CodexでGPT-6 Astraを使う手順
CodexのコマンドラインからGPT-6 Astraを使おうとして、400エラーで弾かれた。モデル一覧に出てこない。「ChatGPTアカウント認証では使えない」という記事を読んで、APIキーの契約を検討し始めた——新しいモデルが出た直後は、この順番でつまずく人が最も多くなります。
結論から書きます。2026年9月5日時点で、Codex CLIからGPT-6 Astraを使う手順は「CLIを最新版に更新する」だけです。ChatGPTアカウント認証のままで動きます。APIキー認証への切り替えは要りません。私たちは同じ1台のMacで、認証方式を変えずにこれを確認しました。
この記事はCodex CLIでの手順に絞っています。GPT-6 Astra がどういうモデルで、料金や使えるプランがどうなっているのかは、別の記事にまとめてあります。
株式会社Fyveは中小企業のAI活用に月額で伴走する立場から、新しいモデルが出るたびに手元の環境で検証しています。この記事では、実際に動かして確認できたことだけを、コマンドと逐語のエラーメッセージつきで書きます。公式発表の要約ではありません。
結論|手順は実質1行で終わる
手元の環境で実際に通した手順は、次のとおりです。
npm install -g @openai/codex@latest(CLIを更新する)codex --version(番号が変わったことを確認する)codex exec -m gpt-6-astra "依頼内容"(実行する)
手元では1つ目のコマンドで0.137.0から0.153.4に上がり、それだけでAstraが応答するようになりました。エラーの文面が「アカウントが対象外」から「CLIが古い」に変わっていたことが、更新で解決すると判断した根拠です。詳しくは後半で書きます。

検証条件を先に明記しておく
この記事で「動いた」と書いている条件は次のとおりです。条件が違えば結果も変わるため、自分の環境と照らして読んでください。
- OS:macOS 25.5.0
- ツール:
codex-cli 0.153.4(npmで配布されているもの) - 認証方式:ChatGPTアカウント認証(APIキー認証ではない)
- 検証日:2026年9月5日
Codexには大きく分けて2つのサインイン方法があります。ChatGPTアカウント認証は、普段使っているChatGPTのログイン情報でそのままCodexにサインインする方式です。もう一方のAPIキー認証は、OpenAI Platform側で発行するAPIキーを使う方式で、利用量に応じた従量課金になります。今回動かしたのは前者です。手軽なほうの経路で動いた、という点がこの記事の要点になります。

手順1|Codex CLIを最新版に更新する
まずバージョンを確認してください。古いCLIでは、Astraを指定した実行が弾かれるだけでなく、モデル一覧の取得そのものが失敗します。手元の0.137.0で出た逐語のエラーは次のとおりです。
ERROR codex_models_manager::manager: failed to refresh available models: failed to decode models response: unknown variant `max`, expected one of `none`, `minimal`, `low`, `medium`, `high`, `xhigh`
読み解くと、サーバー側が返す思考レベル(effort)の選択肢に、古いCLIが知らない値が増えており、応答そのものを解釈できずに落ちています。「Astraが一覧に出てこない」という症状の正体は、多くの場合これです。Astra個別の問題ではなく、一覧の取得が止まっているので何も出てこない、という状態です。
更新はnpmの1行です。
npm install -g @openai/codex@latest
更新後にcodex --versionで番号が変わったことを必ず見てください。番号が変わっていなければ反映されていません。なお、ChatGPTアプリに同梱されているCodexはnpm版とは別物です。手元のアプリ同梱版は0.153.0-alpha.5で、npm版の0.153.4とは番号が異なりました。どちらを使っているかで見え方が変わるので、複数入っている場合はwhich codexで実体を確認しておくと混乱せずに済みます。
手順2|モデルを指定して実行する
更新後は、モデル名を指定するだけで動きます。
codex exec -m gpt-6-astra "依頼内容"
モデルIDはgpt-6-astraです。手元ではこれで正常に応答が返りました。9月4日に同じコマンドが400エラーで弾かれていたことを考えると、変わったのはCLIのバージョンだけです。
1つだけ、非対話で自動実行するときの注意があります。codex execは標準入力を読みます。スクリプトやバッチから呼ぶと、依頼文を引数で渡していても入力待ちのまま止まることがあります。手元では実際にこれで処理が固まりました。回避策は、標準入力を明示的に閉じることです。
codex exec -m gpt-6-astra "依頼内容" < /dev/null
対話で使う分には起きません。定期実行や計測スクリプトに組み込むときだけ効いてくる話です。
手順3|思考レベル(effort)を選ぶ
Astraは思考の深さを段階で指定できます。指定はオプションで渡します。
codex exec -m gpt-6-astra -c model_reasoning_effort=high "依頼内容"
ここで重要な点が1つあります。Codexが返すモデル定義を見ると、Astraのeffortは6段階ありました。公式ドキュメントで新設として案内されているmaxの、さらに上にultraが存在します。定義に書かれていた説明文(逐語)は次のとおりです。
effort | 説明(逐語) |
|---|---|
| Fast responses with lighter reasoning |
| Balances speed and reasoning depth for everyday tasks |
| Greater reasoning depth for complex problems |
| Extra high reasoning depth for complex problems |
| Maximum reasoning depth for the hardest problems |
| Maximum reasoning with automatic task delegation |
lowからmaxまでは「どれだけ深く考えるか」の一本の軸です。ところがultraだけ説明の質が違います。automatic task delegation——自動でタスクを分担すると書かれています。もっと考えるのではなく、仕事を分けて進める、という別の軸です。
これを裏づける記述もモデル定義に入っていました。Astraにはmulti_agent_versionという項目があり、さらに分担先が動くときの思考レベルを指定する項目が付いています。手元で確認できた範囲では、この分担先の指定を持っていたのはAstraだけでした。
ultraは手元で実行し、正常に応答が返ることを確認しています。ただし何をどう分担しているのか、その中身までは今回確認できていません。効果と費用の実測はこれからです。
なお、Codex上でAstraを指定したときの既定のeffortはlowでした。何も指定しなければ最も浅い設定で動きます。「Astraにしたのに賢くない」と感じる場合は、effortを指定していないだけ、という可能性があります。effortをどう使い分けるかは別記事にまとめました。
「アカウント認証では使えない」の正体|9月4日と9月5日で何が変わったか
いま情報が最も割れているのがこの部分です。私たちは同じ1台のMacで、認証方式を一切変えずに2日続けて実行し、返ってくるエラーが別物に変わる瞬間を記録しました。
日付 | CLI | 結果(逐語) |
|---|---|---|
2026年9月4日 | 0.137.0 |
|
2026年9月5日 | 0.137.0 |
|
2026年9月5日 | 0.153.4 | 正常に応答 |

9月4日は「ChatGPTアカウントを使う場合は対象外」と名指しされていました。9月5日には、同じ環境・同じ認証方式のまま、メッセージが「CLIが古い」に変わっています。認証方式による制限が外れ、バージョンの条件だけが残ったという読み方になります。
つまり、9月4日前後に書かれた「ChatGPTアカウント認証では使えない」という情報は、その時点では正しく、いまは当てはまりません。私たち自身が9月4日にそう書いていました。この記事の前の版も同じ内容でした。訂正して残しているのは、新しいモデルが出た直後は提供条件が数日単位で動くという事実そのものが、読者にとって使える情報だからです。日付のない「使えない」情報は、まずいつの話かを疑ってください。
切り分けの手順を一覧で確認したい方は、こちらにまとめています。
Codexで使うときの注意|コンテキストは105万トークンではない
もう1つ、Codexから使う人が取り違えやすい点があります。APIの仕様で案内されている105万トークンという数字は、Codexでそのまま使えるわけではありません。
手元のCodexが保持しているAstraのモデル定義には、次の値が入っていました。
項目 | 値 |
|---|---|
コンテキスト | 272,000 |
最大コンテキスト | 872,000 |
105万という数字を前提に「大きなリポジトリをまるごと投げられる」と考えて設計すると、Codex経由では想定と食い違います。どちらの経路の話をしているのかを、必ず区別してください。コンテキストの実際の使い勝手については別記事で扱っています。
よくある質問
ChatGPTアカウント認証のままでGPT-6 Astraは使えますか
2026年9月5日時点、手元の環境(macOS・codex-cli 0.153.4)では使えました。APIキー認証に切り替える必要はありませんでした。ただしこれは私たちの環境での結果です。プランやロールアウトの進み方によって差が出る可能性はあります。
CLIを更新しても動かない場合はどうすればいいですか
まずcodex --versionで番号が実際に変わったかを確認してください。複数のCodexが入っていると、更新したものと実行しているものが別、という取り違えが起こります。which codexで実体を確認するのが確実です。それでも動かない場合は、Enterpriseプランなら管理者による有効化が必要な点と、順次ロールアウト中である点を確認してください。
APIキー認証に切り替えたほうがいいですか
Astraを使う目的だけなら、2026年9月5日時点では必要ありませんでした。APIキー認証はChatGPTアカウント認証と違って利用量に応じた従量課金になり、OpenAI Platform側での契約・請求設定も別途必要になります。まずCLIの更新を試すほうが手間も費用も小さくて済みます。
モデル名は何と指定すればいいですか
gpt-6-astraです。-m gpt-6-astraのように渡します。Codex上での表示名はGPT-6-Astraでした。
effortを指定しないとどうなりますか
手元で確認した範囲では、Astraの既定はlowでした。最も浅い設定で動きます。深く考えさせたい作業では、-c model_reasoning_effort=highのように明示的に指定してください。
まとめ|CodexでAstraを動かすまでの確認事項
npm install -g @openai/codex@latestでCLIを更新する(手元では0.137.0→0.153.4)codex --versionで番号が変わったことを確認する。which codexで実体も見ておくcodex exec -m gpt-6-astra "依頼内容"で実行する- ChatGPTアカウント認証のままでよい。APIキーへの切り替えは2026年9月5日時点では不要だった
- effortは6段階。既定は
lowなので、深く考えさせたいときは明示的に指定する ultraは「深く考える」ではなく「自動でタスクを分担する」設定。中身の検証はこれから- コンテキストはCodex上では272,000(最大872,000)。APIの105万と混同しない
- スクリプトから呼ぶときは
< /dev/nullで標準入力を閉じる。閉じないと入力待ちで止まる
私たちは、こうした新しいモデルの検証と、業務にどう組み込むかの判断を月額で伴走しています。検証の手順を社内に残しておけば、次のモデルが出たときに同じところで止まらずに済みます。
Astra と Fable 5.1、ベンチマークでは分からない「使い分け」。

同じ5課題を両方に投げた10本の実測(全53ページ)
GPT-6 Astra と Claude Fable 5.1 は入出力の単価が完全に同額です。だから費用の差は、そのまま使ったトークン量の差になります。同じ5つの仕事を両方に投げたら、5課題すべてでAstraが安く合計30%差。一方で時間は31%遅い。正解率も要件充足も同点だったので、選ぶ基準は品質ではありませんでした。
- LP・CSV集計・スライド10枚・3D商品ページ・請求書の5課題を、時間と費用まで全件掲載
- 成果物そのものを左右で並置(ページ全体・区画ごと・スマホ幅・回した3D)
- 3D課題だけ順位が逆転した理由——Astraは袋の曲面を数式で起こしていた
- 待てるか/くり返すか/そのまま出すか——3つの質問で決める早見表つき
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