canvas-design Claude skillとは|ポスターを作る使い方
「お店に貼るポスターを作りたいけれど、デザインを頼むほどでもない」「AIに作らせると、どれも似たようなチラシになる」——そんな場面で、canvas-design というスキルの名前を目にした方も多いと思います。
結論から言うと、canvas-design は、ポスターや一枚絵のような「静止した1枚」を、芸術作品のような見た目で作るClaude Codeの公式スキルです。私が架空の会社の新商品ポスターを頼んだところ、約1分40秒でA3・300dpiのPDFとPNGが出てきました。ただし、日付や連絡先を読ませたい販促物では、そのままでは足りない場面もありました。
株式会社Fyveは、Claude Codeのスキルを1本ずつ実際に入れて試し、うまくいった点もいかなかった点も記録しています。この記事では、canvas-design の使い道、入れ方、頼み方、試した結果、スキルなしとの違い、安全面の確認、向かない場面を順に書きます。
canvas-design Claude skillとは|ポスターや一枚絵を「作品」として作るスキル
canvas-design は、Anthropicが公開しているスキル集(anthropics/skills)に入っている1本です。説明文には「ポスターや一枚絵などの静止したデザインを、PNGまたはPDFで作る」とあります。
作り方に特徴があります。スキルの指示書(SKILL.md)は、作業を2段階に分けています。
- 1段階目:いきなり描かず、まず「デザインの考え方(美学の宣言文)」を4〜6段落で書く。「Brutalist Joy」のような短い名前を付ける
- 2段階目:その考え方に沿って、1枚のキャンバスに絵と文字を組む
さらに指示書は「絵が9割、文字が1割」「文字は最小限」「人の手で何時間もかけたように見せる」といった方向を強く求めています。一般的なチラシのように、情報を詰め込む作りは想定していません。
GitHubのリポジトリ(anthropics/skills)のスター数は182,538、スキル本体を含む最新のコミットは2026年10月9日です(いずれも2026年10月21日時点。スター数はGitHubのAPIで確認)。canvas-design の指示書とライセンスは、リポジトリ内の skills/canvas-design にあります。
どんな仕事に使えるか
向いているのは、「見る人の目を引く、1枚の絵」が主役になる場面です。
- 店頭・イベントのポスター:新商品の告知、季節のお知らせなど。文字より雰囲気で見せたいもの
- SNSやサイトの飾りになる一枚絵:記事の扉絵、ブランドの世界観を示す画像
- 社内の掲示物:スローガンやイベントの告知を、少し洒落た見た目にしたいとき
- 複数枚のシリーズ:指示書に「追加のページを頼まれたら、同じ考え方でありつつ少しずつ違う絵にする」という項目があります(今回は試していません)
一方、価格・日付・連絡先などを大きく確実に読ませたい販促物は、頼み方に工夫が要ります。この点は、試した結果で詳しく書きます。

入れ方(READMEの手順)
READMEに書かれているClaude Code向けの手順は、次のとおりです。
/plugin marketplace add anthropics/skillsで、このリポジトリをプラグインの配布元として登録する- 「Browse and install plugins」から
example-skillsを選んで入れる。コマンドで入れる場合は/plugin install example-skills@anthropic-agent-skills
リポジトリの .claude-plugin/marketplace.json を見ると、canvas-design は example-skills に含まれていました(document-skills のほうには入っていません)。入れたあとは、スキルの名前を出して頼めば使えるとREADMEに書かれています。
今回の試験では、普段の環境を汚さないよう、skills/canvas-design のフォルダを試験用フォルダの .claude/skills/canvas-design/ にコピーして使いました。プラグインとして入れる方法は試していません。
必要なものについても書いておきます。このスキル自体には、実行するプログラムは付いていません(指示書とフォントのファイルだけです)。絵はClaude Codeが、その場でPythonなどのプログラムを書いて描きます。今回のClaudeは、画像ライブラリのPillowを使いました。私のMacにはPillowが入っていたため、追加の導入は不要でした。入っていない環境では、Claudeが導入を試みるか、止まるかのどちらかになると思いますが、この点は確かめていません。
Claude Codeにこう頼む
READMEには「スキルの名前を出して頼めばよい」とあります。今回は、スキル名を一度も言わずに、次のように頼みました。
work/company.md に会社の情報があります。新商品のダイニングチェア(2026年11月発売予定)のお店に貼る告知ポスターを作ってください。A3縦で印刷できるもの(PDFかPNG)にして、完成したら work/ に置いてください。
実行記録の最初の動きが canvas-design スキルの呼び出しで、1回目の依頼で発動しました。「ポスター」という言葉に反応して呼ばれたようです。
頼む側が決めたのは、会社の情報(架空の会社の設定ファイル)、用途(店に貼る告知)、サイズ(A3縦)、置き場所だけです。色も構図も、何を大きく見せるかも、Claudeが決めました。
試した結果|架空の会社のダイニングチェア告知ポスターを作った
試したのは、架空の会社(手作り家具を売る従業員12名の会社)の、新商品ダイニングチェアの告知ポスターです。使ったのは、会社の概要をまとめた1つのファイル(商品の価格や発売予定月が書いてあります)。使ったモデルはSonnetです。
できあがったもの
98秒(約1分40秒)、10ターン、実行記録上の費用は約0.25ドルで、次の3つのファイルができました。
- A3縦のPDFとPNG(PNGは3508×4961ピクセル、300dpi)
- 「デザインの考え方」を書いたmdファイル(印刷には使わない)

Claudeが付けた考え方の名前は「年輪図譜(Annual Ring Atlas)」でした。木の年輪を細い線で描いた円盤の上に、椅子の側面のシルエットを置いた構図です。円盤の外周は時計の文字盤になっていて、「11」の目盛りと年輪の1本だけが赤茶色です。これは「11月発売」をさりげなく示す仕掛けだと、Claudeが説明してくれました。スキルの指示書にある「題材は、知っている人だけが気づく控えめな引用として織り込む」という方針に沿った動きです。
色は、生成り・焦げ茶・赤茶の3色だけです。載せた情報は、商品名、2026年11月発売予定、価格36,000円(税込)、座面がファブリックか木から選べること、会社名でした。
正解と比べてどうだったか
- 情報は間違っていない。価格・発売月・座面の選択肢は、元の設定ファイルのとおりでした。電話番号やメールは載せていません(頼んでいないため。Claudeも「載せていない、必要なら足せる」と報告しています)
- 日本語の文字は崩れていない。見出しは明朝体で、はみ出しや重なりは、私が見た範囲ではありませんでした。Claude自身も、縮小したプレビューで確かめたと報告しています
- 椅子の絵は、実物とは別物。実際の商品の形は設定ファイルにないので、「それらしい」椅子です。背もたれの形が少し不自然だと私は感じました。実際の商品写真を使いたい場合は、頼み方を変える必要があります
- 「発売月」が小さい。見出しの「ダイニングチェア」が大きく、「2026年11月 発売予定」は小さめでした。店の入口から離れて見る販促物としては、いちばん読ませたい情報が控えめです。これはスキルの「文字は最小限」の方針が出た結果だと思います

2回目|「3m先から読めるように」と頼み直した
発売月が小さい点を、そのまま同じ会話で頼み直しました。
店の入口から3メートル離れて見る想定です。「2026年11月発売」がもっと遠くから読めるように大きくして、お問い合わせ先(company.md のダミーの電話とメール)も入れて、作り直してください。
61秒で、v2が出てきました。「2026年11月」が赤茶色で紙面でいちばん大きな文字になり、右下にお問い合わせ先が入りました。Claudeの報告では、発売月の文字の高さは実寸で約13mmから約40mmになったとのことです。年輪と椅子の絵は、文字の場所を空けるために小さくなっています。

ここで、Claudeは自分から「価格(約18mm)は3m先では読み取りにくい」「座面の説明と連絡先は手に取る距離で読む想定の小さな文字」と書いてきました。私が確かめたわけではありませんが、画像を見た印象とも合っています。つまり、頼み直せば直るが、「何を遠くから読ませたいか」は頼む側が先に言う必要があります。
うまくいかなかった点・気になった点
- PDFは、絵を貼っただけのもの。PDFの中身を調べたところ、300dpiの画像が1枚貼ってあるだけで、文字データは入っていませんでした。印刷には使えますが、文字の選択・検索はできず、極端に拡大するとぼやけます
- 日本語のフォントは同梱されていない。スキルに付いているフォント54ファイル(27書体)は、書体名を見る限りすべて英字用でした。日本語の部分は、Macに入っているヒラギノ(明朝・角ゴシック)をClaudeが探して使いました。ヒラギノが無いPCで同じ結果になるかは、試していません
- 作業用のファイルを、指定外の場所に置いた。絵を描くプログラムは、試験用フォルダの外(1つ上の階層)に作られました。作業の実害はありませんでしたが、会社のフォルダで使うときは、どこに何が増えたかを確認したほうがよいと思います
- 時間と費用は、スキルなしより少し多い。次の節で書きます

スキルなしとの違い
同じ依頼文を、canvas-design を入れていない別のフォルダでも、1回だけ実行しました(実行記録にスキルの呼び出しがないことを確認済み)。1回ずつの結果なので、毎回この差が出るとは限りません。

スキルなしの出来は、次のとおりです。
- 61秒、実行記録上の費用は約0.20ドル。PNGは1754×2482ピクセル(150dpi)
- 「ダイニングチェア 新登場」「2026年11月発売」が大きく、価格、座面の選択肢、会社名、電話とメールまで入った、売り場の告知らしい1枚
- キャッチコピー「手作りの木の家具から、毎日座りたくなる一脚。」をClaudeが自分で考えて入れた(報告にもその旨が書いてありました)
- PDFは、文字データが入った形式(フォントが埋め込まれている)でした

私の見立てでは、次のように分かれます。
- 目を引く「作品のような」1枚が欲しい:canvas-design のほうが向いています。余白の広さ、細い線の積み重ね、色数を絞った統一感は、スキルなしの出力にはない仕上がりでした。解像度(300dpi)も、大きい紙に刷るなら有利です
- 売り場で情報を伝えたい:スキルなしのほうが、最初から実用的でした。発売月も価格も連絡先も、頼んでいないのに入っていて、遠くからでも読める大きさです。ただし椅子の絵は、2脚が少し不自然な形で、こちらも商品の絵としては頼りないと感じました
- 時間と費用:canvas-design ありのほうが約1.6倍の時間(98秒と61秒)、約1.25倍の費用(約0.25ドルと約0.20ドル)でした。体感で気になる差ではありません
つまり、「ポスターを作る」だけならスキルなしでも作れます。canvas-design が効くのは、情報の分かりやすさより、見た目の格や雰囲気を優先したい場面です。情報を確実に伝えたいときは、頼み方で補うか、スキルなしのほうが近道になることがあります。
中身の安全確認|何を外に送り、何を実行するか
入れる前に、SKILL.md(約12KB)、LICENSE.txt、同梱のフォントのファイル一覧、READMEを読みました。
- 実行するプログラム:スキルには、スクリプトも、hooks(自動で動く仕組み)も、plugin.jsonによる追加の設定も入っていません。入っているのは、指示書、ライセンス、フォント(54ファイル)だけで、フォルダ全体で約5.5MBです。
allowed-tools(許可するツールの指定)もありません - 外部への送信:指示書に、データを外部へ送る指示はありません。ただし「必要なフォントはダウンロードして使ってよい」という趣旨の一文があります。Claudeが外部からフォントを取りに行く可能性は、指示書の上ではあります。今回の実行記録には、ダウンロードの操作はありませんでした(同梱の英字フォントと、Macのヒラギノだけで足りたためです)
- 認証情報:読む処理はありません
- ライセンス:skills/canvas-design のLICENSE.txtはApache License 2.0です。READMEも「このリポジトリのスキルの多くはApache 2.0」と書いています(同じリポジトリのdocx・pdf・pptx・xlsxは別で、ソースが見られるだけの扱いです)。同梱フォントには、フォントごとのライセンスファイル(OFL)が付いていました
私が読んだ範囲では、説明と違う動きは見つかりませんでした。ただし、リポジトリの更新は続いているので、入れる時点で最新の中身を確認することをおすすめします。READMEにも「デモと教育目的で提供。自分の環境で十分に試してから使うこと」と書かれています。
向かない場面
- 価格・日付・連絡先を、確実に大きく読ませたい販促物:「文字は最小限」の方針が働くので、頼み方で「◯◯を大きく」と指定しないと、小さく扱われることがあります
- 実際の商品を写した写真が必要な場面:今回の椅子は、Claudeが描いた「それらしい絵」でした。商品の正確な形は再現されません
- 印刷所への入稿データ:PDFは画像が1枚貼ってある形で、文字データがありません。入稿の仕様によっては使えない可能性があります(入稿規定は印刷所ごとに違います)
- 日本語フォントが無い環境:同梱のフォントは英字用です。日本語の部分はお使いのPCのフォント次第です(今回はMacで試しています)
- 説明図・グラフ・表:指示書の対象は「作品としての1枚」です。情報を整理して見せる図は、別の道具のほうが向いています
- 今すぐ数枚の案を並べたいとき:1枚の完成度を上げる作りで、案を何通りも出す用途の指示は書かれていません(試していません)
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Claude Code Skillsの使い方|業務をSkill化する実践手順
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画像生成AIで資料の1枚を作る方法との比較には、こちらが参考になります。
まとめ|入れる前のチェックリスト
- □ 作りたいのは「ポスター・一枚絵」で、見た目の格や雰囲気が大事な場面である
- □ 価格・日付・連絡先など、必ず読ませたい情報があるなら、頼むときに大きさや位置まで指定する
- □ 実際の商品の写真や正確な形は出ないと理解している
- □ PDFは画像が貼ってあるだけ(文字データなし)だと理解したうえで、印刷の仕様を確認する
- □ 日本語の文字は、お使いのPCのフォントで描かれる(Mac以外は未確認)
- □ 指示書は、外部からのフォント取得を許している。気になる場合は「フォントは同梱のものとPC内のものだけ」と頼む
- □ 作業用のファイルが指定外の場所にできていないか、終わったあとに確認する
- □ 入れる時点の最新の中身を、一度読んでおく
- □ 情報を確実に伝えたいだけなら、スキルなしの依頼でも足りることがある
試験の日付と数字は、2026年10月21日時点のものです。スキルは更新が続くため、結果が変わる可能性があります。
「デザイン・販促物を作る」のスキルは、ほかに2本を同じ架空の会社の材料で試しています。
仕事でAIを使う人が「絶対に」知っておくべき Claude Codeスキル TOP10

31本を実際に入れて、スキルなしと比べた結果つき(全28ページ)
スキルを入れても、Claude が急に賢くなるわけではありませんでした。31本を架空の会社の仕事で試し、同じ依頼をスキルなしでも検証して比べたうえで、導入する価値があった10本を仕事別にまとめています。
- 文章・スライド・図・数字・調べもの・契約書など、仕事別の10本
- 1本ごとに、スキルなしと比べた時間・費用・出来
- 実物の画面と、Claude Code にそのまま貼れる頼み方
- 外した5本の理由と、入れる前に確かめる4つのこと
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