premium | 1ユーザーあたり月18ドル | (Standardの機能をすべて含む) | 台数無制限 | 細かいアクセス管理やログが要る会社 |
Enterprise | 個別見積もり | 個別 | 台数や上限を個別に設定 | 請求書払い・個別契約が必要な大企業 |
表を読むときに押さえておきたい点が3つあります。
- 料金は「ユーザー(席)」に対してかかり、自分の端末の台数ではかからない:どのプランでも、人が持つ端末(Mac・Windows・iPhone・Androidなど)は台数無制限です
- 年払いの割引は、公式の料金ページには表示されていない:2026年10月20日時点で、StandardとPremiumは月額の表示だけです
- 税込か税抜かは料金ページに書かれていない:日本から契約したときに消費税がどう扱われるかは、契約前に請求画面で確認してください
料金はここから変わる可能性があります。契約の前に、必ず最新の公式料金ページを確認してください。

無料のPersonalプランでどこまで使えるか
「Tailscale 無料」で調べている人がいちばん知りたいのは、無料でどこまで使えて、どこで止まるのかだと思います。公式の料金ページと料金FAQ(Pricing FAQ)に書かれている上限を、項目ごとに見ていきます。
ユーザーは6人まで、自分の端末は台数無制限
Personalプランは6ユーザーまでです。ここで言うユーザーは「Tailscaleにログインする人」のことで、端末の台数ではありません。1人が自分のMac、仕事用のノートPC、iPhone、自宅のサーバーをすべて自分のアカウントでつないでも、使っているのは1ユーザーです。
FAQでは、人が持つ端末を「ユーザー端末(user devices)」と呼び、どのプランでも無料・台数無制限と書かれています。つまり、家族6人がそれぞれスマホとPCを何台持っていても、Personalプランの範囲に収まります。
タグ付きの機器は50台、短時間だけ動く機器は月1,000分
端末の数え方には、ユーザー端末とは別に「タグ付きリソース(tagged resources)」があります。これは特定の人ではなく、タグ(ラベル)に持ち主を割り当てた機器のことで、サーバーやサブネットルーター(自宅のLAN全体をTailscaleの網につなぐ中継役の機器)が典型です。
- タグ付きリソース:Personalには50台まで含まれます。超えた分は1台あたり月1ドルで追加できます
- エフェメラル(短時間だけ動く機器):CI(自動テストの実行環境)や、立ち上げては消すコンテナのように一時的に参加する機器のことです。Personalは月1,000分まで使えます。4時間を超えて残り続けた機器は、分数ではなくタグ付きリソースとして数えられます
個人で自宅サーバーを1〜2台つなぐ程度なら、この上限に届くことはまずありません。FAQによると、タグ付きリソースやACLグループなどの上限は2026年10月20日時点では強制されておらず、今後導入するときは通知すると書かれています。ただ、上限は上限として守る前提で考えておくのが安全です。
ACLグループは3つ、基本のSSHは5台まで
ACL(アクセス制御リスト)は、「この人はこの機器にだけつなげる」といった通信のルールです。Personalでは、ルールを人のまとまりごとに書くためのグループを3つまで作れます。ユーザーの役割(権限)も基本のものだけです。
Tailscale SSH(Tailscaleのログインを使ってSSHで機器に入る機能)は、Personalでは基本の機能を5台まで使えます。上位のPremiumには、必要なときだけ一時的に権限を渡す機能や、SSHの高度な機能が入っています。
非商用の利用に限られる
見落としやすいのがここです。FAQには、Personalプランは非商用の利用のためのプランと書かれています。あわせて、次のような扱いになっています。
- GmailやAppleのような誰でも取れるメールアドレスで作った環境は、自動的にPersonalになる
- 会社のドメイン(独自ドメイン)のメールアドレスで作った環境は、業務での利用として扱われる
- 独自ドメインでも、Tailscaleを個人の用途だけで使う人は無料プランを選べる
料金の上限に収まるかどうかと、規約の上でPersonalを使ってよいかどうかは、別の問題です。会社の仕事に使う機器をつなぐなら、人数が少なくても有料プランを前提に考えるのが筋です。

有料プラン(Standard・Premium・Enterprise)の違い
有料プランは3つです。それぞれ下のプランの機能をすべて含み、その上に機能が足されていく形になっています。
プラン | 料金 | 下のプランに足される主な機能 |
|---|---|---|
Standard | 月8ドル/ユーザー | SCIMによるユーザーとグループの自動登録、MDM(端末管理ツール)での設定配布、端末の状態(MDM・EDR等)を見て接続を許可する連携、詳しいユーザー権限。ACLグループは10、エフェメラルは月1,000分 |
Premium | 月18ドル/ユーザー | 必要なときだけ権限を渡すアクセス、SSHの高度な機能、通信の記録(ネットワークフローログ)、ログの外部送信、地域ごとの経路の制御。ACLグループは300、エフェメラルは月10,000分 |
Enterprise | 個別見積もり | 台数や上限の個別設定、導入時の技術支援、個別の契約書、請求書払い |
中小企業が最初に迷うのは、StandardとPremiumのどちらにするかです。私たちの考え方では、判断の分かれ目は「誰がどの機器に、いつ入ったかを記録として残す必要があるか」です。社員の入退社に合わせてアカウントを自動で出し入れしたいだけならStandardで足ります。監査やセキュリティの規程で通信の記録を求められている、あるいは管理者権限を常時持たせたくない、という要件があるならPremiumを検討します。
なお、2026年4月8日の告知では、自分で申し込めるプランにもSCIMや端末の状態の確認、ユーザー管理のAPI、Webhook(出来事が起きたときに外部へ通知する仕組み)を加えると説明されています。以前は上位プランでしか使えなかった機能が、Standardに降りてきたということです。
料金の数え方:「席」で課金されるときのルール
有料プランの料金は「席(シート)」の数で決まります。席の数え方を知らないと、思ったより請求が多くなることがあるので、FAQに書かれているルールを整理しておきます。
- 席が埋まるタイミング:その人が初めて管理画面にログインしたとき、または初めて端末を認証したときです。招待しただけの人や、承認待ちの人は席を使いません
- 空いている席にも料金がかかる:契約している席は、使っていなくても請求されます。使わない席は減らしておきます
- 席は同じ月のうちに使い回せる:退職した人の席を、同じ請求期間のうちに別の人が使っても、料金は1席分です
- 月の途中で席を増やすと日割り、減らすと翌月から反映:埋まっている席の数より少なくはできません
- 席が満杯のときに新しい人がログインすると、席が自動で1つ増える:増えた分の日割り料金は次の請求に載り、あとでその人を外しても、その超過分は取り消されません
- 端末を消しても席は空かない:席が空くのは、その人を環境から外したとき、またはID管理の側で利用停止にしたときです
最後の2つは、特に気をつけたい点です。退職者のPCを管理画面から消しただけで「片付いた」と思っていると、席は残ったまま請求が続きます。人を外すところまでを、退職時の手順に入れておくのが確実です。
2026年4月の料金改定で何が変わったか
Tailscaleの料金を調べて混乱する原因の多くは、2026年4月8日の料金改定です。公式ブログの告知(Pricing v4: more value, more simply)に書かれている変更点は次のとおりです。
- Personal Plusの廃止:有料だったPersonal Plusはなくなり、無料のPersonalが同じ6ユーザーまで使えるようになった
- StarterがStandardに改名:機能が足された上での改名と説明されている
- 使った量に応じた課金から、席の数での課金へ:会社向けのプランは、毎月の請求額を予測しやすい形に変わった
- 既存の有料プランは、少なくとも12か月は同じ価格で使える:移行は少なくとも1年は強制しないと書かれている。すぐに新しいプランへ移ることもできる
このため、改定前に書かれた記事やまとめサイトには、「Starter 1アクティブユーザーあたり月6ドル」「Personal Plus 月5ドル」といった古い数字が残っています。料金を調べるときは、プラン名に「Standard」があるかどうかで、改定後の情報かを見分けられます。「Starter」や「Personal Plus」が載っていたら、改定前の情報です。
もう1つ、FAQには「レガシープラン(旧プラン)から新しいプランへの移行は一方通行」とあります。旧プランの条件のほうが自分に合っているなら、急いで切り替えずに、新旧の条件を見比べてから決めてください。
会社のメールアドレスで登録すると14日間の試用が始まる
私たちがTailscaleを入れたのは2026年7月です。外出先のMacから事務所のMac miniにつなぐのが目的でした。そのとき、会社のドメインのメールアドレスで登録したところ、自動的に14日間の試用(トライアル)が始まり、管理画面に残り日数が表示されました。無料で使うつもりだったので、有料プランに入ってしまったのかと一瞬焦りました。
今の料金ページでは、独自ドメインで作った環境は「14日間のEnterpriseトライアル」から始まり、その間はユーザー数・端末数・使用量の上限がないと書かれています。カード情報を登録していなければ、試用が終わっても自動で課金されることはありません。私たちの場合も、課金は発生していません。
試用の期間が終わったあとにプランを選ばずにいると、FAQによれば次の状態になります。
- すでにつながっているユーザーと端末は、そのまま動き続ける
- 新しいユーザーや端末は有効にできず、承認待ちのものも止まる
- 新しい認証キーが作れず、一部の設定が変更できなくなる
- ユーザーや端末の削除、アプリの更新、セキュリティに関わる変更はできる
「今日つないだ機器はちゃんと動いているから大丈夫」と思っていても、2週間後に新しい機器を足そうとしたときに止まる、ということです。サーバーを後から追加する予定があるなら、試用の間にプランを決めておくほうが、作業の途中で止まらずに済みます。
導入の手順そのもの(Macへの入れ方、ヘッドレスのサーバーを手元のブラウザで承認する方法、別々の環境に入ってしまった失敗)は、次の記事で実際の画面の流れに沿って書いています。
私たちの構成で見積もるといくらになるか
ここからは、私たちの構成を例に、実際にいくらになるかを計算します。構成は次の3台です。
- 事務所のMac mini(常時動いていて、AIの定期実行ジョブを1日に何十本も回している)
- 持ち歩くMacBook Air(普段の作業機。ここからMac miniにSSHでつなぐ)
- iPhone(外出先で、Mac miniが止まっていないかを確かめる)
3台とも、ログインしているのは田嶋1人です。Mac miniもタグ付きのサーバーではなく、田嶋のアカウントの端末として参加させています。この構成を料金のルールに当てはめると、こうなります。
見る項目 | 私たちの構成 | 料金への影響 |
|---|---|---|
ユーザー(席) | 1人 | Personalなら無料、Standardなら1席分 |
ユーザー端末 | 3台 | どのプランでも無料・台数無制限 |
タグ付きリソース | 0台 | かからない |
エフェメラル | 使っていない | かからない |
用途 | 会社の業務 | 非商用のPersonalの条件には当てはまらない |
人数と台数だけを見れば、私たちの構成はPersonalの上限に余裕で収まります。ただ、Mac miniが回しているのは会社の記事の作成や集計の仕事で、用途ははっきり業務です。この記事を書くにあたってFAQを読み直し、規約に照らすとStandardの1席=月8ドルで見積もるのが正しい、と確認しました。仮に1ドル150円で計算すると月1,200円ほどです(為替と税で変わります)。
1人で業務に使う場合、Tailscaleの費用は「人数×月8ドル」でほぼ決まり、つなぐ端末を何台増やしても変わりません。社員5人がそれぞれのPCとスマホから社内のサーバーにつなぐなら、5席で月40ドルです。端末の台数で課金される仕組みのサービスと比べるときは、この数え方の違いを揃えてから比べてください。
サーバーをTailscaleでつなぐ前提として、そもそも外からつなぐ必要が出てきた経緯は、Mac miniを自動化サーバーにした記事にまとめています。
どのプランを選べばよいか:3つの質問で決める
ここまでの内容を、プランを決めるための質問にまとめます。上から順に答えていけば、選ぶプランが決まります。
- 会社の業務で使うか:使わない(個人・家族の用途だけ)なら、6人まではPersonalで無料です。業務で使うなら次へ
- 通信の記録や、一時的な権限の受け渡しが必要か:必要なら、Premium(月18ドル/ユーザー)を検討します。不要なら次へ
- 請求書払いや個別の契約書が必要か、台数の上限を個別に決めたいか:必要ならEnterpriseに問い合わせます。不要ならStandard(月8ドル/ユーザー)で始めます

迷ったときは、Standardで始めてから上げるほうが無駄がありません。席は月の途中で増やせば日割りになり、減らす操作は翌月の請求から反映されます。最初から上のプランを契約すると、使わない機能の分まで毎月払い続けることになります。
Tailscaleの料金でよくある質問
無料のままで、端末は何台までつなげますか
人が持つ端末(ユーザー端末)は、Personalを含むどのプランでも台数無制限です。サーバーなどタグを付けた機器は、Personalでは50台まで含まれます。個人で使う範囲なら、台数で止まることはまずありません。
試用期間が終わると、自動で課金されますか
カード情報を登録していなければ、自動で課金はされません。ただし、試用が終わったあとにプランを選ばないと、新しい端末やユーザーを追加できなくなります。私たちは2026年7月に会社のメールアドレスで登録し、14日間の試用が始まりましたが、課金は発生していません。
日本円だといくらですか
料金は米ドル建てで、2026年10月20日時点でStandardは1ユーザーあたり月8ドル、Premiumは月18ドルです。円での金額はカード会社の為替レートと税の扱いで変わります。目安として1ドル150円なら、Standardは1人あたり月1,200円ほど、Premiumは月2,700円ほどです。
年払いにすると安くなりますか
2026年10月20日時点の公式の料金ページには、StandardとPremiumの年払いの割引は表示されていません。Enterpriseは個別の見積もりで、請求書払いにも対応しています。
Personal Plusを契約しています。どうすればよいですか
Personal Plusは2026年4月8日の改定で旧プランになりました。FAQによると、今のまま使い続けることも、無料のPersonalに移ることもできます。無料のPersonalも6ユーザーまで使えるので、Personal Plusを選んでいた理由がユーザー数だけなら、無料に移って差し支えないはずです。ただし、旧プランから新プランへの移行は一方通行なので、移る前に条件を見比べてください。
WireGuardやCloudflare Tunnelなら無料なのでは
WireGuard(Tailscaleの土台になっている通信の仕組み)を自分で設定すれば、ソフトウェアの費用はかかりません。ただ、鍵の配布やルーターの設定を自分で管理する手間がかかり、回線によっては外からつなげないこともあります。私たちが導入時に4つの方法を比べた内容は、先ほどの使い方の記事に書いています。業務で使う場合、月8ドルは「その手間とつまずきを買う値段」と考えると判断しやすくなります。
外からつなげるようにしたあと、Mac miniが意図せず外から見える状態になっていないかを実際に確かめた記録もあります。料金とあわせて、安全面の確認も済ませておくと安心です。
まとめ:Tailscaleの料金は「人数」と「用途」で決まる
- Tailscaleの料金は、2026年10月20日時点でPersonal(無料・6ユーザーまで)、Standard(月8ドル/ユーザー)、Premium(月18ドル/ユーザー)、Enterprise(個別見積もり)の4つ
- 料金は席(ユーザー)の数でかかり、人が持つ端末はどのプランでも台数無制限
- 無料のPersonalは非商用の利用のためのプラン。会社の業務で使うなら、人数が少なくてもStandard以上で考える
- 2026年4月8日の改定で、StarterはStandardに、Personal Plusは廃止された。「Starter 月6ドル」「Personal Plus 月5ドル」は古い情報
- 会社のドメインで登録すると14日間の試用が始まる。カード未登録なら自動課金はないが、終了後は新しい端末を追加できなくなる
- 席は、端末を消しただけでは空かない。退職時は人を外すところまでやる
私たちの構成(1人・3台・業務用途)なら、規約に沿った見積もりはStandardの1席、月8ドルです。端末をいくら足しても変わらないので、Mac miniやサーバーを増やしていく使い方とは相性のよい料金体系だと考えています。株式会社Fyveでは、こうした道具の選び方や費用の見積もりも含めて、AIを業務に取り入れる環境づくりを手伝っています。
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