画面録画→HeyGenアバター動画自動生成|Hermes Agent公式事例
画面録画から、HeyGenのアバター付き解説動画を自律生成する——これはNous Researchが公式 user stories で公開しているHermes Agentの活用事例のひとつです。録画ファイルを渡すだけで、AIエージェントが映像と音声を解析し、HeyGen APIで生成した「アバターが代わりに喋る」チュートリアル動画を出力します。本記事では、株式会社FyveがこのフローをSaaSオンボーディング動画や社内研修動画に転用する観点で分解します。以降は「私」「私たち」として、Fyve法人の実務目線でこの事例を読み解きます。
事例の概要:画面録画から HeyGenアバター動画まで
事例の核を3点で整理します。
- 誰: Nous Research(Hermes Agent開発元の公式 use case として掲載)
- いつ: 2026年4月15日に公式ドキュメントの user stories に追加
- 何: 画面録画ファイルをHermes Agentが解析し、HeyGen APIでアバター付きの解説動画を自律生成する
従来、チュートリアル動画を作る作業は「画面を録画する→音声を吹き替える→編集する→公開する」という工程を、人間が逐次でこなしていました。この事例では、その後半部分——音声・編集・公開準備——をHermes Agentに肩代わりさせています。録画ファイルさえあれば、エージェントが文脈を読み取り、HeyGenのアバターに喋らせる原稿を組み立て、最終的な動画ファイルを書き出す流れです。
出典は Nous Research 公式の User Stories & Use Cases ページです。Hermes Agentが「実際に動いている用途」として公式が掲示している事例なので、コミュニティの個別実験ではなく、開発元が公認する代表的なユースケースという位置づけになります。

仕組み解説:映像解析と HeyGen API 連携の中身
このパイプラインがどう動いているかを、Hermes Agentの構成要素から逆算して解説します。Hermes Agentは70以上のビルトインツールに加え、MCP(Model Context Protocol)経由で外部APIに接続できる設計です。動画ワークフローでは、おおむね次の4ステップが走っていると考えられます。
ステップ1:画面録画ファイルの取り込みと前処理。エージェントが録画ファイル(mp4/mov)を受け取り、フレーム抽出と音声トラックの分離を行います。「画面上で何が起きているか」を時系列で記述するシーン分割もこの段階で実行します。
ステップ2:マルチモーダルLLMによる意図抽出。Hermes Agentは25以上のLLMプロバイダに接続可能で、64,000トークン以上のコンテキストを持つモデルを使う設計です。フレーム列と音声書き起こしを合わせて入力し、「このチュートリアルは何を教えているのか」を構造化した中間表現に落とし込みます。
ステップ3:HeyGen API へのスクリプト送信。HeyGenはテキストスクリプトとアバター指定を渡すと、合成音声付きの動画ファイルを返すAPIサービスです。Hermes Agentはステップ2で生成した原稿をHeyGen APIに送り、ジョブを発行します。
ステップ4:合成結果の受け取りと公開準備。HeyGen側で生成が完了するとエージェントが動画をダウンロードし、元の画面録画とアバター映像を合成して仕上げます。必要に応じてYouTubeやVimeoへのアップロードまで自律的に進めます。
この流れがターミナルにファイルを置く一回の指示で完結する、というのが公式が掲示している価値です。サブエージェント機構による並列処理が前提なので、複数の動画を同時に処理することも可能です。
私たちの解釈:「録画したあとの全工程が消える」価値
株式会社Fyveは中小企業向けのAI業務効率化を主業務にしていますが、この事例を私たちの視点で読み解くと、ポイントは3つに集約されます。
第一に、ここで自動化されているのは「動画編集」ではなく「動画化以降の全工程」です。 画面録画は人間がしますが、そのあとの「解説原稿を書く」「ナレーションを撮る」「噛んだら撮り直す」「BGMを乗せる」「字幕を入れる」「サムネイルを作る」という工程がまるごと消えます。Fyveでも社内のオペレーションを動画化しようとして、最後の編集作業で頓挫した経験が何度かあります。録画自体は5分で終わっても、それを公開可能な品質に仕上げるのに丸一日かかる、というギャップを埋めるのがこの事例の本質です。
第二に、HeyGenを採用しているのは「人の顔出しをエージェントが代行できる」からです。 中小企業の現場では、社内研修動画を撮るときに「経営者が顔出しで喋る」ことが心理的ハードルになります。出張・出社・撮り直しのスケジューリングで何週間も止まる事例を、私たちも複数見てきました。HeyGenのアバターを介在させると、原稿だけ用意すれば「同じ顔の人が一貫したトーンで喋る」状態を維持できます。これは1本の動画を作る話ではなく、「同じ品質の動画を100本量産する」運用に直結する設計判断です。

第三に、これが「公式 use case」に掲載されている意味は重いです。 Hermes Agentの公式ドキュメントが多数のコミュニティ事例の中からこのパターンを user stories に採録しているのは、再現性が高く、応用範囲が広いと開発元が判断したシグナルです。SNS投稿自動化のような派手な事例ではなく、社内ナレッジ動画化という地味で堅実な領域が公認されているのは、Hermes Agentがビジネス用途で評価され始めている証拠だと私たちは見ています。
実務落とし込み:SaaSチュートリアルと社内研修動画への転用
この公式パターンを、私たちが実務で支援する中小企業のシナリオに転用するとどうなるか。具体例を3つ挙げます。
1. SaaSのオンボーディング動画を量産する
BtoB SaaSを運営している企業では、機能ごとのチュートリアル動画が常に不足します。新機能をリリースするたびに動画を作り直す必要がありますが、社内に専属の動画編集者がいないケースがほとんどです。
このパイプラインを使えば、開発者やプロダクトマネージャーが「機能を実際に操作している画面録画」を撮るだけで、解説アバター付きの公開可能な動画が自動生成されます。週次のリリースサイクルに動画制作を組み込めるようになり、ヘルプセンターやサポート動画のカバレッジが一気に上がります。
2. 社内研修・SOP動画を継続的に更新する
中小企業の現場で最も多いのが、「業務マニュアルが古いまま放置されている」問題です。動画SOP(標準作業手順書)を作りたいが、撮影・編集の手間で1度作って終わりになりがちです。
画面録画さえあればアバター動画が出力されるなら、業務手順が変わるたびに10分で更新版を生成できます。「経営者が登壇しなくても、一貫した品質で社員向け動画が回り続ける」状態は、属人化解消の有効な打ち手になります。
3. 顧客サポートのFAQ動画化
カスタマーサポートで頻出する質問への返信動画も、このパターンの応用範囲です。サポート担当者が操作画面を録画し、エージェントが「この質問に対する標準回答」をスクリプト化、HeyGenでアバター動画として出力する。同じ説明を文字で送るより、動画リンクで返したほうが解決率が上がる質問は実務上たくさんあります。

共通するのは、「動画を作るために特別な工数を確保しなくていい」という時間設計です。録画は業務の副産物として発生させ、編集はエージェントに任せる——この使い方ができれば、動画コンテンツは「プロジェクト」から「業務フロー」に降りていきます。
関連事例
Hermes Agentによるコンテンツ自動生成という観点では、他にも公式リファレンス実装が存在します。立体的に理解するために、合わせて参照すると把握しやすい事例を紹介します。
autonovel は Hermes Agent が79,456語の英語小説を世界構築から組版まで完全自律で生成した、公式リファレンス実装です。映像と文章という違いはありますが、「コンテンツの後工程をエージェントに任せる」という思想は同じです。
長期運用の現実感を掴むには、@NathanWilbanks_ の297日連続運用事例が参考になります。コンテンツ生成パイプラインを継続稼働させると何が起きるかが見えてきます。
育つAIの基盤を理解するには、3層メモリの記事から入ると全体像がつながります。
まとめ
- Nous Research の公式 user stories に掲載されている、画面録画→HeyGen アバター動画の自律生成パイプラインを解説した
- パイプラインは「録画取り込み→マルチモーダル解析→HeyGen API連携→公開準備」の4ステップで構成される
- 自動化されているのは動画編集ではなく、録画以降の全工程(原稿・ナレーション・編集・サムネ生成)である
- HeyGenのアバターを介在させることで、撮影スケジュールに依存せず同一品質の動画を量産できる
- 実務応用としてSaaSオンボーディング・社内研修・顧客サポートFAQの3シナリオが現実的に組める
- 公式 use case として採録されている点が、ビジネス用途での再現性の高さを示している
株式会社Fyveでは、Hermes Agent をはじめとする自律エージェントを中小企業の業務フローに組み込む支援を行っています。動画コンテンツ制作を「特別なプロジェクト」から「日常業務の副産物」に降ろしていく設計は、専属AI活用顧問サービスのテーマのひとつです。
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