Claude Codeで動画のカット・テロップ編集を効率化
「不要なところをカットして、テロップを入れるだけ」——そんな単純作業に、動画1本あたり何時間も取られていませんか。撮影そのものより編集のほうが時間がかかる、というのは動画を出している人に共通の悩みです。
結論から言うと、無音やいい間違いのカット、テロップ用の文字起こしといった「定型作業」は、Claude Codeに指示するだけでかなり自動化できます。一方で、テロップのデザインや演出といった「センスが要る部分」は、今も人の手が必要です。
株式会社Fyveは中小企業のAI業務効率化を支援しています。私自身、動画編集の前工程をClaude Codeに任せて作業時間を削った経験があるので、この記事では「どの作業が自動化でき、どこは人がやるべきか」を、専門知識がなくても分かるように整理します。
そもそもClaude Codeで動画のカット・テロップ編集ができる仕組み
まず誤解されやすい点から。Claude Code自体は、動画を切ったりテロップを焼き付けたりする「編集ソフト」ではありません。実際の作業は、Claude Codeが裏側で無料の動画処理ツールを呼び出して行います。
Claude Codeはターミナル(パソコンに文字で指示を出す画面)で動くAIで、公式機能として、自然言語の指示からパソコン上のコマンドを実行できる仕組み(Bashツール)を持っています。この仕組みを使い、私たちは「動画を編集して」と日本語で頼むだけで、AIが必要な処理を組み立てて実行してくれます。
動画編集自体はAnthropic公式の機能ではなく、あくまで「Claude Codeが外部ツールを代わりに操作する」形で実現する点は、最初に押さえておくべき事実です(出典: Anthropic公式 Bashツール ドキュメント)。
その「外部ツール」の中心が FFmpeg(エフエフエムペグ) です。動画のカット・結合・字幕の焼き込みなどを行える、業界標準の無料ソフトで、本来は専門知識がないと使いこなせません。Claude Codeはこの難しいツールへの命令文を代わりに書いてくれる「通訳」のような役割を果たします。

不要部分のカットをClaude Codeに任せる
無音・つなぎ言葉の自動カット(ジェットカット)とは
動画編集でいちばん地味に時間を食うのが、話していない「間(ま)」や、「えー」「あの」といったつなぎ言葉の削除です。これらを詰めてテンポよく見せる編集を ジェットカット と呼びます。
このジェットカットは、1人で喋る解説動画や、毎回同じ形式の対談動画ほど効果が大きい作業です。Xでも、1人喋りや定例対談のテンポ編集でClaude Codeが特に役立つという声が上がっています。
Claude Codeへの頼み方
コードを自分で書く必要はありません。やることは「お願いの仕方」を覚えるだけです。たとえば次のように頼みます。
- 「このフォルダの動画から、0.5秒以上の無音部分を自動で見つけてカットし、つなぎ直した動画を書き出して」
- 「カットしたら、どこを削ったか一覧で見せて。間違って消したくない部分があるか確認したい」
補足として、精度を上げるコツがあります。Claude Codeは安全志向で、無音の判定をゆるくしたり、画質を落として書き出したりしがちです。そこで「無音の基準は◯秒以上」「画質は落とさずに書き出して」と具体的に伝えると、仕上がりが安定します。エラーが出たら、その文章を全部コピーして貼り付け、「直して」と返すだけで修正してくれます。
慣れてきたら、もう一段の効率化があります。一度うまくいったら、Claude Codeに「今の手順をスクリプト(自動実行できる小さなプログラム)にまとめて」と頼んでおくのです。すると次回からは同じ処理を一括で流せるようになり、動画が増えても作業時間は増えません。「要件を全部伝える→出てきたものを確認→気になる箇所を直させる→最後にスクリプト化」という流れが、量産時の基本サイクルになります。
実際、Xでは「4分の素材を渡して寝たら、朝には無音カット・テロップ・ズーム処理まで終わった90秒の動画ができていた」という驚きの報告もあります(出典: X上の実践報告。個人の体験談として参考に)。仕組みとしては、無音区間を検出し、その部分を削って残りを結合する、という定型処理を自動で組み立てています(手法の解説例: Claude Codeによる動画編集自動化の解説記事)。
テロップ入れをClaude Codeに任せる
文字起こしから字幕までの流れ
テロップ入れも、工程を分解すると自動化しやすい作業です。流れはシンプルで、(1)音声を文字に起こす → (2)字幕ファイルを作る → (3)動画に焼き込む、の3段階です。
音声の文字起こしには Whisper(ウィスパー) という、話した内容を文字にするAIがよく使われます。Claude Codeにこう頼みます。
- 「この動画を文字起こしして、字幕ファイルを作って」
- 「その字幕を動画に焼き込んで、テロップ入りの完成版を書き出して」
これで、話した内容に合わせたテロップが自動で乗った動画ができます。手作業で1文字ずつ打ち込んでいた時間が、ほぼゼロになります。
日本語テロップで崩れないための工夫
ただし日本語のテロップは、何も指定しないと変な位置で改行されたり、文字が潰れたりしがちです。ここで効くのが、頼み方の一工夫です。
- 「テロップは文節の切れ目で自然に改行して、2行で均等になるようにして」
- 「日本語フォントがきれいに表示される形式(ass形式)で焼き込んで」
専門的には、字幕を見やすく改行する文節分割の処理や、日本語が崩れにくい字幕形式の指定がありますが、利用者側はその「狙い」を日本語で伝えれば十分です。あとはClaude Codeが適切な命令文に翻訳してくれます。

毎回同じ頼み方をするなら、その手順を Skill(スキル) として保存しておく方法もあります。Skillとは、一連の作業手順をまとめて再利用できるようにする公式の仕組みで、一度作れば次からは「いつもの編集をして」の一言で同じ処理を呼び出せます。動画編集向けには、FFmpegの操作をまとめた既製のSkillも公開されています(例: claude-ffmpeg-skill(GitHub))。
つまずきやすい点と、人がやるべきこと
文字起こしの精度と固有名詞
万能ではありません。いちばん多いつまずきは、文字起こしの誤変換です。社名・商品名・専門用語といった固有名詞は間違って起こされやすく、ここは必ず人の目で確認・修正する前提で考えてください。
また、BGMやノイズと声が混ざっていると精度が落ちます。音楽の上で喋っている動画では、声だけを分離してから文字起こしする手間が必要になる場合があります。シンプルに「専用ツールで字幕を作ってから取り込んだほうが速い」というケースもあるので、すべてをClaude Codeに寄せる必要はありません。
演出・デザインは人の領域
もう一つ大事な線引きです。Claude Codeが得意なのは、カット・文字起こし・字幕生成といった「定型作業」です。逆に、テロップの色やフォント選び、出るタイミングの演出、色味の調整、BGMの選曲といった「センスが要る部分」は苦手です。
つまり、Claude Codeで土台の8割を一気に片付け、最後の仕上げや演出は人がCapCut・Descriptなどの編集ソフトで整える——この役割分担が現実的です。「全自動で完成品が出る」と期待すると肩透かしを食いますが、「面倒な前工程を肩代わりしてくれる相棒」と捉えると、効果は絶大です。
実際どれくらい楽になるのか
気になる費用感ですが、文字起こしなどでAIの利用料がかかるものの、解説事例では15分の動画でAPI費用が100円以下に収まったという報告があります。1本あたり数十円〜100円程度で、手作業なら数時間かかる前工程が削れる計算です。市販の動画編集ソフトの月額料金や、外注に出した場合の編集費と比べれば、この差は無視できません。
非エンジニアの方が最初に身構えるのは「ターミナルでの作業」という見た目だと思います。ですが、実際にやることは日本語で頼んで結果を確認するだけで、専門的なコマンドを覚える必要はありません。最初の1本だけ少し戸惑うかもしれませんが、一度流れを掴めば、あとは指示の言い回しを少しずつ自分の用途に合わせて磨いていくだけです。
特に効果が大きいのは、毎週・毎月、同じ形式の動画を出し続けている人です。一度カットとテロップの手順を固めてしまえば、次からは「素材をフォルダに入れて、いつもの編集をして」と頼むだけ。属人化していた編集作業が、指示一つで回る仕組みに変わります。
動画編集を一連の流れとして自動化した実装の記録は、こちらの記事で具体的にまとめています。
カット・テロップに使えるツール自体を比較したい方は、設計思想の違いをまとめたこちらも参考になります。

まとめ
Claude Codeで動画のカット・テロップ編集を効率化する要点を整理します。
- Claude Code自体は編集ソフトではなく、FFmpegなどの無料ツールを代わりに操作して編集する
- 無音・つなぎ言葉の自動カット(ジェットカット)と、文字起こし→テロップ焼き込みが自動化の主役
- 頼み方は「こうして」と日本語で伝えるだけ。無音の基準・画質・改行の希望を具体的に添えると精度が上がる
- 固有名詞の誤変換は人が確認、テロップの演出やデザインは人が仕上げる、という役割分担が現実的
- 同じ形式の動画を継続的に出す人ほど、手順を固めれば「指示一つ」で前工程が回るようになる
編集の「面倒な8割」を肩代わりさせ、空いた時間を企画や演出という人にしかできない部分に振り向ける。これが、動画づくりにClaude Codeを取り入れるいちばん現実的な使い方です。
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