Claude Codeの/forkとは|会話を裏で分岐する
「長い作業の途中で別の調べ物をしたい。でも、いま積み上げた会話は捨てたくない」——AIコーディングを1人で回していると、誰もが一度はこの詰まりに突き当たります。
結論から言うと、2026年7月17日に配布されたClaude Code v2.1.212の/forkコマンドで、いまの会話をまるごと裏の別セッションに複製し、本線を止めずに分岐できるようになりました。従来「会話の中のサブエージェント」を起動していた/forkは、この更新で役割が変わり、旧来の使い方は/subtaskへ引き継がれています。
株式会社Fyveは、複数のClaude Codeセッションを並行で走らせながら日々の業務を回しています。本記事では、私が現場でどう分岐を使い分けているかを軸に、/forkと/subtaskの違いと使いどころを整理します。
/forkと/subtaskは何が変わったのか(v2.1.212・2026年7月17日)
まず、一次情報から押さえます。Claude Codeの公式チェンジログ(v2.1.212)には、次のように書かれています。
/fork now copies your conversation into a new background session (its own row in claude agents) while you keep working; the in-session subagent it used to launch is now /subtask
日本語にすると「/forkは、いまの会話を新しいバックグラウンドセッション(claude agents一覧に独立した行として並ぶ)へ複製し、あなたはそのまま作業を続けられる。/forkがこれまで起動していた会話内サブエージェントは、今後は/subtaskになる」という内容です。発表日は2026年7月17日、公式ドキュメントとGitHubの公式CHANGELOGの双方で同じ記述を確認しました。
要するに、1つのコマンドが担っていた「2つの意味」が、この更新で明確に分かれた、という話です。
/fork = 会話を裏に「複製」して独立させる
新しい/forkは、いま話しているセッションのコピーを作り、それを裏側の独立したセッションとして走らせます。元のセッション(本線)はそのまま手元に残り、複製した側は別作業に使えます。
ポイントは複製時点までの文脈をまるごと引き継ぐことです。「ここまでの前提を共有したまま、別の方向を試したい」ときに、説明をやり直さずに枝分かれできます。
/subtask = 会話の中で子作業を走らせる
一方の/subtaskは、いまの会話の内側で子作業(サブエージェント)を立ち上げるコマンドです。これは従来の/forkが担っていた役割で、名前だけが移った形になります。
本線の会話に結果を戻すことが前提なので、「メインの流れの一部を、少し切り出して任せる」用途に向いています。
コマンド | 何をする | 文脈の引き継ぎ | 本線の会話 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|---|
/fork | 会話を裏の別セッションに複製 | 複製時点まで丸ごと | 止めずに継続 | 前提を保ったまま別方向を試す・重い作業を逃がす |
/subtask | 会話の中で子作業を起動 | 本線から渡した範囲 | 結果を待って合流 | 本線の一部を切り出して任せる |
実際の使い方(打ち方と、claude agents での見え方)
使い方自体はシンプルです。分岐したい会話の中で /fork を実行すると、その時点までのやりとりを引き継いだ複製が作られ、バックグラウンドセッションとして走り始めます。複製された側は、ターミナルの claude agents(実行中セッションの一覧)に独立した行として現れます。
元のセッションは手元に残ったままなので、あなたはそのまま作業を続けられます。裏で走らせた分岐の様子を見たくなったら、claude agents の一覧から該当のセッションに切り替えて確認します。
会話の中で子作業を任せたいだけなら /subtask を使います。こちらは本線の内側で動き、結果を本線に返します。名前は変わりましたが、旧/forkのつもりで探している挙動はこちらです。
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ここからは実運用の話です。私はふだん、長い文脈を積んだセッションを本線として走らせつつ、調べ物や別案の検証を並行で進めます。このとき一番避けたいのが、「本線を止めること」と「積み上げた前提を失うこと」の2つです。
これまでは、この2つがトレードオフでした。本線の中で調べ物を始めれば流れが止まり、新しいセッションを開けば前提の説明を一からやり直すことになります。会話内サブエージェント(旧/fork)は便利ですが、あくまで本線に結果を戻す前提で、独立した長い作業を裏で走らせ続ける用途とは少しズレていました。
新しい/forkは、この隙間を埋めます。本線を止めず、前提も引き継いだまま、独立したセッションとして分岐できる——「もう一つの自分」に前提を共有した状態で別作業を渡せる感覚に近いです。
具体的な場面で言えば、私はある実装を本線で進めながら、「この設計のまま別のライブラリに置き換えたらどうなるか」を確かめたくなることがあります。以前ならその検証のために本線を止めるか、別セッションで前提を説明し直していました。/forkなら、そこまでの設計判断を引き継いだ分岐を裏に作り、本線の実装を止めずに"もう一つの案"を並走させられます。
調査でも同じです。長い文脈の途中で、公式ドキュメントを何ページも読み込む作業が挟まると、本線の思考が分断されます。読み込みを分岐へ逃がせば、本線は結論の実装に集中できます。

/fork・/subtask・新規セッション・worktree隔離の使い分け
分岐の手段は/forkと/subtaskだけではありません。私は次の4つを、目的で切り替えています。
- /fork:いまの前提を保ったまま、独立した別作業を裏で走らせたいとき。別案の検証や、時間のかかる調査の逃がし先に使います。
- /subtask:本線の流れの一部を切り出して任せ、結果を本線に戻したいとき。
- 新規セッション:前提を意図的にリセットしたいとき。過去のやりとりを引きずりたくない、まったく別のテーマに移るときはこれが一番速いです。
- worktree隔離:複数の作業が同じファイルを同時に書き換えるとき。会話の分岐ではなく、作業ディレクトリごと分けて衝突を防ぐ手段です。
判断の軸はシンプルで、「前提を引き継ぎたいか」と「ファイルを触る並列か」の2つで、ほぼ迷わなくなります。

会話内サブエージェント(/subtask)の基本的な組み立て方は、別記事で詳しく整理しています。
自動で任せる分岐と、手で切り替える分岐の境目については、こちらもあわせて読むと使い分けの解像度が上がります。
分岐を安全に回す「暴走ガード」も同時に入った
分岐が手軽になるほど、裏で走るセッションの数と、そこで消費される処理は増えます。放置して回すなら、ここに歯止めが要ります。
都合のいいことに、同じv2.1.212では、暴走を止める上限設定が2つ追加されました。
- CLAUDE_CODE_MAX_WEB_SEARCHES_PER_SESSION:1セッション内のWeb検索回数の上限(既定200回)。検索ループが暴走するのを止めます。
- CLAUDE_CODE_MAX_SUBAGENTS_PER_SESSION:1セッションで起動するサブエージェント数の上限(既定200)。委任が際限なく増殖するのを止めます。
私のように長時間まわしっぱなしにする使い方だと、この2つは「任せる怖さ」を環境変数1行で下げる保険になります。既定の200でも十分に高い天井ですが、無人で回す用途なら、自分の想定処理量に合わせて明示的に絞っておくと安心です。
放置運用そのものの設計は、バックグラウンドセッションの記事で掘り下げています。
使うときに気をつけたい3点
複製後は「別の会話」になる
/forkはコピーです。複製した瞬間から、本線と分岐は別々に育ちます。分岐側で得た結論は、自動では本線に戻りません。戻したいなら、要点を自分で本線へ持ち込むか、そもそも合流前提の/subtaskを選びます。
裏セッションは増えすぎると管理コストになる
手軽に分岐できるぶん、放っておくと claude agents に走行中のセッションが積み上がります。使い終わった分岐は畳む、という棚卸しをセットにしておくと、「どれが本線か分からない」状態を防げます。
無人で回すなら上限を先に決める
前述のWeb検索・サブエージェントの上限は既定でも効きますが、放置運用では自分の想定量に合わせて明示しておくのが安全です。分岐を増やすほど、裏で走る処理も増えるからです。
まとめ:分岐は「捨てない」ための道具
新しい/forkは、積み上げた会話を捨てずに枝分かれするための道具です。前提を引き継ぎたいなら/fork、本線に結果を戻すなら/subtask、リセットしたいなら新規セッション、ファイルの衝突を避けたいならworktree隔離——この4択で、分岐の迷いはほとんど消えます。
そして同時に入った上限設定を合わせて使えば、分岐を増やしても財布と処理量の歯止めが効きます。私たちは、こうした小さな更新を1人運用の実務にどう落とし込むかを日々検証しています。Claude Codeを業務でどう使い倒すかの相談は、Claude Code for Businessのサービス一覧からお問い合わせください。
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