Date
2026/05/18
Category
HP制作
Title
「先に作って送る」Web制作営業|2026年中小事業者の獲得法
Web制作の新規開拓が、2026年に入って明確に別物になりました。中小事業者(ローカル店舗・士業・職人系)向けの案件を取りに行く側のフリーランス・代理店・制作会社にとって、いま起きている変化は「営業手法の改善」ではなく「営業の構造」自体の入れ替わりです。
結論から書くと、勝ち筋は「先に完成品(ライブモック+短尺動画)を作って送る」型に寄っています。私自身、ココナラ卒業のタイミングで次の獲得チャネルを組み直している最中で、このプレイは検証する価値が大きいと判断しました。本記事ではその全体像と、日本市場でどうカスタムすべきかを実務目線で解説します。
具体的には、ある米国の制作者が公開した「1週末で$4,200(約63万円)+月額$900のMRRを取った実例」を分解しつつ、私のEC運用代行・中小事業者支援・ココナラ離脱の経験に照らして、日本のWeb制作営業にどう移植できるかを書いていきます。
これまでの中小事業者向けWeb営業は、テンプレ的に同じ流れでした。リスト作成→コールドメール or 飛び込み→「ホームページ作りませんか」→打ち合わせ→ヒアリング→提案→見積→受注。返信率は私の体感で1〜2%、成約まで届くのはさらにその数%です。
うまくいかなかった本質は、相手に3段階の意思決定を求めていたことにあります。
この3つを同時に決められる中小事業者は、ほとんどいません。多くは「いま忙しいから後で」と先送りされ、そのまま忘れられて終わります。
私はかつてカー用品EC事業者のオウンドメディア運用代行を担当し、SEO記事をAIで週3本ペースで回す体制を構築しました。当時から薄々感じていたのですが、中小事業者は「Webで何ができるのか」「いくら払えば何が手に入るのか」のイメージが湧かないまま発注判断を求められると、合理的に「動かない」を選びます。
意思決定を1段階に潰す方法はずっと模索されてきましたが、AIツール群が成熟した2026年中盤、ようやく現実解が出てきました。
新しい型はシンプルです。狙う事業者のサイトを事前にライブで作って、動画と一緒に送る。それだけです。相手が判断するのは「このサイト買いますか?」だけ。3段階あった意思決定が1段階に潰れます。
このプレイを公開しているのは@shmidtqq氏のXポスト(Claude + Google Maps + Lovable + Higgsfieldの組み合わせ)で、報告されている数字は以下の通りです。
1週末リード35件で返信4〜6件は、従来のコールドメールでは到達不可能な水準です。「先に作る」が刺さるのは、相手が想像で判断する余地をゼロにしているからです。

同じやり方を1年前にやろうとすると、たとえばモック1本作るのに半日かかり、動画編集には別途エディターが必要でした。35件のリードから6〜10件ピックして実装するなんて週末では到底回りません。それが2026年5月時点で、以下の理由で「現実的な工数」に収まるようになりました。
Lovableは生成AIでWebアプリ・LPを構築し、そのまま実URL(xxx.lovable.app等)で配信してくれるサービスです。コードを書かずに「歯科医院のサイトを5ページ作って」と頼むだけで、5分以内に「実際にアクセスできるサイト」が手に入ります。
これが「営業武器」になる理由は明確で、相手は完成品をブラウザで触れるからです。Figmaのスクショやスライドモックでは届かない「これ本当にうちのサイトじゃん」という感覚が出せます。
モックのスクショ3〜5枚を入れれば、シネマティックな縦動画(9:16)が数分で生成できます。Higgsfield・Veo・Sora あたりが代表格で、私もFyveのLP制作で動画素材生成に使っています。
なぜ縦動画かというと、横動画(16:9)は受信側に「広告」と認識されるからです。9:16はInstagram Reels・TikTok・YouTube Shortsで見慣れたフォーマットで、SNS慣れしている層には「個人からの動画メッセージ」として届きます。
35件分の「業者診断+サイトブリーフ+コールドDM文面」を1プロンプトで生成できるようになりました。実際に私はClaude Codeを3年以上毎日使っていますが、複数案件の前さばきを並列でやらせる用途は、いまもっとも費用対効果が高い使い方の1つです。
注意すべきは、この型がそのまま使えるのは長くて2026年いっぱい、現実的には半年〜9ヶ月と見るべき点です。理由は2つあります。
「いつかやろう」では機会損失します。動くなら今です。
Google Mapsで業種×エリアを狭く絞ったクエリで検索します。たとえば「西ボルダーの審美歯科」のレベルです。日本なら「博多区 審美歯科」「天神 行政書士 相続」「久留米 ハウスクリーニング」のように、エリアと業種を組み合わせます。
上位3件は除外します。代理店がすでに付いていて、Webサイトが現代的で、新規制作の余地がほぼないからです。狙うのはその下のゾーン、具体的には次の条件を満たす事業者です。
これを35件リストアップします。手作業でやると2時間以上かかりますが、ClaudeにGoogle Maps MCPを噛ませれば30分で済みます。
1プロンプトで以下の3点セットを35件分生成します。
このとき重要なのは、DM文面にAIツール名を一切出さないことです。「Claudeで作りました」「LovableというAIツールで」とは絶対に書かない。書いた瞬間に「AI生成の量産メッセージ」と判定されて、信用が一気にゼロになります。あくまで「あなたのお店のために手作業で作りました」というトーンを維持します。
35件全部は作りません。診断の質と「刺さりそう感」で6〜10件にピックします。理由はシンプルで、35件全部作ると工数がかかりすぎてROIが合わないからです。
Lovableで「○○歯科医院の審美治療特化サイト、5ページ構成、トーンは清潔感+信頼感」と指示すれば、5分でライブURLが立ち上がります。電話番号や住所はその事業者の実情報を入れます(Mapsから取得できます)。屋号も実物を入れる。これで「自分のサイトだ」感が最大化します。
モックのスクショ3〜5枚を入力に、9:16のシネマティック動画を生成します。10秒程度で十分です。文字を入れるなら冒頭2秒に「○○様のサイト案」程度、残りはモックの遷移・スクロール演出だけで成立します。
注意点は2つあります。1つ目は横動画(16:9)にしないこと。横動画は「広告」「業者の売り込み」と認識されて開封率が落ちます。2つ目はテンプレ感を出さないこと。動画の冒頭2秒で「他の店舗にも送っている量産メッセージ」と気付かれた瞬間、視聴は止まります。
送信文面は「Googleプロフィールを拝見してモックを作りました。動画10秒+プレビューURLをお送りします」程度のシンプルさで十分です。長文の自己紹介や実績アピールは不要です。
送るチャネルは業種別に変えます。元のプレイブックでは以下のように整理されていました。
日本で同じ配分にはなりません。日本市場のカスタムは後述します。


米国の数字($4,200 + $900/月)をそのまま日本に持ち込もうとすると、3つの点で詰まります。私は中小事業者(ビルメンテナンス業、動画コンテンツ事業者、複数のクリニック・士業・職人系)を支援してきた実感として、以下のカスタムが必要だと考えています。
$4,200(約63万円)のセットアップは、中小事業者の感覚では「Webサイトに払う限界」を超えています。HP制作の費用相場の記事でも触れていますが、地方の中小事業者がHPに払う実勢は20〜50万円、月額保守は1〜2万円が主戦場です。
このプレイで狙うなら、セットアップ20〜40万円+月額1.5〜3万円のレンジに合わせるのが現実的です。1案件あたりのLTV(生涯価値)が下がる分、リードソースを増やして件数で稼ぐ構造になります。
日本の中小事業者は、米国と比較して以下の差があります。
つまり日本では、LINE・Instagram DM・郵送DM(物理手紙)の3チャネルを基本にすべきです。とくに郵送DMは、AI時代だからこそ「物理で届く」というだけで開封率が高くなる傾向があります。Fyveの小規模案件向け施策でも、天神周辺の新規オープン店舗に対しては手紙ベースの営業を検証しています。
米国版の「レビュー40件未満」基準は、日本でそのまま使えません。日本はGoogleレビュー文化が薄い業種(士業・建設・製造系等)が多く、レビュー数=活動量とは限りません。私が見ている範囲では、優良な中小事業者でもレビュー10件未満が普通にあります。
代わりに、以下の指標を組み合わせて判定します。
元プレイブックの「AIツール名をDMに出すな」というルールは、日本でも同じです。むしろ日本のほうが「AI生成感」への警戒は強い印象です。
一方で、こうしたメディア記事や提案資料の中では、AIツール名は普通に出して問題ありません。読者が「AI前提で読んでいる」場と、「人からの直接メッセージとして受け取る」場では文脈が違います。

このプレイは「やってみたら全然刺さらなかった」になる失敗例も多いです。元プレイブックに整理されていた5パターンは、日本でもそのまま当てはまります。
事業者の実情を見ずに「歯科医院ならこんなサイト」とテンプレ的に作ると、汎用感が出てしまい刺さりません。少なくとも各事業者のGoogleプロフィールを5分眺めて、強み(専門分野・受賞歴・地域貢献等)を1つ拾ってからモックに反映します。
「ClaudeとLovableで作りました」と書いた瞬間に信用ゼロです。完成品の質が同じでも、AI言及があると受信側は「業者の量産営業」と判定します。
診断50字とサイトブリーフ100字を個別生成しているのは、まさにこの「同じ文面感」を消すためです。文面まで同じにしてしまうと、Claude一括生成の意味が消えます。
横動画は「広告」「業者のプロモ」と分類されて開封率が落ちます。縦動画(9:16)は個人からのDM動画と認識される確率が高いです。
返信が来た後の流れも重要です。「ありがとうございます、見積お送りします」と一度メールに引き戻すと、相手の温度が冷めて返信が途絶えます。元プレイブックの実例では、火曜21:47に送信→90秒で返信→火曜中にZoom15分→その場で見積提示+即決まで持っていっています。返信が来た瞬間にZoom or 電話に切り替え、その場で見積を出すのが鉄則です。
私はeBay越境EC(カメラ用品輸出)とカー用品ECオウンドメディア運用代行を経験しています。ECで身に染みているのは、「顧客は完成品しか評価できない」という事実です。商品ページに「これを買うとどう変わるか」を文章で書いても刺さらず、商品写真と動画を入れた瞬間に転換率が跳ねます。
Web制作営業も同じ構造です。「ホームページがあれば集客できますよ」という説明型の営業は、相手の頭の中で映像化されません。完成品(ライブモック+動画)を送ると、初めて「これがあると自分のお店がこう変わる」が映像化されます。
もう1つ、私は2026年5月にココナラを卒業しました。判断理由は運営制限と27%の手数料、そして「次の獲得チャネルをプラットフォーム外で作る必要がある」と判断したからです。プラットフォーム経由ではない新規開拓を組み直すタイミングで、この「先に作って送る型」は、まさに私が次に検証する候補の筆頭になっています。
同じようにプラットフォーム卒業や自社直接受注への切り替えを考えているWeb制作者・代理店・フリーランスにとって、このプレイは「待ち」から「攻め」への切り替えの選択肢になります。
明日からすぐ動けるように、最低限の土台を整理します。
初回は1週末で35件リスト+6〜10件モック+動画+送信まで、慣れていないと10〜15時間かかります。2回目以降は5〜6時間に短縮できます。初回は「投資」と割り切る覚悟がないと、途中で失速します。
最低限必要なのは以下です。
合計月額1.5〜2万円程度で全部揃います。1案件取れれば即回収できる構造です。
返信が来てからZoomで見積即決まで持っていくには、見積テンプレと契約書テンプレを事前に用意しておく必要があります。返信が来てから「見積どうしよう」と考え始めると、温度が落ちます。
料金体系も事前に2〜3パターン(セットアップ単発・月額保守付き・サブスク型)固定しておき、Zoom中に選んでもらう形にします。
2026年の中小事業者向けWeb制作営業は、「先に完成品を作って送る」型に明確にシフトしています。AIツール群(Claude・Lovable・Higgsfield等)の成熟によって、1年前は1週間+専門スキルが必要だった工数が、いま週末1回40分前後の作業まで圧縮されました。
米国の事例では1週末で$4,200(約63万円)+月額$900のMRRが報告されていますが、日本でやるなら以下のカスタムが必要です。
そしてもっとも重要なのは、この機会窓が半年〜9ヶ月で閉じるということです。他のプレイヤーが同じ手法を使い始め、受信側がAI生成コールドメッセージに慣れてしまうと、いま報告されている返信率12〜18%は維持できなくなります。
私自身、ココナラ卒業のタイミングでこのプレイの検証を始めています。同じく「次の獲得チャネルをどう作るか」を考えているWeb制作者・代理店・フリーランスにとって、この型は「待ち」から「攻め」への切り替えの選択肢になるはずです。動くなら今です。
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